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白き魔女と軍議
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目を覚ます。私は目に入った光景がベース基地の白いテントであると理解してゆっくりと身体を起こした。
入口にはアイリスが椅子を持ち込み、眠っており、私のベッドの周りには幾重にも罠が仕掛けられている。
「……狸寝入りして凌げないかな?」
『そりゃ無理だ諦めろ。滅茶苦茶怒ってたらしいぞ?』
「だって……。ねぇ。」
「起きたら気配でわかるわバカタレ。後で話がある。動けるようになったらそこで居眠りしているアイリスと一緒に司令所に来い。」
「はーい。」
フィードは外に居たらしい。怒っているのがよく分かる声音で指示していた。
魔人は強いとわかっていた。だから彼等を先に逃がした。私だって戦力ではない。純粋な戦力としてはフィードの方がそろそろ上回るだろう。 だが、親しい友人が傷つく姿を見たくなかった。
純粋な私情である。
今日も今日とて帝国陸軍第六中隊副隊長にされ、戦場で泥まみれになりながら負傷者者の救護に奔走するのであろう。
「あ、ユリア起きてる!もう。昔から無茶ばっかりするんだから!ホントに!」
「アイリスも元気そうだね。うんうん。だってフィード達を危険な目に合わせるわけにいかないでしょ。次期皇帝様だよ?」
「だからってユリアだけが戦う理由にはならないよ。」
「私は色々な道具を持ってるから。私だけならどうにかなるの」
「私達じゃ足でまとい……なの?」
アイリスは泣きそうな顔で聞いてきた。フォローしなくては泣いてしまうだろう。
「模擬訓練で私に勝てたら考えとく。」
「じゃあ負けないよ!ユリアだけに戦わせるわけにいかないしそもそも衛生兵のユリアが前線で戦う事そのものがちょっとおかしいから。」
「出来ることをやってるだけ。そもそも次期皇帝が前線に居るのもおかしいしアイリスだって他領の戦場の前線で戦う身分じゃないでしょ」
「ユリア、正論。なんで私達この戦場に居るんだろうね。」
テントの外に誰かが立った。足音と気配から察するに次期皇帝様がわざわざ迎えに来てくれたらしい。
「お前ら、起きたならさっさと来い!」
「はっはい!」
「レディーには身だしなみの時間が必要なんだよ?」
「ほう?驚いたなユリアから『身だしなみ』と言う言葉が聞けるとは。今日は槍でも降るのか?」
「お望みとあらば石の槍を降らせてあげるけどどう?」
「アホな事言ってないで早く司令所に来い。」
「ユリア、早く着替えて。行くよ。」
「やれやれ……。ゼロ、戦闘服が傷んでるからイルス先生の所に持って行って。」
影から魔人形のゼロを呼び出し、お使いに出す。戦闘服は私の血で結構汚れ、所々ほつれているが魔導技師のイルス先生なら直せるはずだ。
「承知致しました。では代わりにこちらを。」
ゼロは予備の戦闘服を渡すと影の中に消えていった。
「相変わらずユリアは……サラッと凄いことを……。自信無くしそう。どうせその服も色々あるんでしょ?特注だもんね」
「今の時代じゃあまり使われていない『刻印魔法』って奴。予め決められた魔法陣を刻印しておいて魔力を注げば完成するようにしておくの。この服には自己治癒と筋力上昇、俊敏性上昇がそれぞれつけてあるわ。あと、ポケットは次元魔法刻印を使って広げてある。」
「ユリア、もはや国宝級なんだけど……それ」
「私の魔力じゃなきゃ反応しないから鹵獲されても大丈夫だよ?」
「……。さ、さぁ。着替えたらさっさと行きましょう?殿下にドヤされちゃう。」
着替え、しっかり術式が展開されることを確認したら司令所に向かう。外に出ると治癒士が駆け回っており、別のテントからは時折うめき声が聞こえる。
「酷いありさまね。」
「ここの治癒士の数は足りているはずよ。ユリアが出るまでもない。彼等にも仕事をさせてあげて。」
「わかってる……わかってるけど。フィフス!」
「へい。」
影の中から新たな魔人形を呼び出す。今度は大柄な男型である。
「重傷者の手当を手伝いなさい。」
「へい。薬の在庫はどこまで手をつけても?」
「中級までは勝手に使っていい。フォースも連れて行きなさい。」
「承知いたしやした。」
「ユリアは優しいね。」
「職務に忠実なだけ。現に重傷者の手当に人が割かれすぎて他の負傷者が手当できていないし。」
「難しい話は私分からないけど。取り敢えず忙しくなりそうだね。」
「アイリスは鍛錬頑張ってね。怪我したら言いなさい。」
「あ……はい。」
「来たか。馬鹿者。調子はもういいのか?」
司令所のテントをくぐるとご機嫌ななめのフィードが円卓の向こうに座っている。他に人はまだ居ないようだ。
「えぇ。大丈夫。」
「どうせお前の事だ。戦ったんだろ?魔人の指揮官クラスと」
「ホント。昔から勘がいいよね」
「戦ったのなら報告しろ。」
「……やれやれ……。真面目な事で。」
「報告は義務だろ?」
「めちゃくちゃ強かったよ蹴られちゃって死ぬかと思った。」
「どうやって倒した?」
「……説明してわかるかな……。」
「教えろ。今後の対策に……」
「それは無理。対策は別に考えて。」
「ぐっ。そ、そうか。」
「真名看破して言霊で拘束して言霊で消滅させた。」
「……確かに出来ることでは無いな。言霊?なんだそれは」
「原初の魔法。言葉そのものに魔力を乗せて行使する魔法だよ。物凄い魔力を食うから足りなくなって吐血した。」
「……それもロストテクノロジーだな。」
「千六百年前もそんなに使える人いなかったから安心していいよ。フィードなら使えるかもしれないけど今の魔力量なら一回までって所かな」
「これでもかなり魔力が多いんだがな俺は。」
「そのくらい難しいの。並の魔法士が使えるもんじゃない。」
「そうか……。何かほかの手立ては無いのか?」
『あるにはあるぜ。』
頭に直接聞こえる不気味な声。その声の主は鞄の中からスルスルと出てきて肩へと上る。まるで懐いた蛇のようだ。
「聞こうか」
『まず、大前提に魔人には核がある。核を破壊しなければ再生する。ここまではいいか?』
「あぁ。基本的に魔人族は魔力機関と呼ばれる核を持っていてそれが破壊されると自身の魔力を制御しきれず死亡する。 」
『指揮官も同じだ。違うのは魔法抵抗の桁ぐらいだな』
「言い方に含みがあるなブラッド」
『魔法抵抗が桁違いなだけで物理は大した事ないんだよ。なら、分かるだろ』
「魔法以外の手段で魔法並の遠距離火力が必要って事か」
『そうだ。』
「……なるほどな。そろそろ人が来る。ブラッドは鞄に戻れ。」
『あいよ。』
「如何致しますか?殿下。」
「科学省に協力を要請して魔法省とも連携が必要だな。」
「そうですね。物体を魔法で撃ち出し、核を貫く必要がありますからね。」
「……ユリアこのやり取りまだ続けるのか?」
「人が来るんでしょ。なら体裁は大事でしょ。」
「ユリアの敬語姿……レアだね」
「アイリス、怒るよ?」
「おぉ。これはこれは。殿下……大きくなられて……。賢者殿に騎士殿も。この戦場に馳せ参じて正解でしたな。」
「おぉ、ボーロロープ卿。軍閥屈指の貴方がここにいるとは。奴らも運が悪いな。」
「はっはっは」
司令所にはその後も次々と軍閥のお歴々が集まってきていた。どれも一軍を任されている将軍たちである。
私とアイリスはフィードの隣に立つとフィードは立ち上がった。
「さて、全員集まったようだし、時間も惜しい。早速軍議を始めようと思う。アイリス、資料を出してくれ。」
「はい。」
アイリスは机の上に周辺地図を展開する。駒が置かれ、魔人族と人族の戦線が書き込まれていく。
「現在、残念ながら我々は劣勢だ。故に今現在の相手の情報を。誰か無いか?」
シンと静まり返った司令所の中で唯一黒髪の青年が手を挙げた。
「では私が。」
「おう。エルメラルダ卿。申してみろ。」
「はっ。ではまず、奴らは現在このクラル山脈沿いに兵を展開しております。奴らの中には空を飛ぶものもいると報告を受けており、このまま空飛ぶ魔人が山脈を越え本国の工業地帯を襲うことが危惧されております。」
「奴らは空も飛ぶのか……。ますます物体を魔法で飛ばす技術が必要だな。」
物体を魔法で飛ばす……はて、私は何かを忘れているような違和感を感じていた。かつて……前世ではそのような兵器が確かあった。しかし、魔法の多様化の波に飲まれ消えていったはずだ。
「地の利は我々にあるはずだ。所轄領の特性を存分に生かし戦いに臨もう。」
軍議が長引きそうだなと思っていた時、ドタバタと走る音が聞こえてきた。
「し、失礼します!」
「何だ?何があった?」
「重傷者が出た為ユリア・グラフニール中尉を呼べとの伝言です!」
「場所は?」
「第七仮設診療所であります!」
運がいい事にここから近い。私は直ぐに魔人形達に念話を飛ばした。
『フィフス、フォース。重傷者の容態は!?』
『お嬢。丁度いいところに。全身に重度の熱傷。あと焔の呪いを受けておりやす。あと数分もつかどうかと言った感じでさぁ』
『貴方たちであと何分もたせられる?』
『俺たちなら五分と言ったところでしょうね』
『三分で行くわ。支度しておいて。』
『承知いたしやした』
「皆様。ご存知の通り急患がおりますので私は中座させていただきます。また後ほど。」
鞄をひっつかみ、急いで第七診療所に向かった。
入口にはアイリスが椅子を持ち込み、眠っており、私のベッドの周りには幾重にも罠が仕掛けられている。
「……狸寝入りして凌げないかな?」
『そりゃ無理だ諦めろ。滅茶苦茶怒ってたらしいぞ?』
「だって……。ねぇ。」
「起きたら気配でわかるわバカタレ。後で話がある。動けるようになったらそこで居眠りしているアイリスと一緒に司令所に来い。」
「はーい。」
フィードは外に居たらしい。怒っているのがよく分かる声音で指示していた。
魔人は強いとわかっていた。だから彼等を先に逃がした。私だって戦力ではない。純粋な戦力としてはフィードの方がそろそろ上回るだろう。 だが、親しい友人が傷つく姿を見たくなかった。
純粋な私情である。
今日も今日とて帝国陸軍第六中隊副隊長にされ、戦場で泥まみれになりながら負傷者者の救護に奔走するのであろう。
「あ、ユリア起きてる!もう。昔から無茶ばっかりするんだから!ホントに!」
「アイリスも元気そうだね。うんうん。だってフィード達を危険な目に合わせるわけにいかないでしょ。次期皇帝様だよ?」
「だからってユリアだけが戦う理由にはならないよ。」
「私は色々な道具を持ってるから。私だけならどうにかなるの」
「私達じゃ足でまとい……なの?」
アイリスは泣きそうな顔で聞いてきた。フォローしなくては泣いてしまうだろう。
「模擬訓練で私に勝てたら考えとく。」
「じゃあ負けないよ!ユリアだけに戦わせるわけにいかないしそもそも衛生兵のユリアが前線で戦う事そのものがちょっとおかしいから。」
「出来ることをやってるだけ。そもそも次期皇帝が前線に居るのもおかしいしアイリスだって他領の戦場の前線で戦う身分じゃないでしょ」
「ユリア、正論。なんで私達この戦場に居るんだろうね。」
テントの外に誰かが立った。足音と気配から察するに次期皇帝様がわざわざ迎えに来てくれたらしい。
「お前ら、起きたならさっさと来い!」
「はっはい!」
「レディーには身だしなみの時間が必要なんだよ?」
「ほう?驚いたなユリアから『身だしなみ』と言う言葉が聞けるとは。今日は槍でも降るのか?」
「お望みとあらば石の槍を降らせてあげるけどどう?」
「アホな事言ってないで早く司令所に来い。」
「ユリア、早く着替えて。行くよ。」
「やれやれ……。ゼロ、戦闘服が傷んでるからイルス先生の所に持って行って。」
影から魔人形のゼロを呼び出し、お使いに出す。戦闘服は私の血で結構汚れ、所々ほつれているが魔導技師のイルス先生なら直せるはずだ。
「承知致しました。では代わりにこちらを。」
ゼロは予備の戦闘服を渡すと影の中に消えていった。
「相変わらずユリアは……サラッと凄いことを……。自信無くしそう。どうせその服も色々あるんでしょ?特注だもんね」
「今の時代じゃあまり使われていない『刻印魔法』って奴。予め決められた魔法陣を刻印しておいて魔力を注げば完成するようにしておくの。この服には自己治癒と筋力上昇、俊敏性上昇がそれぞれつけてあるわ。あと、ポケットは次元魔法刻印を使って広げてある。」
「ユリア、もはや国宝級なんだけど……それ」
「私の魔力じゃなきゃ反応しないから鹵獲されても大丈夫だよ?」
「……。さ、さぁ。着替えたらさっさと行きましょう?殿下にドヤされちゃう。」
着替え、しっかり術式が展開されることを確認したら司令所に向かう。外に出ると治癒士が駆け回っており、別のテントからは時折うめき声が聞こえる。
「酷いありさまね。」
「ここの治癒士の数は足りているはずよ。ユリアが出るまでもない。彼等にも仕事をさせてあげて。」
「わかってる……わかってるけど。フィフス!」
「へい。」
影の中から新たな魔人形を呼び出す。今度は大柄な男型である。
「重傷者の手当を手伝いなさい。」
「へい。薬の在庫はどこまで手をつけても?」
「中級までは勝手に使っていい。フォースも連れて行きなさい。」
「承知いたしやした。」
「ユリアは優しいね。」
「職務に忠実なだけ。現に重傷者の手当に人が割かれすぎて他の負傷者が手当できていないし。」
「難しい話は私分からないけど。取り敢えず忙しくなりそうだね。」
「アイリスは鍛錬頑張ってね。怪我したら言いなさい。」
「あ……はい。」
「来たか。馬鹿者。調子はもういいのか?」
司令所のテントをくぐるとご機嫌ななめのフィードが円卓の向こうに座っている。他に人はまだ居ないようだ。
「えぇ。大丈夫。」
「どうせお前の事だ。戦ったんだろ?魔人の指揮官クラスと」
「ホント。昔から勘がいいよね」
「戦ったのなら報告しろ。」
「……やれやれ……。真面目な事で。」
「報告は義務だろ?」
「めちゃくちゃ強かったよ蹴られちゃって死ぬかと思った。」
「どうやって倒した?」
「……説明してわかるかな……。」
「教えろ。今後の対策に……」
「それは無理。対策は別に考えて。」
「ぐっ。そ、そうか。」
「真名看破して言霊で拘束して言霊で消滅させた。」
「……確かに出来ることでは無いな。言霊?なんだそれは」
「原初の魔法。言葉そのものに魔力を乗せて行使する魔法だよ。物凄い魔力を食うから足りなくなって吐血した。」
「……それもロストテクノロジーだな。」
「千六百年前もそんなに使える人いなかったから安心していいよ。フィードなら使えるかもしれないけど今の魔力量なら一回までって所かな」
「これでもかなり魔力が多いんだがな俺は。」
「そのくらい難しいの。並の魔法士が使えるもんじゃない。」
「そうか……。何かほかの手立ては無いのか?」
『あるにはあるぜ。』
頭に直接聞こえる不気味な声。その声の主は鞄の中からスルスルと出てきて肩へと上る。まるで懐いた蛇のようだ。
「聞こうか」
『まず、大前提に魔人には核がある。核を破壊しなければ再生する。ここまではいいか?』
「あぁ。基本的に魔人族は魔力機関と呼ばれる核を持っていてそれが破壊されると自身の魔力を制御しきれず死亡する。 」
『指揮官も同じだ。違うのは魔法抵抗の桁ぐらいだな』
「言い方に含みがあるなブラッド」
『魔法抵抗が桁違いなだけで物理は大した事ないんだよ。なら、分かるだろ』
「魔法以外の手段で魔法並の遠距離火力が必要って事か」
『そうだ。』
「……なるほどな。そろそろ人が来る。ブラッドは鞄に戻れ。」
『あいよ。』
「如何致しますか?殿下。」
「科学省に協力を要請して魔法省とも連携が必要だな。」
「そうですね。物体を魔法で撃ち出し、核を貫く必要がありますからね。」
「……ユリアこのやり取りまだ続けるのか?」
「人が来るんでしょ。なら体裁は大事でしょ。」
「ユリアの敬語姿……レアだね」
「アイリス、怒るよ?」
「おぉ。これはこれは。殿下……大きくなられて……。賢者殿に騎士殿も。この戦場に馳せ参じて正解でしたな。」
「おぉ、ボーロロープ卿。軍閥屈指の貴方がここにいるとは。奴らも運が悪いな。」
「はっはっは」
司令所にはその後も次々と軍閥のお歴々が集まってきていた。どれも一軍を任されている将軍たちである。
私とアイリスはフィードの隣に立つとフィードは立ち上がった。
「さて、全員集まったようだし、時間も惜しい。早速軍議を始めようと思う。アイリス、資料を出してくれ。」
「はい。」
アイリスは机の上に周辺地図を展開する。駒が置かれ、魔人族と人族の戦線が書き込まれていく。
「現在、残念ながら我々は劣勢だ。故に今現在の相手の情報を。誰か無いか?」
シンと静まり返った司令所の中で唯一黒髪の青年が手を挙げた。
「では私が。」
「おう。エルメラルダ卿。申してみろ。」
「はっ。ではまず、奴らは現在このクラル山脈沿いに兵を展開しております。奴らの中には空を飛ぶものもいると報告を受けており、このまま空飛ぶ魔人が山脈を越え本国の工業地帯を襲うことが危惧されております。」
「奴らは空も飛ぶのか……。ますます物体を魔法で飛ばす技術が必要だな。」
物体を魔法で飛ばす……はて、私は何かを忘れているような違和感を感じていた。かつて……前世ではそのような兵器が確かあった。しかし、魔法の多様化の波に飲まれ消えていったはずだ。
「地の利は我々にあるはずだ。所轄領の特性を存分に生かし戦いに臨もう。」
軍議が長引きそうだなと思っていた時、ドタバタと走る音が聞こえてきた。
「し、失礼します!」
「何だ?何があった?」
「重傷者が出た為ユリア・グラフニール中尉を呼べとの伝言です!」
「場所は?」
「第七仮設診療所であります!」
運がいい事にここから近い。私は直ぐに魔人形達に念話を飛ばした。
『フィフス、フォース。重傷者の容態は!?』
『お嬢。丁度いいところに。全身に重度の熱傷。あと焔の呪いを受けておりやす。あと数分もつかどうかと言った感じでさぁ』
『貴方たちであと何分もたせられる?』
『俺たちなら五分と言ったところでしょうね』
『三分で行くわ。支度しておいて。』
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