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おっぱい刑事(デカ)猟奇事件に挑む
その16
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「一体、何処へ・・・」
「くそっ、逃げられたか」
自分たちの前に突然現れ、今また突然その姿を消したキター侍の挙動に驚いた二人の刑事は、彼らの他には誰もいない壁に囲まれた街路の上に立ちながら、互いの顔を思わず見合わせる。
乙白刑事は首をかしげながら、隣にいる本田刑事に問いかける。
「本田さん、キター侍は一体どこに逃げたんでしょう?ここは一本道だし、煙が立ち込めていたあの短い間に、わたしたちが目の届かない地点まで逃げるなんて、とても無理です。もしかしたら、塀を乗り越えて逃げたのかしら」
そう言うと、乙白刑事は、自分と本田刑事が立つ狭い街路の両脇に設けられている、高い塀の方へ目をやった。
彼女は、キター侍が煙玉で身を隠した一瞬に、その高い塀を乗り越えて、逃げ去ったのではないかと思ったのだった。
だが、彼女の隣にいる本田刑事が、その考えを否定する。
「いや、乙白さん。それは、無いよ。こんな高い塀を、煙が立ち込めている間の、あの一瞬で、越えられる訳がない。まぁ、空でも飛べるなら話は別だけど」
乙白刑事も、成人男性が二人で肩車をしても届きそうにない、その高い塀を見やる。
そして、嘆息した。
「そうですね・・・」
そう、ポツリとつぶやいた、乙白刑事の隣に立つ本田刑事は、口惜しげに顔を歪めると、どこか捨て鉢な口調で言った。
「くそっ!まったく、あいつは何者なんだ!?まさか、本当に忍者じゃないよな」
「・・・」
乙白刑事は、本田刑事のその言葉には答えず、周囲に広がる闇を見つめながら、緊張した表情で、ただ立ち尽くしていた。
その後、二人の刑事たちは、キター侍と対峙した、その場所から離れると、山形刑事が、喜多川先生と共にいるであろう、最初に捕物劇を演じた元の場所へと引き返した。
すると、そこには、山形刑事と、すでに拘束を解かれた喜多川先生が並んで立っており、更にその隣には意外な人物の姿もあった。
それは、例の女子校で人気のある、イケメン男性教師、白金鉄人(しろがねてつと)先生であった。
白銀先生は、二人の刑事たちが戻って来たのを、その目で確認すると、食いつき気味に彼らに話し掛ける。
「キター侍はっ!?捕まえられなかったんですか!!」
その言葉を聞いた、二人の刑事たちの内、乙白刑事は、訝しげな表情で彼に聞き返す。
「すいません。残念ながら、取り逃しました。でも、どうして、あなたは此処に?」
乙白刑事の質問に、よどみなく答える白銀先生。
「実は、僕も喜多川先生と同じで、生徒たちが心配でしてね。やっぱり、仕事が終わってから、学校の周辺を見回ってたんですよ。それで今日も、この辺りを巡回していたら、喜多川先生を拘束している刑事さんを見つけたと言う訳です。
「そうですか・・・」
白銀先生の返事に、乙白刑事がうなずく。
しかし、彼女の顔には、どこか不審げな表情が浮かんでいた。
その時、彼女たちのすぐ隣で、喜多川先生と共に立っている山形刑事が、横から口を挟んできた。
「結局、キター侍には、逃げられたみたいだな。まぁ、仕方あるまい。向こうの方が、一枚上手だったって事だ」
その上司の言葉に、揃ってうなだれる二人の刑事。
「はい、すいませんでした」
すると、その時、山形刑事の隣に立っている喜多川先生が、不満げな口調で横槍を入れる。
「まったく、見当違いの相手を捕まえておきながら、本当の犯人を取り逃すとはー。それでも、刑事ですか。もっと、しっかりして下さい」
喜多川先生の怒りの言葉を受けて、ペコペコと謝る山形刑事。
「いや、面目ない。本当に、すいませんでした。喜多川先生」
しかし、謝罪を受けたにも関わらず、長い間、自分を拘束していた相手に対する怒りが収まらないのか、ブツブツと文句を言う喜多川教諭。
「まったく、最近の警察ときたらー。だらしがないにも程がある」
そんな同僚教師の姿を、みかねたのだろうかー。
彼らの側に立っている白銀先生が、二人を和解させようとする。
「まぁまぁ、喜多川先生。刑事さんたちにも、悪気があった訳じゃないんですから」
「しかしねぇー」
尚も、不満げな喜多川先生。
山形刑事は、そんな喜多川先生に対して、謝罪を繰り返す。
「いや、本当にすいませんでした。完全に思い違いでした。心から謝罪します」
一方、彼の部下である二人の刑事ー。
乙白刑事と本田刑事の両刑事は、そうやって謝罪を続ける上司の姿を、少し距離を置いた場所から複雑な思いで眺めていた。
三人の刑事と二人の教師が立つ街路の路上には、すでに深い闇が立ち込めており、それはまるで混迷する今事件の姿を、暗に表しているかの様であった。
そんな状況の中、本田刑事が、隣に立っている乙白刑事の方を、ふと見ると、彼女は何やら考え込んでいる様子であった。
「どうしたの、乙白さん。何か気になる事があるの?」
本田刑事の言葉に、うなずく乙白刑事。
「はい、少し気になる事があってー。キター侍はわたしに、何であんな事を言ったんでしょう?自分を正当化してて、まるで、こちらが説教されているみたいでした」
本田刑事は、乙白刑事の隣で自分もうなずくと、彼女に向かってポツリと呟いた。
「まったく、理屈っぽい奴だったよな。あいつ、結構、学があるんじゃないか。学者とか大学教授みたいな喋り方だった。もしかして、そういう職業に就いてるのかもな」
すると、それを聞いた乙白刑事は何故か、隣にいる本田刑事に向けていた視線を、少し横にずらした。
彼女の目線の先には、自分たちの上司である山形刑事に、相変わらず文句を言い続けている喜多川先生。
そして、両者を仲裁しようと、二人のすぐ側で心配げに立つ、イケメン教師、白銀先生の姿があった。
「そうですね。例えば、学校の先生とか」
[続く]
「くそっ、逃げられたか」
自分たちの前に突然現れ、今また突然その姿を消したキター侍の挙動に驚いた二人の刑事は、彼らの他には誰もいない壁に囲まれた街路の上に立ちながら、互いの顔を思わず見合わせる。
乙白刑事は首をかしげながら、隣にいる本田刑事に問いかける。
「本田さん、キター侍は一体どこに逃げたんでしょう?ここは一本道だし、煙が立ち込めていたあの短い間に、わたしたちが目の届かない地点まで逃げるなんて、とても無理です。もしかしたら、塀を乗り越えて逃げたのかしら」
そう言うと、乙白刑事は、自分と本田刑事が立つ狭い街路の両脇に設けられている、高い塀の方へ目をやった。
彼女は、キター侍が煙玉で身を隠した一瞬に、その高い塀を乗り越えて、逃げ去ったのではないかと思ったのだった。
だが、彼女の隣にいる本田刑事が、その考えを否定する。
「いや、乙白さん。それは、無いよ。こんな高い塀を、煙が立ち込めている間の、あの一瞬で、越えられる訳がない。まぁ、空でも飛べるなら話は別だけど」
乙白刑事も、成人男性が二人で肩車をしても届きそうにない、その高い塀を見やる。
そして、嘆息した。
「そうですね・・・」
そう、ポツリとつぶやいた、乙白刑事の隣に立つ本田刑事は、口惜しげに顔を歪めると、どこか捨て鉢な口調で言った。
「くそっ!まったく、あいつは何者なんだ!?まさか、本当に忍者じゃないよな」
「・・・」
乙白刑事は、本田刑事のその言葉には答えず、周囲に広がる闇を見つめながら、緊張した表情で、ただ立ち尽くしていた。
その後、二人の刑事たちは、キター侍と対峙した、その場所から離れると、山形刑事が、喜多川先生と共にいるであろう、最初に捕物劇を演じた元の場所へと引き返した。
すると、そこには、山形刑事と、すでに拘束を解かれた喜多川先生が並んで立っており、更にその隣には意外な人物の姿もあった。
それは、例の女子校で人気のある、イケメン男性教師、白金鉄人(しろがねてつと)先生であった。
白銀先生は、二人の刑事たちが戻って来たのを、その目で確認すると、食いつき気味に彼らに話し掛ける。
「キター侍はっ!?捕まえられなかったんですか!!」
その言葉を聞いた、二人の刑事たちの内、乙白刑事は、訝しげな表情で彼に聞き返す。
「すいません。残念ながら、取り逃しました。でも、どうして、あなたは此処に?」
乙白刑事の質問に、よどみなく答える白銀先生。
「実は、僕も喜多川先生と同じで、生徒たちが心配でしてね。やっぱり、仕事が終わってから、学校の周辺を見回ってたんですよ。それで今日も、この辺りを巡回していたら、喜多川先生を拘束している刑事さんを見つけたと言う訳です。
「そうですか・・・」
白銀先生の返事に、乙白刑事がうなずく。
しかし、彼女の顔には、どこか不審げな表情が浮かんでいた。
その時、彼女たちのすぐ隣で、喜多川先生と共に立っている山形刑事が、横から口を挟んできた。
「結局、キター侍には、逃げられたみたいだな。まぁ、仕方あるまい。向こうの方が、一枚上手だったって事だ」
その上司の言葉に、揃ってうなだれる二人の刑事。
「はい、すいませんでした」
すると、その時、山形刑事の隣に立っている喜多川先生が、不満げな口調で横槍を入れる。
「まったく、見当違いの相手を捕まえておきながら、本当の犯人を取り逃すとはー。それでも、刑事ですか。もっと、しっかりして下さい」
喜多川先生の怒りの言葉を受けて、ペコペコと謝る山形刑事。
「いや、面目ない。本当に、すいませんでした。喜多川先生」
しかし、謝罪を受けたにも関わらず、長い間、自分を拘束していた相手に対する怒りが収まらないのか、ブツブツと文句を言う喜多川教諭。
「まったく、最近の警察ときたらー。だらしがないにも程がある」
そんな同僚教師の姿を、みかねたのだろうかー。
彼らの側に立っている白銀先生が、二人を和解させようとする。
「まぁまぁ、喜多川先生。刑事さんたちにも、悪気があった訳じゃないんですから」
「しかしねぇー」
尚も、不満げな喜多川先生。
山形刑事は、そんな喜多川先生に対して、謝罪を繰り返す。
「いや、本当にすいませんでした。完全に思い違いでした。心から謝罪します」
一方、彼の部下である二人の刑事ー。
乙白刑事と本田刑事の両刑事は、そうやって謝罪を続ける上司の姿を、少し距離を置いた場所から複雑な思いで眺めていた。
三人の刑事と二人の教師が立つ街路の路上には、すでに深い闇が立ち込めており、それはまるで混迷する今事件の姿を、暗に表しているかの様であった。
そんな状況の中、本田刑事が、隣に立っている乙白刑事の方を、ふと見ると、彼女は何やら考え込んでいる様子であった。
「どうしたの、乙白さん。何か気になる事があるの?」
本田刑事の言葉に、うなずく乙白刑事。
「はい、少し気になる事があってー。キター侍はわたしに、何であんな事を言ったんでしょう?自分を正当化してて、まるで、こちらが説教されているみたいでした」
本田刑事は、乙白刑事の隣で自分もうなずくと、彼女に向かってポツリと呟いた。
「まったく、理屈っぽい奴だったよな。あいつ、結構、学があるんじゃないか。学者とか大学教授みたいな喋り方だった。もしかして、そういう職業に就いてるのかもな」
すると、それを聞いた乙白刑事は何故か、隣にいる本田刑事に向けていた視線を、少し横にずらした。
彼女の目線の先には、自分たちの上司である山形刑事に、相変わらず文句を言い続けている喜多川先生。
そして、両者を仲裁しようと、二人のすぐ側で心配げに立つ、イケメン教師、白銀先生の姿があった。
「そうですね。例えば、学校の先生とか」
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