コンビニ転生・ニートだった俺がどうやって業務用電子レンジを使いこなせるようになったか

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第2章 ハイデルベルク城

第十九話・光のダンス

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 それは遠い遠い昔のこと。


 セファはドイツの、ライン川のほとりの森の奥にある、泉で生まれた。高い木々や、生い茂る灌木かんぼく、歩きづらい沼地などに隠されたその泉には、多くの「野良精霊」が暮らしていた。


 野良精霊達は、太陽のきらめく朝にじゃれ合い、交配し、気まぐれで新しい子を生み落す。生まれた子供の精霊は、すぐに光り輝きながらふわふわと飛び、大人の精霊達の仲間入りをした。


 すべての精霊は、朝の陽射しを浴びながら出産するのだけど、セファを生んだ両親は、なぜか夕焼けの時間帯を選んだ。その時間には、多くの野良精霊は羽を休め、思い思いの場所で眠りにつこうとする。


 そんな夕方の時間に、二つの光だけが、明確な意思と目的を持ったかのように、高く舞い上がり、ダンスを踊り始めた。時にはゆるやかに、時には情熱的に……。やがて二匹の間の空間に、金色の輝きが揺れ始めた。周囲の野良精霊達が、不思議そうにその光を見上げていると、その輝きの中に、他の精霊とは全く違った容姿の、まるで羽の生えた小さな人間といった姿の少女が現れた。少女は身体を小さく丸め、軽く微笑み目を閉じている。漂う長く半透明の白い髪が、銀色に輝いている。


 それはまれに、野良精霊の中に突然変異で生まれるという、「ホワイトニンフ」であった。


 出産を終えた二匹の野良精霊は、生まれたばかりの、やわらかな光に包まれるホワイトニンフの周りで、祝福するように円軌道を描く。他の野良精霊達も、おそるおそるといった様子で近寄ってくる。


 多くの精霊達の光に囲まれながら、ホワイトニンフは、すう、と息をすって、目を開いた。その瞬間、彼女の髪が、夕焼けの陽射しを吸い込んだかのように、オレンジ色に強く輝いた。彼女は言った。


「あたしはセファ……。よろしくね」


 燃えるようなオレンジの髪を持つ、エルフ族の末裔まつえい、ホワイトニンフのセファの誕生であった。セファが右手を伸ばすと、多くの精霊達が、その手に軽く触れて祝福し、うれしそうに飛び去った。
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