[完結]君と私は鏡

シロちゃん

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未来が落ち着きを戻し退院後。二人は、新たなグループ"マリー"を結成した。未来は思い切って、自分の中に綺羅という自分とは違う存在がいる事を公開した。それでも、元々"イドル"のファンだった人は変わらず未来を推し続けた。そして、未来の人格がかわれる事が、逆に他の人の興味を引き、より多くの人が未来・綺羅と真美を応援するようになった。


『今日は、初めての武道館でのライブだ!頑張ろうね。真美ちゃん』
「最近、普段でも綺羅が出ることあるけど、練習サボってばっかじゃん。ちゃんと、やってよ。未来はあんなに頑張ってるのに。」
『だって、せっかくなら他の事もしてみたいんだもん。前はライブの時しか出れなかったんだし。でも、今は、未来が二人で一つだからって、私と向き合って、協力し合う関係になったんだ。だかーら、未来が休憩してる時、私がでれるようになったんさ!』
「それより、未来は大丈夫そう?」
『もちろん。今日のライブとーっても楽しみにしてたよ。ライブの途中でいつも通り未来にバトンタッチするね。』
「分かった、今日も綺羅と未来の舞台横で楽しみにしてるからね。」
『分かってるって!』
綺羅と真美は武道館の会場へ歩いて向かっている。綺羅は小走りで先に行き、振り返って真美を見つめて大声で言い放った。
『ありがとう。真美ちゃんのおかげで綺羅も未来も楽しいよ。』と。
それを言うと、綺羅は真美のところにまた戻り、真美の手をとり、引っ張った。
『ねぇ、早く行こうよ。』
「分かった。分かった。行こっか。」
この日、空は雲ひとつなく、澄み渡っていた。そして、武道館の入り口には、色とりどりのガーベラの花が飾られていた。
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