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第3章 ポジティ部編

第34話 最強最悪コンビ

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 ヤ、ヤバい人間が来てしまったぞ―――っ!!

「あーっ!? ル、ルイルイ先輩、ご無沙汰しておりま~す!!」

「テンテン、無事に退院出来たみたいで良かったな!? でもまぁ私はお前がずっと入院していても別に構わなかったけどな!!」

「あっ、有難うございます!!」

 えっ、今お礼言うところか!?

「ところでテンテン……その『ヒトヤン』を『ポジティ部』に無理やり勧誘しているみたいだが……」

『ヒトヤン』? あぁ、彼の事ですか!? なかなか良い呼び名ですね!? 流石はルイルイ先輩です!! いかにもそうです、彼は絶対『ポジティ部』に向いていると思いましたので『心を込めて』勧誘していたところです!!」

 な、何が『心を込めて』だ!!
 ほとんど無理矢理じゃねぇか!!

「テンテン、悪いが『ヒトヤン』は『ポジティ部』には行かせない。彼はこの『ネガティ部』に必要不可欠な少年なんだ!! 諦めて帰るんだ!! そしてもう一度入院して来い!!」

 えっ!?

 め、珍しいな。あのルイルイが普通の事を言っているぞ!!

 でもテンテン先輩もあのテンションだし、意味の分からない格言(?)まで言い出した人だ。そう簡単に諦めるとは思えないんだが……

「わ、わかりました、ルイルイ先輩!! 彼の事はキッパリと諦めます!!」

 えっ!?
 
 え――――――っ!?
 そんなアッサリと諦めるのか?

 どんだけルイルイの事を崇拝すうはいしているんだよ!?

「それではルイルイ先輩!! 今から早速、病院におもむき入院の手続きをしてまいります!!」

 マッ、マジかっ!?

 この人は従順なのかアホなのかどっちなんだ!?

「テンテン、入院は冗談だ!! サッサと自分の部室に戻れ!! 部員達がお前が戻って来るのを首を長くして待っていたぞ!! ほら見てみろ? 副部長の『ムキムキ』なんかは心配してそこの廊下で待っているんだぞ!!」

 む、『ムキムキ』!?

 もしかしたら筋肉ムキムキの男性部員なのか!?

「し、失礼します……部長、そろそろうちの部にいらしていただけませんか? 部長がいらっしゃらないので『復活祭』を始められないってみんな嘆いていますので……」

 えっ、このメガネ女子が副部長さんなのか!?
 っていうか男子じゃなかったのか!?

 『ムキムキ』って呼ばれているからてっきり男子だと思ったぞ。
 も、もしかして実は筋肉ムキムキとかなのか?

 いや、どう見ても『華奢きゃしゃ』な体つきだしなぁ……ただ、むっ、胸は大きい方だがな……って、そんな事は思っている場合じゃなかったよな?

 でもメガネをしているから分かりづらいけど、この人、かなり美人じゃないのか?
 色白で整った顔をしているし……メガネを外した顔も見てみたいような……
 

「お~っ『ムキムキ』!迎えに来てくれたのか~!? そうだな~部員の皆を待たせるのは申し訳ないよな~!! 『再入院』もしなくていいいみたいだから、そろそろ僕の『復活祭』に行くとしようか!! あっ、そうだ。君達も僕の『復活祭』に参加しないか~!?」


『ぜっ、絶対参加しませ――――――んっ!!!!』

 ろっ、六人の声が初めて揃った瞬間だなっ!!

「そっか~っ!! それは残念、また気が変わったら来てくれたまえ!! それではまた来るからね~? ミヨミヨもまた明日ね~っ!?」

「皆さん、お騒がせしました……」


 ああ……明日が来なければいいのに……(ボソッ)

 え? 今、美代部長の心の声が聞こえた気がするぞ!! ってか、美代部長がいつも以上に暗い顔しているのが心配だ。は、早く俺が慰めなけば!!

 ガラッ、ガラガラ……バシッ

 フゥ――――――ッ!! や、やっと帰ってくれたよ……

「あぁ~凄く疲れたわ~私、今日はもうおうちに帰ろっかなぁ?」

「そうだな舞奈……今日はまさかの出来事があって疲れているだろうから舞奈は別に帰っても良いんじゃないか? 後は五人で部活やっておくからさ……」

「えっ、一矢は帰らないの?」

「そ、そりゃあ帰れないだろう。あれだけ俺を『ポジティ部』に行かせない様に皆さん必死に引き留めてくれたんだぜ!! 一人ずつお礼も言いたいし、特に一番疲れているはずの美代部長に、何か元気が出る様な言葉をかけてあげたいしな」

「わ、分かった、私も残る!! 絶対におうちには帰らない!!(プイッ)」

 えっ?

 何でそこで『プイッ』なんだ!?
 ホント舞奈の気持ちは読みづらいなぁ……疲れているなら帰ってくれてもいいのにさ……

「そ、それよりさルイルイ……あんたにお礼なんて本当は言いたく無いけど……さっきは有難う。た、助かったよ……」

「私からもお礼を言わせてください。ルイルイ本当に有難うございました。ルイルイはいつもは口が悪いけど、本当は私達の事を思ってくれていたのですね?」

「そ、そうですよね……私も驚いちゃった……まさか今回、ルイルイに助けてもらうだなんてね……」

「……ルイルイ、ありがと……」

「ルイルイ先生、僕からもお礼を……本当に有難うございました!!」

 子龍先輩、マジでルイルイの前だと顔が正面向いてるよな!?

 それにあの『ハイテンションの』テンテンさんですら、ルイルイの言う事は素直に聞くんだもんなぁ……再入院もしかけてたしな。

 こんなに口が悪いルイルイのどこにそんな魅力があるんだ?
 俺には全然分からないぞ。

「ハッハッハッハ!! お前達、私に感謝なんてしなくていいぞ!! 私はただ見てみたいだけなんだよ!! この『普通の少年』と『ネガティブな性格のミジンコ共』が同じ部活で、どう変化していくのかをな!! お前達が良い方向に行くのも良し、逆に悪い方向に行ってたとしも私は別に構わない!! どちらかと言えばそっちの方がめちゃくちゃ面白いかもな!? どうせ私はバイトだしお前達に何かあってもいつでも辞めれるからな!! ハ―――ハッハッハッハ!!」

 ・・・・・・・っ!!

 いっ、一瞬でもアンタを良い人と思ってしまった自分が、なんて情けなくなるよ……本当にあんたは……

「こ、こ……こんのぉ外道顧問が―――――――――――――っ!!!!」
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