異世界の歩き方〜慰謝料を請求したい〜

白色ひつじ

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1.始まりの地

じゅう、花畑の守り人

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後ろで大きな音がしたと思ったら風がきて飛ばされそうになる。

「うわっ、何が一体…」

身体を風に押されないようにしつつ、体勢を整えて後ろを振り返ってみると、ぼんやりとナニカが動くのがみえた。

「あれ、あそこ、拠点だったわよね。拠点がなくなった?」

せっかく時間をかけて作った拠点がナニカに潰されている。あれは、なんだろう。
もう少し近くでみてみようとしたその時、目の前にパサランがやってきた。

「パサラン、あれは何かしら。私の拠点はなくなってしまったのかしら、あそこに荷物がまだあったのに。というよりもあの生き物なのかしら物体は、こちらに向かってきてるわよね、どうしましょう、逃げなきゃ」

暗くてよく見えないけれど、私よりも絶対に大きいわ。2mはあるかしら。暗くてよくわからないけれど、なんだかいびつで、少しえた匂いがただよってきた。

「こっちにきてるわね、あれは何なの…」

暗くて分からないけれど、こちらを見られてるような気がするので、目を離さないようにしつつ後ろに下がる。

ヴ、ヴヴ…ヴー…

地鳴りのような音を何かが出している。足が震える。

「やだ、こっちに来てるわ。此処は危険なところではないっていってなかったっけ、いや、いってなかったわよね、どこがなの、あれ、どこからどうみても危ないやつでしょ。えっ、どうしたらいいの。どこに逃げたらいいの。パサラン、どうしましょう」

いきなりの出来事にパニックになっているとパサランが落ち着くように点滅をしている。

「ああ、ごめんなさい、そうよね、少し落ち着くわ。ここは安全な場所なの?」

深く息をしつつ、震える声でパサランに尋ねてみるとパサランは頷いている。
よく見ていると近づいて来ようとしていても、花畑の中にはやってこられないようだ。

「お花のところには来られないってことなのかな?」

パサランはまた頷く。

「良かったわ。ここにいれば一先ずは安全なのね。でもどうしましょう。もうあそこには戻れないの?」

手足は震えるし、血の気が引いて立つのもやっとだが、気を引き締めつつ、ナニカを見つめる。怖い。未知の生命物体よ。もう、こんなとこ嫌。あまりの怖さに少し泣きつつも絶対に目を離さないようにしておく。
すると、パサランがチカチカして上を見るように促してきた。

「え、上?上に何が…えっ、何あれ…」

上を見てみるとさっきまであった色や形が様々な星が一斉に流れ出している。

「わ、綺麗、、、ってこんなこといってる場合じゃないでしょ、ねえ!思わず今の状況を一瞬忘れてしまうくらいには綺麗だったけれど」

あまりの綺麗さに一瞬呆けてしまったけれど、気を確かにもって視線をナニカに戻してみると、綿毛ちゃんたちが何かの周りを囲ってぐるぐる回っている。

「あれ、パサラン、何してるの?ごめんなさい、答えてもらっても私が分からないのよね。えっと、もしかしてケサランたちはあれを倒せるのかな」

思わずパサランに聞いてみるとふんわり光りつつ、頷いている。

「そっか、倒せるんだ」

そのまま様子をみてみることにする。非現実なものってなんだか実感が沸かないわね。

見たものをいうとね、ケサランたちがくるくるとどんどん速度をあげて回っていく度に、段々と地鳴りのような音をあげつつも身体が崩壊していったのかしら。溶けたのかしら。
まあ、いいわ、身体が崩れていって、最終的にここからは見えなくなったわ。かき氷機みたいだわ。どうなったのかしら。
その後、綿毛ちゃんたちが行ったり来たりどこかに行っては帰っているところよ。ケサランは高速回転が終わったあと、こちらにやってきているわ。

「そろそろ戻ってもいいのかしら」

2人に声をかけるとパサランが肩に乗ってきた。これは、帰ってもいいってことかしらね。

「守ってくれてありがとう。他のお仲間さんたちにも伝えておいてくれるかな?さぁ、拠点に行きましょ」

・・・・・


拠点に戻ったところ、思ったほどは壊されてなかった。思ったほどは、だけれどもね。

「あー…この傘、駄目になっちゃたのね、使い物にならないわ。お気に入りだったのに。こっちの荷物は潰れただけね、あ!こんなところにペットボトルいれてたの忘れてたわ。潰れて濡れてしまったわ。またペットボトルは再利用できるとしても、貴重な水分だったのに。もったいなかったわね。この濡れたものは乾くかしら。折れた傘にでもかけておきましょ。他には、んー、、、潰れて壊れるようなものはあまり入れてなかったと思うけど、うん、大丈夫そうね。汚れは、あれ?」

暗くてよく見えてなかったけれど、泥だらけになっているかもと思っていたシートや荷物は何事もないようにそこにあった。

「汚れてないのね、まあ、いいわ。もう遅いし、色々あって疲れたわ。寝ましょ!ケサランとパサランもありがとうね。また何かあったら起こしてほしいのだけれども…」

ケサランとパサランは頷いてる。癒やされるわね、この子たち。

「本当にありがとう。じゃ、また明日、おやすみなさい」

そういって、私はシートの上に寝そべり、コートをかけて寝た。地面は固くて寝心地は最悪だったけれど、疲れていたのか目を瞑ったときから記憶がない。


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