私の居場所

まめ

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屋敷へ

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男の屋敷に辿り着くと使用人達と思われる者達に出迎えられた
「お帰りなさいませ。…そちらのお嬢様は?」

「ミチの妹だ。家に帰れるまで頼む」
それだけ告げ、馬を預け男は屋敷に入っていった

年配の男が近付いてきて挨拶をしてきた
「私、この屋敷を仕切っております、ホールソンと申します。何もご心配は要りません、落ち着くまでここでお過ごし下さい」
どうぞと手招きし、屋敷に招き入れられた

「ニコライ、ヘルゼにこのお嬢様の部屋を用意するように伝えてくれ」
まだ年若い使用人が頷いた後、足早に何処かへ向かった

「あ、あの…」
「…ああ、これは失礼致しました。まだお名前を伺ってませんでしたね」
「はるかです」
「アルカ様ですか?」
言い辛そうにしていたこともあり、はるかは言った
「アルです。アルとお呼び下さい」
「…アル様ですか。アルですとここの使用人の男と同じになりますので、アリー様とお呼びしても?」
「様は要りません。アリーとお呼び下さい。」
「…敬称無しでお呼びするのは、ご主人様の許可を得てからに致しましょう。さあ、アリー様先ずはお茶でもお召し上がりになって、少し身体をお休め下さい。馬での移動はお疲れになったでしょう」

客間と思われる部屋に案内され、ソファに腰掛けた
キョロキョロと落ち着かない様子ではるかは辺りを見渡した

手入れの行き届いた室内
はるかの時代ではアンティーク扱いになる、華美では無いながらも高級そうな家具
日本語を話しているのに違和感無く通じる会話
ここは姉やラノベの言う異世界なんだと改めて理解した

精神的ににも肉体的にも疲れていたのだろう
はるかは座り心地の良さも相まってソファでいつの間にか眠っていた
誰かかが上掛けを掛けてくれたのが分かった
薄っすらと目を開けると男が着替えを済ませそこに立っていた

「…ごめんなさい。いつの間に寝てしまって」
「謝ることは無い。少し眠るといい。食事の用意ができたら起こしに来よう」
そう言って部屋を出て行った
はるかはまた瞼を閉じた



夢を見た 
少し大きくなった子供を肩車する和兄
その横で微笑ましそうにそれを見るお姉ちゃん
三人を見ながらお父さんとお母さんも嬉しそうに何か言っている
そこに私は居なかった


目を覚ますと女の人がしゃがみ込み私の頭を撫でてくれていた
「起こしてしまいましたね、すみません」
子供の頃から頭を撫でて貰った記憶が無い
「いえ、あの…ありがとうございます」
何に対してのお礼だったのか自分でも分からなかったが、優しそうに微笑むその人に思わず口に出た

「アリー様でしたね。私はヘルゼと申します。何かございましたら、私にお申し付け下さい。それと、今お召しのお洋服なんですが、何かとご不便かと思いますので、宜しければこちらをどうぞ」
シンプルなワンピースのようなドレスを手渡された
「お手伝い致しますね」
そう言ってヘルゼと名乗った女性はそのドレスを着せてくれた

「お聞きしました。ミチ様の妹様だと…。ミチ様はお元気でらっしゃいますか?」
「姉をご存知ですか?」
「ええ、この屋敷に居る者は皆存じ上げております…。突然ここを去られて皆心配しておりました。家にお戻りになられたと聞き安堵していたところです」
「姉の次は私なんて、あの人にご迷惑を掛け通しですね…」
「アリー様、…ここの領主であるドミオール様は本当に心根のお優しい方です。困っている者は皆で助けるのが当たり前というお方なんです。領民も含め、皆領主様に畏敬の念を抱いているんですよ。私もここで働けることに誇りを持っております」
「あの人…ドミオールと言うのね…」
「あら、領主様ったら!名前も名乗られて無かったんですね!」
「ふふっ」
戯けたよなヘルゼの言いに思わず笑ってしまった

「そろそろ食事も出来た頃でしょう。ご案内しますね」
にこりと笑い、ヘルゼははるかを食事の場へ案内した




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