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プロローグ
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初めまして!わたし、田中あかり。
16歳の高校1年生。ちょっとオタクの普通の女の子です!
突然ですが、わたしは緑のモンスターに今追い詰められてます!えへっ!
「あかりちゃん!あかりちゃん!戻ってきてー!誰に自己紹介してるのー!」
側にいた菜穂ちゃんに、ブンブン身体を揺さぶられ、ハッと意識が戻った。
「ハッ!ここは!?」
「良かった!戻ってきた!」
「ふえーん、良かったぁ~」
思い出した!意識飛ばしてる場合じゃなかった!
わたしと菜穂ちゃん、くるみちゃんの3人組は全く戦闘能力が無いから、非戦闘要員として勇者達が戦っている場所から邪魔にならない場所で素材収集をしていた。
そしたらいきなりモンスターに襲われたんだった!
逃げたけど、でっかい大木の前に追い詰められて。絶体絶命のピンチになった所で恐怖のあまり現実逃避をしてしまったわ!
「て、まだいるし!」
「当たり前じゃない!私達さっきからずっとピンチなのよー!なのにあかりちゃん、宙に向かって自己紹介始めるし!」
「ふえーん、緑のモンスター気持ちわるい~」
正面に棍棒を持った緑の小柄のモンスターが、じりじりこちらに近寄ってくる。追い詰めた獲物(わたしたちね!)を恐怖のドン底に落とすかの様に、ゆっくりゆっくり向かってくる。
当たり前だけど状況は全く改善してなかった!
やだ、やだ、やだ。
生まれて16年。二次元妄想と引きこもりしか印象に残ってない人生だった!
「神様!次の人生はリア充パーリーピーポーになりたいです!」
「不吉な事言わないで~!」
「ふええーん、痛いのヤダ~」
もうダメ!誰か助けて!
3人で抱き合って目を瞑った瞬間。
いきなり眩しい光が辺りを包んだ。
温かい光だった。
そして、やけに威勢の良い声が響き渡った!
「おうおうおう!か弱い女子らに多勢に風情たぁ、漢の風上にもおけねえぜぃ!」
赤、青、緑、黄、桃。
鮮やかな色彩のタイツを着込んだ特撮ヒーローみたいな5人組が、いきなり大木の上から飛び降りて来た。
そして緑のモンスターを正面に、わたし達を守る様にビシィ!とポージングを決める。
その個性的な変なポージングに、何か見覚えが。ウソ、まさか。
「なになに!?今度は何なの!?変なの出て来た!」
「ふええん、もうヤダ、お家に帰りたいよ~」
菜穂ちゃんとくるみちゃんが、更に更にパニックになってる。
「お嬢!おいら達が来たからには任せろ!」
赤タイツが私達を振り返って、ビシッとサムズアップした。
「も、もしかして助けてくれるの?」
「ふえぇ、味方?」
菜穂ちゃんとくるみちゃんの顔がパァと輝いた。
でも、待って!もし本当に彼らがわたしの知っている彼らなら…。
「無念なり~!」
「よくもー!覚えてろ~!」
「……」
「ぎょわー!」
「いゃ~ん」
緑の魔物が振るった棍棒で、5人は次々と空の彼方に吹っ飛ばされた。
「弱っ!!」
「ふええーん、お母さ~ん!」
あまりの5人組の弱さに菜穂ちゃんはツッコミ、くるみちゃんは泣いた。
もう、わたし達と緑のモンスターを遮る物はない…。
戦う術を持たないわたし達3人は寄り添って、ぶるぶる震えるばかり。
その時。
サクッと緑のモンスターが刀で両断された。
「お前らこんなゴブリンに追い詰められるとか弱すぎだろ」
立派な装備で煌めく剣を持った勇者。クラスメイトの大河だった。
大河は剣をふるって汚れを払った。
その後ろから他のクラスメイト達も駆け寄って来るのが見える。
「大河!ありがとう!」
「助かった…」
「ふえーん、伊藤くんありがとぉ~」
わたし含め女子3人がホッとしたのも束の間。
「おうおうおう!お嬢達にゃあ一歩も触れさせねえぜぃ!」
威勢の掛け声と共に、再び大木の上から色取り取りの5人組が飛び降りて来た。
そして、またもやわたし達と勇者の間でビシィ!とポージングを決めた!
「きゃあああ!また出た!」
「ふぇ~ん」
「何だお前ら?」
追いついて来たクラスメイト達も、怪しいタイツ姿の5人組を見てざわついている。
大丈夫。大丈夫。きっとバレない。
1人ドキドキしながら大人しくしていた…が。それは幼馴染の一言でバラされた。
「あれ?こいつら、あかりが昔描いてたギャグ漫画のキャラクターじゃねえ?」
しーん。
場が鎮まり返り、側にいた菜穂ちゃん、くるみちゃん、クラスメイト達が無言でわたしを見つめた。
大河のアホー!バラすなー!
社会的に死んだ…。
ショックのあまり、わたしは気絶した。
16歳の高校1年生。ちょっとオタクの普通の女の子です!
突然ですが、わたしは緑のモンスターに今追い詰められてます!えへっ!
「あかりちゃん!あかりちゃん!戻ってきてー!誰に自己紹介してるのー!」
側にいた菜穂ちゃんに、ブンブン身体を揺さぶられ、ハッと意識が戻った。
「ハッ!ここは!?」
「良かった!戻ってきた!」
「ふえーん、良かったぁ~」
思い出した!意識飛ばしてる場合じゃなかった!
わたしと菜穂ちゃん、くるみちゃんの3人組は全く戦闘能力が無いから、非戦闘要員として勇者達が戦っている場所から邪魔にならない場所で素材収集をしていた。
そしたらいきなりモンスターに襲われたんだった!
逃げたけど、でっかい大木の前に追い詰められて。絶体絶命のピンチになった所で恐怖のあまり現実逃避をしてしまったわ!
「て、まだいるし!」
「当たり前じゃない!私達さっきからずっとピンチなのよー!なのにあかりちゃん、宙に向かって自己紹介始めるし!」
「ふえーん、緑のモンスター気持ちわるい~」
正面に棍棒を持った緑の小柄のモンスターが、じりじりこちらに近寄ってくる。追い詰めた獲物(わたしたちね!)を恐怖のドン底に落とすかの様に、ゆっくりゆっくり向かってくる。
当たり前だけど状況は全く改善してなかった!
やだ、やだ、やだ。
生まれて16年。二次元妄想と引きこもりしか印象に残ってない人生だった!
「神様!次の人生はリア充パーリーピーポーになりたいです!」
「不吉な事言わないで~!」
「ふええーん、痛いのヤダ~」
もうダメ!誰か助けて!
3人で抱き合って目を瞑った瞬間。
いきなり眩しい光が辺りを包んだ。
温かい光だった。
そして、やけに威勢の良い声が響き渡った!
「おうおうおう!か弱い女子らに多勢に風情たぁ、漢の風上にもおけねえぜぃ!」
赤、青、緑、黄、桃。
鮮やかな色彩のタイツを着込んだ特撮ヒーローみたいな5人組が、いきなり大木の上から飛び降りて来た。
そして緑のモンスターを正面に、わたし達を守る様にビシィ!とポージングを決める。
その個性的な変なポージングに、何か見覚えが。ウソ、まさか。
「なになに!?今度は何なの!?変なの出て来た!」
「ふええん、もうヤダ、お家に帰りたいよ~」
菜穂ちゃんとくるみちゃんが、更に更にパニックになってる。
「お嬢!おいら達が来たからには任せろ!」
赤タイツが私達を振り返って、ビシッとサムズアップした。
「も、もしかして助けてくれるの?」
「ふえぇ、味方?」
菜穂ちゃんとくるみちゃんの顔がパァと輝いた。
でも、待って!もし本当に彼らがわたしの知っている彼らなら…。
「無念なり~!」
「よくもー!覚えてろ~!」
「……」
「ぎょわー!」
「いゃ~ん」
緑の魔物が振るった棍棒で、5人は次々と空の彼方に吹っ飛ばされた。
「弱っ!!」
「ふええーん、お母さ~ん!」
あまりの5人組の弱さに菜穂ちゃんはツッコミ、くるみちゃんは泣いた。
もう、わたし達と緑のモンスターを遮る物はない…。
戦う術を持たないわたし達3人は寄り添って、ぶるぶる震えるばかり。
その時。
サクッと緑のモンスターが刀で両断された。
「お前らこんなゴブリンに追い詰められるとか弱すぎだろ」
立派な装備で煌めく剣を持った勇者。クラスメイトの大河だった。
大河は剣をふるって汚れを払った。
その後ろから他のクラスメイト達も駆け寄って来るのが見える。
「大河!ありがとう!」
「助かった…」
「ふえーん、伊藤くんありがとぉ~」
わたし含め女子3人がホッとしたのも束の間。
「おうおうおう!お嬢達にゃあ一歩も触れさせねえぜぃ!」
威勢の掛け声と共に、再び大木の上から色取り取りの5人組が飛び降りて来た。
そして、またもやわたし達と勇者の間でビシィ!とポージングを決めた!
「きゃあああ!また出た!」
「ふぇ~ん」
「何だお前ら?」
追いついて来たクラスメイト達も、怪しいタイツ姿の5人組を見てざわついている。
大丈夫。大丈夫。きっとバレない。
1人ドキドキしながら大人しくしていた…が。それは幼馴染の一言でバラされた。
「あれ?こいつら、あかりが昔描いてたギャグ漫画のキャラクターじゃねえ?」
しーん。
場が鎮まり返り、側にいた菜穂ちゃん、くるみちゃん、クラスメイト達が無言でわたしを見つめた。
大河のアホー!バラすなー!
社会的に死んだ…。
ショックのあまり、わたしは気絶した。
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