一生のお願い

ゐづも

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それからの通信学校

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こういうのはさっきの話の流れから話した方がいいと思ってな。通信学校での君の事、俺の環境の変化に着いて話そうか。

あの後、君は俺が話した事やお互い一生のお願いをした事で嬉しくてはしゃいでいたね?俺は最初こそは滑稽だとか、くだらないだとか…そんな事ばかり思っていた。だけど君と過ごして行くうちにそう思うことも無くなった。
体育。全学年で50人いるかいないか位の生徒の数だから体育だけは合同で行う事になってる。だからなのか、やたら俺の傍に来てウロウロしている君を見て毎回、笑わずにはいられないんだ。まるで、エサを見つけた猫みたいな勢いでこっちに来るもんだから。
それ以外の学校行事の時だって、真っ先に俺の方なんかに飛んできては嬉しそうに話す。この時からよく思ったよ。君と友達になれて本当に良かったと。多分、君がいなければここの卒業すらも危うい状態だったよ。

授業中は君はよく寝る俺を叩き起してたね?俺はあんなプリントやらなくても解けるってのに、聞かないとテストでいい点が取れなくなってしまうよ、なんて焦って起こすから余計面白かった。

俺がこの学校に編入したのは単純に鬱になって学校が続けられなさそうだったからだ。まさかあの吹部の練習でメンタルがやられるとは思ってもみなかった事だ。…だけど。やはり希死念慮からの逃走は難しかったようで自傷行為を辞める事は出来なかった、いや、しなかった。この頃だったか……謎の声が聞こえるようになってきた。

これが俺の環境の変化、奴は俺に話しかけてくる。だが、基本は話し相手になってくれる存在で、………たまに正しい事を言うんだ。ああ、この事はまだ君には言っていなかったっけ?実は俺…
……。
解離性障害なんだ。重症なんかでは無いんだ。ただ、少しそういう傾向があるというか…嗚呼、もうこの話はやめにしようか?また話せなくなりそうなんだよ。
そうだな…次は俺からしたら忘れられない大事件のお話。勿論、付き合ってくれるよな?
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