11 / 57
おっぱい刑事(デカ)猟奇事件に挑む
その2
しおりを挟む
その日、愛知県警の本庁ビルの会議室には、何人もの人間が集まっており、室内は彼らの放つ息づかいと熱気に包まれていた。
部屋の中央には大きな長机が置いてあり、その長方形の机の上座には一人の男が立っていて、後ろ手を組みながら室内に睨みをきかせていた。
その男こそ愛知県捜査一課のリーダーであり、名刑事として知られた山形平次その人であった。
室内にいる人間たちは、もちろん彼の部下である捜査一課所属の刑事たちであり、上座に立つ山形刑事の左右を固める様にして、長机の周りに座っていた。
長机の周りに座る刑事たちの中には、若手である本田刑事や、データ管理を得意とする、女性警察官である杏樹ちゃんの姿もあった。
そして、我らが主人公であるおっぱい刑事ー。
乙白恵子もまた、長机の片隅にちょこんと座っており、室内に立ち込める異様な熱気に圧倒されていた。
長机の上座に立つ山形刑事、通称、山さんは長机の周りを固めるように座る部下たちを一べつすると、彼らをこの場所に集めた理由である、市内で頻発する怪事件について説明をし始めた。
「みんなも知っている通り、ここ何ヶ月かの間、市内で侍の姿をした怪人物による、通り魔事件が頻発している。犯人が使う武器は日本刀で、被害者はいずれも若い女性だ」
山形刑事はそう言うと、自分の背後に置かれたホワイトボードを指差した。
そこには通り魔事件の起こった日付と、犠牲者の概要が箇条書きで記されていた。
○月◯日 16歳 女子高校生
◯月◯日 17歳 女子高校生
◯月◯日 16歳 女子高校生
◯月◯日 23歳 OL
◯月◯日 17歳 女子高校生
◯月◯日 15歳 女子高校生
◯月◯日 20歳 ユーチューバー
どうやら犯人は、市内在住の女子学生を中心に、若い女性をターゲットにして、凶行を重ねている様であった。
そのホワイトボードに羅列して書かれた、被害者たちの情報を見て、長椅子の周りに座る刑事の一人が、手を挙げながら言った。
「それで、被害者たちの様子はどうなんです?もしかして、その中に死亡者がいるのですか?」
その質問に対して、長机の上座に立つ山形刑事は、かぶりを振って否定した。
「いや、被害者は全員、軽傷だ。背後から日本刀で切り付けられているにも関わらず、衣服と背中の皮膚をわずかに切られただけで、命に別状がある被害者は一人もいない」
本田刑事と並んで長机の周りに座る、捜査一課のマドンナ、河合杏樹ちゃんが驚いて叫ぶ。
「日本刀で後ろからザックリとやられてるのにですか!?信じられない!!」
山形刑事は杏樹ちゃんの、そのもっともな疑問にも冷静な口調で答える。
「本当に背中の皮、一枚しか切ってないんだ。この「キター侍」とか名乗ってるイカれたコスプレ野郎はー。被害者は犯行時に全員意識を失っているが、それは精神的なショックによる所が大きい」
山形刑事がそう言った直後、長机の周りに座る刑事の一人が、首をかしげながら声を上げた。
「被害者たちの間に何か共通点は無いんでしょうか。その・・・若い女性であるという以外に」
山形刑事は、その言葉を聞いて大きくうなずく。
「いい質問だ。実は被害者のうち、最初の3人は、同じ女子高校に通っていて、しかも3人とも同学年で、同じクラスだという事が分かっている」
山形刑事の話す内容に衝撃を受けたのか、会議室に集まった刑事たちの間から、ざわめきの声が上がる。
山形刑事は、長机の周りに座るそんな部下たちの様子を、上座から冷徹な視線で眺めていたが、更に言葉を続ける。
「つまりは「キター侍」と名乗る犯人は、この学校と何らかの関わりを持っている可能性が強いという事だ。おい、本田!それにおっぱい!」
「はい!」
「はい!」
山形刑事に指名された二人が、長机の側に置かれたパイプ椅子から、それぞれ立ち上がる。
椅子から立ち上がり、長机の側で直立不動の姿勢を取る、二人の若手刑事。
彼らの姿に、部屋の中にいる他の刑事たちは、一斉に注目する。
そんな二人に対して山形刑事は、はっきりとした声で指示を与える。
「お前たちは、俺と一緒にその女子校に行って、捜査にあたる。他の者たちは、市内各所に散って、聞き込み捜査だ。いいか、気合い入れていくぞ」
長机の周りに座る刑事たちの間から、同意の声が次々と上がる。
そして、山形刑事の呼びかけに応えて、椅子から腰を上げた、長机の側に立つ二人の若手刑事。
本田刑事と乙白刑事の二人は、互いに視線を合わせると、それぞれの顔に緊張の表情を浮かべる。
長机の上座に立つ山形刑事は、そんな彼らの姿を目を細めて見ており、その気遣わしげな眼差しには、厳しさと優しさが複雑に入り混じっていた。
こうして、「おっぱい刑事」こと、乙白恵子にとって最初の大事件である、「キター侍連続女性襲撃事件」の捜査が開始されたのであった。
[続く]
部屋の中央には大きな長机が置いてあり、その長方形の机の上座には一人の男が立っていて、後ろ手を組みながら室内に睨みをきかせていた。
その男こそ愛知県捜査一課のリーダーであり、名刑事として知られた山形平次その人であった。
室内にいる人間たちは、もちろん彼の部下である捜査一課所属の刑事たちであり、上座に立つ山形刑事の左右を固める様にして、長机の周りに座っていた。
長机の周りに座る刑事たちの中には、若手である本田刑事や、データ管理を得意とする、女性警察官である杏樹ちゃんの姿もあった。
そして、我らが主人公であるおっぱい刑事ー。
乙白恵子もまた、長机の片隅にちょこんと座っており、室内に立ち込める異様な熱気に圧倒されていた。
長机の上座に立つ山形刑事、通称、山さんは長机の周りを固めるように座る部下たちを一べつすると、彼らをこの場所に集めた理由である、市内で頻発する怪事件について説明をし始めた。
「みんなも知っている通り、ここ何ヶ月かの間、市内で侍の姿をした怪人物による、通り魔事件が頻発している。犯人が使う武器は日本刀で、被害者はいずれも若い女性だ」
山形刑事はそう言うと、自分の背後に置かれたホワイトボードを指差した。
そこには通り魔事件の起こった日付と、犠牲者の概要が箇条書きで記されていた。
○月◯日 16歳 女子高校生
◯月◯日 17歳 女子高校生
◯月◯日 16歳 女子高校生
◯月◯日 23歳 OL
◯月◯日 17歳 女子高校生
◯月◯日 15歳 女子高校生
◯月◯日 20歳 ユーチューバー
どうやら犯人は、市内在住の女子学生を中心に、若い女性をターゲットにして、凶行を重ねている様であった。
そのホワイトボードに羅列して書かれた、被害者たちの情報を見て、長椅子の周りに座る刑事の一人が、手を挙げながら言った。
「それで、被害者たちの様子はどうなんです?もしかして、その中に死亡者がいるのですか?」
その質問に対して、長机の上座に立つ山形刑事は、かぶりを振って否定した。
「いや、被害者は全員、軽傷だ。背後から日本刀で切り付けられているにも関わらず、衣服と背中の皮膚をわずかに切られただけで、命に別状がある被害者は一人もいない」
本田刑事と並んで長机の周りに座る、捜査一課のマドンナ、河合杏樹ちゃんが驚いて叫ぶ。
「日本刀で後ろからザックリとやられてるのにですか!?信じられない!!」
山形刑事は杏樹ちゃんの、そのもっともな疑問にも冷静な口調で答える。
「本当に背中の皮、一枚しか切ってないんだ。この「キター侍」とか名乗ってるイカれたコスプレ野郎はー。被害者は犯行時に全員意識を失っているが、それは精神的なショックによる所が大きい」
山形刑事がそう言った直後、長机の周りに座る刑事の一人が、首をかしげながら声を上げた。
「被害者たちの間に何か共通点は無いんでしょうか。その・・・若い女性であるという以外に」
山形刑事は、その言葉を聞いて大きくうなずく。
「いい質問だ。実は被害者のうち、最初の3人は、同じ女子高校に通っていて、しかも3人とも同学年で、同じクラスだという事が分かっている」
山形刑事の話す内容に衝撃を受けたのか、会議室に集まった刑事たちの間から、ざわめきの声が上がる。
山形刑事は、長机の周りに座るそんな部下たちの様子を、上座から冷徹な視線で眺めていたが、更に言葉を続ける。
「つまりは「キター侍」と名乗る犯人は、この学校と何らかの関わりを持っている可能性が強いという事だ。おい、本田!それにおっぱい!」
「はい!」
「はい!」
山形刑事に指名された二人が、長机の側に置かれたパイプ椅子から、それぞれ立ち上がる。
椅子から立ち上がり、長机の側で直立不動の姿勢を取る、二人の若手刑事。
彼らの姿に、部屋の中にいる他の刑事たちは、一斉に注目する。
そんな二人に対して山形刑事は、はっきりとした声で指示を与える。
「お前たちは、俺と一緒にその女子校に行って、捜査にあたる。他の者たちは、市内各所に散って、聞き込み捜査だ。いいか、気合い入れていくぞ」
長机の周りに座る刑事たちの間から、同意の声が次々と上がる。
そして、山形刑事の呼びかけに応えて、椅子から腰を上げた、長机の側に立つ二人の若手刑事。
本田刑事と乙白刑事の二人は、互いに視線を合わせると、それぞれの顔に緊張の表情を浮かべる。
長机の上座に立つ山形刑事は、そんな彼らの姿を目を細めて見ており、その気遣わしげな眼差しには、厳しさと優しさが複雑に入り混じっていた。
こうして、「おっぱい刑事」こと、乙白恵子にとって最初の大事件である、「キター侍連続女性襲撃事件」の捜査が開始されたのであった。
[続く]
1
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる