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◆君のための歌◆
◇幸せになって◇
しおりを挟む「…という訳なのです…」
瑠奈は恥ずかしそうに呟いた。
今まで見たことないほど顔が真っ赤。
「瑠奈ちゃんがまさかそんな惚れやすいとは…」
スキャンダルメーカーも驚きの早さだったようだ。
まあ確かに梶原くんは優しいしカッコイイし分からなくもないよ?
でも…キスまでしたって…
「早すぎだよ!!!」
「そんな事言ったって!好きになったんだもん…茉莉だって分かるでしょ?」
そこを突かれると痛い…
わたしも好きになるのは一瞬だったし正直一目惚れだった。
「だって…誰かさんがわたしを惚れさせたんだもん…仕方ないよ…」
横目で先生の事を見つめてみた。
先生も顔が真っ赤。
やっぱり兄妹って似てるなぁ…
「なんで先生まで顔真っ赤になってんのー?もしかして先生も感情移入しちゃった??そういえば先生の彼女ってどんな人よ!」
スキャンダルメーカー素早すぎる。
まあ、バレバレなほどに顔が真っ赤な先生が悪いけど…
「いや…あの…俺の彼女は可愛くて優しいけどたまに可愛げが無くて…何て言えばいいんだろうな…最高の彼女だよ…」
ちょっと待って…
顔真っ赤にしてそんな照れるようなこと言わないでよ…
わたしまで顔真っ赤になっちゃうよ…
「おい、瑠奈!勝手にいなくなんなよ…探しただろ…?」
「あっ、ごめん!茉莉達見つけて話し込んでた!!」
「ったく…世話が焼けるやつだな」
「ちょっと何それ!!!ひどい!」
もう付き合ったらどうよ…
いかにもリア充リア充オーラが辛い…
「星野…」
「は、はい…!」
「振られた直後すぐこんなの駄目だって分かってるけどさ…こいつの事本当に好きになったんだ…だから許してくれ…」
そう言って梶原くんは頭を下げた。
「そんな事言わないで…?わたしは2人のこと友達として大切だと思ってるから応援してるよ。お幸せにね。」
「ありがとな。星野もお幸せにな!!!」
「ちぇ、みんなリア充じゃん…爆発しろ…」
そう言ってスキャンダルメーカーは立ち去った。
怖い。
「てか今更だけどお前…露出しすぎだろ…黒ビキニて…」
「あっ…!カッコイイお兄さんにナンパしてもらう予定だったの忘れてた!!!」
「は?!お前ふざけんな…」
「でももう本当に好きな人できたからいらないけどね…?」
「…っ…!バカか…これ羽織っとけ。…行くぞ。」
リア充茶番を見せつけ2人は嵐のように去っていった。
「先生…わたしたちもいちゃつきたい…」
「青春っていいよな…俺みたいなオッサンには無理だ…」
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