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四章 〜聖龍と最後で最初の日々〜』
65話 『火花散るティータイム』
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あれから三日が経過した。
魔族に……ルナのレーザーによって破壊された王都市街地の復旧と、怪我人の手当てもほとんど終わり、僕とリッタとゆぅの三人はフレイジアのカフェらしきお店でルナが来るのを待っていた。
魔神将が消えた後、ルナはすぐに用事があるからと行ってしまったのだ。レーザーを見て駆けつけた軍隊やその隊長、騎士王と言われている人と話しをしていたところを見ると、事の経緯を話していたに違いないと思う。
僕らは僕らで一度クラウス王国に戻り、その疲れを癒すべく、各自お風呂に入ったり食事を摂ったりしていた。
結局二人はルナと一度も会話をしていないから、今回が初めてのご対面ということになる。
「ルナさんまだかな?」
「どうでしょうか。小さな方なのに、とても忙しそうでしたし……」
「小さいのはゆぅも同じでしょ」
リッタが笑いながら言った。心の中で確かにと思ってしまう僕もリッタと変わらないのかもしれない。
「なんだかコノハも失礼な事を考えてないですか? どうせわたしは小さいのです。小さくて悪かったのです!」
「ほんとに小さくて悪かったね!」
「わっ!」
後ろから聞こえる声に、リッタとゆぅが驚く。カタンと紅茶を置いて恐る恐る振り返る様子はとても面白い。
僕も目をそらしていたからほとんど気づいていなかったが、そこにいたのはミニサイズのルナだった。
「心葉、また失礼な事考えたね?」
「いや別にそんな事はない……よ?」
「まあいいよ。ボクも座らせてもらうよ」
円卓に僕、リッタ、ゆぅ、ルナの並びに座る。僕の右隣がルナという事だ。
リッタとゆぅはまじまじとルナを見つめた後、各々自己紹介を始めた。
「初めまして……じゃないけど、心葉と旅をしてるリッタです。心葉から話はよく聞いてます」
「わたしはユシア・シナ・リトレイナなのです。コノハのパートナーなのです!」
「ボクはルナ・ヘリアス。フレイジアの宮廷魔法師をやってるんだ。えっと……コノハの愛人ってところかな」
「おい! リッタとゆぅに変な事を吹き込むなよ!」
「別に間違ってないよ。毎夜を共に過ごす間柄じゃないか」
何をどうしてそうなったのか……。きっとゆぅのパートナーの一言に対抗したのだとは思うけど。って何でいちいち対抗するかなぁ……。
むぅと膨れる二人とルナとの間でバチバチと音が聞こえるような気がした。
そんな三人の横で大きくため息をつく。
「はぁ……。ルナが来たら少しは安定した日々を送れると思ったんだけどなぁ……」
「どういう意味だい?」
漏れ出た本音にすぐに反応するルナ。僕も隠さずに正直に話した。
「毎朝目が覚めるとさ、何故か両腕が固定されてるんだよね。寝る時には別々の布団だったのに。ほんと、なんでだろうね?」
少し嫌味を込めた言い方だった。気まずそうに目を逸らす二人と、相対してむぅと膨れるルナ。
だから君がそんなんでどうするよ……。
「それはそれは楽しそうな夜を過ごしているんだろうね。ボクとはなーんにもしてくれないのに」
「なんにもって何だよ……」
「あーんな事とかこーんな事とか全部、サーって流しちゃうもんね」
「あーんな事って何なのですか!」
「こーんな事って何! ねえ心葉!」
「知らない! 僕は何も知らないから! そんな言葉に騙されないでよ!」
ほんとにいつそんな事があったか……。毎日修行してただけだし、何も疚しいことなんてない……よね?
何もしてない筈なのに何故か心の中でも疑問形になってしまう。
コーヒーってこんなに苦かったっけか……。
あまりにも三人の勢いについていけず、心の中でまでも現実逃避してしまうのであった。
魔族に……ルナのレーザーによって破壊された王都市街地の復旧と、怪我人の手当てもほとんど終わり、僕とリッタとゆぅの三人はフレイジアのカフェらしきお店でルナが来るのを待っていた。
魔神将が消えた後、ルナはすぐに用事があるからと行ってしまったのだ。レーザーを見て駆けつけた軍隊やその隊長、騎士王と言われている人と話しをしていたところを見ると、事の経緯を話していたに違いないと思う。
僕らは僕らで一度クラウス王国に戻り、その疲れを癒すべく、各自お風呂に入ったり食事を摂ったりしていた。
結局二人はルナと一度も会話をしていないから、今回が初めてのご対面ということになる。
「ルナさんまだかな?」
「どうでしょうか。小さな方なのに、とても忙しそうでしたし……」
「小さいのはゆぅも同じでしょ」
リッタが笑いながら言った。心の中で確かにと思ってしまう僕もリッタと変わらないのかもしれない。
「なんだかコノハも失礼な事を考えてないですか? どうせわたしは小さいのです。小さくて悪かったのです!」
「ほんとに小さくて悪かったね!」
「わっ!」
後ろから聞こえる声に、リッタとゆぅが驚く。カタンと紅茶を置いて恐る恐る振り返る様子はとても面白い。
僕も目をそらしていたからほとんど気づいていなかったが、そこにいたのはミニサイズのルナだった。
「心葉、また失礼な事考えたね?」
「いや別にそんな事はない……よ?」
「まあいいよ。ボクも座らせてもらうよ」
円卓に僕、リッタ、ゆぅ、ルナの並びに座る。僕の右隣がルナという事だ。
リッタとゆぅはまじまじとルナを見つめた後、各々自己紹介を始めた。
「初めまして……じゃないけど、心葉と旅をしてるリッタです。心葉から話はよく聞いてます」
「わたしはユシア・シナ・リトレイナなのです。コノハのパートナーなのです!」
「ボクはルナ・ヘリアス。フレイジアの宮廷魔法師をやってるんだ。えっと……コノハの愛人ってところかな」
「おい! リッタとゆぅに変な事を吹き込むなよ!」
「別に間違ってないよ。毎夜を共に過ごす間柄じゃないか」
何をどうしてそうなったのか……。きっとゆぅのパートナーの一言に対抗したのだとは思うけど。って何でいちいち対抗するかなぁ……。
むぅと膨れる二人とルナとの間でバチバチと音が聞こえるような気がした。
そんな三人の横で大きくため息をつく。
「はぁ……。ルナが来たら少しは安定した日々を送れると思ったんだけどなぁ……」
「どういう意味だい?」
漏れ出た本音にすぐに反応するルナ。僕も隠さずに正直に話した。
「毎朝目が覚めるとさ、何故か両腕が固定されてるんだよね。寝る時には別々の布団だったのに。ほんと、なんでだろうね?」
少し嫌味を込めた言い方だった。気まずそうに目を逸らす二人と、相対してむぅと膨れるルナ。
だから君がそんなんでどうするよ……。
「それはそれは楽しそうな夜を過ごしているんだろうね。ボクとはなーんにもしてくれないのに」
「なんにもって何だよ……」
「あーんな事とかこーんな事とか全部、サーって流しちゃうもんね」
「あーんな事って何なのですか!」
「こーんな事って何! ねえ心葉!」
「知らない! 僕は何も知らないから! そんな言葉に騙されないでよ!」
ほんとにいつそんな事があったか……。毎日修行してただけだし、何も疚しいことなんてない……よね?
何もしてない筈なのに何故か心の中でも疑問形になってしまう。
コーヒーってこんなに苦かったっけか……。
あまりにも三人の勢いについていけず、心の中でまでも現実逃避してしまうのであった。
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