閑かなる鼓動

ショウ(´∀`)

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第5章 真否

真実かそうでないかということ。

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「この方の後頭部には殴られた形跡が有り、病院へ搬送された時には気絶していました。もしかするとその程度によっては記憶障害が発生してしまう可能性があるかもしれませんが今の所命に別状はありません。何よりもあなたが彼女の命を救ったんですよ。素晴らしいことです」「そうですか。命に別状が無いのなら良かったです。私はやるべきことをやったまでです。先生これからも処置の方お願いします。私はこの事件ともう一件別の事件について署の方で取り調べを受けてきます。」「分かりました。あの、ところで會澤さん。病院の方でもカルテを作成しないといけないので気絶している彼女の代わりに最低限の情報提供を口頭にてして頂けませんか?彼女の意識はまだ戻っていませんし、ご家族様とも連絡がつきません。」「分かりました簡単にご説明しますね。詳細書類を後ほどお送りします。彼女の名前は志位川ひかる21歳。

私は自分の名前を呼ばれた気がして重い瞼を少し開いた。天井には真っ白い壁一面が広がっていた。少し視線を落とすと私の体には無数の医療器具が絡まっていた。私の横には警察官らしい若い女性と医師が立っていた。どうやら私は怪我して気絶していたようだ。頭がぐらぐらするうえに耳が遠い。そして気を抜くと吐き気が込み上げてきそうになる。あれ。そういえばさっきまで変な夢を見ていたような。勘違いかな....見知らなぬ人の家にお邪魔して夜中に子供が学校に行き....記憶が曖昧だな....うーん。確かマンションの下には管理室があってそこには男性2人と女性1人..そこに立っている女性が酷似しているような....そうだ。確か変な人影を見つけたと思ったらそのうちの1人が喰われて、瞬く間にもう1人も襲われて、そして最後に私が襲われそうになった時に女性が助けに来て発砲音が....うーん分かんない。記憶がぐちゃぐちゃだ。あれは夢なのか。現実なのか。だめだもう瞼を開けるのは限界だ。もう少しだけ休もう。
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