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【石の街 ウィステリア】
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街が近づいてきたので、俺はタカミからアルファードになる。一応、ゴールドランクの冒険者なのでそこそこの待遇は受けられるだろう。街道を進むにつれ、草原から少しずつ岩場の多い土地に変わっていく。最後の休憩を終え、夕方になる前にウィステリアの街に到着した。門番にギルドカードを提示し、中に入る。ウィステリアは、山を削って出来た採掘が盛んな町である。そのため、治安はあまりよくないらしい。自警団は組織されているらしいが、”袖の下”が横行している。街には奴隷商もあり、奴隷の売買も行われているらしい。奴隷の中には、生活に困窮し、自ら身売りをし、合法的に奴隷となっている者もいるので取締りが難しい。
街の中は、石造りの家が多く、特に舗装はされていない。馬車で少し走ると、すれ違う人が増え、段々活気が出てくる。途中から舗装されている道になり馬車がすれ違い、更に人が通れるほどの道の広さになる。数分も走ると街の中心に出た。俺達は、馬車を降り、空間収納に馬車をしまう。とりあえず、馬を引きながら冒険者ギルドを目指した。街の中心は活気があり、多くの商店や飲食店が立ち並ぶ。街の人に道を聞きくとすぐに冒険者ギルドの場所は分かった。早速、冒険者ギルドに行き、冒険者登録をする。
「すみません。冒険者登録をしたいのですが。」
「はい。ようこそ冒険者ギルドへ。冒険者登録ですね。畏まりました。」
「これを」
俺は、ヤマトの冒険者ギルドのカードを提出する。
「あ、ヤマトの冒険者の方ですね。それでは、このカードで登録します。凄いですね。ゴールドランクですか!ここの冒険者ギルドではゴールドの冒険者の方はいないのですごく助かります。あ、自己紹介を忘れていました。私は、受付のビクターです。お見知りおきを。」
「私は、アルフォードです。よろしくお願いします。」
お互いに自己紹介し、登録は完了した。
「この辺で宿を探しているのですが、どこかお薦めの所はありますか?」
「そうですね。予算にもよりますが、安い所だと”ブラッキオ”って宿がありますが、駆け出しの冒険者が使う宿ですので余りいい宿では無いですね。中堅クラスだと値段がブラッキオと比べて倍ほど違います。高級な宿であればお部屋のグレードで更に値が張りますね。だから、お薦めとしては中堅クラスの”ロハース”の宿がいいと思いますよ。大浴場もついていますし。」
「では、ロハースの場所を教えてください。」
ビクターは地図を取り出し、場所を教えてくれる。
「今いる冒険者ギルドはここなので、ここから丘を上がったこの宿がロハースです。」
「ありがとう。早速行ってみます。」
「いえ。これから、よろしくお願いしますね。」
「はい。こちらこそ!」
宿に向かう前に、冒険者ギルドの酒場で食事をしていくか。俺達は、冒険者ギルドに併設されている冒険者ギルド酒場に入る。適当な席に座りメニューを広げた。メニューの内容はヤマトの街の冒険者ギルド酒場と同じである。きっと、系列なんだろう。
「俺は、この火山カレーというのにしようと思うが皆は何にする?」
「私は、このナポリタンってやつにする。」
「妾は、こっちのステーキとエールじゃな。」
各々、好みの食事を注文する。しばらくすると、注文した食事が出てくる。
俺の頼んだカレーは、大きな皿に盛られた、大盛りのカレーライス。山盛りの白いライスの中央から溶岩のように噴出した大量な茶色のルー。岩石のように散乱した、唐揚げ。冒険者が愛してやまない、大盛りの美学がここにあった。香辛料とフルーツをたっぷりと使った甘美な香りが食欲を刺激する。
「ふふふ・・・」
目の前のカレーの山に匙を埋めて掬い上げる。肉と野菜がたっぷりと入ったルーと、純白のライス。匙をそっと口へと運び……咀嚼する。
香辛料とフルーツが絶妙のバランスで調合され、俺の舌を襲う。見た目のボリュームに面食らったが、そのうまさにじっくりと堪能しながら咀嚼する。じっくりと煮込んでとろけるように柔らかくなった牛肉のうまみが口に広がる。香辛料の辛みとフルーツの甘味、牛肉の旨味が口の中で溶け合い、一つの味を作り出していく。
「うん、うまい」
最初の一口は味わい、次の一口はまだまだ味わいたくて口にし、時に熱々の唐揚げを胃袋に放り込むように貪り食らう。俺の額から一筋の汗が流れるが、手は止まらない、止められない。匙ですくって、口に運ぶことを延々と繰り返す。辛みと、複数の旨みが混じり合って圧倒的な美味となり、それが胃を満たしていく感覚。
「やはりカレーは最高。いくらでも食べれる・・・」
ライスを最も美味しく食べられる料理。それはカレーライス。
異論は認めない。
「ふぅ……」
そしてわずか10分後、皿の上の山盛りのカレーライスを食い尽くした俺は満足げにカレー臭い息を吐く。
「冒険者ギルドに併設している酒場で初めて食事をしたけど、すごく美味しいね。」
「うん。私は、特に、このナポリタンってやつが好き。今度食べてみて。」
「妾は、やはり肉じゃの!このボリュームが最高じゃ!味付けもいいし、エールに良く合う。」
この火山カレーもすごく美味しかったが、次から他のメニューも試してみよう。
食事も終わり、俺達はロハースの宿を目指す。途中、ガラの悪そうな人達とすれ違ったが、特に問題は起こらなかった。っと思った矢先、ふらふらとティナにぶつかる少年がいた。少年は、そのままふらふらと俺にぶつかり、ナディアにもぶつかる。ん!?と同時に少年は走り出した。
《グランドゼロ》
俺は、少年の前数メートルにグランドゼロをかける。少年は”すてーん”と転がった。俺は、少年に近づき、少年を捕まえる。
「こらこら、今、ティナとナディアから取った物を出せ。」
「く、くそー!離せ!!」
「いやいや、兎に角、今取った物を出せよ。」
俺は、少年の襟首を掴み逃げられないようにする。少し、”バタバタ”していたが、少年は観念したらしく、ティナとナディアから取った袋を差し出す。
「あー、私のお財布。」
「妾のもじゃ!」
まぁ、こんな事じゃないかと思ったけどね。さて、どうするかな・・・
「なぁ、こんなことするのは”いけない事”って言うのは知っているよな?」
少年は、俯いたまま頷く。
「こんな事をしたら自警団に突き出されるのも知っているよな?」
少年の目が大きく開き、少し汗をかいているみたいだ。
「本当にごめんなさい。もう二度とやらないからそれだけは勘弁してもらえませんか・・・?」
「スリ少年の”もう二度としない”ほど信用できないことは無いんだけど」
少年から汗が噴き出す。
「本当に!!本当にもう二度としませんから・・・あいつらの所に連れていかれたら何されるか…」
余程、自警団に連れて行かれるのが嫌らしい。少年は、俺に懇願する。
「償いなら何でもします。だから、それだけは勘弁してください。」
うーん、この街は相当治安が悪いみたいだし、この少年にこの街の事を色々聞いてみるのもいいかもな。俺には真偽のスキルがあるし。嘘を言えばすぐわかる。
「じゃあ、この街の事を教えてくれ。俺達は、今日、この街に来たばかりなんだ。あ、ちなみに嘘を言うと分かるから嘘はつかない様にね。」
少年は頷く。
「俺の名はアルファード。こっちがティナ。で、こっちがナディア。」
俺は、自己紹介をした。
「僕の名前は、プロウラー。この街の孤児院に住んでいます。」
どうやら嘘ではないようだ。少年はブルーの大きな瞳にグレーのハンチング帽を被っている。年は、13,4歳ってとこだろう。よく見ると洋服も靴もぼろぼろだ。
「いつもこんな事をしているのか?」
「いつもではありませんが、食べ物が無くて孤児院の子供達が飢えていたので仕方なく・・・」
嘘ではないらしい。何か事情があるみたいだな。
「でも、孤児院と言ったら街から援助が出ているはずだが?」
「それが、孤児院に当てられている予算が削られたらしく、今はほとんど援助してもらえてないんです。働こうにも孤児院の人間は、中々雇ってもらえず。だから仕方がなく・・・」
嘘ではないらしい。でも、おかしいな。ここの街は、ヤマト辺境伯が治めている街のはずだけど。侯爵様が孤児院の予算を削るなんてあまり考えられない。俺は、侯爵様がそんな人間だと到底思えない。
「ここの街は、ヤマト辺境伯様が治めている街だろ?侯爵様が孤児院への援助を減らしたって事か?」
「それは、僕にも分からない。でも、実際に孤児院事態にお金が無いから、孤児院の皆の食べるものが無い。このままでは、皆、死んでしまう。病気の子もいるし、だから…」
嘘ではないらしい。なんだか、信じられない。何が起こっているんだ?
「自警団に、連れていかれるのを相当嫌がったけど、なぜ?」
「多くの自警団は、この街のアパルドという貴族の息がかかっていて、自警団と言っても名前だけで、ただの荒くれ集団みたいなもんなんです。そんな奴らのとこに連れていかれたら、奴隷として捕まって売られてしまします。」
うーん、なんか、その貴族がダメな子らしいな。
「奴隷って、自分から身売りした人達じゃないのか?」
「確かにここの街の暮らしは大変です。身売りをした人もいると思うけど、多くは、何らかの言いがかりを付けられて連れていかれた人も多いと思います。」
そんな街なのか。なんか、可愛そうになってくる。本当はこんなんじゃいけないんだろうけど。元々、俺は”日本”って言う豊かな国で何にも問題無し?で生きて来たからな・・・
「アルフォード、食べるものが無いのは本当に辛い。何とか出来ない?」
急にティナが話に入って来た。そうだ、ティナも貧民街出身ですごく苦労したみたいだから、この少年の気持ちが分かるのだろう。
「ティナはアルファードと出会えて、今はすごく幸せ。でも、出会う前はこの子と同じ。だから他人事と思えない。」
「病気の子もいるらしいからの。アルファードなら何とかなるじゃろ?」
ふむ。ティナやナディアに言われるとなんだか重みがあるな。
「うーん、とりあえず、孤児院に案内してもらえるか。そうしたら、スリの事は水に流す。」
「本当にごめんなさい。分りました。ついて来て下さい。」
俺達は、プロウラーの後に続き孤児院に向かう。
街の中は、石造りの家が多く、特に舗装はされていない。馬車で少し走ると、すれ違う人が増え、段々活気が出てくる。途中から舗装されている道になり馬車がすれ違い、更に人が通れるほどの道の広さになる。数分も走ると街の中心に出た。俺達は、馬車を降り、空間収納に馬車をしまう。とりあえず、馬を引きながら冒険者ギルドを目指した。街の中心は活気があり、多くの商店や飲食店が立ち並ぶ。街の人に道を聞きくとすぐに冒険者ギルドの場所は分かった。早速、冒険者ギルドに行き、冒険者登録をする。
「すみません。冒険者登録をしたいのですが。」
「はい。ようこそ冒険者ギルドへ。冒険者登録ですね。畏まりました。」
「これを」
俺は、ヤマトの冒険者ギルドのカードを提出する。
「あ、ヤマトの冒険者の方ですね。それでは、このカードで登録します。凄いですね。ゴールドランクですか!ここの冒険者ギルドではゴールドの冒険者の方はいないのですごく助かります。あ、自己紹介を忘れていました。私は、受付のビクターです。お見知りおきを。」
「私は、アルフォードです。よろしくお願いします。」
お互いに自己紹介し、登録は完了した。
「この辺で宿を探しているのですが、どこかお薦めの所はありますか?」
「そうですね。予算にもよりますが、安い所だと”ブラッキオ”って宿がありますが、駆け出しの冒険者が使う宿ですので余りいい宿では無いですね。中堅クラスだと値段がブラッキオと比べて倍ほど違います。高級な宿であればお部屋のグレードで更に値が張りますね。だから、お薦めとしては中堅クラスの”ロハース”の宿がいいと思いますよ。大浴場もついていますし。」
「では、ロハースの場所を教えてください。」
ビクターは地図を取り出し、場所を教えてくれる。
「今いる冒険者ギルドはここなので、ここから丘を上がったこの宿がロハースです。」
「ありがとう。早速行ってみます。」
「いえ。これから、よろしくお願いしますね。」
「はい。こちらこそ!」
宿に向かう前に、冒険者ギルドの酒場で食事をしていくか。俺達は、冒険者ギルドに併設されている冒険者ギルド酒場に入る。適当な席に座りメニューを広げた。メニューの内容はヤマトの街の冒険者ギルド酒場と同じである。きっと、系列なんだろう。
「俺は、この火山カレーというのにしようと思うが皆は何にする?」
「私は、このナポリタンってやつにする。」
「妾は、こっちのステーキとエールじゃな。」
各々、好みの食事を注文する。しばらくすると、注文した食事が出てくる。
俺の頼んだカレーは、大きな皿に盛られた、大盛りのカレーライス。山盛りの白いライスの中央から溶岩のように噴出した大量な茶色のルー。岩石のように散乱した、唐揚げ。冒険者が愛してやまない、大盛りの美学がここにあった。香辛料とフルーツをたっぷりと使った甘美な香りが食欲を刺激する。
「ふふふ・・・」
目の前のカレーの山に匙を埋めて掬い上げる。肉と野菜がたっぷりと入ったルーと、純白のライス。匙をそっと口へと運び……咀嚼する。
香辛料とフルーツが絶妙のバランスで調合され、俺の舌を襲う。見た目のボリュームに面食らったが、そのうまさにじっくりと堪能しながら咀嚼する。じっくりと煮込んでとろけるように柔らかくなった牛肉のうまみが口に広がる。香辛料の辛みとフルーツの甘味、牛肉の旨味が口の中で溶け合い、一つの味を作り出していく。
「うん、うまい」
最初の一口は味わい、次の一口はまだまだ味わいたくて口にし、時に熱々の唐揚げを胃袋に放り込むように貪り食らう。俺の額から一筋の汗が流れるが、手は止まらない、止められない。匙ですくって、口に運ぶことを延々と繰り返す。辛みと、複数の旨みが混じり合って圧倒的な美味となり、それが胃を満たしていく感覚。
「やはりカレーは最高。いくらでも食べれる・・・」
ライスを最も美味しく食べられる料理。それはカレーライス。
異論は認めない。
「ふぅ……」
そしてわずか10分後、皿の上の山盛りのカレーライスを食い尽くした俺は満足げにカレー臭い息を吐く。
「冒険者ギルドに併設している酒場で初めて食事をしたけど、すごく美味しいね。」
「うん。私は、特に、このナポリタンってやつが好き。今度食べてみて。」
「妾は、やはり肉じゃの!このボリュームが最高じゃ!味付けもいいし、エールに良く合う。」
この火山カレーもすごく美味しかったが、次から他のメニューも試してみよう。
食事も終わり、俺達はロハースの宿を目指す。途中、ガラの悪そうな人達とすれ違ったが、特に問題は起こらなかった。っと思った矢先、ふらふらとティナにぶつかる少年がいた。少年は、そのままふらふらと俺にぶつかり、ナディアにもぶつかる。ん!?と同時に少年は走り出した。
《グランドゼロ》
俺は、少年の前数メートルにグランドゼロをかける。少年は”すてーん”と転がった。俺は、少年に近づき、少年を捕まえる。
「こらこら、今、ティナとナディアから取った物を出せ。」
「く、くそー!離せ!!」
「いやいや、兎に角、今取った物を出せよ。」
俺は、少年の襟首を掴み逃げられないようにする。少し、”バタバタ”していたが、少年は観念したらしく、ティナとナディアから取った袋を差し出す。
「あー、私のお財布。」
「妾のもじゃ!」
まぁ、こんな事じゃないかと思ったけどね。さて、どうするかな・・・
「なぁ、こんなことするのは”いけない事”って言うのは知っているよな?」
少年は、俯いたまま頷く。
「こんな事をしたら自警団に突き出されるのも知っているよな?」
少年の目が大きく開き、少し汗をかいているみたいだ。
「本当にごめんなさい。もう二度とやらないからそれだけは勘弁してもらえませんか・・・?」
「スリ少年の”もう二度としない”ほど信用できないことは無いんだけど」
少年から汗が噴き出す。
「本当に!!本当にもう二度としませんから・・・あいつらの所に連れていかれたら何されるか…」
余程、自警団に連れて行かれるのが嫌らしい。少年は、俺に懇願する。
「償いなら何でもします。だから、それだけは勘弁してください。」
うーん、この街は相当治安が悪いみたいだし、この少年にこの街の事を色々聞いてみるのもいいかもな。俺には真偽のスキルがあるし。嘘を言えばすぐわかる。
「じゃあ、この街の事を教えてくれ。俺達は、今日、この街に来たばかりなんだ。あ、ちなみに嘘を言うと分かるから嘘はつかない様にね。」
少年は頷く。
「俺の名はアルファード。こっちがティナ。で、こっちがナディア。」
俺は、自己紹介をした。
「僕の名前は、プロウラー。この街の孤児院に住んでいます。」
どうやら嘘ではないようだ。少年はブルーの大きな瞳にグレーのハンチング帽を被っている。年は、13,4歳ってとこだろう。よく見ると洋服も靴もぼろぼろだ。
「いつもこんな事をしているのか?」
「いつもではありませんが、食べ物が無くて孤児院の子供達が飢えていたので仕方なく・・・」
嘘ではないらしい。何か事情があるみたいだな。
「でも、孤児院と言ったら街から援助が出ているはずだが?」
「それが、孤児院に当てられている予算が削られたらしく、今はほとんど援助してもらえてないんです。働こうにも孤児院の人間は、中々雇ってもらえず。だから仕方がなく・・・」
嘘ではないらしい。でも、おかしいな。ここの街は、ヤマト辺境伯が治めている街のはずだけど。侯爵様が孤児院の予算を削るなんてあまり考えられない。俺は、侯爵様がそんな人間だと到底思えない。
「ここの街は、ヤマト辺境伯様が治めている街だろ?侯爵様が孤児院への援助を減らしたって事か?」
「それは、僕にも分からない。でも、実際に孤児院事態にお金が無いから、孤児院の皆の食べるものが無い。このままでは、皆、死んでしまう。病気の子もいるし、だから…」
嘘ではないらしい。なんだか、信じられない。何が起こっているんだ?
「自警団に、連れていかれるのを相当嫌がったけど、なぜ?」
「多くの自警団は、この街のアパルドという貴族の息がかかっていて、自警団と言っても名前だけで、ただの荒くれ集団みたいなもんなんです。そんな奴らのとこに連れていかれたら、奴隷として捕まって売られてしまします。」
うーん、なんか、その貴族がダメな子らしいな。
「奴隷って、自分から身売りした人達じゃないのか?」
「確かにここの街の暮らしは大変です。身売りをした人もいると思うけど、多くは、何らかの言いがかりを付けられて連れていかれた人も多いと思います。」
そんな街なのか。なんか、可愛そうになってくる。本当はこんなんじゃいけないんだろうけど。元々、俺は”日本”って言う豊かな国で何にも問題無し?で生きて来たからな・・・
「アルフォード、食べるものが無いのは本当に辛い。何とか出来ない?」
急にティナが話に入って来た。そうだ、ティナも貧民街出身ですごく苦労したみたいだから、この少年の気持ちが分かるのだろう。
「ティナはアルファードと出会えて、今はすごく幸せ。でも、出会う前はこの子と同じ。だから他人事と思えない。」
「病気の子もいるらしいからの。アルファードなら何とかなるじゃろ?」
ふむ。ティナやナディアに言われるとなんだか重みがあるな。
「うーん、とりあえず、孤児院に案内してもらえるか。そうしたら、スリの事は水に流す。」
「本当にごめんなさい。分りました。ついて来て下さい。」
俺達は、プロウラーの後に続き孤児院に向かう。
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