【完結】オタク女子はクラス転移で愛を知り哀を察る(しる)

秋空花林

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36話

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 『ちょうごうきんのとてもつよいすごく大きなロボット』

 それがわたしが書いた設定だった。

 その通りに、金色の派手なロボットはデコトラやドラゴンなんか比較にならない位にデカい。

 デカ過ぎて頭が見えないので、あぐらをかいて座らせた。それにより、城壁の前に超合金ロボットが壁役になって城下町を守ってるイメージだ。

 多分、外にいて逃げ遅れた魔物やモンスター辺りは潰されてるだろう。ごめんなさい!

 超合金ロボットが、体を少し傾けて、城壁内に手を伸ばして来た。

 この世界の騎士さんとか、魔法使いとかが、ヒィーと逃げ出した。

 クラスメイトは、合体ロボットだー!と特に男子が大興奮だ!

 わたしと忍くんは超合金ロボットの手の平に乗る。そのまま手の平で上空に運ばれて行くわたし達に、クラスメイトがエールを送ってくれた。

「魔法少女ー!若ちん達のこと頼むなー!」
「あとでそれ俺達も載せてくれよな!」
「田中最高!」

 菜穂ちゃんやくるみちゃん、オタク3人組も建物の外に出て来て、手を振ってくれた。

「あかりちゃん!任せたよ!」
「ふえーん、落ちない様に気をつけて~」

 みんなの応援に、胸があったかくなった。

「絶対若ちんに届けるから!みんなで、みんなで帰ろうね!」

 みんなに手を振って、わたしは忍くんと前を向いた。ロボットの手の平は正面へ向けてグングン伸びて、ちょうど手を差し伸べてる状態で止まった。

 若ちん達、主力メンバーやドラゴンまではもうすぐだ。

「若ちーん!」

 わたしの呼び声に、デコトラの運転席から若ちんが顔を出したのが見えた。

 いつの間にか出現した巨大ロボットに、若ちんがぽかーんとしてる。

 忍くんが筒を掲げて見せ、わたしは両手で気づいてもらえるよう両手を振った。
 
 若ちんがハッとして、気づいたという様に片手をあげた。

 その間も、勇者達とドラゴンはずっと死闘(?)を繰り広げている。

 ドラゴンがギャオギャオ鳴いてるから、多分勇者達が優勢だと…思う。多分。

 若ちんが外に出て来て、自分を上げろと合図をして来た。超合金ロボットがもう片手を若ちんに差し出して、わたし達の方へ運んで来た。

「すっげーな!このロボ!何で出来てんだ?」
「んー超合金!宇宙一強い素材なの!」

 わたしがそう言った瞬間、超合金ロボットが一瞬ピカッと光った。

「どうしたんだろ?」
「宇宙一になったんだろ」

 若ちんが楽しそうに笑った。さて、とドラゴンに視線を向ける。

「最終兵器は口の中にぶっ放せって?」
「工藤くんはそう言ってました」
「ぶっ放すのはいいが、巻き込まれないか?」

 ピンポーン

『それは大丈夫!あれ超強力な下剤と様々な呪いとかの強力デバブの塊だから』

 それで弱らせてから一気に畳み込めという事らしい。

「じゃあ行くか」
「若ちんが行くの?」
「あたりめーだ!可愛い生徒に危ない事させられねーだろ!」
「若ちん…カッコいい!」

 若ちんは任せろとサムズアップした。

「おい放送室。伊藤に俺を迎えに来させろ!あと、コレぶっ放したらヤツが暴れるかもしれねーから、みんなを避難させろ!」

 連絡を受けた大河がすぐ若ちんを迎えに来た。そのまま若ちんはペガサスに乗り込んで、大河と共にドラゴンに向かって行く。

 その他の主力メンバーはドラゴンから後退して、超合金ロボットの元にやって来た。そのまま休憩を兼ねて、ロボットの腕に着地して休んでる。

 腕と言っても超巨大なので相当な太さだ。

「すげーな!これ!リアル合体ロボかよ!」

 戸田くん達がコンコン叩いて、痛っ!固っ!とかやっている。宇宙一固いからね!

 そんなこんなしてる内に。

 ギャオオオオー!

 ドラゴンの咆哮が響き渡った!
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