飛翔英雄伝《三國志異聞奇譚》〜蒼天に誓う絆〜

銀星 慧

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第三章 黄巾の反乱と漢王朝の衰退

第三十二話 翠仙

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長社ちょうしゃでの戦いに勝利した皇甫嵩は、その勢いに乗じて、朱儁、曹操軍と共に黄巾党の渠帥きょすい、波才を追い詰め、遂に穎川えいせん郡の陽翟ようてき県で波才軍を大破した。

その後更に、皇甫嵩らは穎川郡から、隣接する汝南じょなん郡、陳国ちんこくへ向けて兵を進めた。

汝南郡では、太守の趙謙ちょうけんが黄巾党に敗北しており、幽州ゆうしゅう広陽こうよう郡では、幽州刺吏の郭勳かくくんと、広陽太守の劉衛りゅうえいが黄巾党に殺されていた。

皇甫嵩率いる官軍は、汝南郡の西華せいか県で、彭脱ほうだつ率いる黄巾軍を討ち破り、これによって渠帥を失った豫州よしゅう黄巾軍は急速に力を失い、万に及ぶ黄巾党の者たちが降伏した。

その頃豫州では、刺史しし王允おういん子師ししが、別の指導者による黄巾軍との戦いで勝利しており、合流した皇甫嵩らと共に、数十万に及ぶ黄巾党の降伏兵たちを受け入れていた。


「曹孟徳殿、黄巾討伐には参加したくないのでは無かったか…?」

朱儁らと共に現れた孟徳の顔を見て、王子師おうししは少し意地悪げに言った。
孟徳は子師に拱手しながら、微笑し言い返した。

「王先生こそ、黄巾党の者には容赦しないのでは無かったのですか?」

それを聞いた子師は、声を上げて笑った。

「わしも、君の言った事をよくよく考えてな…君の言う事も、もっともな意見だと、思う様になったのだ。確かに、黄巾党に従ったとはいえ、彼らも我が漢王朝の大切な民である。それを出来るだけ殺さぬ様、努力すべきだとな…」

多少、気難しい所があるが、根は優しい人物なのであろう。
子師がしみじみと語るのを見て、孟徳は再び彼に拱手した。

「流石は王先生です。彼らの為にも、王朝が正道せいどうに向かうよう尽力じんりょくし、共に戦いましょう…!」

孟徳が"戦う"と言ったのは、黄巾党相手の事だけでは無い。
鋭敏な子師には、その意味が良く分かった。

彼は激しく頷くと、黙ったままであったが、孟徳の肩を力強く叩いた。


豫州平定後、皇甫嵩は兗州えんしゅう東郡とうぐんへ、朱儁は荊州けいしゅう南陽なんようの黄巾討伐へ向け、それぞれ進軍した。

荊州南陽では、三月に黄巾党の張曼成ちょうまんせいが太守を殺し、宛県えんけん城を奪い拠点としていたが、六月新たに太守に任命された秦頡しんけつに攻められ、張曼成は捕らえられて処刑された。

しかし、張曼成の部下、趙弘ちょうこうが新たに黄巾党の指揮をり、十万もの黄巾党を集め、再び宛県城に立て篭もったのである。


孟徳の部隊はそのまま、荊州へ向かう朱儁の軍に従軍した。
季節はもうすぐ夏である。炎天下での行軍は、兵たちの体力を激しく消耗する為、行軍の速度は自然と遅くなる。
孟徳は自部隊を他の指揮官に預け、前を進む虎淵の隣に馬を並べた。

「宛まで、まだあと二百五十里(約100km)はあるだろうか…?この遅さであれば、五日以上は掛かりそうだな…」

そう言って、孟徳は山間の道をずらりと連なって進む兵士たちを振り返った。

「そうですね…宛城に立て篭もる黄巾軍は、とても手強いそうですから、兵たちの鋭気が削がれぬ様、充分に体力を温存せねば成りません…」
虎淵も同じく兵たちを振り返ったが、その目には兵たちへのいたわりが込められている。

孟徳はその横顔を見詰め、
「虎淵、少し見ぬ内に、すっかり指揮官らしい顔付きにったのではないか…?」

そう言って笑うと、虎淵は照れ臭そうに笑いながら頭を掻いた。

「孟徳様、揶揄からかわないで下さい…!」
「揶揄ってなどおらぬ!本当の事を言ったまでだ…!」

孟徳は心外そうに、目を吊り上げる。
それを見て、虎淵は思わず吹きだし、孟徳も声を上げて笑った。

周りの兵たちは何事かと、二人の方を見ている。

「やはり、お前が側にいるだけで、辛い事も苦に成らぬな…」
「僕も同じです。仲間はたくさん出来ましたが、孟徳様と居る時が、僕にとって一番幸せです。」

そう言って、虎淵は微笑しながら孟徳を見詰めた後、再び後ろを振り返り、今度は少し眉をひそめ小声で話し掛けた。

「孟徳様…あの黄巾の少女を、連れて来たのですか?」

二人を、少し離れた位置から眺めながら、馬を進めている翠仙すいせんの姿がある。

「ああ、あのは翠仙と言って、兄が黄巾党の兵士として戦場にいるらしい…見付かるまで、我々に付いて行きたいと、せがまれたのでな…」

孟徳がそう答えると、虎淵は少し目を細め、何か言いた気な表情で孟徳を見ている。

「何だよ、虎淵…っ」
「いえ…孟徳様は、何だかんだ言って、女の子には弱いですから…」
玉白ぎょくはくの事を言ってるのか!?だいたい、あれは…お前が最初に連れて行くと、言い出したのではないか…!」
「そうですけど…結局、孟徳様の方が僕よりずっと玉白殿の事を、気に掛けていたではありませんか…!」
「……っ」

孟徳はしかめっ面で虎淵を睨んだが、返す言葉を失った。

「孟徳様はとても、慈愛じあいの心が強い方です。それは孟徳様の長所ですが、相手に付け込まれ易い、短所でもあります。時には、心を鬼になさって下さい…!」

「お前に説教されるとは…良く肝にめいじておくよ…!」

孟徳は苦笑し、後ろを付いて来る翠仙を振り返った。



その日は山間での野営となり、日が落ちる前に野外での炊飯を終え、孟徳は自分の幕舎へ向かった。

幔幕まんまくを開くと、沸かした湯をおけに注ぐ、翠仙の姿があった。
翠仙は孟徳を見ると、目を細めて微笑する。

始めの内は、余り言葉を話す事も無く、こちらの質問に答えるだけの翠仙であったが、次第に打ち解け、いつの間にか、孟徳の身の回りの世話を進んでやるようになっていた。

「これは…何をしているのだ?」
不思議げに首を傾げながら、孟徳が幕舎へ入ると、翠仙は微笑みながら孟徳に近付き、彼の腕を取った。

「今日も暑かったですから、汗を沢山おきになったでしょう…!私がお体を拭いて差し上げます。」
そう言うと、孟徳の腰に腕を回し、着物の帯を解き始める。

「お、おい…着物ぐらい自分で脱げるから、大丈夫だ…!」

孟徳が慌てて彼女の腕を押し戻すと、翠仙は口元に手を当て、くすくすと笑った。
翠仙の甘い吐息が彼の耳元に触れ、孟徳は自分の耳まで赤くなっているのではと、それが気に掛かった。

翠仙は、引き締まった眉目の持ち主で、精悍せいかんな顔付きであるが、笑うと一転して愛くるしい少女らしさが芽生える。

孟徳は上半身を肌脱はだぬぎにして、床に敷いた筵の上に座った。
桶の湯で濡らした布を固く絞り、翠仙は孟徳の背後へ回ると、背中を丁寧に拭いて行く。

「そういえば、お前の兄の名を、まだ聞いていなかったな…」
「兄は、叔染しゅくぜんと申します。とても優しい兄でした…」

翠仙は、兄をしのぶ様な口調で答えた。
"叔"は三番目の男子に付ける名である。

他にも、兄が居たのであろうか…

孟徳がぼんやりとそんな事を考えていると、ふと、翠仙の気配が背後から消えた。
不審に思い後ろを振り返ると、こちらに背を向けたまま着物を脱ぎ、胸と腰に巻いたさらしだけになっている翠仙の姿が目に飛び込んだ。

思わず声を上げそうになったが、孟徳は慌ててそれを飲み込み、翠仙の美しくしなやかな肢体したいに暫し見惚みとれた。
小さな燭台の明かりしか燈されていない、薄暗い幕舎の中で、翠仙の艶やかな肌は輝いて見える。

やがて、翠仙はおもむろにこちらを振り返り、少し恥じらいを浮かべた瞳で孟徳を見詰めた。
呆気に取られた顔で見上げる孟徳の前へ静かに近付き、彼の前に膝を突く。

翠仙の頬は赤く紅潮し、艶のある唇は小さく震えている様に見える。
翠仙は胸を隠す晒をそっと開いて、形の整った張りのある乳房ちぶさあらわにすると、いきなり孟徳の胸に取りすがる様に抱き着いた。

驚いた孟徳は、その勢いで思わず後方へ押し倒されそうになったが、翠仙の体を支えて何とか踏みとどまった。

「す…翠仙…!?」

孟徳は額に汗を浮かべ、口籠くちごもりながら胸に縋り付く翠仙を見下ろした。
密着した翠仙の肌からは、暖かさと、激しく高鳴る鼓動が響いて来る。
なめらかで細い肩に触れると、ひんやりとした心地好ここちよい冷たさが孟徳の両手に伝わった。

翠仙は上半身裸の状態である。
孟徳は翠仙の体を引き離すべきか迷ったまま、暫く身動き出来ずにいた。

「孟徳様…私が、お嫌いですか…?」

やがて、翠仙は消え入りそうな細い声で、じっと孟徳の胸に寄り添ったまま問い掛けた。

「いや…ち、違う…!そうでは無いが…」

孟徳はしどろもどろになり、おろおろと辺りに視線を泳がせ、足元にある自分の着物を掴んで引き寄せると、翠仙の肩からそれを羽織らせ、彼女の体を素早く包み込んだ。

翠仙は、肩に掛けられた着物を両手で強く握り締め、彼の胸からそっと離れると、困惑した瞳で見上げる。

「お前はとても美しい…だが、俺はお前にそんな事をさせる為に、此処へ連れて来た訳では無い…」

孟徳は翠仙の肩を、両手で優しく撫で下ろしながら、彼女の黒く大きな瞳を見詰めた。

「自分をもっと大事にせねば成らぬ…!俺は、ちゃんとお前の身をまもると約束する。だから、何も心配しなくて良い…!」

孟徳がそう言って微笑むと、翠仙は少し驚きを現しながら彼の顔を見詰め返した。

翠仙の様な若い娘が、戦場でどの様な目に会うかは想像に難くない。
身を護る為には、誰かに身をゆだねるのが一番手っ取り早いであろう。

女が一人で生き抜くには、戦場は特に厳しい…

孟徳は多少のあわれみを目元に宿し、翠仙を見詰めている。
やがて翠仙は少し目を伏せて俯いた後、紅潮する顔を静かに上げ、孟徳に微笑を返した。



それから凡そ七日ののち、朱儁らの軍は宛県へ入り、宛県城を包囲する、荊州刺史、徐璆じょきゅうと南陽太守、秦頡らに合流した。

凡そ十万の黄巾軍に対し、官軍は二万足らずの兵で籠城する趙弘らを包囲する形となり、それから実に一月ひとつき以上、膠着こうちゃく状態となった。

朱儁は始めから長期戦になる構えを取っていたが、この状況に、朝廷内では朱儁の更迭こうてつが話題にのぼっていた。
この頃、冀州、鉅鹿郡へ向かった盧植ろしょくが、広宗こうそう県に篭もった張角らを相手に攻城戦が長引き、視察官の報告によって罷免ひめんされており、新たに東中郎将とうちゅうろうしょう董卓とうたくが派遣されていた。

その朝廷の動きを敏感に感じ取った朱儁は、包囲戦から、短期決戦に挑む構えに切り替えた。


「ここまで、敵の補給線を絶ち、包囲を続けた事で、黄巾軍の兵たちは最早もはや弱り切っている。我らが包囲を解けば、敵は必ず命懸けで討って出るであろう。そうなれば決戦となり、即日この戦を終わらせる事が出来る…!」

夕刻、朱儁は幕僚を始め、それぞれの軍の指揮官たちを幕舎へ集め、明日の決戦について綿密に話し合った。


やがて日が落ち、夜のとばりが下りると、空には満天の星が輝き始める。
孟徳は翠仙と共に幕舎から出て、草の上に腰を降ろすと、広がる夜空を見上げた。

「ほら、見ろよ翠仙!流れ星だ…!」
孟徳が指差す方を見ると、銀色に輝く星が長い尾を引いて、遥かな地平線の彼方へ消えて行く。

「綺麗…!」
翠仙は瞳を輝かせてそれを見詰めていたが、ふと笑顔を収め呟いた。

「あの星は…何処へ消えて行くのでしょう…?私の魂も、いつかあの星の様に、何処かへ消えてしまうのでしょうか…」

翠仙の呟きを聞きながら、孟徳は橋公祖の言葉を思い出していた。


人の命には、限りが有る。だからこそ、尊いものなのだ…


孟徳は胸に下げた翡翠ひすいの首飾りを取り出し、手の中で輝くそれををじっと見詰めた。

「とても綺麗…」
振り返った翠仙が、彼の手の中を覗き込んで呟く。
孟徳は翠仙に微笑を向けると、首飾りを外し、それを彼女の首へ掛けた。

「孟徳様…これを、私に…?」
「うん、お前の方が、良く似合っている…」

翠仙は戸惑いながら、胸に輝く翡翠を見詰めた後、微笑む孟徳を見上げた。

「明日は決戦だ…この戦場で、お前の兄が見付かると良いな…!」
そう言いながら、孟徳は自分の腕を枕に、満天の星空を見上げて草の上に寝転ぶ。

「孟徳様…」

翠仙は小さく呟くと、孟徳に寄り添う様に体を倒し、彼の胸に自分の頭を乗せて耳をあてた。
孟徳の鼓動が、心地好く耳から伝わって来る。

翠仙はそっとまぶたを閉じながら、高鳴る鼓動をいつまでも聞いていた。


夜はすっかり更け、辺りには草木に隠れた小さな虫の鳴き声だけが鳴り響いている。
暗い夜空に浮かんだ青白い月は、おぼろげに月光を輝かせていた。
静まり返った陣営では、動いているのは哨戒しょうかいする兵士だけである。

幕舎の幕を開け、そっと外へ出た人影は、足を忍ばせ、一目を避けながら林の中へ消えて行く。
奥へ草木を分けながら進んで行くと、林の奥には、白い人影が立っていた。

「翠仙、あの男には近付けたか…?」

その白い人影は、男とも女ともつかないしわがれた声色こわいろで、目の前に立つ翠仙に話し掛けた。
その者は、顔から全身から、全てをを白い布で覆っており、わずかに目元だけにある隙間から、鋭い目が覗いている。

「…はい、でもあの人は…私を抱こうとは、なさいません…」

翠仙は俯き、足元の草木をじっと見詰めながら答えた。
白い者は翠仙のあごに指を伸ばし、そっと顔を上げさせる。

「お前のとりこにならぬ男など居ようか…!奴を油断させ、これを与えよ…」

そう言って、白い者は着物の袖口から、蓋の付いた小さな木のつつを取り出して、翠仙の手に握らせた。

「これは…毒ですか…?」
「中身が気になるか…?」

手の中の筒を見詰めながら問い掛ける翠仙に、白い者が問い返す。

「いえ…ただ、即効性が有るのか、気になったので…」
「即効性は無い。暗殺とばれてしまうからな…奴は戦場で、出来るだけ自然に死んだと思わせたいのだ…」

白い者はそう言いながら、目元に微笑を浮かべる。
翠仙は眉目を吊り上げて顔を上げると、筒を胸に強く握り締め、その白い者に大きく頷いた。
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