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第6章 衝撃の事実編

第63話 仮部室で反省会?

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【月曜日の夕方5時半頃の仮部室にて】

 っていうか、仮部室なんてねぇんだよ!! 


「という事で、『謎めいた合宿』で私が色々と経験した内容はこんな感じですねぇ……」

「 「 「 「お~っ!!!!」 」 」 」

「舞奈ちゃん、とても楽しく過ごせたみたいで良かったですね?」
「ほんと、私ももう一度、合宿に行きたくなって来たわ!!」
「そうね。私も同じ気持ち……」
「ぼ、僕も……でも一矢君と同じ班になれないのは寂しいしなぁ……」

「はぁぁぁ……」

 本当にみんな俺の部屋に来ちゃいましたね……

 せっかく今日は振替で学校休みだから1日中家でゆっくりしようと思っていたのにさぁ……マジで俺の部屋を『仮部室』だと思っているんじゃないだろうな!?

 母さんは勉強会の時同様に大喜びだしなぁ……親父は仕事で何時に帰って来るか分からないみたいだし、これまた夕飯付きコースになりそうだぞ。


「舞奈ちゃん。その和久塁わくるいさんというお友達ができて本当に良かったですね? それにクラスメイトの人達とも……わ、私なんて『ブス』で『のろま』で『全然面白くない』人間ですから未だに同級生のお友達は1人もいませんからとても羨ましいです……」

 美代部長に同級生の友達が出来ないのは他に理由があるというか、おそらく他の先輩達同様に美代部長が美人過ぎて誰も近付けないだけだと思うんだが……

 美代部長から積極的に話しかけたら直ぐに友達の1人や2人出来るのになぁ……

「美代お姉ちゃん、でもね所詮女友達なんてさぁ、ちょっと自分にとって都合が悪くなっちゃったら平気で友達を裏切るものよ。だから私と聖香だっていつまで『友達』として続くかなんて分からないわよぉぉ」

 おいおい舞奈っ!?

 お前どんだけ『マイナス思考』なんだよ!? ってか、マジで小中学生時代に何があったんだ!? それともそいうたぐいの少女漫画を読み過ぎたとかか!?

「ま、舞奈……聖香はお前を裏切る様な奴とは俺は全然思わないけどなぁ……」

「そりゃあ私だってそう思いたいわよ!! そんな事よりさぁ、前から思っていたんだけど……ひ、一矢ってさぁ、聖香にはとても優しいよね? 2人でお話している時なんかとっても楽しそうだしさ……」(ムスッ)

 舞奈、何ムスッとした顔をしているんだ?

「えっ、そ、そうかなぁ……?」

「絶対そうよ!!」

 ま、舞奈の奴、一体何なんだよ!?

 それって親しく聖香と会話をしている俺に対してヤキモチを妬いているのか?
 本当にそう思っても良いのか? 
 じゃないと舞奈、俺勘違いしてしまうぞ!!

 ただなぁ……舞奈が言っている事はありがち間違っていないんだよな。正直、俺が『普通』に話がしやすいのは聖香や前妻木まえむき先輩みたいな普通の性格の人なんだよなぁ……ってか、俺が『普通の奴』って認めた訳じゃ無いけどな!!

「その和久塁さんって子、とても気になるわね……これは1度会ってみる必要があるわ……」(ボソッ)

「テ、テルマ先輩まで何なんですかぁ!? 別にそんなのじゃ無いですから気にしないでくださいよぉ!!」

「一矢君……『そんなの』って『どんなの』?」

 やっ、ややこしい聞き方をしないでくれ!!

「でも私も少しは気にはなるかも……一矢君とはお昼休みや部室でよく話はするけど、そんなに楽しそうな表情をあまり見た事が無い様な気もするのよねぇ。どちらかと言えばいつも疲れてる様な感じが見受けられるし……でもそれをあまり気にし過ぎると、私の悩みが増えそうだからなるべく考えない様にしているんだけど……」

 な、菜弥美先輩、俺をいつも疲れさせているのはあなたの悩み相談を聞いているからですから!! それプラスあなた達全員が疲れの原因ですからね!!

 その事を十分に理解してくれませんかねぇ……いや、ほんとマジで!!
 でもそんな事は口に出して言える訳ないから……

「菜弥美先輩、マジで気にし無くても大丈夫ですから!! 俺の疲れた顔は生まれつきですので!! お、俺はしっかり者の菜弥美先輩の事を一番頼りにしているので、どうでもいい様な事で悩み事を絶対に増やさないでくださいよ!? お、お願いします!!」

「えっ? 私がしっかり者で頼りにしているですって!? そ、そうなの? ほっ、本当に~っ!? 一矢君が私の事をそう思ってくれていただなんて……ウフ♡ わ、分かったわ。私、頑張ってあまり悩まない様にするわね!!」(ポッ)

「菜弥美ちゃんは良いですねぇ……一矢君に頼ってもらえて……私なんて部長なのに一矢君に御迷惑ばかりおかけしていますし……私は菜弥美ちゃんと違い頼りない人間ですものね……ほ、本当に私は部長失格です……」(ショボン)

 あちゃ~、しまったーっ!!

 菜弥美先輩の機嫌を取ろうとしたら、今度は美代部長を落ち込ませてしまった!! マ、マズイなぁ……ああしかし、女の人ってホント難しいよなぁ……それとも『ネガティ部部員』だから余計に扱いが難しいのかな?

「あ、あの~そろそろ僕も話をしても構わないかなぁ?」

「あ~あ、居たのかよ。って、しまった!! 子龍先輩すみません!! 思わず普段思っている様な感覚で言ってしまいました!!」

「べ、別に構わないよ一矢君!! それよりも普段君が僕の事をそういう感覚で思っているって事が……」

「ショックですよね!? ほ、本当にすみません!!」

「いや、ショックどころか僕は最ッ高に気持ち良いよッ!!」

 はぁぁああ!? 
 何言ってるだこの『変態イケメン』めっ!!

「その突っ込みも最高だよッ!!」

 聞こえてたのかよ!?

 もっ、もういいから今すぐ帰れ、子龍!!

「僕は絶対に帰らないよ!!」

 何故、俺の心の声が聞こえているんだ!?



 コンコン……

 ん? 誰だろう? 母さんかな?

「は~い、どうぞ」

 ガチャッ……ギ―――ッ……


「っっ!!??」

「たっだいま~っ! 一矢―――っ!!」

「おっ、親父―――っ!?」 




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お読みいただきありがとうございました。

新章スタートです。
どうぞ新章も宜しくお願い致します。
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