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プロローグ 銀河に旅立つその前に
第1話 URAZMARY
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≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡
【登場人物】
[????????]
この物語の主人公。
[????????]
この物語の主人公の幼馴染。
≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡
【お知らせ】
異能力×宇宙冒険×少年漫画系 の自作小説、第一部です。
楽しんでいただけるように頑張りますので、拙いですがよろしくお願いします。
≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡
ねぇ、知ってる?
この宇宙のどこかに、なんでも願いを叶えることのできる遺伝子能力があるんだって。
その遺伝子能力があれば………
みんなこんな風にいがみ合ってなかったのかな。
世界に争いは生まれなかったのかな。
私達は大事な人たちを失わずに済んだのかな。
不思議だよね。
同じ時間を生きてるのに、
私達みたいに命がけで毎日を何とか生きてる子供もいれば、
親や兄弟、友達に囲まれて幸せに生きてる子供たちもいる。
世界はいつだって不公平で理不尽だって知ってたけど、
やっぱりちょっと羨ましいし、悲しいな。
いつかさ、かけがいのない存在と一緒に笑って暮らせる、そんな世界で暮らしたいの。
きっとその願いを叶える遺伝子能力なら……
――そんな夢みたいな遺伝子能力あるわけないだろ。
ううん、あるよ。
確か名前はね……
『My Gene』
▽▽▽
▽▽
▽
~静まり返った教室~
「(なんだこれ……全然わかんねえよ………)」
薄い金色の跳ね髪、困り果てた顔に滴る冷や汗。
彼は心の中で呟いていた。
元々勉強は得意な方ではなかったが、このままでは赤点は免れない。
――――――――――――
【1】(5点)
遺伝子能力が使用者に同調している状態を研究者ジアは論文内で何と著したか選択肢から選びなさい。
1 Ability that Gene Instantly Synchronizes
2 Ability that Gene Ruins Yourself
3 Gene Ability In Abyss
( )
【2】(5点)
次の人物を輩出したかつての名家を答えなさい。
・煉術を開発した(五代目異端)
・隕石から星を守り銀河の称号を得た
(九代目正統)
・大元帥反乱事件を起こした
(九代目異端)
( )家
【3】(5点)
『プリミシー探星記』はどの星の探索記か答えなさい。
( )星
――――――――――――
「(おれ歴史苦手なんだよ…… )」
「やっぱ筆記試験なんて俺には無理だな……」
教師に気付かれないようそう呟いたのが最後。
彼はいつも見る夢の世界に旅立ってしまった。
――――――――――――――
彼は暗闇の中を逃げていた。
迫り来る【なにか】に追われていたのだ。
彼が後ろを振り向くそこにはその【なにか】がいた。
それは闇でもあり、1人の青年でもあり、銀河の運命の軸でもあり、そして………
自分でもあった。
逃げながらも感じる自己嫌悪、嫉妬、絶望………そして憎悪。
その闇が近づくにつれ、負の感情が湧き上がってくる。
彼が再度後ろを振り向くと、闇から黒く輝く太陽が飛び出でた。
その太陽は段々と小さくなると、一縷の“槍”となって彼に突き刺さる。
痛みはない。
だが、彼の心の奥底に埋め込まれたように、今までに感じたことないほどの闇が沸き上がる。
全ての負の感情を孕んだその闇は………言わば“根惡”。
そう直感した。
そして次第に闇に追いつかれ、呑み込まれそうになったとき、彼は覚悟を決めてその闇に立ち向かう。
彼の身体から十個の光の珠が飛び出すと、闇にぶつかりその核を露呈させた。
そして彼は、疒ように蝕む闇の根惡をひき割くために邁んでいった。
しかし………
闇の根惡は無情にも、光ともども彼を呑み込んだ。
その時、突然誰かの声がかすかに、そして一言一言が途切れるようにゆっくりと彼の脳内に響きわたる。
「わ…た……………」
「……ラ…リ…………」
――――――――――――
「……ラ……リ………」
「……ラズ…リ………」
「サンダー・パーマー=ウラズマリー!!!」
彼はハッと目を覚ます。
彼の後ろの席に座る生徒が彼の名前を鼻息荒く呼んでいた。
彼女は長くきれいなストレートの水色の髪が特徴的な女生徒だった。
「プラズマ、テスト終わったってば!早く前に答案渡してよ!」
サンダー・P=ウラズマリーという名から“プラズマ”というあだ名で呼ばれる彼は、試験中いつのまにか寝てしまったのだ。
プラズマはその女生徒から答案を受け取ると、真っ白な自分の答案を隠すようにしてそそくさと前へ送った。
そして再度その女子生徒の方へ振り向き愚痴をこぼす。
「セリナ!俺を起こしてくれる約束だっただろ!」
「あんた……!!もし…」
「ったく、セリナが起こしてくれないせいでテストほとんど白紙じゃねぇか……ただでさえ実技も危ういってのに……」
プラズマの言葉を聞き、セリナと呼ばれるその女子生徒は出かかった言葉を飲み込むと深いため息を吐く。
そしてセリナの頭から蒸気が出るのではないかと思うくらい怒りに震えていた。
「今回は起こす約束なんてしてないでしょうが……!」
「それにいつもできたら、って言ってるでしょ!?あんたに肩入れしたら私までグルだって疑われちゃうの!」
いかにもカンニングのグルだと言わんばかりに反論されたプラズマは『寝ていただけでカンニングはしてない』と思ったがめんどくさいことになる予感がしたので口をつぐんだ。
「それに白紙なのも全部、自分が寝るからでしょうが!!」
抗議するセリナを傍目にプラズマは筆記用具を雑にカバンへと放り込むと、椅子が倒れるかと思うくらい勢いよく席を立った。
「ほんとにさぁ、あんたがしっかりしないと……あんたの師匠も大変なんだよ……?」
セリナはそんな馬鹿の化身であるプラズマを悲しそうな目で見つめている。
「セリナ!筆記は終わったし………帰るか!」
「清々しそうに……試験できたんでしょうね………?ただでさえ実技試験も危ういのに……」
「まぁ別に卒業の心配はしてないけどさ……」
セリナの言葉を他所にプラズマは教室を飛び出していく。
ここは遺伝子能力養成学校。
各人の遺伝子によって異なる様々な特殊能力を操るようにするための義務教育の場。
彼らはその高等部3年生。
高等部を卒業できなければ、遺伝子能力を使用することはもちろん、星を出て宇宙へと飛び立つことも認可されない。
そして今日が、その卒業試験の筆記試験だったのだ。
これは1人の青年が運命に従って銀河へと旅立つ少し前の物語。
To be continued.....
【登場人物】
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この物語の主人公。
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この物語の主人公の幼馴染。
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【お知らせ】
異能力×宇宙冒険×少年漫画系 の自作小説、第一部です。
楽しんでいただけるように頑張りますので、拙いですがよろしくお願いします。
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ねぇ、知ってる?
この宇宙のどこかに、なんでも願いを叶えることのできる遺伝子能力があるんだって。
その遺伝子能力があれば………
みんなこんな風にいがみ合ってなかったのかな。
世界に争いは生まれなかったのかな。
私達は大事な人たちを失わずに済んだのかな。
不思議だよね。
同じ時間を生きてるのに、
私達みたいに命がけで毎日を何とか生きてる子供もいれば、
親や兄弟、友達に囲まれて幸せに生きてる子供たちもいる。
世界はいつだって不公平で理不尽だって知ってたけど、
やっぱりちょっと羨ましいし、悲しいな。
いつかさ、かけがいのない存在と一緒に笑って暮らせる、そんな世界で暮らしたいの。
きっとその願いを叶える遺伝子能力なら……
――そんな夢みたいな遺伝子能力あるわけないだろ。
ううん、あるよ。
確か名前はね……
『My Gene』
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~静まり返った教室~
「(なんだこれ……全然わかんねえよ………)」
薄い金色の跳ね髪、困り果てた顔に滴る冷や汗。
彼は心の中で呟いていた。
元々勉強は得意な方ではなかったが、このままでは赤点は免れない。
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【1】(5点)
遺伝子能力が使用者に同調している状態を研究者ジアは論文内で何と著したか選択肢から選びなさい。
1 Ability that Gene Instantly Synchronizes
2 Ability that Gene Ruins Yourself
3 Gene Ability In Abyss
( )
【2】(5点)
次の人物を輩出したかつての名家を答えなさい。
・煉術を開発した(五代目異端)
・隕石から星を守り銀河の称号を得た
(九代目正統)
・大元帥反乱事件を起こした
(九代目異端)
( )家
【3】(5点)
『プリミシー探星記』はどの星の探索記か答えなさい。
( )星
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「(おれ歴史苦手なんだよ…… )」
「やっぱ筆記試験なんて俺には無理だな……」
教師に気付かれないようそう呟いたのが最後。
彼はいつも見る夢の世界に旅立ってしまった。
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彼は暗闇の中を逃げていた。
迫り来る【なにか】に追われていたのだ。
彼が後ろを振り向くそこにはその【なにか】がいた。
それは闇でもあり、1人の青年でもあり、銀河の運命の軸でもあり、そして………
自分でもあった。
逃げながらも感じる自己嫌悪、嫉妬、絶望………そして憎悪。
その闇が近づくにつれ、負の感情が湧き上がってくる。
彼が再度後ろを振り向くと、闇から黒く輝く太陽が飛び出でた。
その太陽は段々と小さくなると、一縷の“槍”となって彼に突き刺さる。
痛みはない。
だが、彼の心の奥底に埋め込まれたように、今までに感じたことないほどの闇が沸き上がる。
全ての負の感情を孕んだその闇は………言わば“根惡”。
そう直感した。
そして次第に闇に追いつかれ、呑み込まれそうになったとき、彼は覚悟を決めてその闇に立ち向かう。
彼の身体から十個の光の珠が飛び出すと、闇にぶつかりその核を露呈させた。
そして彼は、疒ように蝕む闇の根惡をひき割くために邁んでいった。
しかし………
闇の根惡は無情にも、光ともども彼を呑み込んだ。
その時、突然誰かの声がかすかに、そして一言一言が途切れるようにゆっくりと彼の脳内に響きわたる。
「わ…た……………」
「……ラ…リ…………」
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「……ラ……リ………」
「……ラズ…リ………」
「サンダー・パーマー=ウラズマリー!!!」
彼はハッと目を覚ます。
彼の後ろの席に座る生徒が彼の名前を鼻息荒く呼んでいた。
彼女は長くきれいなストレートの水色の髪が特徴的な女生徒だった。
「プラズマ、テスト終わったってば!早く前に答案渡してよ!」
サンダー・P=ウラズマリーという名から“プラズマ”というあだ名で呼ばれる彼は、試験中いつのまにか寝てしまったのだ。
プラズマはその女生徒から答案を受け取ると、真っ白な自分の答案を隠すようにしてそそくさと前へ送った。
そして再度その女子生徒の方へ振り向き愚痴をこぼす。
「セリナ!俺を起こしてくれる約束だっただろ!」
「あんた……!!もし…」
「ったく、セリナが起こしてくれないせいでテストほとんど白紙じゃねぇか……ただでさえ実技も危ういってのに……」
プラズマの言葉を聞き、セリナと呼ばれるその女子生徒は出かかった言葉を飲み込むと深いため息を吐く。
そしてセリナの頭から蒸気が出るのではないかと思うくらい怒りに震えていた。
「今回は起こす約束なんてしてないでしょうが……!」
「それにいつもできたら、って言ってるでしょ!?あんたに肩入れしたら私までグルだって疑われちゃうの!」
いかにもカンニングのグルだと言わんばかりに反論されたプラズマは『寝ていただけでカンニングはしてない』と思ったがめんどくさいことになる予感がしたので口をつぐんだ。
「それに白紙なのも全部、自分が寝るからでしょうが!!」
抗議するセリナを傍目にプラズマは筆記用具を雑にカバンへと放り込むと、椅子が倒れるかと思うくらい勢いよく席を立った。
「ほんとにさぁ、あんたがしっかりしないと……あんたの師匠も大変なんだよ……?」
セリナはそんな馬鹿の化身であるプラズマを悲しそうな目で見つめている。
「セリナ!筆記は終わったし………帰るか!」
「清々しそうに……試験できたんでしょうね………?ただでさえ実技試験も危ういのに……」
「まぁ別に卒業の心配はしてないけどさ……」
セリナの言葉を他所にプラズマは教室を飛び出していく。
ここは遺伝子能力養成学校。
各人の遺伝子によって異なる様々な特殊能力を操るようにするための義務教育の場。
彼らはその高等部3年生。
高等部を卒業できなければ、遺伝子能力を使用することはもちろん、星を出て宇宙へと飛び立つことも認可されない。
そして今日が、その卒業試験の筆記試験だったのだ。
これは1人の青年が運命に従って銀河へと旅立つ少し前の物語。
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