元外科医の俺が異世界で何が出来るだろうか?~現代医療の技術で異世界チート無双~

冒険者ギルド酒場 チューイ

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そのまま庭に行くとティナがまだ練習している。
「ティナ、ただいまー。」
「はぁはぁ。アルファード、お帰りなさ…い」
ティナは横にいるナディアを見てビックリしている。そりゃそうだよな。急に知らない女性?を連れて来たんだもんな。それもすごい美人を。
それでもティナは、
「はじめまして。私はティナ。よろしく。」
挨拶をする。それに対して
「妾は、アルファード第一の従属、九尾の狐ナディアじゃ。良きに計らうといいのじゃ!」
訳の分からない自己紹介をしている。やっぱ、こいつは連れてこない方が良かったんじゃないのか?
「ティナ、聖獣の九尾の狐ナディア。ちょっと、面倒くさいかもだけど、世話をよろしく頼むね。」
そう言うと、ナディアは
「照れんでも良い。妾はお主の従属じゃ。妾を自由にしても良いのじゃぞ」
訳が分からない事を言ってクネクネしている。よし、言ったな!じゃあ、自由にさせてもらおう!
「じゃあ、お願いがあるんだけど、今、ティナに魔力のコントロールの仕方と炎系の魔法を教えてるんだ。そこで、ナディアが俺の代わりにティナの魔力コントロールを教えてあげてもらえないかな?ナディアは炎系の魔法得意だろ?俺がいる時は俺が教えるけど、俺がいない時お願いできないかな?」
「な、わ、妾がか?」
「よろしくお願いします。」
なんか、ティナの方が大人だなぁ。
「まぁ、順番は逆になったっちゃけどちゃんと紹介するね。彼女はナディア。聖獣九尾の狐です。俺との戦いに敗れて従属になりました。丁度番犬が欲しいと思ってたから連れて来た。」
俺は、嫌みたっぷりにナディアをティナに紹介する。
「せ、聖獣!?」
ティナは、目を見開き、ナディアを見る。
「な!た、確かに敗北はしたが…。妾は九尾の狐ナディア。人間ごときが妾に教えを受けられることを光栄と思え。」
こいつ、もしかしてツンデレか?
「この子は、ティナ。赤の魔眼を持つハーフ魔族かな?ちなみに俺はティナの魔法使いです。」
ティナは、“パァー!と明るくなる。
「ってことで、俺はティナの魔法使い。その従属のナディアって関係になるのかな?あははは」
「ぐぬぬぅ…」
「まぁ、俺的に二人が仲良くしてくれるとすごく嬉しい。二人共、これからよろしくお願いします。」
俺は、二人に深々と頭を下げる。
「こちらこそよろしく。」
「う。うむ、よろしく頼む。」
なんだかよく分からない自己紹介の後、ティナに今日の成果を聞く。
「ティナ、練習の成果はどお?」
「うん。ここまでできるようなった」
ティナは、朝より少し大きめのファイヤーボールを的に放つ。
「これ以上、魔力を込めると次の魔法まで時間がかかる。」
「おー!いいじゃん!。自分の魔力量の把握と調整、ちゃんとできてるね。今日は、一旦終わりにしようか。」
俺はティナの頭を撫でる。魔力の制御が出来始めてる。この調子ならもう暴走は無いだろう。
俺は、今日の獲物の解体を始める。本日の獲物は、マッドタランチュラ12匹、トレント20体、ジャイアントファント1体、ワイルドウルフ36体、一角ウサギ4体、ビックホロー4体、ビックボア3体
いつものように解体を始める。今回解体するのはワイルドウルフ、一角ウサギ、ビックホロー、ビックボアだ。ジャイアントファントは空間収納にしまっておく。結構量があるが、サクサクと解体していく。ティナも解体を手伝ってくれる。
“これ、魔法で何とかならないかな?”俺は、解体のスキルと創作のスキル使って術式を構築する。
《ディスメンタル》
ワイルドウルフがばらばらになり、各部位に分かれて解体後の状態になる。内臓も分別されてる。腸を材料に防水の袋を作ろう。
「あ、出来た。」
それを見ていたティナとナディアが目を丸くしてる。
「何をした?」
ナディアが尋ねてくる。
「んー?魔法を作った。これで解体も楽だね!てへぺろ」
「てへぺろじゃない!まったくこのご主人は、規格外じゃのお…」
まぁ、楽に解体できるからいいじゃない。残りの獲物もすべて解体し、空間収納に収める。
「さっきから、出し入れしているのはアイテムボックスか何かかえ?」
「いいや、空間収納だよ。何でも入るし、中の時間は止まってるからそのままの状態がキープ出来る優れものだ!わっはっはっは!」
「もう、妾は驚かんよ。お主は本当に人間かえ?」
「俺も、最近自分でも自信が無いです。あははは」
俺は笑ってごまかす。なんかだ今日冒険者ギルドに報告と素材を持って行くと遅くなりそうな予感がするから冒険者ギルドには明日持って行こう。俺達は、家の中に入り、ナディアを部屋に案内する。ティナの隣の部屋だ。ナディアを部屋に招き入れる。
「ほぉ、中々いい部屋じゃな。ちと狭いが洞窟よりはマシじゃの。」
ちょいちょい、ディスってくる。
「ナディア、ここの部屋を使って。“あまり広くないけど”文句を言わない様に。今、生活に必要な物作るから。」
俺は、材料を出し、ベット、机、椅子を創作する。
「明かりは、“オン”で付き“オフ”と言えば消えるから。ここに魔石が埋め込まれてるので魔石の魔力が無くなってきたら魔力を補充して。後、分からないことはティナに聞いてくれればいいかな。ティナ、色々教えてあげて。」
「分かった。」
「それとティナ、ナディア。俺は、これから“帰る”けど、2人で冒険者ギルドの酒場に行ってご飯食べて来て。ティナはナディアを冒険者ギルドまで案内して、ナディアはティナを守って。」
そう言うと俺は、ティナに大銀貨5枚渡す。
「え!こんなに!?」
「うん、ちょっと多いと思うけど、ナディアがどれくらい飲み食いするか分からないからね。この範囲で食事してくれ。あと、帰りにナディアの生活用品を買ってあげて。で、余ったら次回にまわそうね。」
「分かった。アルファード、また明日くる?」
「うん、来るよ。だからいい子で待っててくれ!」
「うん。分かった。また明日」
「ナディアもティナの事よろしくな。」
「分かっておる。安心せい。」
そう言うと俺は家を出る。そして、少し歩き、マップで実家の倉庫に誰もいないことを確認してから実家の倉庫に転移し、タカミに戻る。
「ただいま。」
「タカミ君おかえりなさい。今日は、遅くならなかったのね。」
「昨日、沢山怒られたから…、後、はい、これ。」
そう言ってビックボアの肉とビックホローの肉を30kg程度渡す。
「あらあら、また獲ってきたの?こんなに沢山困ったわね。」
母は、肉の塊を見て悩んでる。確かに、この世界には“冷蔵庫”が無い。
「カー様、お肉は凍らせとけば長持ちしますよ。」
「凍らすといってもね。どおすれば凍るのかしら?」
「あ、では、僕が凍らすから一回一回必要な分を切り分けてください。」
母は、一回に必要な分を切り分ける。そして本日使う分を残し俺に渡す。
《フリーズ》
肉は、みるみる凍っていく。
「あら!タカミ君はすごいことが出来るのね。でも、放って置いたら解けちゃんじゃない?」
「では、保管する箱を作ります。」
俺はワイルドウルフの毛で断熱材を作り、木材とアルミで保温性の高い箱を創作する。四方のはめ込めるようなガラスの容器を作り、食塩水を入れる。水より凝固点が低いから水より冷えると思うし。それを凍らし、氷が解ける事でフリーズの魔法が発動するように術式を書き込み隠ぺいし、保温箱の四方にはめ込む。箱の内部をアルミで覆い、5mmほど上下左右にに当たらないようにアルミで網を作り固定する。そして箱の中心に魔石をはめ込む。中がひんやりとした“冷蔵庫”を作った。半分くらいの大きさの保温箱を作り、その中をアルミで覆う。箱事態に“中に物を入れ、閉めると中の物を凍らせる”ように術式を組み、隠ぺいする。同じ様に真ん中に魔石を付け、箱を2段にする。
それを転移で炊事場に移動させる。
「えっと、タカミ君。あなたは何をしたのかしら?」
母は、今起こったことが理解出来ないみたいだ。
「えっと、物を入れると冷たくして、保存できる箱を作ったんです。これで、色々、食べ物が保存できますよ。一番下の箱には凍らせたいものを入れ閉めると凍ります。あ、でも、上の箱は長い間入れっぱなしにすると腐っちゃいますから気を付けてください。」
「タカミ君!あなたいつの間にこんな事が出来るようになったのね!まるで、賢者様みたいよ!とても立派になってくれてお母さんは嬉しいわ!!」
母は、俺を抱きしめ頭をわしゃわしゃ撫でる。わ、わかったよ…
「これは、お父さんに報告しないとね。さて、ご飯の支度をしないと。」
鼻歌を歌いながら母は炊事場に戻っていった。なんか、すごく喜んでくれているみたいなので俺としても嬉しいかな。
帰宅した父が母に話を聞き、興味ありそうに“冷蔵庫”を見ている。
「これ、すごいな!タカミが考えたのか?」
「はい。低温にすると食材は長持ちしますので。暑い日もこれで美味しく色んなご飯が食べられますね」
「ってゆうか、これは大発明だぞ!商品化したら間違いなく売れる!」
そりゃ、そうだよな。“元の世界”でも、3種の神器の一つだったもんな。特に主婦の味方だ。今度、“洗濯機“でも作ってみようかな。
「あ、でも、これ、僕じゃないと作れませんよ。魔道具を使ってますから。」
「何!これ、魔道具なのか?」
「はい。ここの部分ですが常に凍ってりられるように術式が埋め込まれてるんです。魔力の供給源は、この魔石ですね。こっちは、物を中に入れると魔法が発動して凍ります。」
「はぁ、こりゃ、大したもんだ。普通に買ったら家が建つんじゃないか?」
「そうなんですか?」
「そりゃ、そうだ!魔道具はとても高価だからな。それをあっさり作るとは、タカミは既に賢者じゃないのか?」
父と母は感心している。
「俺達の息子が賢者なんて本当に驚かされるよ。」
「えっと、僕、まだ、賢者になっていませんけど…」
「ま、それだけ将来が楽しみだってことだよ!」
俺達は、いつもの様に幸せな日常を送っている。多くの子供たちがこんな風に過ごせたらなんていいんだろう。俺は、そんなことを考えながら今日を過ごした。
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