7人と暮らす

しろくま

文字の大きさ
上 下
17 / 27
第二章

初日

しおりを挟む
ピピピピピピピピ

目覚ましを止めて身体を起こす。

今日は、仕事初日だ。

お店には7時半に来てねと言われていた。

朝早すぎと思うかもしれないけど、

花の運び入れや開店前に花の状態を確認しなければならない仕事があるみたい。

どんなお仕事もやってみて初めて知る苦労はあると思う。

けど早起きはそこまで苦手じゃないから、大丈夫。

6時前に起きて、支度をする。

朝ごはんは、昨日の夜仕込みをしておいた。

炊き込みごはんをセットしておいたのと、キュウリと大根をお酢につけておいたから、

卵焼きとお味噌汁だけ作る。

自分のお昼ごはんに、炊き込みごはんをおむすびにする。

ひまり「あちち・・・。」

炊き立てだから熱いけど、なんとかおむすびにして、

卵焼きと一緒にお弁当箱に入れる。

ミニトマトも入れれば色味もそんな悪くないかな笑

パクっとミニトマトを1つ口に放り込む。

服装は白シャツにスキニージーンズで、靴は昨日買った紺色のアディダスのスニーカー。

髪の毛はお団子ヘアにして、仕事の邪魔にならないようにする。

まだ朝は少し寒いからトレンチコートを羽織って、

リュックはシンプルなデザインのレインズにした。

すこし高かったけどお気に入り。

初日ということもあり、少し早めに家を出ることにした。

「行ってきまーす」

そういって家を出て自転車にまたがった。



7時30分前に【floBar】に到着した。

ひまり「おはようございます。今日からよろしくお願いします。」

ヒロコさん「おはようございます。こちらこそよろしくね。」

初めてお会いしたまさとさんの奥さんヒロコさん。

ショートヘアにパーマをかけて、大人の女性という感じですごくきれいな人。

ヒロコ「それじゃ、荷物はここの棚を使ってね。

このエプロンをつけてもらって用意できたら声かけてくださいね。」

黒いエプロンを渡されて、用意をする。

ヒロコ「あ、おはよーございます!!」

お店の外にトラックが停まって、たくさんの花を運び入れているようだった。

ひまり「用意できました!!よろしくお願いします!!」

そういって、私も運び入れから始めていった。



ーーーーー

ひまり「ありがとうございました!またのご来店おまちしております!」

さ、さすが人気のお店なだけある。

朝の準備から、慌ただしく開店してからお客さんは次々とご来店された。

お客さんお一人お一人のご要望を丁寧に聞き取りして、そのご要望にそった商品を作り出していく。

ヒロコさんの仕事を隣で見させていただきながら、

どんな手順で決めていくのかを勉強する。

包装の手伝いやお会計は途中からできるだけさせてもらった。

花の名前もわからないものばかりだった。

ひまり「ふぅーー」

ヒロコ「おつかれさま。」

17時で一旦お店は準備中の看板を出して、夜のBARの準備をする。

19時からBARは開店だ。

ヒロコ「初日だけど、すごく機転を利かせて動いてくれていたから

わたしもやりやすかった。

初めてなんだから、なにごともできなくて当たり前だからね。

少しずつできることを増やしていきましょ。」

ヒロコさんの言葉がすごくやさしくて思わず涙ぐんでしまった。

ひまり「はい!!がんばります!!」

ヒロコ「今日は疲れたと思うからしっかり休んで、またあしたね!」

ひまり「ありがとうございます!失礼します。」


帰り道、頭の中で今日の振り返りをしながら




明日は、今日よりも一つでもできることを増やそうと心に決めた。

しおりを挟む

処理中です...