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第七章 魔王の暴政と小さき恋の華
第七十六話 長安遷都
しおりを挟む袁本初が盟主となり、『反董卓連合軍』が結成されると、董仲穎は直ぐ京師に在住していた袁氏一門を尽く捕らえ、本初の叔父である袁隗ら三族を皆殺しにした。
「董卓に家族を殺された」
と言うその娘は、そんな袁氏の生き残りであろうか。
奉先と士恭は、暴れる少女をその場で取り押さえ、少女の両腕に縄を掛け上半身を布で縛り上げて彼女の動きを封じた。
匕首が刺さった奉先の右腕からは血が流れ、着物の袖を赤く染めている。
それを見た士恭が、引き裂いた着物で彼の腕を固く縛り、急いで傷の手当てを施す。
それから、奉先は漸く大人しくなった少女を抱え上げると、彼女を飛焔の背に乗せた。
「どうするのです?!」
驚いた士恭が問い掛けると、
「取り敢えず、城外へ連れ出そう。此処へ置いて行く訳にはゆくまい!」
彼はそう言って、自らも飛焔の背に跨る。
「奉先殿の命を狙った娘ですよ…?!」
士恭は呆れた様に言ったが、走り去る飛焔の後を追って彼も馬を走らせた。
燃え盛る雒陽の城外には、避難民が溢れ返っていた。
董卓軍の兵士たちが彼らを取り纏め、次々に長安へ向けて出発させている。
避難民の中には女子供も大勢含まれていたが、彼らの殆どは、長安までの凡そ千里(約400km)の道程を徒歩で移動させられるのである。
奉先は、長安へ向かう行列の中に荷車を見付け、少女をその荷台へ移すと、彼女の身体を拘束していた縄と布を解いた。
それから士恭を振り返り、
「士恭、俺はもう暫く雒陽へ残る…相国にそう伝えておいてくれ。それから、その娘の事はお前に任せるぞ。」
そう告げて、飛焔に跨り引き返そうとする。
それを聞いた士恭は、驚いた顔で咄嗟に彼を呼び止めた。
「奉先殿…!あの方を、探しに行くお積りですか…!?」
すると奉先は振り返り、小さく笑うと
「袁本初の軍が到着する頃であろう。それを足止めする為だ…!」
とだけ答え、その場を走り去った。
聞くだけ野暮であったか…
士恭はそう思い、遠ざかる彼の背を見詰めた後、荷台の少女を振り返って小さく溜め息を吐いた。
その時、
「おい!貴様、そこで何をしている?!」
怒鳴り声を上げながら大股で此方へ歩いて来る男の姿が見える。
息を荒らげて現れたのは、胡軫の弟分、牛毅であった。
牛毅は以前、奉先と一騎討ちを演じたが、彼の一撃で馬から放り出され部下たちの前で醜態を晒したあの男である。
彼は、荷車に乗せられた泥だらけの童子の姿に眉を顰めた。
少女の顔は泥で酷く汚れた上、髪はぼさぼさで襤褸を身に纏っている。
だが、その下から覗く澄んだ大きな瞳は、黒い真珠の如く輝いており、顔は泥で汚れているとはいえ、よく見れば眉目の整った美少女である。
それと認めた牛毅は、訝しげな表情のまま腕を伸ばすと、少女の顎をぐいと掴みその顔を上げさせた。
「何だ、こいつ女じゃねぇか!げへへっ…まだ餓鬼だが、中々の美人の様だ。わしが可愛がってやろう…!」
牛毅は下衆な笑い声を上げ、抵抗する少女の腕を掴んで荷台から引き摺り降ろそうとする。
董卓の軍では、ある程度の略奪や婦女に対する凌辱行為は公然と容認されていた。
奪い取った金品や女たちは、兵士たちの戦利品であり、彼らの士気を高める為に必要な事と董仲穎は考えていた。
従って彼らにとって、それが例え幼い少女であっても性的対象なのである。
「牛将軍、お止め下さいっ!」
士恭が慌てて走り寄り、少女を連れ去ろうとする牛毅の肩を掴んだ。
「何だ貴様!わしに逆らうとは、良い度胸じゃねぇか…っ!!」
牛毅は怒鳴って士恭の腕を振り解き、彼の胸を片腕で強く突き返す。
そこへ牛毅の部下たちも駆け付け、あっと言う間に士恭を取り囲んだ。
部下たちは皆、剣を抜いて彼に迫る。
「くっ…!」
士恭は強く歯噛みをし、取り囲む兵士たちを睨んだ。
「がははははっ!!貴様はそこで指でも咥えておれ!」
勝ち誇った様に笑いながら、牛毅は少女を無理矢理に連れて行く。
「待て!!」
そこへ、彼の背後から鋭く呼び止める声がした。
牛毅が煩わしげに振り返ると、士恭を取り囲む兵士たちを押し退けながら、彼に近付く者がある。
「貴様ぁ…!!」
その姿を認めた牛毅は、途端に目を瞋らせた。
彼の目の前に立っているのは、あの憎くき呂奉先である。
奉先は牛毅に歩み寄ると、険しい顔で彼を睨み付け、
「その娘は俺の物だ!手を出す事は許さぬ…!」
そう言って少女の腕を掴み取り、自分の方へ引き寄せた。
「何だと…!」
牛毅は負けじと奉先を睨み返すと、同じ様に少女の腕を掴んで放そうとしない。
二人は少女を間に挟んで、鼻面を突き合わせる様にして暫し睨み合った。
やがて、目に苛立ちを浮かべた牛毅は「ちっ…」と小さく舌打ちをし、
「馬鹿らしい…!小娘なんぞに、興味など無いわ…!!」
そう言って捨て台詞を吐きながら少女の腕を乱暴に放すと、「行くぞ…!」と顎を刳り、部下たちに引き揚げの合図を送る。
そして擦れ違い様に、奉先に肩をぶつけて憤然たる態度で歩き去った。
面白く無い顔付きで立ち去って行く牛毅たちを、奉先は黙って見送る。
そんな彼の元へ走り寄った士恭が、笑って声を掛けた。
「奉先殿、戻って来てくれたのですね…!」
「ああ、お前に言い忘れた事があってな…だが、何だったかすっかり忘れてしまったよ。」
奉先は士恭を振り返りながら、そう言って笑い返す。
声を上げて笑い合う二人の様子を、奉先に肩を引き寄せられた少女は、彼の腕の中で大きな瞳を上げ、黙って見詰めていた。
実の所、奉先は少女の事が気に掛かり、雒陽へ留まる事を断念し、考え直して引き返して来たのである。
奉先は、襤褸を纏った少女の上から自分の外套を掛け、飛焔の背に乗せると、自らは愛馬を引いて歩いた。
寒波の影響で夜は凍える程の寒さであったが、長安へと向かう行列は、休む暇も与えられず進んで行く。余りの険しい道程に、力尽き倒れる者が後を絶たなかった。
途中、荷車の車輪が泥濘に嵌り、身動きが取れなくなった民の姿を見掛けた。
だが人々は皆、明日は我が身と知りながらも、それを哀れな眼差しで見送るばかりで誰も助けようとはしない。
今は他人の事など構ってはいられないのである。
「飛焔、彼女の事を頼むぞ。」
奉先はそう言って飛焔の頭を撫でると、周りの兵たちを呼び集め、民と一緒になって動けなくなった荷車を泥の中から押し出すのを手伝った。
そうやって長い道程を延々と歩き続け、やがて東の空が白々と開け始めた頃、彼らは漸く仲間の兵士たちの野営地へと辿り着いたのであった。
「…実は、お前に頼みたい事が有るのだが…」
そう言われ、幕舎から姿を現し、訝しげに眉を顰めたのは張文遠である。
奉先は彼の陣営を探し出し、少女を連れて彼の幕舎を訪れていた。
「…そんな事が…それで、あの娘を連れて長安まで行く積りか?」
「ああ、牛毅の様な薄汚い男共も多いからな、暫くは目を放せぬであろう。向こうへ着けば、誰か信の置ける人物に託す積りだ…」
奉先と文遠の二人は肩を並べ、立ち並ぶ幕舎の間を歩きながら、昨夜の出来事を語り合った。
「あなた…!」
背後から呼び掛ける声に、二人は同時に振り返った。
すると、奉先の目に映ったのは、朝日に輝く美しい玲華の姿である。
胸の底から愛おしい気持ちが込み上げ、奉先は少し目を細めながら、眩しそうに彼女を見詰めた。
「玲華、無理を言って悪かったな。」
文遠はそう言って彼女に歩み寄る。
「何も、遠慮なんてしないで。あたしは貴方の妻なんだから…!」
「だが、余り身体に負担を掛けるのは良くない…無理をしては成らぬ。」
玲華は微笑し、文遠の手を優しく握り締める。
それから、立ち尽くす奉先を振り返ると、玲華は恭しく彼に礼をした。
「奉先様、お久し振りです。」
他人行儀な挨拶に、奉先は思わず躊躇いだ。
「玲華殿、そんな言い方は止してくれないか…」
「そうは行かないわ。今の貴方は、夫の上司だもの。」
玲華はそう答え、目に微笑を漂わせて彼を見詰め返す。
それから手を打って、
「それより、早く来て!」
そう言うと、小走りに幕舎の方へ向かい、入り口の幕を開いて入って行く。
二人も彼女に続き、幕舎の中へと入った。
「ほお…!」
思わず文遠が感嘆の声を上げる。
そこには、すっかり身体の汚れを落とし、新しい着物に身を包んだ少女の姿があった。
ぼさぼさだった髪にも綺麗に櫛が通され、艷やかな黒髪が肩にさらりと掛かっている。
歳は十ニ、三歳くらいであろうか。
まだあどけなさはあるが、少女の顔付きはずっと大人びて見え、それは正に絶世の美少女であった。
その美しさに、奉先も思わず瞠目し、暫し言葉を失って彼女を見詰めた。
少女は奉先の眼差しに少し恥じらう様に俯き、透き通る白い肌を、見る間に薄紅の桃の花の色に染める。
「奉先様も隅に置けないわね。こんな綺麗な娘を、一体何処で見付けて来たのかしら…?」
「玲華殿が居てくれて助かった。感謝する…!」
少し意地悪く彼を横目で見ながら、くすくすと笑う玲華に、奉先は少し照れ笑いを浮かべ、自分の頭を掻きながら頭を下げた。
「奉先、怪我をしているのか?」
彼の右腕に巻き付けられた布に血が滲んでいる事に気付き、文遠が問い掛けた。
「ああ、ちょっとな…大した怪我では無い。」
そう言って奉先は腕を押さえたが、玲華が彼の腕を取り、巻き付けた布を解く。
「駄目よ、清潔な布に取り替えて、ちゃんと手当てして置かないと。」
玲華はそう言いながら、彼の傷の手当てを始めた。
「張将軍…!」
その時、幕舎の外から兵士に声を掛けられ、文遠は「すまぬ。」と奉先に短く言って幕舎を出て行く。
それを見送った後、奉先は徐ろに玲華を振り返り問い掛けた。
「玲華殿、どこか具合が悪いのか?」
「え…?!」
「文遠が、酷く身体を心配していた様なので…」
奉先が言うと、玲華は目元に微笑を浮かべて頬を赤らめると、自分のお腹をそっと撫でながら答えた。
「来春には、あの人の赤ちゃんが産まれるの…」
「え…?!」
今度は奉先が驚きの声を上げた。
稍あって、
「そ、そうであったか…!それは良かった。おめでとう、玲華殿!」
慌てた奉先は、そう言って玲華に祝福の言葉を贈った。
だが、玲華は余り喜びを示さず、長い睫毛を下げると、
「あたし、本当は…貴方を信じて、ずっと待っていたのよ…」
傷口を手当てする手を止めず、伏し目がちにそう呟く。
「でも、これも運命なんだって、諦める事にしたわ…叔父様はきっと、最初からこうなる事が分かっていたのね…」
「玲華殿…」
やがて顔を上げた玲華は、潤んだ瞳を奉先に向けた。
「でも勘違いしないで、今のあたしは、文遠の事を心から愛しているの。貴方と会うのは、きっとこれが最後になると思うけど…貴方の事は、決して忘れない…!」
玲華はそっと手を伸ばし、奉先の頬を優しく撫でた。
その手は柔らかく温かい。
玲華の赤い頬を、涙の雫が零れ落ちると、彼女は着物の裾を翻し幕舎から出て行ってしまった。
声を失い、呆然とその場に立ち尽くしている奉先の姿を、少女は黙したまま、ただじっと見詰めていた。
奉先が陣営へ戻ると、士恭が目を丸めて少女を凝視し、
「えっ…この子があの…?!」
と、見違える程、美しくなった少女の姿に驚きの声を上げる。
それから眉を顰め、奉先の肩を掴むと、
「こんなに美しい娘を連れていては、尚更、牛将軍たちの目を引きますよ…!」
そう言って彼の耳元で囁いた。
「ああ…実の所、俺はあの娘を風呂へでも入れて、汚れを落として貰うだけの積りだったのだがな…確かに、あれでは目立って仕方が無い。」
苦笑を浮かべながら少女を振り返り、奉先は困った表情で首を捻った。
自分の幕舎へ少女を連れ帰ると、彼女の為に必要な身の回りの物を出来るだけ揃え、成る可く外を出歩かず、自分の側から離れぬ様に言い聞かせた。
彼女は黙ったまま、幕舎の片隅に膝を抱えて座り込んでいる。
「不自由であろうが、長安へ辿り着くまでの辛抱だ。」
少女を見下ろしながら、奉先は出来る限り優しく声を掛けた。
顔を上げ、大きな瞳でじっと彼を見詰めていた少女は、徐ろに口を開く。
「…あたし、貴方の物なんでしょう…?」
その言葉に奉先は少し驚き、
「えっ?!あ、ああ…あれは、あの男の手前そう言っただけだ。そんな気は無いから、心配するな!」
慌てて否定すると、
「貴方…あの女の人の事が好きなの…?」
少女は表情を変える事無く、更にそう問い掛けた。
奉先は、暫し黙して目元に暗い影を落とすと、
「……彼女は、友人の妻だ。」
やがて、憂いを帯びた眼差しで呟く様にそう答えたが、再び少女を見詰め返し、直ぐに笑顔を取り繕う。
「そう言えば、まだお前の名を聞いていなかったな。俺は、奉先と言う。お前の名は?」
そして、努めて優しく少女に問い掛けた。
「………」
すると少女は、口を強く結んで俯き、自分の膝を抱える。
「答えたくないのら、仕方が無いが…何と呼ぶべきか…」
奉先は苦笑し、自分の顎に手を当てて首を捻った。
「…貂蝉…」
「え…?」
「あたしの名前は…貂蝉。」
少女は澄んだ黒い美しい瞳を輝かせ、そう答えた。
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