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【デート?】
俺は、泊っている宿の自室に戻った。が、何故か、正座させられている。
「で、アルファードは誰が一番好きなの?」
ティファが俺を見つめる。
「勿論、私なのニャ」
ヴァイロンが胸の谷間を強調して”ゴロゴロ”言いながら俺にすり寄ってくる。それを、ティナが自分の所に引き寄せる。
「アルファードは、私の大事な人。気軽にくっつかないで」
ティナさん、口調はいつもと変わらないのですがちょっと怖いですよ。
「流石、妾のご主人はモテモテじゃのお」
そこ!煽らない!
「ま、まぁ、皆さん落ち着いて・・・」
「落ち着いてじゃなーい!アルファードは誰が一番好きなの?」
なんだか、凄くグイグイくるな。
「俺、皆、好きです。」
何故かカタゴトになってしまった。今の俺にはこうしか答えられない。
「なんでこうなった?」
「おいおい、考えていることが口に出ているぞ。それは、アルファードがボルボ様をボコり、八頭オロチを易々と討伐し、奇跡の力で助からなそうな命を助けて、街の恵まれて無い人達に莫大な寄付をし、すべてを丸く収めたからだな。俺でも惚れるわ!!」
何故か、そこにはコブラまでいる。しかも、今までいなかったキャプまで呼んで晒し物になっている感覚だ。キャップは”ニヤニヤ”と俺を見る。
「アルファードの兄さんや。観念して全員選んじゃえばいいなじゃね?」
キャップは楽しそうに適当なことを言う。
「キャップは相変わらず馬鹿ね。まぁいいわ。でも、これじゃ、埒が明かないわね。じゃあ、こうしましょう。明日から皆で交代にアルファードとデートして決めてもらうって言うのはどお?」
「ほぉー、それはいい考えじゃな!」
いい考えじゃない!って言っても俺の意見は通らなそうだしな
「いい考えなのニャ」
「それでいい。」
「妾ともデートとやらをしれくれるのかの?」
・・・民主主義恐るべし。こうして俺は全員と交代でデートする事になった。
本日、最初のお客様・・・お相手は、ヴァイロンさんでーす。と言う事で、最初はヴァイロンと出かけることになった。いつもの冒険者スタイルではないヴァイロンは、なんだか新鮮だ。短めのスカートから小麦色の足を出し、水色のシャツを可愛らしくアレンジしている。(表現力乏しくてスマン)兎に角、可愛い。
「さあ、アルファード。早くいくニャ!」
ヴァイロンは俺に手を伸ばし、俺の手を強く握り走り出す。
「おっとと。ヴァイロン、張り切っているなぁー」
「そりゃー、張り切るニャ!アルファードと二人でデートできるなんてすごく楽しみニャ。まずは、二人でお茶するニャ!」
まず最初に俺は、ヴァイロンのお気に入りのお店に連れて行ってもらった。決して、めちゃくちゃ洒落ている訳ではないがこじんまりとした良さげお店だ。
「ここのモーニングがお気に入りなのニャ!すみませーん。モーニング二つにゃ!」
「はーい。モーニング2つ。」
店の奥から優しそうな女将さんが顔を出す。
「ヴァイロンちゃん。いらっしゃい。あら、男の人なんか連れちゃって、彼氏?」
「違うニャ。旦那様ニャ!」
「ブッ!!こらこら違うだろ!」
「そうだったニャ。将来の旦那様ニャ。」
「そうなのね。それは良かったわね。お邪魔しちゃ悪いからさっさとモーニング作ってくるわね。旦那様もごゆっくり♪」
女将さんはニコニコしながら奥に戻っていった。
「なんか、、周りを固められている様な気が・・・・」
「んー、そんな事無いニャ!ここの朝食は本当に美味しいんだニャー。だから、一回、アルファードと来たかっらのニャ」
そんな風に言われると悪い気はしない折角のヴァイロンとのデートだ。楽しまないとね。
「なんで、アルファードは冒険者になったニャ?」
「うーん。そうだなぁ。俺は、広い世界を見てみたいし、色んな人に出会い、様々な知識や知らないことを知りたい。それに、もしかしたら俺の力を必要としている人がいるかもしれない。そういう人達の手助けもしたいと思ってね。世界は広いからこれからの旅や冒険が楽しみだよ。」
「そんなんだニャ!やっぱり、アルファードは器がでかいニャ。」
「そう言うヴァイロンはどうして冒険者になったの?」
ヴァイロンは、一瞬俯いたがすぐに笑顔で答えてくれた。
「やっぱり、一番は生活の為かニャ。獣人は普通の仕事に就くのは難しいからニャ。それに、私は、孤児で教会の孤児院で育ったニャ。そこの神父先生は、私が獣人にもかかわらずとても優しくしてくれたニャ。その恩返しもしたいと思って回復師になったのニャ。」
ヴァイロンの話を聞いていると女将さんがモーニングを持ってきてくれた。
「はいよ。お待ちどう様。モーニング2つね。」
お皿には、サラダ、スクランブルエッグ、ベーコン、ソーセージが乗っている。そして、別のお皿に焼き立てのパンとバター、ジャムなどが付いており更にコーヒーまでセットになっていた。
「わー、来たニャ!食べるニャー。ここのパンは焼き立てにゃのでとても美味しいニャ!アルファードも食べるニャ!」
「うん。確かに美味しそうだ。いただきます。」
俺は、空間収納から”マヨ”を取り出し、サラダに少しつける。
「それは、なんだニャ?」
「うん。俺が作ったサラダを美味しくする調味料だよ。使ってみる?」
「ニャー!」
俺は、ヴァイロンのサラダにも少しつけてあげた。
「!!。これはすごく美味しいニャ!本当にアルファードが作ったニャ?」
「うん。今度、量産して売り出そうと思ってるんだ。ヴァイロンの口に合ってよかったよ。」
「アルフォードは、本当に凄いニャ。にゃんでも出来ちゃんうんだニャ」
そう言いながら、美味しそうに食べる。しかし、ここのモーニングは、本当に美味しい。スクランブルエッグも玉子が新鮮なため、トロトロに仕上がっている。ほんのり塩味がし、口の中にうまみが広がる。ベーコンは、カリカリに、ソーセージはプリっとしてすごく美味しい。パンは焼き立てで、いつも食べるもさッとしたパンとは違い、ふわっとしている。最後に〆のコーヒで朝の優雅な一時を過ごした。
「ごちそうさまでした。本当に凄く美味しかったよ。」
「ご馳走様ニャ。気に入って貰えてうれしいニャ!」
俺達は、その後、少し話をし、お店を後にした。次に向かったのは、教会だった。
「あ!おねーちゃん。うわー!おねーちゃんが男の人連れて帰ってきた!」
何人かの子供がヴァイロンを見ると寄ってきた。
「ねぇねぇ、おねえちゃんの彼氏?」
「違うニャ。将来の旦那様だニャ」
「えーーー!おねえちゃん結婚するの!?」
「あのぉー、ヴァイロンさん。とても返答に困るんですが・・・」
ヤヴァイ。ヴァイロンのペースだ。
「神父様―。おねーちゃんが婚約者連れて来たー!」
子供の一人が走って教会に向かっていく。
「アルファード、こっちニャ」
ヴァイロンは、相変わらずマイペースで俺を教会に連れて行く。教会の中は、沢山の人がいる。
「ここは、教会だけど、お金がいない人達が来る治療院にもにゃっていて、神父様は、ここの回復師様でもあるんだニャ。私も時間がある時は手伝いに来てるんだニャ」
確かに、よく見ると顔色がすぐれない人が多い。中には、怪我をした人もいる。これだけの人を一人で見るのは魔力も途中で尽きるだろうし、すごく大変だと思う。
「よかったら、俺も手伝うよ。」
「じゃあ、神父先生の所に行くニャ」
俺達は、神父様の下に行く。
「やあ、ヴァイロン。今日も手伝いに来てくれたのかい?おや、そちらの方は?」
「おとーさん、ご紹介いたしますニャ。彼は、アルファード。未来の旦那様ニャ」
「ちがーーーーう!」
「そうか、そうか。それは是非、お話をしたいものだが生憎、今手が離せなくって。」
「あ、俺もお手伝いします。よろしいでしょうか?」
「ん?君も回復師なのかい?」
「いえ、魔導剣士ですが、回復魔法も使えます。」
「そうなんだね。では、お願いしようとするかな。」
よく見ると、神父様は目を瞑っている。
「目が悪いんですか?」
「ははは・・・、ずっと昔にちょっとね。」
神父様は苦笑いをする。すると、今まで元気だったヴァイロンが俯き、涙を浮かべた。
「違うにゃ。おとーさんの目は私を庇って、魔獣の毒を目に受けて見えなくなっちゃったニャ・・・」
ヴァイロンは、ボロボロと涙を流し始めた。きっとヴァイロンはずっと神父様に対して罪悪感を感じながらいたんだろう。
「人族が住む所では、獣人は、人々に卑下され奴隷同然の扱いを受けるニャ。それなのに、おとーさんは、捨てられてた獣人である私に人族同様、凄い愛情を持って育ててくれたニャ。そしてある日、診療所で使う薬草を取りに森に出掛け魔物の群れに襲われたニャ。一緒に同行してくれた冒険者の人と神父様がその魔物たちと戦っていた時に、人間族の子達は、冒険者の人に守って貰えてたのにゃけど、私は、その輪から外されてたにゃ。群れの中の一匹の魔獣が私に襲い掛かって来て毒液を私にかけてきたニャ。私は、もうダメだと思ったその時におとーさんが私を庇って代わりに毒を受けてしまったニャ。魔物は、冒険者とおとーさんで駆逐されたけど、その時受けた毒が目にはいにゃってそれ以来、おとーさんの目が見えなくにゃってしまったニャ。色々な、回復師の人に見てもらったニャけど、誰も治せなかったニャ。」
「なるほど。それでもしかしたら俺なら治せると思ったからここに連れて来たのか。」
「ごめんにゃさい。でも、もう、頼れるのがアルファードしかいにゃくて・・・」
ヴァイロンは話をしている間ずっと俯き、”ボロボロ”と涙を流している。これも、きっと獣人と人との差別が生んだ悲劇なんだろうな。しかし、神父様はそんな事はしなかった。むしろ、獣人である彼女を守って傷を受けてしまった。俺、眼科は専門外なんだよな・・・。でも、この世界には魔法がある。兎に角出来る事をしてみよう。俺は、ヴァイロンを優しく抱きしめ、宥める。
「大丈夫。俺が何とかしてあげるから。だから泣かないで。」
ヴァイロンがうるんだ瞳で俺を見上げる。
「ほ、ほんと?」
「あぁ、どこまで出来るか分からないけど、俺が出来る事はやってあげるよ。ヴァイロンは、俺の大切な仲間だし、その仲間を守ってくれた神父様は恩人だからね。」
「アルファード!!お願いしますニャ!」
「じゃあ、まず、診療所にいる患者さんを処置しちゃおう。病気の人と怪我をしている人のグループに分けてきて。」
「分かったニャ!!直ぐやってくるニャ!!」
ヴァイロンは涙を拭い、診療所にいる患者さんの所に行った。
「さて、先に他の患者も診てきますね。今、ヴァイロンが患者をグループ別けしてくれているので。」
俺は、ヴァイロンの方へ歩いていく。
「どお?出来た?」
「こんなもんでどうニャ?」
「うん。いいんじゃないかな。よし、じゃあ、始めるとするか。」
俺は、空間収納から白衣を取り出し、”バサッ”と着る。そして、グループ別けされた患者を見て回り、空間認識より効果範囲を補測する。
《スキャン》
多くのターゲットの情報が入ってくるが、それを処理し、病気の原因菌、ウィルスを特定する。そして、エリアを指定し回復魔法をかける。
《キュアバクテリア》
《キュアウィルス》
《アンチバクテリア》
《アンチウィルス》
《メガヒール》
すると、その指定されたエリアは様々な色の光に包まれて、そのエリアにいた人達が回復していく。
「おお!身体回復していく!!!」
「俺もだ!わたしも!」
一つに纏めたグループ内から歓声が聞こえる。
次に怪我人を1つのグループに移る。怪我だけであれば、ヒールで回復するだろう。
《アンチバクテリア》
《アンチウィルス》
《ヒール》
こちらもみるみる回復していく。同じようにこちらからも歓声が上がっている。内科と整形を一緒に見た感じだった。
「こ、これだけの患者を一瞬で!き、奇跡だ。」
神父様がヴァイロンと共にやって来た。
「アルファード様は大賢者様ですか?」
「え、そ、そんな。回復魔法が使えるただの一介の魔導剣士ですよ。」
「し、しかし、こんな奇跡の様な回復魔法は見たことが無い。」
「多分、多重詠唱を組み合わせているからそう見えるんじゃないですか?(;’∀’)」
「た、多重詠唱!?そんな高等技術聞いたことがありません。一体あなたは・・・」
「私の将来の旦那様ニャ!」
「ヴァイロンさん、勘弁して下さい・・・。それはそうと、ここは教会ですよね?」
「そうですね。身寄りのない子を養うための施設にもなっています。また、この街は、貧富の格差が大きいため、街の治療院に行けない人達の治療院にもなっているんです。」
神父様は額の汗を拭きながら説明してくれる。あれだけの人に回復魔法を使用したのだから疲労はかなり溜まっていると思う。俺は、神父様に近づき額に手を当て自分の魔力を神父様に分けた。俺の掌から出た光は、神父様の身体に吸い込まれていくように入って行き、神父様の魔力は回復する。
「少しは、楽になりましたか?」
「これはすごい!貴方様は魔力の回復も出来るのですね。」
「ええ、自分の魔力を分け与えるだけですからね。さて、次は神父様の治療をしましょう。」
「そんなに気を遣わんくても構わんよ。私は、もう治らないのが分かっているし、受け入れているから。これでも、回復師だ。自分の状態は分かっているよ。」
「確かに、神父様は人々に慕われるほどの回復師だと思います。それに、多くの回復師の方達に治療をしてもらったのだと思います。自分も、どこまで出来るか分かりませんが、診せて貰えまえんか?」
「まぁ、それでヴァイロンの気が済むならお任せするとしよう。よろしくお願いします。」
「分かりました。では、少し目を診せて下さい。」
俺は、神父様は、俺に目を診せてくれる。
《スキャン》
現在の目の情報が俺の目の前に映し出されていく。外傷性眼瞼下垂か。小管断裂は、回復師の治療によって治癒されてるみたいだな。角膜と結膜に関しては、長い間放置されてしまったため、防水の調整が出来ずに眼圧を維持できずに緑内障を引き起こし、視神経がダメになってしまっている。水晶体、毛様体、虹彩、網膜や硝子体も毒素によってダメージを受け、水晶体は濁り白内障を引き起こし、虹彩や網膜もその機能を失ている。強膜や脈絡膜も変形し、眼球の形を保てていない。つまり、もうこの眼球と視神経は使い物にならないという訳だ。
「神父様、神父様の目は正直”今のまま”では使い物になりません。根本から再生させます。」
《クリーンルーム》
俺は、神父様をベットに寝かせ麻酔をかける。
「それでは、これから視神経の再生及び眼球の再生手術を行う。」
《アネスシージャ》
ここで、最近開発した魔法のお出ましだ。メスを入れられない部分を除去するためにディメンションカッターと言う魔法を開発した。これは、空間認識より切取りたい部分を指定し、その部分を切り取る事の出来る空間メスで、3Dによる細かい演算処理と組合わせる切除魔法が重要となる。
俺は、死滅している視神経から眼球すべてを切り出し、転移で切り出したすべてをトレイに取り出す。そして、視神経を含む眼球全部を再生させていく。
《ディメンションカッター》
《転移》
《リジェネレイト》
神父様の顔が光に包まれ、再生されていく。
《スキャン》
きちんと再生されたか確認するため、再生された部分をスキャンする。どうやら、再生は旨く行ったようだ。ヴァイロンも、息をのんでその様子を見ている。俺は、次に外傷性眼瞼下垂の処置を行う。
《リザレクション》
俺は、瞼周辺の筋組織と神経を蘇生させる。そして、神父様を麻酔から覚まさせる。
「どうですか?見えますか?」
神父様はゆっくりと目をあけ、惚けている。ゆっくり周りを見回し、ヴァイロンを見る。そして、言葉を発した。
「あぁ、ヴァイロン。すっかり素敵なレディーになって。私の記憶の幼いヴァイロンが上書きされてしまったよ。」
ヴァイロンの大きな瞳に涙が浮かぶ。そして、ゆっくりと一歩一歩、神父様の所に行く。そして、神父様の所に着くころには、大きな瞳から涙が零れ落ちた。
「おとーさん・・・、み、見えるの?」
「あぁ、凄く心配かけたね。今まで、ずっと、私の目を案じてくれてありがとう。そして、」
神父様は、俺の方を見る。
「私に、再度、光を届けてくれてありがとうございます。」
「よかった。見えるんですね。良かったな。ヴァイロン。」
俺は、神父様に抱き付いているヴァイロンの方に手を置き、話しかけた。
「あ、アルファードぉー・・・」
涙で言葉にならないようだ。暫く、神父様の腕の中で泣いていたヴァイロンだが少しずつ落ち着きを取り戻していった。
「しかし、範囲回復魔法といい、私の目の治療といい、あなたは本当に素晴らしい回復師ですね。この様な奇跡の瞬間に私が関われたことは神の思し召しとしか思えません。」
「ははは・・・、俺は、魔導剣士なんですが・・・」
「アルファードは、すごい回復師なんだニャ!おとーさんの力になってくれると思ったから連れて来たんだニャ。」
「そう言う事なら、ちゃんと言ってくれよー。」
「にゃははは。アルファードは本当に凄いニャ」
「凄いのかは分からないけど、こういう事は言ってくれれば、大切な仲間なんだからいくらでも相談に乗るよ。」
「アルファードは、相変わらず優しいニャー。そう言うところが大好きニャ!」
ヴァイロンが俺に抱き付き”スリスリ”する。
「んんー。まぁ、それは、そうと、本当にようこそお越しくださいました。何もない所ですがゆっくりしていって下さい。」
「あ、ありがとうございます。そう言えば、ここの診療所は神父様一人でやっておられるのですか?」
「はい、そうです。人々を救うのが神の教えであり、教会の存在意義だと思っています。それに、こうしてたまにヴァイロンが手伝いに来てくれるので。」
神父様は、ヴァイロンを優しく見る。うん。俺は、教会を誤解していたのかもしれない。俺の中の教会のイメージが変わった瞬間だった。
「しかし、ヴァイロンがこうして男の方を連れてこられるなんてビックリ致しました。」
「にゃははは。アルファードは、今までの冒険者とはちにゃって私が獣人でも周りと同じようにすごく優しく接してくれたニャ。今までで、ここの教会の子やおとーさん、パーティーメンバー以外、こうして接しれくれた人はあまりいないニャ。」
「そうなのか?」
「にゃ。にゃっぱり獣人は、召使の様に扱われるニャ。奴隷にされることも多々あるニャ。」
「そっか。今まで大変だったな。」
「やはり、獣人の差別は強いですね。この街でもまだまだ多いですよ。でも、そんな中、こんなに優しい、いい子に育ってくれて私は神に感謝しています。」
神父様は、ヴァイロンの幼い時の話や冒険者になった今の話まで色々話してくれた。神父様の話の内容でコロコロと表情が変わるヴァイロンは可愛らしく、とても素敵な女性に見える。
「さて、楽しい時間には終わりがあるものです。私は、教会の仕事もあるのでここらへんで失礼させてもらいます。これからもヴァイロンの事よろしくお願いします。」
「こちらこそよろしくお願いします。あ、俺もそろそろ行かないと!」
「私は、もう少しここに残っておとーさんのお手伝いをするニャ。本当に、アルファードには感謝してもしきれないニャ。」
満面の笑みでヴァイロンはすごく嬉しそうに神父様の下に行く。俺は、俺はその笑顔を見届け、次の”用事”をするために宿に戻った。
============タカミのワンポイント=========
目をけがした場合の一般的な対処法をお話しします。なお、症状が目以外にも及ぶような場合には、すぐに救急外来を受診するか救急車を呼んでください。
A.液体や粉末状のものが目に入ったとき
(例)洗剤、漂白剤、カビとり剤、接着剤、ヘアカラー、石灰(白線引き用など)、セメント、薬品など
(1) 直ちに水で十分に洗眼する
なによりもすぐに目を洗うことです。最低10分以上、蛇口の水やヤカンに汲んだ水を目に直接かけるか、洗面器に張った水で目をよく洗ってください。目をつぶっていては効果がないので、痛くてもがまんして目をあけて洗眼してください。
この間、目をこすってはいけません。
(2) 近くの眼科医に連絡をとる
洗眼の開始とともに、周囲の人が(1人の場合は自分で)近くの眼科に電話をして状況を説明し、指示を受けてください。
(3) 眼科を受診
洗眼が済んだらすぐに、連絡をとった眼科医や眼科救急外来を受診してください。
B.固形物が目に入ったとき 眼球や目の回りを切ったり刺したとき
(例)なにかの作業中に鉄片、木片、プラスチック片が飛んできて目に入った。カッターで目を傷つけた。針が目に刺さった
(1) 付着物を水で洗い流す
目の表面や周囲によごれ(例えば泥)がついている場合は、すぐに水でそれを洗い落とします。ただしAのケースほど長時間続ける必要はありません。また、眼球に大きな傷がある場合は無理に目を開かずに、軽くよごれをとってください。
この間、目を押さえつけてはいけません。出血している場合は、きれいなタオルやティッシュなどをまぶたの上から軽く当ててください。
付着物がない場合はすぐに(2)へ。
(2) 眼科医に連絡をとって受診する
近くの眼科に電話をして状況を説明してください。応急処置の指示を受け、それが済んだら直ちに受診してください。
C.眼球や目の回りを打撲したとき
(例)球技のボールが目に当たった、格闘技中の事故
視力低下や視野の異常、眼痛などの自覚症状がある→眼科救急外来を受診
これといった自覚症状はない→念のため眼科を受診し精密検査を受ける
D.理由は思い当たらないが目が痛いとき
視力低下や視野の異常、または頭痛や吐き気などを伴う→直ちに眼科を受診
眼痛以外の症状はない→眼科を受診
受診する際に医師に伝えるポイント
一刻を争う状況のなかで正確な診断・的確な治療を素早く行うために、以下のような事項を眼科医に伝えるように努めてください。
■できるだけ詳しい受傷時の状況
・目に物が入った場合、なにがどの程度入ったのか
・打撲の場合は当たった物(ボールであればその種類<野球かボールかサッカーボールかなど>、固さ、飛んできた方角・スピード)、当たった瞬間の姿勢
・格闘技の場合は相手のどの部分が、どのような動きのなかで、どこにあたったのか
■何分前に受傷したのか
■メガネやコンタクトレンズをしていたか
■どのような応急手当てをしたか
目に洗剤や薬品などが入った場合は、それがなにかわかるもの(容器や説明書)を持参してください。固形物の場合、破片が残っていれば、それを持参してください。
<的確な初期治療までのスピードが命>
さて、ここまで緊急時の応急手当てを解説してきましたので、ここからは目のけが「眼外傷」について、お話ししたいと思います。
大切な組織を一瞬で損傷してしまう
眼球は奥行き24ミリメートル程度の球形の小さな器官です。しかしその小さな眼球には、物を見るうえで欠かせないいくつもの組織が精巧に組み込まれています。それらのなかには、いったん損傷すると再生しなかったり、再生しても元のようには働かない組織もあります。
皮膚をけがした場合は、たとえ傷あとが残るとしても、機能的な問題はなく治ることが多いですが、目に限っては以上の理由で、そうもいかないことがあるのです。しかも、例えばなにかが刺さった場合に、大切な複数の組織をいっぺんに壊してしまうこともあるなど、一つのトラブルが多大な影響を及ぼすことが少なくありません。
自覚症状が軽くても必ず診察を受ける
眼外傷の治療で大切なことは、受傷後に可能な限り早く正しい応急手当てを施すことです。手当てを開始するまでの1分1秒の差が、視機能を大きく左右することも珍しくありません。症状が軽いからといって診察を受けずに放置していると、治療のタイミングを逃して、取り返しのつかないことになりかねません。片方の目に異常があっても、ふだんは両目で物を見ているので、視力低下や視野の異常に気付かないことがあります。ですから自覚症状は、片目をふさいで必ず左右別々にチェックしてください。
眼外傷の検査
的確な治療には、けがの状態を正しく把握するための検査が欠かせません。しかし、検査に時間をとられて治療が遅れてしまっては元も子もないので、治療を進めながら必要な検査を並行して行うことになります。視力や視野・眼圧測定、顕微鏡検査など基本的な検査のほか、X線やCT・超音波などの画像検査が、骨折の診断や出血のために内部をよく観察できない状況での診断に、しばしば威力を発揮します。
救急治療と損傷箇所の修復(手術)と感染防止
眼外傷ではまず、損傷した組織を修復したり、入り込んだ異物を取り出す緊急治療をします(手術など)。傷のある場合には同時に抗生物質などを十分に使って、細菌やウィルスに感染しないよう厳重に注意します。重度の外傷の場合、まずこのような救急治療を行い、しばらく経過し状態が安定してから、もう一度手術を行って組織をきちんと修復し、視機能の回復を図る場合も多くあります。
「で、アルファードは誰が一番好きなの?」
ティファが俺を見つめる。
「勿論、私なのニャ」
ヴァイロンが胸の谷間を強調して”ゴロゴロ”言いながら俺にすり寄ってくる。それを、ティナが自分の所に引き寄せる。
「アルファードは、私の大事な人。気軽にくっつかないで」
ティナさん、口調はいつもと変わらないのですがちょっと怖いですよ。
「流石、妾のご主人はモテモテじゃのお」
そこ!煽らない!
「ま、まぁ、皆さん落ち着いて・・・」
「落ち着いてじゃなーい!アルファードは誰が一番好きなの?」
なんだか、凄くグイグイくるな。
「俺、皆、好きです。」
何故かカタゴトになってしまった。今の俺にはこうしか答えられない。
「なんでこうなった?」
「おいおい、考えていることが口に出ているぞ。それは、アルファードがボルボ様をボコり、八頭オロチを易々と討伐し、奇跡の力で助からなそうな命を助けて、街の恵まれて無い人達に莫大な寄付をし、すべてを丸く収めたからだな。俺でも惚れるわ!!」
何故か、そこにはコブラまでいる。しかも、今までいなかったキャプまで呼んで晒し物になっている感覚だ。キャップは”ニヤニヤ”と俺を見る。
「アルファードの兄さんや。観念して全員選んじゃえばいいなじゃね?」
キャップは楽しそうに適当なことを言う。
「キャップは相変わらず馬鹿ね。まぁいいわ。でも、これじゃ、埒が明かないわね。じゃあ、こうしましょう。明日から皆で交代にアルファードとデートして決めてもらうって言うのはどお?」
「ほぉー、それはいい考えじゃな!」
いい考えじゃない!って言っても俺の意見は通らなそうだしな
「いい考えなのニャ」
「それでいい。」
「妾ともデートとやらをしれくれるのかの?」
・・・民主主義恐るべし。こうして俺は全員と交代でデートする事になった。
本日、最初のお客様・・・お相手は、ヴァイロンさんでーす。と言う事で、最初はヴァイロンと出かけることになった。いつもの冒険者スタイルではないヴァイロンは、なんだか新鮮だ。短めのスカートから小麦色の足を出し、水色のシャツを可愛らしくアレンジしている。(表現力乏しくてスマン)兎に角、可愛い。
「さあ、アルファード。早くいくニャ!」
ヴァイロンは俺に手を伸ばし、俺の手を強く握り走り出す。
「おっとと。ヴァイロン、張り切っているなぁー」
「そりゃー、張り切るニャ!アルファードと二人でデートできるなんてすごく楽しみニャ。まずは、二人でお茶するニャ!」
まず最初に俺は、ヴァイロンのお気に入りのお店に連れて行ってもらった。決して、めちゃくちゃ洒落ている訳ではないがこじんまりとした良さげお店だ。
「ここのモーニングがお気に入りなのニャ!すみませーん。モーニング二つにゃ!」
「はーい。モーニング2つ。」
店の奥から優しそうな女将さんが顔を出す。
「ヴァイロンちゃん。いらっしゃい。あら、男の人なんか連れちゃって、彼氏?」
「違うニャ。旦那様ニャ!」
「ブッ!!こらこら違うだろ!」
「そうだったニャ。将来の旦那様ニャ。」
「そうなのね。それは良かったわね。お邪魔しちゃ悪いからさっさとモーニング作ってくるわね。旦那様もごゆっくり♪」
女将さんはニコニコしながら奥に戻っていった。
「なんか、、周りを固められている様な気が・・・・」
「んー、そんな事無いニャ!ここの朝食は本当に美味しいんだニャー。だから、一回、アルファードと来たかっらのニャ」
そんな風に言われると悪い気はしない折角のヴァイロンとのデートだ。楽しまないとね。
「なんで、アルファードは冒険者になったニャ?」
「うーん。そうだなぁ。俺は、広い世界を見てみたいし、色んな人に出会い、様々な知識や知らないことを知りたい。それに、もしかしたら俺の力を必要としている人がいるかもしれない。そういう人達の手助けもしたいと思ってね。世界は広いからこれからの旅や冒険が楽しみだよ。」
「そんなんだニャ!やっぱり、アルファードは器がでかいニャ。」
「そう言うヴァイロンはどうして冒険者になったの?」
ヴァイロンは、一瞬俯いたがすぐに笑顔で答えてくれた。
「やっぱり、一番は生活の為かニャ。獣人は普通の仕事に就くのは難しいからニャ。それに、私は、孤児で教会の孤児院で育ったニャ。そこの神父先生は、私が獣人にもかかわらずとても優しくしてくれたニャ。その恩返しもしたいと思って回復師になったのニャ。」
ヴァイロンの話を聞いていると女将さんがモーニングを持ってきてくれた。
「はいよ。お待ちどう様。モーニング2つね。」
お皿には、サラダ、スクランブルエッグ、ベーコン、ソーセージが乗っている。そして、別のお皿に焼き立てのパンとバター、ジャムなどが付いており更にコーヒーまでセットになっていた。
「わー、来たニャ!食べるニャー。ここのパンは焼き立てにゃのでとても美味しいニャ!アルファードも食べるニャ!」
「うん。確かに美味しそうだ。いただきます。」
俺は、空間収納から”マヨ”を取り出し、サラダに少しつける。
「それは、なんだニャ?」
「うん。俺が作ったサラダを美味しくする調味料だよ。使ってみる?」
「ニャー!」
俺は、ヴァイロンのサラダにも少しつけてあげた。
「!!。これはすごく美味しいニャ!本当にアルファードが作ったニャ?」
「うん。今度、量産して売り出そうと思ってるんだ。ヴァイロンの口に合ってよかったよ。」
「アルフォードは、本当に凄いニャ。にゃんでも出来ちゃんうんだニャ」
そう言いながら、美味しそうに食べる。しかし、ここのモーニングは、本当に美味しい。スクランブルエッグも玉子が新鮮なため、トロトロに仕上がっている。ほんのり塩味がし、口の中にうまみが広がる。ベーコンは、カリカリに、ソーセージはプリっとしてすごく美味しい。パンは焼き立てで、いつも食べるもさッとしたパンとは違い、ふわっとしている。最後に〆のコーヒで朝の優雅な一時を過ごした。
「ごちそうさまでした。本当に凄く美味しかったよ。」
「ご馳走様ニャ。気に入って貰えてうれしいニャ!」
俺達は、その後、少し話をし、お店を後にした。次に向かったのは、教会だった。
「あ!おねーちゃん。うわー!おねーちゃんが男の人連れて帰ってきた!」
何人かの子供がヴァイロンを見ると寄ってきた。
「ねぇねぇ、おねえちゃんの彼氏?」
「違うニャ。将来の旦那様だニャ」
「えーーー!おねえちゃん結婚するの!?」
「あのぉー、ヴァイロンさん。とても返答に困るんですが・・・」
ヤヴァイ。ヴァイロンのペースだ。
「神父様―。おねーちゃんが婚約者連れて来たー!」
子供の一人が走って教会に向かっていく。
「アルファード、こっちニャ」
ヴァイロンは、相変わらずマイペースで俺を教会に連れて行く。教会の中は、沢山の人がいる。
「ここは、教会だけど、お金がいない人達が来る治療院にもにゃっていて、神父様は、ここの回復師様でもあるんだニャ。私も時間がある時は手伝いに来てるんだニャ」
確かに、よく見ると顔色がすぐれない人が多い。中には、怪我をした人もいる。これだけの人を一人で見るのは魔力も途中で尽きるだろうし、すごく大変だと思う。
「よかったら、俺も手伝うよ。」
「じゃあ、神父先生の所に行くニャ」
俺達は、神父様の下に行く。
「やあ、ヴァイロン。今日も手伝いに来てくれたのかい?おや、そちらの方は?」
「おとーさん、ご紹介いたしますニャ。彼は、アルファード。未来の旦那様ニャ」
「ちがーーーーう!」
「そうか、そうか。それは是非、お話をしたいものだが生憎、今手が離せなくって。」
「あ、俺もお手伝いします。よろしいでしょうか?」
「ん?君も回復師なのかい?」
「いえ、魔導剣士ですが、回復魔法も使えます。」
「そうなんだね。では、お願いしようとするかな。」
よく見ると、神父様は目を瞑っている。
「目が悪いんですか?」
「ははは・・・、ずっと昔にちょっとね。」
神父様は苦笑いをする。すると、今まで元気だったヴァイロンが俯き、涙を浮かべた。
「違うにゃ。おとーさんの目は私を庇って、魔獣の毒を目に受けて見えなくなっちゃったニャ・・・」
ヴァイロンは、ボロボロと涙を流し始めた。きっとヴァイロンはずっと神父様に対して罪悪感を感じながらいたんだろう。
「人族が住む所では、獣人は、人々に卑下され奴隷同然の扱いを受けるニャ。それなのに、おとーさんは、捨てられてた獣人である私に人族同様、凄い愛情を持って育ててくれたニャ。そしてある日、診療所で使う薬草を取りに森に出掛け魔物の群れに襲われたニャ。一緒に同行してくれた冒険者の人と神父様がその魔物たちと戦っていた時に、人間族の子達は、冒険者の人に守って貰えてたのにゃけど、私は、その輪から外されてたにゃ。群れの中の一匹の魔獣が私に襲い掛かって来て毒液を私にかけてきたニャ。私は、もうダメだと思ったその時におとーさんが私を庇って代わりに毒を受けてしまったニャ。魔物は、冒険者とおとーさんで駆逐されたけど、その時受けた毒が目にはいにゃってそれ以来、おとーさんの目が見えなくにゃってしまったニャ。色々な、回復師の人に見てもらったニャけど、誰も治せなかったニャ。」
「なるほど。それでもしかしたら俺なら治せると思ったからここに連れて来たのか。」
「ごめんにゃさい。でも、もう、頼れるのがアルファードしかいにゃくて・・・」
ヴァイロンは話をしている間ずっと俯き、”ボロボロ”と涙を流している。これも、きっと獣人と人との差別が生んだ悲劇なんだろうな。しかし、神父様はそんな事はしなかった。むしろ、獣人である彼女を守って傷を受けてしまった。俺、眼科は専門外なんだよな・・・。でも、この世界には魔法がある。兎に角出来る事をしてみよう。俺は、ヴァイロンを優しく抱きしめ、宥める。
「大丈夫。俺が何とかしてあげるから。だから泣かないで。」
ヴァイロンがうるんだ瞳で俺を見上げる。
「ほ、ほんと?」
「あぁ、どこまで出来るか分からないけど、俺が出来る事はやってあげるよ。ヴァイロンは、俺の大切な仲間だし、その仲間を守ってくれた神父様は恩人だからね。」
「アルファード!!お願いしますニャ!」
「じゃあ、まず、診療所にいる患者さんを処置しちゃおう。病気の人と怪我をしている人のグループに分けてきて。」
「分かったニャ!!直ぐやってくるニャ!!」
ヴァイロンは涙を拭い、診療所にいる患者さんの所に行った。
「さて、先に他の患者も診てきますね。今、ヴァイロンが患者をグループ別けしてくれているので。」
俺は、ヴァイロンの方へ歩いていく。
「どお?出来た?」
「こんなもんでどうニャ?」
「うん。いいんじゃないかな。よし、じゃあ、始めるとするか。」
俺は、空間収納から白衣を取り出し、”バサッ”と着る。そして、グループ別けされた患者を見て回り、空間認識より効果範囲を補測する。
《スキャン》
多くのターゲットの情報が入ってくるが、それを処理し、病気の原因菌、ウィルスを特定する。そして、エリアを指定し回復魔法をかける。
《キュアバクテリア》
《キュアウィルス》
《アンチバクテリア》
《アンチウィルス》
《メガヒール》
すると、その指定されたエリアは様々な色の光に包まれて、そのエリアにいた人達が回復していく。
「おお!身体回復していく!!!」
「俺もだ!わたしも!」
一つに纏めたグループ内から歓声が聞こえる。
次に怪我人を1つのグループに移る。怪我だけであれば、ヒールで回復するだろう。
《アンチバクテリア》
《アンチウィルス》
《ヒール》
こちらもみるみる回復していく。同じようにこちらからも歓声が上がっている。内科と整形を一緒に見た感じだった。
「こ、これだけの患者を一瞬で!き、奇跡だ。」
神父様がヴァイロンと共にやって来た。
「アルファード様は大賢者様ですか?」
「え、そ、そんな。回復魔法が使えるただの一介の魔導剣士ですよ。」
「し、しかし、こんな奇跡の様な回復魔法は見たことが無い。」
「多分、多重詠唱を組み合わせているからそう見えるんじゃないですか?(;’∀’)」
「た、多重詠唱!?そんな高等技術聞いたことがありません。一体あなたは・・・」
「私の将来の旦那様ニャ!」
「ヴァイロンさん、勘弁して下さい・・・。それはそうと、ここは教会ですよね?」
「そうですね。身寄りのない子を養うための施設にもなっています。また、この街は、貧富の格差が大きいため、街の治療院に行けない人達の治療院にもなっているんです。」
神父様は額の汗を拭きながら説明してくれる。あれだけの人に回復魔法を使用したのだから疲労はかなり溜まっていると思う。俺は、神父様に近づき額に手を当て自分の魔力を神父様に分けた。俺の掌から出た光は、神父様の身体に吸い込まれていくように入って行き、神父様の魔力は回復する。
「少しは、楽になりましたか?」
「これはすごい!貴方様は魔力の回復も出来るのですね。」
「ええ、自分の魔力を分け与えるだけですからね。さて、次は神父様の治療をしましょう。」
「そんなに気を遣わんくても構わんよ。私は、もう治らないのが分かっているし、受け入れているから。これでも、回復師だ。自分の状態は分かっているよ。」
「確かに、神父様は人々に慕われるほどの回復師だと思います。それに、多くの回復師の方達に治療をしてもらったのだと思います。自分も、どこまで出来るか分かりませんが、診せて貰えまえんか?」
「まぁ、それでヴァイロンの気が済むならお任せするとしよう。よろしくお願いします。」
「分かりました。では、少し目を診せて下さい。」
俺は、神父様は、俺に目を診せてくれる。
《スキャン》
現在の目の情報が俺の目の前に映し出されていく。外傷性眼瞼下垂か。小管断裂は、回復師の治療によって治癒されてるみたいだな。角膜と結膜に関しては、長い間放置されてしまったため、防水の調整が出来ずに眼圧を維持できずに緑内障を引き起こし、視神経がダメになってしまっている。水晶体、毛様体、虹彩、網膜や硝子体も毒素によってダメージを受け、水晶体は濁り白内障を引き起こし、虹彩や網膜もその機能を失ている。強膜や脈絡膜も変形し、眼球の形を保てていない。つまり、もうこの眼球と視神経は使い物にならないという訳だ。
「神父様、神父様の目は正直”今のまま”では使い物になりません。根本から再生させます。」
《クリーンルーム》
俺は、神父様をベットに寝かせ麻酔をかける。
「それでは、これから視神経の再生及び眼球の再生手術を行う。」
《アネスシージャ》
ここで、最近開発した魔法のお出ましだ。メスを入れられない部分を除去するためにディメンションカッターと言う魔法を開発した。これは、空間認識より切取りたい部分を指定し、その部分を切り取る事の出来る空間メスで、3Dによる細かい演算処理と組合わせる切除魔法が重要となる。
俺は、死滅している視神経から眼球すべてを切り出し、転移で切り出したすべてをトレイに取り出す。そして、視神経を含む眼球全部を再生させていく。
《ディメンションカッター》
《転移》
《リジェネレイト》
神父様の顔が光に包まれ、再生されていく。
《スキャン》
きちんと再生されたか確認するため、再生された部分をスキャンする。どうやら、再生は旨く行ったようだ。ヴァイロンも、息をのんでその様子を見ている。俺は、次に外傷性眼瞼下垂の処置を行う。
《リザレクション》
俺は、瞼周辺の筋組織と神経を蘇生させる。そして、神父様を麻酔から覚まさせる。
「どうですか?見えますか?」
神父様はゆっくりと目をあけ、惚けている。ゆっくり周りを見回し、ヴァイロンを見る。そして、言葉を発した。
「あぁ、ヴァイロン。すっかり素敵なレディーになって。私の記憶の幼いヴァイロンが上書きされてしまったよ。」
ヴァイロンの大きな瞳に涙が浮かぶ。そして、ゆっくりと一歩一歩、神父様の所に行く。そして、神父様の所に着くころには、大きな瞳から涙が零れ落ちた。
「おとーさん・・・、み、見えるの?」
「あぁ、凄く心配かけたね。今まで、ずっと、私の目を案じてくれてありがとう。そして、」
神父様は、俺の方を見る。
「私に、再度、光を届けてくれてありがとうございます。」
「よかった。見えるんですね。良かったな。ヴァイロン。」
俺は、神父様に抱き付いているヴァイロンの方に手を置き、話しかけた。
「あ、アルファードぉー・・・」
涙で言葉にならないようだ。暫く、神父様の腕の中で泣いていたヴァイロンだが少しずつ落ち着きを取り戻していった。
「しかし、範囲回復魔法といい、私の目の治療といい、あなたは本当に素晴らしい回復師ですね。この様な奇跡の瞬間に私が関われたことは神の思し召しとしか思えません。」
「ははは・・・、俺は、魔導剣士なんですが・・・」
「アルファードは、すごい回復師なんだニャ!おとーさんの力になってくれると思ったから連れて来たんだニャ。」
「そう言う事なら、ちゃんと言ってくれよー。」
「にゃははは。アルファードは本当に凄いニャ」
「凄いのかは分からないけど、こういう事は言ってくれれば、大切な仲間なんだからいくらでも相談に乗るよ。」
「アルファードは、相変わらず優しいニャー。そう言うところが大好きニャ!」
ヴァイロンが俺に抱き付き”スリスリ”する。
「んんー。まぁ、それは、そうと、本当にようこそお越しくださいました。何もない所ですがゆっくりしていって下さい。」
「あ、ありがとうございます。そう言えば、ここの診療所は神父様一人でやっておられるのですか?」
「はい、そうです。人々を救うのが神の教えであり、教会の存在意義だと思っています。それに、こうしてたまにヴァイロンが手伝いに来てくれるので。」
神父様は、ヴァイロンを優しく見る。うん。俺は、教会を誤解していたのかもしれない。俺の中の教会のイメージが変わった瞬間だった。
「しかし、ヴァイロンがこうして男の方を連れてこられるなんてビックリ致しました。」
「にゃははは。アルファードは、今までの冒険者とはちにゃって私が獣人でも周りと同じようにすごく優しく接してくれたニャ。今までで、ここの教会の子やおとーさん、パーティーメンバー以外、こうして接しれくれた人はあまりいないニャ。」
「そうなのか?」
「にゃ。にゃっぱり獣人は、召使の様に扱われるニャ。奴隷にされることも多々あるニャ。」
「そっか。今まで大変だったな。」
「やはり、獣人の差別は強いですね。この街でもまだまだ多いですよ。でも、そんな中、こんなに優しい、いい子に育ってくれて私は神に感謝しています。」
神父様は、ヴァイロンの幼い時の話や冒険者になった今の話まで色々話してくれた。神父様の話の内容でコロコロと表情が変わるヴァイロンは可愛らしく、とても素敵な女性に見える。
「さて、楽しい時間には終わりがあるものです。私は、教会の仕事もあるのでここらへんで失礼させてもらいます。これからもヴァイロンの事よろしくお願いします。」
「こちらこそよろしくお願いします。あ、俺もそろそろ行かないと!」
「私は、もう少しここに残っておとーさんのお手伝いをするニャ。本当に、アルファードには感謝してもしきれないニャ。」
満面の笑みでヴァイロンはすごく嬉しそうに神父様の下に行く。俺は、俺はその笑顔を見届け、次の”用事”をするために宿に戻った。
============タカミのワンポイント=========
目をけがした場合の一般的な対処法をお話しします。なお、症状が目以外にも及ぶような場合には、すぐに救急外来を受診するか救急車を呼んでください。
A.液体や粉末状のものが目に入ったとき
(例)洗剤、漂白剤、カビとり剤、接着剤、ヘアカラー、石灰(白線引き用など)、セメント、薬品など
(1) 直ちに水で十分に洗眼する
なによりもすぐに目を洗うことです。最低10分以上、蛇口の水やヤカンに汲んだ水を目に直接かけるか、洗面器に張った水で目をよく洗ってください。目をつぶっていては効果がないので、痛くてもがまんして目をあけて洗眼してください。
この間、目をこすってはいけません。
(2) 近くの眼科医に連絡をとる
洗眼の開始とともに、周囲の人が(1人の場合は自分で)近くの眼科に電話をして状況を説明し、指示を受けてください。
(3) 眼科を受診
洗眼が済んだらすぐに、連絡をとった眼科医や眼科救急外来を受診してください。
B.固形物が目に入ったとき 眼球や目の回りを切ったり刺したとき
(例)なにかの作業中に鉄片、木片、プラスチック片が飛んできて目に入った。カッターで目を傷つけた。針が目に刺さった
(1) 付着物を水で洗い流す
目の表面や周囲によごれ(例えば泥)がついている場合は、すぐに水でそれを洗い落とします。ただしAのケースほど長時間続ける必要はありません。また、眼球に大きな傷がある場合は無理に目を開かずに、軽くよごれをとってください。
この間、目を押さえつけてはいけません。出血している場合は、きれいなタオルやティッシュなどをまぶたの上から軽く当ててください。
付着物がない場合はすぐに(2)へ。
(2) 眼科医に連絡をとって受診する
近くの眼科に電話をして状況を説明してください。応急処置の指示を受け、それが済んだら直ちに受診してください。
C.眼球や目の回りを打撲したとき
(例)球技のボールが目に当たった、格闘技中の事故
視力低下や視野の異常、眼痛などの自覚症状がある→眼科救急外来を受診
これといった自覚症状はない→念のため眼科を受診し精密検査を受ける
D.理由は思い当たらないが目が痛いとき
視力低下や視野の異常、または頭痛や吐き気などを伴う→直ちに眼科を受診
眼痛以外の症状はない→眼科を受診
受診する際に医師に伝えるポイント
一刻を争う状況のなかで正確な診断・的確な治療を素早く行うために、以下のような事項を眼科医に伝えるように努めてください。
■できるだけ詳しい受傷時の状況
・目に物が入った場合、なにがどの程度入ったのか
・打撲の場合は当たった物(ボールであればその種類<野球かボールかサッカーボールかなど>、固さ、飛んできた方角・スピード)、当たった瞬間の姿勢
・格闘技の場合は相手のどの部分が、どのような動きのなかで、どこにあたったのか
■何分前に受傷したのか
■メガネやコンタクトレンズをしていたか
■どのような応急手当てをしたか
目に洗剤や薬品などが入った場合は、それがなにかわかるもの(容器や説明書)を持参してください。固形物の場合、破片が残っていれば、それを持参してください。
<的確な初期治療までのスピードが命>
さて、ここまで緊急時の応急手当てを解説してきましたので、ここからは目のけが「眼外傷」について、お話ししたいと思います。
大切な組織を一瞬で損傷してしまう
眼球は奥行き24ミリメートル程度の球形の小さな器官です。しかしその小さな眼球には、物を見るうえで欠かせないいくつもの組織が精巧に組み込まれています。それらのなかには、いったん損傷すると再生しなかったり、再生しても元のようには働かない組織もあります。
皮膚をけがした場合は、たとえ傷あとが残るとしても、機能的な問題はなく治ることが多いですが、目に限っては以上の理由で、そうもいかないことがあるのです。しかも、例えばなにかが刺さった場合に、大切な複数の組織をいっぺんに壊してしまうこともあるなど、一つのトラブルが多大な影響を及ぼすことが少なくありません。
自覚症状が軽くても必ず診察を受ける
眼外傷の治療で大切なことは、受傷後に可能な限り早く正しい応急手当てを施すことです。手当てを開始するまでの1分1秒の差が、視機能を大きく左右することも珍しくありません。症状が軽いからといって診察を受けずに放置していると、治療のタイミングを逃して、取り返しのつかないことになりかねません。片方の目に異常があっても、ふだんは両目で物を見ているので、視力低下や視野の異常に気付かないことがあります。ですから自覚症状は、片目をふさいで必ず左右別々にチェックしてください。
眼外傷の検査
的確な治療には、けがの状態を正しく把握するための検査が欠かせません。しかし、検査に時間をとられて治療が遅れてしまっては元も子もないので、治療を進めながら必要な検査を並行して行うことになります。視力や視野・眼圧測定、顕微鏡検査など基本的な検査のほか、X線やCT・超音波などの画像検査が、骨折の診断や出血のために内部をよく観察できない状況での診断に、しばしば威力を発揮します。
救急治療と損傷箇所の修復(手術)と感染防止
眼外傷ではまず、損傷した組織を修復したり、入り込んだ異物を取り出す緊急治療をします(手術など)。傷のある場合には同時に抗生物質などを十分に使って、細菌やウィルスに感染しないよう厳重に注意します。重度の外傷の場合、まずこのような救急治療を行い、しばらく経過し状態が安定してから、もう一度手術を行って組織をきちんと修復し、視機能の回復を図る場合も多くあります。
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