私の居場所

まめ

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惨めな思い

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和兄の家に行くことも無くなって学校から直ぐに家に帰るようになった
お姉ちゃんは相変わらずベッドで何もせず外を眺めている

「お姉ちゃん、ただいま」
「お帰り、はるか」

以前お姉ちゃんが好きで読んでいたラノベの新刊が出たので退屈だろうと買ってきた
「お姉ちゃん、前読んでたの新刊出てた。読む?」
お姉ちゃんは何も言わずに受け取り、両手でそれを膝元に置きゆっくり話出した

「はるか…、この間言った話の続き…聞いてくれる?」
「いいよ」
「お姉ちゃんね…

知らない場所に居た時、親切な人に助けて貰い、その人の家で暮らして居た
凄く優しい人だった
その人にその場所の暮らしについて教えて貰い、文字を覚え働く場所も見つけた
こちらで言う三年間はそんな生活をして居た

助けてくれた人がきっとお姉ちゃんのお腹の子の父親だろう
その人のことを話す時は淋しそうな顔をしていた
誰も知らない場所で親切にされ、その人と恋に落ちたのだと思った

「その人のこと好きだったの?」
「…、とても親切な優しい人なの。いつも私を守ってくれた」
「お姉ちゃん、会いたい?」
「…………分からなかい。ずっとこっちに帰りたいと思ってた。でも…」

それ以上何も言わず、また窓の外を見ながらポロポロと涙を流していた




別な日、家から和兄が出て来るところに出会した

「…はるか」
「久しぶり、和兄」
「…………少し話せるか?」

人目のつかない喫茶店に入り、和兄が口を開くのを待った

「この間、みっちゃんのお腹に赤ちゃんが居るって言ってたよな。…俺、もうすぐ大学も卒業して働くだろ、だから、みっちゃんと結婚して、その子を自分の子として育てようと思う…。だから、はるか…、これまでのことは…」
「お姉ちゃんはそれで良いって?」
「今日その事を言いに行った。おばさんも喜んでくれた。みっちゃんは考えさせてくれって言ったけど…。そう言う訳だから、もう、忘れてくれ」
「…なんか、浮気が妻にバレて別れてくれって言ってる旦那みたいだね。いいよ、和兄がそうしたいなら」
「すまない」


喫茶店を出るまでは絶対に泣かないって決めてた
他人の子を産むお姉ちゃんとは結婚できて、何で和兄を好きな私は別れなきゃいけないんだろう
惨め過ぎて泣きながら笑った



「ただいま」
「お帰り、はるか」

「お姉ちゃん、和兄にプロポーズされたんだって?」
「…聞いたの?」
「うん、お母さんも凄く喜んでた。ずっとお姉ちゃんを待ってたからね、和兄…。受けてあげたら?こっちで優しい人と結婚して幸せになりなよ」
「でも、私、お腹に…」
「和兄はそれでも良いって言ってくれたんでしょ。ずっと待っててくれたんだよ。ね、お姉ちゃん」

「…はるか………」


お姉ちゃんは迷ってるみたいだったけど、周りがこれだけ賛成したら、受ける事になるだろう

二人が幸せになっていく姿を私はどんな顔で見守ればいいのか
息をするのが辛くなった






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