異世界の常識破壊者【オーバーブレイカー】

しまらぎ

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一章 〜異世界と旅立ち〜

5話 『最悪装備の駆け出し人』

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 「一体いつになったら辿り着くんだよぉー!!」

 道の……道と言うには少し草の多い野原の様な場所のど真ん中で僕は叫んでいた。
 もう10キロくらいは歩いたんじゃないか?
 夢の異世界に行けたのはいいけど、この仕打ちはなんなんだ! 普通異世界行く人って、都合良く町について、都合良くギルドに行けて、都合の良いスキルとアホみたいな力を持ってるもんじゃないの?
 はぁ……流石ご都合主義のアニメは違うわ……。実際に起こってみるとあんなに楽じゃない。

 さっき見えた街まで行く途中、あまりの距離に少しの苛立ちを覚える。それでも異世界と言う夢のような空間のおかげで足を動かすことが出来たのだ。
 歩けど歩けど街は見えないけど、たまに見つける異世界での発見に胸を躍らせながら、重いような軽いような足を進めていった。

 ……にしてもなぁ……異世界かぁ。あんなものを見たら認めるしかないよな。その前に、ここってほんとに異世界なのかな? 夢の中……なんて可能性も完全に捨てきれる訳じゃないし……まったく何から考えていいものか。
 どちらにしたって原因は間違いなくあの手紙とあの扉だろうな。

 なぜ手紙だったのか?
 なぜ2つも段階を踏ませるような事をしたのか?
 そもそもなぜ僕だったのか?

 疑問を挙げればきりがない。
 頭の中がクエスチョンマークでいっぱいだ。いい加減パンクするぞ……。
 もうすでにパンクしかけている頭で、出来る限り考えを巡らせる。

 はぁ……こんなこと考えててもしょうがないよな。
 戻る方法もわからないし。
 それよりも先に今日を生き抜く術を探さないといけない。

 過ぎたことを考えるより今からを考えないとな。
 せっかく念願の異世界(仮)に来れたんだし。まずは生き延びる方法を探そう。このままだと数日で死んでしまうから。そしたらもとの世界に帰る方法を探す。
 僕が今まで何をしていたのか、親はきっと気が気でないだろうから。
 楽しむのはその方法が見つかってからでも遅くはないだろう。探しながら楽しむって手もあるか。
 どこで躓くか分からないが、どの道やるしかない。
 生きるだけでも精一杯、危険といつも隣り合わせ、それが僕の知ってる異世界だ。
 だからこそちゃんと考えなければ。

 まずは、所持品を確かめてみるか。
 目覚めてからずっと気になっていたんだけど、なんで僕はリュックを背負ってんだ? それにいつもの私服を着てるし。
 ……考えない方がいいのかなぁ……。

 多少の疑問を残したまま、歩きながら所持品を確認する。リュックの中にもちゃんと物が入っているっぽい。
 えーっと、着ている服に財布にケータイ、メモ帳に筆記用具。

 なんだよこれ! 装備わるっ ‼︎   

 財布とか絶対使えないじゃん。ケータイは電波来てないし。使えるのはオフラインゲームとカメラとかの諸機能だな。そもそも充電がもたないか……。
 メモ帳は何かに使うかもしれないけど……多分そんな時は来ないよなぁ。

 こんな装備じゃどうしようもない。
 只でさえ常識とか通じないだろうし、これは早めになんとかしないと本格的にヤバいな。

 とても良いなんて言える状況じゃないけれど、生きてさえいればいつか楽しめる日が来るだろう。
 その為にもまずは食料と寝床を確保しないとな。今までの人生で1番の壁かもしれない。いや、絶対そうだ。
 計画は立てたけど現実的に考えると…………。
 もう早くあの街へ行こう。

 いろいろな不安が募る一方、自分の夢であった異世界に来れたことへの感動やワクワクと言った感情が僕の中をうごめいていた。
 なるべくポジティブに、明るく考える。
 それを念頭において、僕は街を目指した。
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