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28話
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食堂にはまだクラスメイト達が集まっていた。若ちんからの話も終わって各々で過ごしてる感じだ。
「あかり、鈴木の様子はどうだ?」
食堂に現れたわたしを見て、真っ先に声をかけてくれたのは大河だった。ちょうど江川さん、山田さん、戸田くんと、あの時駆けつけてくれたメンバーが揃っていた。
「まだ寝てるよ。今は菜穂ちゃん達が看てくれてる」
「そうか」
「さっきは助けに来てくれて、ありがとう」
お礼を伝えたわたしに戸田くんが、ハハッと笑った。
「気にすんな。俺達みんな仲間だろ!」
「~~~っ」
「何で泣く!?」
ぐすぐすと泣き出したわたしを、委員長の江川さんが抱きしめて背中をさすってくれた。
「田中さんも怖かったよね。もう大丈夫だよ。鈴木くんも助かったからね」
「ぐすっ、わたし、何も出来なくて。いつも、ぐすっ、忍くんを巻き込んで、危険な目に合わせて…ひっく」
山に置き去りにされた時も。今回中庭で魔物に遭遇したのも。わたしがキッカケだ。忍くんは巻き込まれて、今回もまたわたしを守ってくれた。
悲しくて辛くて涙が止まらない。
「それは違うよ!今回鈴木くんが助かったのは田中さんのお陰だよ!」
田中さんが不死鳥という存在を作り上げたから鈴木くんは助かったんだよ!と山田さんが力説してくれた。
「そうだぜ!それにあのペガサスとユニコーンがいたからギリギリ間に合ったんだ!こっちの世界の召喚獣なら間に合わなかった!」
戸田くんも力強くそう言った。
最後に大河がわたしの頭をクシャッとしながら。
「アイツなりに好きな子を守れて嬉しい筈だ。目が覚めたら謝るんじゃなくて、ありがとうと言ってやれ」
わたしは泣きながら、うんうん、と頷いた。
みんなの気持ちが嬉しくて胸があったかくなる。
「ありがとう。わたし、このクラスで良かった。本当に…みんなありがとう」
江川さんや山田さんを始め、クラスの女子達と数人の男子が一緒にもらい泣きして。
それまで成り行きを見守ってくれていた若ちんの一言でクラス全員の気持ちが一つになった。
「クラス全員、無事に帰るぞ」
「はい!」
わたしがみんなより遅い食事を終えた後、若ちんから全体に追加の報告があった。
城での調査の結果。
王様と王妃様の近くにも魔物が人間に化けて潜んでいたそうだ。正体がバレるとすぐさま正体を現して逃げ去ったらしい。
その時、捨て台詞で。
「ゲハハハ!ジャマモノは消した!」
邪魔者。それって…。
「今回狙われたのは多分、鈴木と田中だ」
ドキッとした。
若ちんの報告では。若ちんから王様へもたらされた情報はそのまま魔王サイドに流れていたらしく。
戦闘組の主力メンバーはもちろん勇者や聖女達だ。他にも、頼りになるクラスメイトは沢山いる。
そして非戦闘組は。
最強アイテムなどバンバン作れる忍くんと。
この世界には無い不思議な召喚をするわたしが、この戦いの要と認識されていたそうだ。
嘘…。脇役だと思ってたのに、いつの間にか表舞台に引きずり出された感じだ。
若ちんはこれ以上の情報漏洩を防ぐ為に、わたしと忍くんの安否はあえて伏せたらしい。
それで王様達には、わたし達が魔物にやられたと思わせた。それがそのまま魔物達に伝わったみたいだ。
若ちん…本当に頼りなる!
念のため、わたしと忍くんはもう表には出ない様、建物内だけに留まる様に言われた。
そして明日からは、戦闘組は城内待機組と城外訓練組に分かれて訓練をする事になった。
でもその作戦は実行される事は無かった。
何故ならその日の真夜中に、魔王サイドが更なる奇襲をかけてきたからだ。
そのまま魔王軍VS勇者軍の総力戦に雪崩れ込む事になる。
「あかり、鈴木の様子はどうだ?」
食堂に現れたわたしを見て、真っ先に声をかけてくれたのは大河だった。ちょうど江川さん、山田さん、戸田くんと、あの時駆けつけてくれたメンバーが揃っていた。
「まだ寝てるよ。今は菜穂ちゃん達が看てくれてる」
「そうか」
「さっきは助けに来てくれて、ありがとう」
お礼を伝えたわたしに戸田くんが、ハハッと笑った。
「気にすんな。俺達みんな仲間だろ!」
「~~~っ」
「何で泣く!?」
ぐすぐすと泣き出したわたしを、委員長の江川さんが抱きしめて背中をさすってくれた。
「田中さんも怖かったよね。もう大丈夫だよ。鈴木くんも助かったからね」
「ぐすっ、わたし、何も出来なくて。いつも、ぐすっ、忍くんを巻き込んで、危険な目に合わせて…ひっく」
山に置き去りにされた時も。今回中庭で魔物に遭遇したのも。わたしがキッカケだ。忍くんは巻き込まれて、今回もまたわたしを守ってくれた。
悲しくて辛くて涙が止まらない。
「それは違うよ!今回鈴木くんが助かったのは田中さんのお陰だよ!」
田中さんが不死鳥という存在を作り上げたから鈴木くんは助かったんだよ!と山田さんが力説してくれた。
「そうだぜ!それにあのペガサスとユニコーンがいたからギリギリ間に合ったんだ!こっちの世界の召喚獣なら間に合わなかった!」
戸田くんも力強くそう言った。
最後に大河がわたしの頭をクシャッとしながら。
「アイツなりに好きな子を守れて嬉しい筈だ。目が覚めたら謝るんじゃなくて、ありがとうと言ってやれ」
わたしは泣きながら、うんうん、と頷いた。
みんなの気持ちが嬉しくて胸があったかくなる。
「ありがとう。わたし、このクラスで良かった。本当に…みんなありがとう」
江川さんや山田さんを始め、クラスの女子達と数人の男子が一緒にもらい泣きして。
それまで成り行きを見守ってくれていた若ちんの一言でクラス全員の気持ちが一つになった。
「クラス全員、無事に帰るぞ」
「はい!」
わたしがみんなより遅い食事を終えた後、若ちんから全体に追加の報告があった。
城での調査の結果。
王様と王妃様の近くにも魔物が人間に化けて潜んでいたそうだ。正体がバレるとすぐさま正体を現して逃げ去ったらしい。
その時、捨て台詞で。
「ゲハハハ!ジャマモノは消した!」
邪魔者。それって…。
「今回狙われたのは多分、鈴木と田中だ」
ドキッとした。
若ちんの報告では。若ちんから王様へもたらされた情報はそのまま魔王サイドに流れていたらしく。
戦闘組の主力メンバーはもちろん勇者や聖女達だ。他にも、頼りになるクラスメイトは沢山いる。
そして非戦闘組は。
最強アイテムなどバンバン作れる忍くんと。
この世界には無い不思議な召喚をするわたしが、この戦いの要と認識されていたそうだ。
嘘…。脇役だと思ってたのに、いつの間にか表舞台に引きずり出された感じだ。
若ちんはこれ以上の情報漏洩を防ぐ為に、わたしと忍くんの安否はあえて伏せたらしい。
それで王様達には、わたし達が魔物にやられたと思わせた。それがそのまま魔物達に伝わったみたいだ。
若ちん…本当に頼りなる!
念のため、わたしと忍くんはもう表には出ない様、建物内だけに留まる様に言われた。
そして明日からは、戦闘組は城内待機組と城外訓練組に分かれて訓練をする事になった。
でもその作戦は実行される事は無かった。
何故ならその日の真夜中に、魔王サイドが更なる奇襲をかけてきたからだ。
そのまま魔王軍VS勇者軍の総力戦に雪崩れ込む事になる。
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