メロディーライン

めりぃさん

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◆君のための歌◆

◇告白2◇

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次の日の朝、いつも通りの電車に乗ろうと、駅のホームに立っていると「星野!」と後ろから声がした。

振り返ると笑顔の梶原くんがいた。
朝から元気だな…

「あ…おはよう…」
わたしはそう言って微笑む。
「おはよ!昨日はごめんな…いきなりあんな事言って困らせてさ…」
「ううん…嬉しかったよ…。」

本当の自分を見てもらえてたのはすごく嬉しい。
見てる限りで、梶原くんはいい人そう。
明るいし、面白いし、優しい。
瑠奈の話によると、かなりモテてるらしい。

そんな事を思い返しながらふと遠くを見ると、そこには西条さんと先生がいた。

「……っ」

朝から一緒にいるなんて…
どんだけベッタリなの…

「星野?」
「……………」

梶原くんもわたしの視線の先に気付いたのか黙り込む。

「西条達付き合ってんのかな?」
「そんな感じ…だよね…」
「でもさ…あの先生笑ってないよな。」

笑ってない?
嘘でしょ?二人とも幸せそうに見えるよ…?
でも、わたしはそんな二人を見るのが凄く辛い…。

「星野?大丈夫かよ…」
「…あ…ごめん朝から具合悪くて…」
「え?!家に帰って休んだ方がいいんじゃないか?」
「少し具合悪いだけだから大丈夫だよ。」

よく考えたらこれから先ずっとあの二人の幸せそうなとこを見せつけられるんだ…

それから学校に着いても、HRが始まっても…ずっと机に顔を伏せたままでいた。


「茉莉…大丈夫?修学旅行の班どうする?」

わたしがそっと頭を上げると、瑠奈は心配そうな顔をしていた。
修学旅行…

「行きたくない…」
「茉莉が行かないなら瑠奈も行かない…。せっかくの修学旅行なんだから一緒に楽しも?」

何も瑠奈まで休むことないのに…

「星野、俺らと組まない?」
そこに、梶原くんとその友達の金田瑞希くんが来た。

「茉莉は瑠奈のなんだけどー!」
「なんだよそれ!」

瑠奈と梶原くんはそんな会話を繰り広げていた。

「星野さん…」
ふと金田くんが隣に座り、話しかけてきた。
「えと…何?」
「晃さ…入学してばかりの頃から星野さんの事がずっと好きだったみたいでさ…一途でいい奴だから仲良くしてやって欲しいんだよね…。」

そんな昔からわたしの事を…?

「うん…わたしなんかでよければ…。」



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