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【ティナと魔法】
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翌日、朝の鍛錬を終え、母に外出する事を伝えてるとお弁当を二人分渡してくれたので
「かー様、ありがとうございます。すごくうれしいです。それでは行ってきます。」
自分は母にお礼いい、家をでる。川沿いを歩き、人がいない所で転移し、ティナがいる家に迎えに戻る。そして、アルファードになる。
「ただい…」
「アルファードー!」
ティナがばたばたと俺の所に走ってくると、飛びついてきた。そして、顔をすりすりしてる。
「ど、どうしたんだ、何があった!?」
「ちゃんと来てくれた。嬉しい」
「言っただろ。ちゃんと迎えに来るよって。」
俺はティナの頭を撫でながらそう答える。
リビングのソファーに向かって歩いていく。ティナはくっ付いたままだ。
「さて、ティナ。今日は、森に狩りに行こう。実践を積みながら魔力のコントロールを練習するよ。でも、その前に装備を整えないとな。ティナ、俺の前に立って腕を広げて、足を肩幅に開いて立って。」
俺は、ワイバーンの皮と布を材料にティナの身体に合わせて防具とローブを創作する。
「うん。いいね!ぴったりだ。良く似合ってるよ。」
「わー。これ凄い!これ使っていいの?」
「うん。勿論だよ。しばらくは、このサイズで大丈夫だと思うけど、小さく感じたらいつでも言って。ちょっと、防御魔法を付与するから一旦、その防具とローブを貸して。」
ティナは防具とローブを脱ぐと俺に手渡す。それに魔法防御と物理防御を付与する。
「はい。これでよし。」
ティナにローブを手渡すとそそくさと着こむ。そして、木材と魔石を組み合わせて小さめの杖も作る。
「はい。後これね。これは魔力を少し魔力が増幅出来るよ。」
「うん。ありがと。足手まといにならない様に頑張る」
ティナは俺に向かってガッツポーズする。
「じゃあ、行こうか。」
俺は、ゲートを開く。
「ここを抜けるとすぐに森の中腹になるから気を付けてね。」
「うん。分かった」
ティナは少し緊張しているようだ。俺は、ティナの手を取り、ゲートを抜ける。すると、森の中腹に到着する。俺はマップを開き、魔獣の位置を確認する。近くに数体魔物がいるが、こちらに向かってきていない。俺は、ティナに魔力のコントロールについて説明する。
「まずは、魔力の流れを感じてみて。自分の身体の中にある魔力が身体を巡っているのが分かる?」
ティナは目をつぶり、集中している。
「うん。落ち着いてその流れを乱さない様に。魔力の流れが一定になるようにして。」
ティナは頷く。
「上手く出来ない時は深呼吸するといいよ。呼吸を一定に心を落ち着けて。」
スキャンをすると、ティナの魔力の流れが感じられる。
「いいね。その調子だ。ティナ、目を開けられる?」
そう言うとティナは目を開けて俺を見る。
「いいね。そのまま魔力を一定に循環させておこう。そのままついて来て。」
俺は魔物のいる方へ歩き出す。ティナもそのままついて来る。お。いた。
ビックボアがいる。
「ティナ。その右目に炎を映し出せるか?」
「やってみる。」
ティナの右目を見ていると赤さが増しているように見える。
「ビックボアをターゲットに右目に一気に魔力を流してごらん」
ティナの右目が少し光ったように感じた。きっと魔力が流れたんだろう。すると、ビックボアが発火する。
「ぶぎぃーー」
ビックボアがこっちに気付いた。ものすごい勢いで突進してくる。俺は、
《アイススプラッシュ》
ビックボアに氷の尖った塊が数発当たり、絶命する。それを空間収納にしまう。
「うん。いいね!今のがティナが興奮状態になった時の現象のメカニズムだと思う。興奮状態だからきっと沢山の魔力が一気に流れたんだろうね。だから、これを制御できれば炎の魔法は無詠唱で使えるようになる。」
「うん。分かった。頑張る。」
「じゃあ、今日はずっと今のを繰り返そう。危なければ俺が手助けするから出来るだけ一人で戦ってみよう。杖を使うと魔力が増すよ。」
俺は、次の魔獣に向かって進む。ティナもついてくる。
何体が魔物を倒すと集団の反応がある。ワイルドウルフの群れだろう。ちょっとティナには荷が重いかもしれない。
「ティナ。ワイルドウルフの群れがこちらに近づいてくる。ティナは必ず守るから思う存分炎を食らわせてやれ!」
《フィジックプロテクション》
ティナに物理防御の魔法をかける。
「わかった。頑張る。」
ティナはガッツポーズをする。少しすると木の陰からワイルドウルフの姿がチラッと見える。
「ティナ。あそこにいるぞ!」
俺は、ワイルドウルフのいる方を指さす。ティナはその姿を確認すると即座に炎で焼く。火に包まれたワイルドウルフは炎を消そうとしながらこっちに向かってくる。
《マジックミサイル》
魔力の弾がワイルドウルフに直撃し、頭部が吹き飛ぶ。
今度は横から、数匹のワイルドウルフが現れる。それをマジックミサイルで討伐する。ティナもワイルドウルフを見つけるたびに火だるまにしている。しかし、流石に一撃じゃ倒せない。ティナに襲い掛かるワイルドウルフを優先的に撃退する。無詠唱の魔力の弾が襲い掛かるワイルドウルフを撃退する。そして、最後の一匹になったところで俺は、攻撃やめティナに指示を出す。
「その一匹は、頑張ってティナ一人で討伐してごらん。」
「分かった。頑張る!」
ティナは、襲ってくるワイルドウルフ目掛け炎を放つ。一瞬、ひるむが炎を消しながら襲ってくる。ティナはそれを器用に躱す。躱してはいるがやはり何回かは攻撃を受けている。それでも、ティナは果敢に挑む。物理防御と防御を付与したローブを着ているためか怪我はしていないようだ。そしてついにワイルドウルフを討伐する。
「はぁはぁ。た、倒せた?」
ティナは疲労困憊みたいだ。そりゃそうだろうね。いくら魔力が高いって言ってもティナのLVは高くない。物理防御が無ければやられてたと思う。でも、それでもティナは勝ったたのだ。
「うん。よくやったね。凄く頑張った。少し休もう。」
ティナはその場に座り込む。俺は討伐したワイルドウルフを空間収納に回収する。そして、空間収納からテントとテーブルのセットを取り出し、テーブルの上に食事と飲み物を用意する。
「ティナ。少し回復したら昼食にしよう。こっちおいで。」
ティナは、すぐに駆け寄り、飲み物をゴクゴク飲んだ。
「そんなに慌てて飲まなくても。そんなに喉が渇いてたんだね。ちゃんと言ってくれないと。」
そう言えば、午前中の狩りの間、水筒を全然飲んで無かったな。
「ごめん。荷物持ちをしてた時に飲み物飲んだら怒られた。それに、初めての狩りでアルファードの足を引っ張りたくなかった。」
「そっか。でも、ティナ、それは逆だよ。体調を万全にして戦いに挑まないと大怪我してしまうし、脱水症を起こして倒れてしまう事もあるんだ。荷物持ちだって倒れちゃったらもっと足を引っ張っちゃうだろ。」
「分かった。これからちゃんと飲む」
「分かってくれればいいよ。さあ、ご飯を食べよう!」
ティナと仲良くお弁当を食べた。そして、30分ほど休憩して狩りに戻る。その後、2~3時間狩りをして家に戻った。成果としては、ワイルドボア3匹、一角ウサギ12匹、ワイルドウルフ42匹、ビックホロー3匹ってところかな。俺はLVが1つ、ティナは2上がった。やっぱり、LVの上がり方に差があるな…
ステータスは下記の通り。
人間族 LV37
HP 2368/2368
MP 11220/13320
筋力 555
魔力 3145
防御力 2775
魔防 2960
俊敏 518
器用 481
知力 666
幸運 518
【ユニークスキル】
Q&A 空間収納 鑑定 医療の心得 模倣 偽装 真偽 魔術 剣術 精霊魔術 召喚 全記憶 模倣 空間操作・認識 重力操作 多重詠唱Ⅲ 照準
【スキル】
毒耐性(低) 光属性(極) 闇属性(高) 炎属性(極) 水属性(極) 地属性(極)
風属性(高) 無属性(極) 剣(低) 魔力欠乏耐性(極) 無詠唱 魔力調整
魔力向上(極) MP向上(極) 物理耐性(極) 魔法耐性(極) 翻訳 速読
マップ 索敵 演算加速 分離・結合 解体(中) 異常状態耐性(高) 錬金術(中)
創作(高)
【魔法】
《生活魔法》
《医療関連魔法》
《炎魔法》(10階層)
《地魔法》(11階層)
《氷魔法》(10階層)
《水魔法》(10階層)
《風魔法》(9階層)
《光魔法》(11階層)
《闇魔法》(9階層)
《無属性》(10階層)
《錬金魔法》(4階層)
《創作魔法》(6階層)
ティナ
魔族ハーフ LV5
HP 40/40
MP 160/160
筋力 40
魔力 150
防御力 40
魔防 145
俊敏 40
器用 40
知力 45
幸運 40
【ユニークスキル】
魔術 炎操作(低)
【スキル】
炎属性(中) 闇属性(無) 無属性(無) 魔力向上(低)
【魔法】
《炎魔法》(2階層)
俺はゲートを開き、ティナと共に家に戻った。庭に行き、今日狩った魔獣を解体のスキルで提出部位、皮、肉、魔石に解体し、空間収納に収める。残った部分は、ファイヤーで焼き尽くす。そして、その灰を穴に埋める。
さて、今日もいい汗をかいたな。俺は、浴室に向かい、偽装の魔法を解く。そして、服を脱ぎ、シャワーを浴び始める。そして、湯船で一息つくと、ガラガラと扉が開く。扉の向こうには裸になったティナがいる。
「私も汗を流したい。だから、タカミと一緒にお風呂に入る。」
そして、ティナが浴室に入ってくる。
「こらこら、女の子が男と一緒にお風呂に入っちゃだめだよ。」
「なんで?ティナはタカミと一緒に入りたい。アルファードの時みたいに奇麗に洗ってほしい。」
「あー、あの時はお風呂が無かったし、シャンプーや石鹸もなかったから仕方がなく…」
「ティナと一緒じゃ嫌なの?」
まぁ、まだ子供だし、ティナがよければいっか。俺も子供だけど。
「ティナが嫌じゃなければいいけど。じゃあ、一緒に洗うか。」
「うん。うれしい。」
俺は、ティナの身体をシャワーで軽く流し、頭を洗う。その後、身体も洗って挙げ、ティナを浴槽に入れて、自分も洗った。その後、一緒に浴槽に入る。
「タカミはすごい。あんなに沢山の魔物を一人でやっつけた。」
「一人じゃないよ。ティナが一緒だったよ。」
「違う。ティナは役に立ってない。ティナの事守ってくれた。」
「まぁ、あまり強い魔物じゃないからね。それに、ティナの事守るって約束したし。」
「今まで、色んな冒険者の運びしたけど、あんなに簡単に魔物倒せない。ティナ知ってる。」
「そっか。じゃあ、ティナももっと魔力を制御できるように頑張れば、すごい魔導士になれから、頑張って鍛錬しような。」
「うん。ティナ、もっと頑張る。だから、色々教えてください。」
ティナは俺に頭を下げる。俺は、ティナを抱きしめて、頭を撫でながら
「うん。大丈夫。俺が教えられることは教えてあげるよ。だから、立派な魔導士になれるように頑張ろうな」
「うん。よろしくお願いします。」
「こちらこそ。」
俺は、いつも父と一緒に風呂に入ったり、家族と一緒に食事をしたり、一家団欒をしている。それが普通だと思っていた。そんな“普通の幸せ”をティナは知らないのだろうな。そんなことを思いながらティナを見ている。ティナは楽しそうに鼻歌を歌っている。俺が出来るか分からないけど、俺がティナに幸せを感じさせてあげられたらいいな。俺は、そんな事を考えながらティナとの入浴を楽しんだ。
さて、汗も流せたので俺達は、冒険者ギルドに行く。当然、アルファードに偽装してだ。ティナは、カラコンを付け、出掛ける準備は万全だ。
「さて、じゃあ行こうか。」
俺達は、冒険者ギルドに向けて歩き出した。途中に市場があるが、夕食の食材の買い物だろうか、この時間は人が多い。ティナとはぐれない様に手を繋いで市場を通る。ティナはあまり感情を外に出さないが結構楽しそうだ。
「ティナ、なんか欲しいものがあったら言ってね。」
「ううん。見てるだけで楽しい。今まで、こんな風に思った事ない。アルファードのおかげ。」
「俺は、大したことしてないさ。ティナが前向きになった証拠だよ。」
「じゃあ、それは、アルファードのおかげ。沢山感謝してる。」
まぁ、ティナが前向き成れたならそれはとても嬉しい。
「そっか。じゃあ、どういたしまして。」
俺は、ティナに微笑む。
「うん。」
ティナは俺に微笑み返す。なんか、すごく気分がいい。そうこうしているうちに冒険者ギルドに到着する。まずは、ティナを連れて酒場の方へ行く。
「ティナ、食べたいものを注文して。」
「うん。分かった。」
そう言って。メニューを覗き込む。そして、指を指す。
「これ。」
「了解。飲物はどうする?」
「お水」
「はい。じゃあ、頼んでくるよ。すみませーん。」
メイド服の可愛らしい獣人ウェイトレスを呼ぶ。
「はーい。お決まりですか?」
「これとお水。そして、果実水をお願いします。」
「はい。ご注文を繰り返します。お子様お肉プレートとお水、それに果実水ですね。ありがとうございまーす。少々お待ちください。」
ウェイトレスは、持ち場に戻った。
「ティナ、ちょっと、冒険者ギルドの受付に行ってくる。食べ物が来たら食べていいからね。」
「アルファードが戻ってくるの待ってる。」
「ありがとう、でもちょっと遅くなるから、先に食べてて。温かい食事の方が美味しいからね」
俺は、受付のエイティーの所に行く。
「エイティーさん、こんばんわー。ワイルドウルフ、一角ウサギの討伐完了しました。」
「あ、アルファードさん。何頭討伐したのですか?」
「一角ウサギが12の匹のワイドウルフが42匹ですねー。」
「え!ワイルドウルフってあのワイルドウルフですか?それに一角ウサギもそんなに沢山…」
「そうですよー。大きい群れに遭遇したので、数は多いですね。」
「それってシルバーランクの冒険者がパーティーを組んでやっと挑めるほどの魔獣ですよ。それを一人で、そんなに沢山相手するなんて…」
「まぁ、運がよかったんですかね。あははは」
「あはは、じゃありませんよ。下手したら死んじゃいますよ!」
怒られた。本当に楽勝なんだけど…
「兎に角、ワイルドウルフと一角ウサギの提出部位をお願いします。」
俺は空間収納から“ワイルドウルフの前足2本一組”と“一角ウサギの角”を提出する。エイティーは、それを数えている。
「確かに、ワイルドウルフ42頭分と一角ウサギ12匹分ありました。部位の買取の希望はありますか?」
「それでは、ワイルドウルフの皮と肉、一角ウサギの皮と肉の買取をお願いします。」
俺は空間収納よりワイルドウルフの皮と肉、一角ウサギの皮と肉を取り出し、エイティーに渡す。
「魔石はいいのですか?」
「魔石は、魔道具を作る時に使うからとっておこうと思って。」
「え。アルファードさんは魔道具も作れるのですか?」
「はい、作れますよ。あ、そうだ。これ上げます。」
俺は創作の練習で作った木の置物をエイティーにあげる。
「うわー。すごい!これ、私ですか?」
「うん。創作の練習に色々作ってるんだ。いつもお世話になってるので差し上げます。」
「ありがとうございます。大切にしますね。うふふふ」
なんか、すごく喜んで貰えてるみたいだ。ギャルゲーだと好感度がアップって感じかな。
「それでは、討伐報酬と買取の計算をしてきます。少しお待ちください。」
そう言って、物をもって奥に行く。しばらくして、
「討伐報酬がワイルドウルフが銀貨1枚×42、一角ウサギが小銀貨1枚×12で、お肉がワイルドウルフ630kg×銅貨1枚、一角ウサギのお肉が360kg×銅貨2枚、皮がワイルドウルフ42頭分×小銀貨2枚と一角ウサギ12匹分×2枚ですね。合計、小金貨4枚、大銀貨6枚、小銀貨5枚です。」
エイティーはお金を差し出す。俺は、それを受け取る。
「また、よろしくお願いしますね。」
「はい、わかりました。こちらこそよろしくお願いします。」
俺は挨拶をして。ティナもとに戻る。ティナの料理はもうとっくに来て食べていた。
「おかえりなさい。」
「ごめんな。遅くなっちゃったね。」
「ううん。大丈夫。先に食べてたから。」
俺達は今日あった出来事の話をしながら食事をした。俺は、家に食事があるから果実水だけだけど。
食事も終わり、俺達は帰路に就く。ティナを家まで送り、俺も少し離れたところで自宅の倉庫に転移する。もう、すっかり日も落ちてる。
「ただいまー。遅くなってごめんなさい!」
「タカミ君!こんな遅くまでどこ行ってたの!お父さんとお母さん、心配するでしょ!」
「本当にごめんんさい。これからは早く帰るようにします。」
「どこ行ってたの?」
「魔法を練習するために、森まで行ってた。」
「森って!門の外に出たの!?門の外は魔物で一杯だって言ったでしょ!タカミ君に何かあったらどうするの!」
母はお冠である。父は何も言わない。それはそうだよな。
「かー様、とても心配かけてごめんなさい。でも、僕は立派な賢者になりたいんだ。今、練習している魔法は街の中で使うのは良くないんだ。でも、鍛錬しないとこれ以上魔法が上手にならないから…。かー様は僕にこれ以上、成長するなって言うの?」
俺は、俯きながら母に言い訳する。
「そうは言っていません。ちゃんと出かける時に行き先を言って、そこで何をするのか教えてくれないと心配するでしょ。危ない目にあったら大変だから言っているのです。」
母は諭すように話す。
「お弁当2つ持って行ったけど、2人で行ったの?もし、そのお友達に何かあったらどうするの?」
まさにその通りである。
「その友達は僕が守ります。無茶なことはしません。」
黙っていた父が口を開く。
「タカミ。お前は男の子だ。だから、前にも言ったけど、“力”に憧れるのは分かる。だがな、お前の事を心配している人の気持ちも考えないといかん。お前は父さんとお母さんにとってかけがえのない大切な子供だ。それを分かってくれ。」
「はい。分かりました。ごめんなさい。」
「分かってくれればいい。よし、ご飯にしよう!」
父は、俺の頭をわしゃわしゃして食卓テーブルに向かう。
「あの…、これ…」
俺は、一旦外に出て、空間収納からビックホローの肉を取り出した。それを持って家に入る。
「!?」←母
「!?これ、ビックホローか?」←父
「そうです。」
「タカミが獲ったのか?」
「そうです。」
「どうやって?」
「木にとまってる所を魔法で墜としました。」
…
「あっはっはっは!これは傑作だ!」
急に父が笑い出した。
「ビックホローは、そんなに簡単に取れる獲物じゃない。こりゃ、相当腕を上げてるな。どれくらい腕を上げてるか、今度、父さんに見せてくれ。」
父は驚きと期待で目を輝かせている。相当、ビックリしたらしい。そりゃ、6歳の子供が魔物を狩ってきたんだからしょうがないと思うけど。
「それは構いませんが。どうすればいいですか?」
「よし!次の俺の休みに一緒に森に行こう。そこでタカミの実力を見せてくれ!」
「お父さん!!」
「大丈夫だって。俺もいるし、タカミはウォーレン大魔導士の弟子なんだ。しかも、獲物も獲ってきている。俺達はもしかしたら、過保護なのかもしれないな。よし、兎に角、ご飯にしよう」
森での出来事を適当に話しながら俺達は食事をとった。母は、心配そうに聞いていたが、父はなんだか楽しそうだった。
食事を終え、日課の鍛錬をこなし、床に就く。明日は、ティナに炎魔法を教えよう。
「かー様、ありがとうございます。すごくうれしいです。それでは行ってきます。」
自分は母にお礼いい、家をでる。川沿いを歩き、人がいない所で転移し、ティナがいる家に迎えに戻る。そして、アルファードになる。
「ただい…」
「アルファードー!」
ティナがばたばたと俺の所に走ってくると、飛びついてきた。そして、顔をすりすりしてる。
「ど、どうしたんだ、何があった!?」
「ちゃんと来てくれた。嬉しい」
「言っただろ。ちゃんと迎えに来るよって。」
俺はティナの頭を撫でながらそう答える。
リビングのソファーに向かって歩いていく。ティナはくっ付いたままだ。
「さて、ティナ。今日は、森に狩りに行こう。実践を積みながら魔力のコントロールを練習するよ。でも、その前に装備を整えないとな。ティナ、俺の前に立って腕を広げて、足を肩幅に開いて立って。」
俺は、ワイバーンの皮と布を材料にティナの身体に合わせて防具とローブを創作する。
「うん。いいね!ぴったりだ。良く似合ってるよ。」
「わー。これ凄い!これ使っていいの?」
「うん。勿論だよ。しばらくは、このサイズで大丈夫だと思うけど、小さく感じたらいつでも言って。ちょっと、防御魔法を付与するから一旦、その防具とローブを貸して。」
ティナは防具とローブを脱ぐと俺に手渡す。それに魔法防御と物理防御を付与する。
「はい。これでよし。」
ティナにローブを手渡すとそそくさと着こむ。そして、木材と魔石を組み合わせて小さめの杖も作る。
「はい。後これね。これは魔力を少し魔力が増幅出来るよ。」
「うん。ありがと。足手まといにならない様に頑張る」
ティナは俺に向かってガッツポーズする。
「じゃあ、行こうか。」
俺は、ゲートを開く。
「ここを抜けるとすぐに森の中腹になるから気を付けてね。」
「うん。分かった」
ティナは少し緊張しているようだ。俺は、ティナの手を取り、ゲートを抜ける。すると、森の中腹に到着する。俺はマップを開き、魔獣の位置を確認する。近くに数体魔物がいるが、こちらに向かってきていない。俺は、ティナに魔力のコントロールについて説明する。
「まずは、魔力の流れを感じてみて。自分の身体の中にある魔力が身体を巡っているのが分かる?」
ティナは目をつぶり、集中している。
「うん。落ち着いてその流れを乱さない様に。魔力の流れが一定になるようにして。」
ティナは頷く。
「上手く出来ない時は深呼吸するといいよ。呼吸を一定に心を落ち着けて。」
スキャンをすると、ティナの魔力の流れが感じられる。
「いいね。その調子だ。ティナ、目を開けられる?」
そう言うとティナは目を開けて俺を見る。
「いいね。そのまま魔力を一定に循環させておこう。そのままついて来て。」
俺は魔物のいる方へ歩き出す。ティナもそのままついて来る。お。いた。
ビックボアがいる。
「ティナ。その右目に炎を映し出せるか?」
「やってみる。」
ティナの右目を見ていると赤さが増しているように見える。
「ビックボアをターゲットに右目に一気に魔力を流してごらん」
ティナの右目が少し光ったように感じた。きっと魔力が流れたんだろう。すると、ビックボアが発火する。
「ぶぎぃーー」
ビックボアがこっちに気付いた。ものすごい勢いで突進してくる。俺は、
《アイススプラッシュ》
ビックボアに氷の尖った塊が数発当たり、絶命する。それを空間収納にしまう。
「うん。いいね!今のがティナが興奮状態になった時の現象のメカニズムだと思う。興奮状態だからきっと沢山の魔力が一気に流れたんだろうね。だから、これを制御できれば炎の魔法は無詠唱で使えるようになる。」
「うん。分かった。頑張る。」
「じゃあ、今日はずっと今のを繰り返そう。危なければ俺が手助けするから出来るだけ一人で戦ってみよう。杖を使うと魔力が増すよ。」
俺は、次の魔獣に向かって進む。ティナもついてくる。
何体が魔物を倒すと集団の反応がある。ワイルドウルフの群れだろう。ちょっとティナには荷が重いかもしれない。
「ティナ。ワイルドウルフの群れがこちらに近づいてくる。ティナは必ず守るから思う存分炎を食らわせてやれ!」
《フィジックプロテクション》
ティナに物理防御の魔法をかける。
「わかった。頑張る。」
ティナはガッツポーズをする。少しすると木の陰からワイルドウルフの姿がチラッと見える。
「ティナ。あそこにいるぞ!」
俺は、ワイルドウルフのいる方を指さす。ティナはその姿を確認すると即座に炎で焼く。火に包まれたワイルドウルフは炎を消そうとしながらこっちに向かってくる。
《マジックミサイル》
魔力の弾がワイルドウルフに直撃し、頭部が吹き飛ぶ。
今度は横から、数匹のワイルドウルフが現れる。それをマジックミサイルで討伐する。ティナもワイルドウルフを見つけるたびに火だるまにしている。しかし、流石に一撃じゃ倒せない。ティナに襲い掛かるワイルドウルフを優先的に撃退する。無詠唱の魔力の弾が襲い掛かるワイルドウルフを撃退する。そして、最後の一匹になったところで俺は、攻撃やめティナに指示を出す。
「その一匹は、頑張ってティナ一人で討伐してごらん。」
「分かった。頑張る!」
ティナは、襲ってくるワイルドウルフ目掛け炎を放つ。一瞬、ひるむが炎を消しながら襲ってくる。ティナはそれを器用に躱す。躱してはいるがやはり何回かは攻撃を受けている。それでも、ティナは果敢に挑む。物理防御と防御を付与したローブを着ているためか怪我はしていないようだ。そしてついにワイルドウルフを討伐する。
「はぁはぁ。た、倒せた?」
ティナは疲労困憊みたいだ。そりゃそうだろうね。いくら魔力が高いって言ってもティナのLVは高くない。物理防御が無ければやられてたと思う。でも、それでもティナは勝ったたのだ。
「うん。よくやったね。凄く頑張った。少し休もう。」
ティナはその場に座り込む。俺は討伐したワイルドウルフを空間収納に回収する。そして、空間収納からテントとテーブルのセットを取り出し、テーブルの上に食事と飲み物を用意する。
「ティナ。少し回復したら昼食にしよう。こっちおいで。」
ティナは、すぐに駆け寄り、飲み物をゴクゴク飲んだ。
「そんなに慌てて飲まなくても。そんなに喉が渇いてたんだね。ちゃんと言ってくれないと。」
そう言えば、午前中の狩りの間、水筒を全然飲んで無かったな。
「ごめん。荷物持ちをしてた時に飲み物飲んだら怒られた。それに、初めての狩りでアルファードの足を引っ張りたくなかった。」
「そっか。でも、ティナ、それは逆だよ。体調を万全にして戦いに挑まないと大怪我してしまうし、脱水症を起こして倒れてしまう事もあるんだ。荷物持ちだって倒れちゃったらもっと足を引っ張っちゃうだろ。」
「分かった。これからちゃんと飲む」
「分かってくれればいいよ。さあ、ご飯を食べよう!」
ティナと仲良くお弁当を食べた。そして、30分ほど休憩して狩りに戻る。その後、2~3時間狩りをして家に戻った。成果としては、ワイルドボア3匹、一角ウサギ12匹、ワイルドウルフ42匹、ビックホロー3匹ってところかな。俺はLVが1つ、ティナは2上がった。やっぱり、LVの上がり方に差があるな…
ステータスは下記の通り。
人間族 LV37
HP 2368/2368
MP 11220/13320
筋力 555
魔力 3145
防御力 2775
魔防 2960
俊敏 518
器用 481
知力 666
幸運 518
【ユニークスキル】
Q&A 空間収納 鑑定 医療の心得 模倣 偽装 真偽 魔術 剣術 精霊魔術 召喚 全記憶 模倣 空間操作・認識 重力操作 多重詠唱Ⅲ 照準
【スキル】
毒耐性(低) 光属性(極) 闇属性(高) 炎属性(極) 水属性(極) 地属性(極)
風属性(高) 無属性(極) 剣(低) 魔力欠乏耐性(極) 無詠唱 魔力調整
魔力向上(極) MP向上(極) 物理耐性(極) 魔法耐性(極) 翻訳 速読
マップ 索敵 演算加速 分離・結合 解体(中) 異常状態耐性(高) 錬金術(中)
創作(高)
【魔法】
《生活魔法》
《医療関連魔法》
《炎魔法》(10階層)
《地魔法》(11階層)
《氷魔法》(10階層)
《水魔法》(10階層)
《風魔法》(9階層)
《光魔法》(11階層)
《闇魔法》(9階層)
《無属性》(10階層)
《錬金魔法》(4階層)
《創作魔法》(6階層)
ティナ
魔族ハーフ LV5
HP 40/40
MP 160/160
筋力 40
魔力 150
防御力 40
魔防 145
俊敏 40
器用 40
知力 45
幸運 40
【ユニークスキル】
魔術 炎操作(低)
【スキル】
炎属性(中) 闇属性(無) 無属性(無) 魔力向上(低)
【魔法】
《炎魔法》(2階層)
俺はゲートを開き、ティナと共に家に戻った。庭に行き、今日狩った魔獣を解体のスキルで提出部位、皮、肉、魔石に解体し、空間収納に収める。残った部分は、ファイヤーで焼き尽くす。そして、その灰を穴に埋める。
さて、今日もいい汗をかいたな。俺は、浴室に向かい、偽装の魔法を解く。そして、服を脱ぎ、シャワーを浴び始める。そして、湯船で一息つくと、ガラガラと扉が開く。扉の向こうには裸になったティナがいる。
「私も汗を流したい。だから、タカミと一緒にお風呂に入る。」
そして、ティナが浴室に入ってくる。
「こらこら、女の子が男と一緒にお風呂に入っちゃだめだよ。」
「なんで?ティナはタカミと一緒に入りたい。アルファードの時みたいに奇麗に洗ってほしい。」
「あー、あの時はお風呂が無かったし、シャンプーや石鹸もなかったから仕方がなく…」
「ティナと一緒じゃ嫌なの?」
まぁ、まだ子供だし、ティナがよければいっか。俺も子供だけど。
「ティナが嫌じゃなければいいけど。じゃあ、一緒に洗うか。」
「うん。うれしい。」
俺は、ティナの身体をシャワーで軽く流し、頭を洗う。その後、身体も洗って挙げ、ティナを浴槽に入れて、自分も洗った。その後、一緒に浴槽に入る。
「タカミはすごい。あんなに沢山の魔物を一人でやっつけた。」
「一人じゃないよ。ティナが一緒だったよ。」
「違う。ティナは役に立ってない。ティナの事守ってくれた。」
「まぁ、あまり強い魔物じゃないからね。それに、ティナの事守るって約束したし。」
「今まで、色んな冒険者の運びしたけど、あんなに簡単に魔物倒せない。ティナ知ってる。」
「そっか。じゃあ、ティナももっと魔力を制御できるように頑張れば、すごい魔導士になれから、頑張って鍛錬しような。」
「うん。ティナ、もっと頑張る。だから、色々教えてください。」
ティナは俺に頭を下げる。俺は、ティナを抱きしめて、頭を撫でながら
「うん。大丈夫。俺が教えられることは教えてあげるよ。だから、立派な魔導士になれるように頑張ろうな」
「うん。よろしくお願いします。」
「こちらこそ。」
俺は、いつも父と一緒に風呂に入ったり、家族と一緒に食事をしたり、一家団欒をしている。それが普通だと思っていた。そんな“普通の幸せ”をティナは知らないのだろうな。そんなことを思いながらティナを見ている。ティナは楽しそうに鼻歌を歌っている。俺が出来るか分からないけど、俺がティナに幸せを感じさせてあげられたらいいな。俺は、そんな事を考えながらティナとの入浴を楽しんだ。
さて、汗も流せたので俺達は、冒険者ギルドに行く。当然、アルファードに偽装してだ。ティナは、カラコンを付け、出掛ける準備は万全だ。
「さて、じゃあ行こうか。」
俺達は、冒険者ギルドに向けて歩き出した。途中に市場があるが、夕食の食材の買い物だろうか、この時間は人が多い。ティナとはぐれない様に手を繋いで市場を通る。ティナはあまり感情を外に出さないが結構楽しそうだ。
「ティナ、なんか欲しいものがあったら言ってね。」
「ううん。見てるだけで楽しい。今まで、こんな風に思った事ない。アルファードのおかげ。」
「俺は、大したことしてないさ。ティナが前向きになった証拠だよ。」
「じゃあ、それは、アルファードのおかげ。沢山感謝してる。」
まぁ、ティナが前向き成れたならそれはとても嬉しい。
「そっか。じゃあ、どういたしまして。」
俺は、ティナに微笑む。
「うん。」
ティナは俺に微笑み返す。なんか、すごく気分がいい。そうこうしているうちに冒険者ギルドに到着する。まずは、ティナを連れて酒場の方へ行く。
「ティナ、食べたいものを注文して。」
「うん。分かった。」
そう言って。メニューを覗き込む。そして、指を指す。
「これ。」
「了解。飲物はどうする?」
「お水」
「はい。じゃあ、頼んでくるよ。すみませーん。」
メイド服の可愛らしい獣人ウェイトレスを呼ぶ。
「はーい。お決まりですか?」
「これとお水。そして、果実水をお願いします。」
「はい。ご注文を繰り返します。お子様お肉プレートとお水、それに果実水ですね。ありがとうございまーす。少々お待ちください。」
ウェイトレスは、持ち場に戻った。
「ティナ、ちょっと、冒険者ギルドの受付に行ってくる。食べ物が来たら食べていいからね。」
「アルファードが戻ってくるの待ってる。」
「ありがとう、でもちょっと遅くなるから、先に食べてて。温かい食事の方が美味しいからね」
俺は、受付のエイティーの所に行く。
「エイティーさん、こんばんわー。ワイルドウルフ、一角ウサギの討伐完了しました。」
「あ、アルファードさん。何頭討伐したのですか?」
「一角ウサギが12の匹のワイドウルフが42匹ですねー。」
「え!ワイルドウルフってあのワイルドウルフですか?それに一角ウサギもそんなに沢山…」
「そうですよー。大きい群れに遭遇したので、数は多いですね。」
「それってシルバーランクの冒険者がパーティーを組んでやっと挑めるほどの魔獣ですよ。それを一人で、そんなに沢山相手するなんて…」
「まぁ、運がよかったんですかね。あははは」
「あはは、じゃありませんよ。下手したら死んじゃいますよ!」
怒られた。本当に楽勝なんだけど…
「兎に角、ワイルドウルフと一角ウサギの提出部位をお願いします。」
俺は空間収納から“ワイルドウルフの前足2本一組”と“一角ウサギの角”を提出する。エイティーは、それを数えている。
「確かに、ワイルドウルフ42頭分と一角ウサギ12匹分ありました。部位の買取の希望はありますか?」
「それでは、ワイルドウルフの皮と肉、一角ウサギの皮と肉の買取をお願いします。」
俺は空間収納よりワイルドウルフの皮と肉、一角ウサギの皮と肉を取り出し、エイティーに渡す。
「魔石はいいのですか?」
「魔石は、魔道具を作る時に使うからとっておこうと思って。」
「え。アルファードさんは魔道具も作れるのですか?」
「はい、作れますよ。あ、そうだ。これ上げます。」
俺は創作の練習で作った木の置物をエイティーにあげる。
「うわー。すごい!これ、私ですか?」
「うん。創作の練習に色々作ってるんだ。いつもお世話になってるので差し上げます。」
「ありがとうございます。大切にしますね。うふふふ」
なんか、すごく喜んで貰えてるみたいだ。ギャルゲーだと好感度がアップって感じかな。
「それでは、討伐報酬と買取の計算をしてきます。少しお待ちください。」
そう言って、物をもって奥に行く。しばらくして、
「討伐報酬がワイルドウルフが銀貨1枚×42、一角ウサギが小銀貨1枚×12で、お肉がワイルドウルフ630kg×銅貨1枚、一角ウサギのお肉が360kg×銅貨2枚、皮がワイルドウルフ42頭分×小銀貨2枚と一角ウサギ12匹分×2枚ですね。合計、小金貨4枚、大銀貨6枚、小銀貨5枚です。」
エイティーはお金を差し出す。俺は、それを受け取る。
「また、よろしくお願いしますね。」
「はい、わかりました。こちらこそよろしくお願いします。」
俺は挨拶をして。ティナもとに戻る。ティナの料理はもうとっくに来て食べていた。
「おかえりなさい。」
「ごめんな。遅くなっちゃったね。」
「ううん。大丈夫。先に食べてたから。」
俺達は今日あった出来事の話をしながら食事をした。俺は、家に食事があるから果実水だけだけど。
食事も終わり、俺達は帰路に就く。ティナを家まで送り、俺も少し離れたところで自宅の倉庫に転移する。もう、すっかり日も落ちてる。
「ただいまー。遅くなってごめんなさい!」
「タカミ君!こんな遅くまでどこ行ってたの!お父さんとお母さん、心配するでしょ!」
「本当にごめんんさい。これからは早く帰るようにします。」
「どこ行ってたの?」
「魔法を練習するために、森まで行ってた。」
「森って!門の外に出たの!?門の外は魔物で一杯だって言ったでしょ!タカミ君に何かあったらどうするの!」
母はお冠である。父は何も言わない。それはそうだよな。
「かー様、とても心配かけてごめんなさい。でも、僕は立派な賢者になりたいんだ。今、練習している魔法は街の中で使うのは良くないんだ。でも、鍛錬しないとこれ以上魔法が上手にならないから…。かー様は僕にこれ以上、成長するなって言うの?」
俺は、俯きながら母に言い訳する。
「そうは言っていません。ちゃんと出かける時に行き先を言って、そこで何をするのか教えてくれないと心配するでしょ。危ない目にあったら大変だから言っているのです。」
母は諭すように話す。
「お弁当2つ持って行ったけど、2人で行ったの?もし、そのお友達に何かあったらどうするの?」
まさにその通りである。
「その友達は僕が守ります。無茶なことはしません。」
黙っていた父が口を開く。
「タカミ。お前は男の子だ。だから、前にも言ったけど、“力”に憧れるのは分かる。だがな、お前の事を心配している人の気持ちも考えないといかん。お前は父さんとお母さんにとってかけがえのない大切な子供だ。それを分かってくれ。」
「はい。分かりました。ごめんなさい。」
「分かってくれればいい。よし、ご飯にしよう!」
父は、俺の頭をわしゃわしゃして食卓テーブルに向かう。
「あの…、これ…」
俺は、一旦外に出て、空間収納からビックホローの肉を取り出した。それを持って家に入る。
「!?」←母
「!?これ、ビックホローか?」←父
「そうです。」
「タカミが獲ったのか?」
「そうです。」
「どうやって?」
「木にとまってる所を魔法で墜としました。」
…
「あっはっはっは!これは傑作だ!」
急に父が笑い出した。
「ビックホローは、そんなに簡単に取れる獲物じゃない。こりゃ、相当腕を上げてるな。どれくらい腕を上げてるか、今度、父さんに見せてくれ。」
父は驚きと期待で目を輝かせている。相当、ビックリしたらしい。そりゃ、6歳の子供が魔物を狩ってきたんだからしょうがないと思うけど。
「それは構いませんが。どうすればいいですか?」
「よし!次の俺の休みに一緒に森に行こう。そこでタカミの実力を見せてくれ!」
「お父さん!!」
「大丈夫だって。俺もいるし、タカミはウォーレン大魔導士の弟子なんだ。しかも、獲物も獲ってきている。俺達はもしかしたら、過保護なのかもしれないな。よし、兎に角、ご飯にしよう」
森での出来事を適当に話しながら俺達は食事をとった。母は、心配そうに聞いていたが、父はなんだか楽しそうだった。
食事を終え、日課の鍛錬をこなし、床に就く。明日は、ティナに炎魔法を教えよう。
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