拾われた俺、最強のスパダリ閣下に全力で溺愛されてます 迷い子の月下美人

エウラ

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568 婚姻の事後報告 3

そうそう、メーレ主催のお茶会の席にはチャリオンも呼ばれていた。

「すみません。カガシが他の薬師達と篭もってしまったので、僕もちょうど手が空いてて。そうしたらメーレ様が誘ってくださって」
「へえ、カガシが? チャリオンを放置って、珍しいね」

俺が不思議そうに言ったら、チャリオンは苦笑した。

「どうやら、僕にはあまり見せたくない調薬とかあるようで。まあ、四六時中僕にくっ付いてるので、たまにはいいかなと」
「ああ、うん。確かにカガシの執着はすごいもんね」

俺はその言葉に納得する。カガシの執着はアークのとは違う種類で、なんていうか──粘着質で束縛系?
チャリオンはそこまで嫌がってはいないみたいだけど、たまには一人でのんびりしたいよね。

「アークはどうする?」

ミオはエレンの付き添い兼恋人だし、スコルはリンクスと一緒にメーレに挨拶があるから、お茶会に混じっててもおかしくないけど。でもこのメンツってどうみても嫁側じゃん。
あれか、第三回にゃんこ会。
アークもそれに気づいたのかもしれない。

「メーレ達といろいろ話すこともあるだろうし、ノアも息抜きしたいだろう。俺はカガシ達の方を見てくるから、ゆっくりしていてくれ」

──それに俺がいると、周りのヤツらが気を遣うだろうし。そう耳元で囁いて、アークはひらりと手を上げてカガシ達のいるテントに向かっていった。
俺は気にしないけど、確かにチャリオンやエレン達はアークに気後れしてしまうかも。そういうさり気ない気配りがすごいよね。俺にはそういう気配りは無理かも。

「まあ、旦那様は旦那様で、積もる話でもあるんでしょうし。こっちはこっちで盛り上がりましょう!」

そのメーレの一言で、皆、席に着いてお茶会が始まった。目の前には紅茶と焼き菓子やケーキがたくさん並んでいる。
──どれも俺が焼いて、お茶請けにってミオに預けているお菓子だな。
ミオと目が合って、お互いニコッと笑う。うん、役に立っているようで何より。

「……母上、何か雰囲気が変わりましたね。以前よりも、はっちゃけている気がします」
「そりゃあもう、あれから生まれ変わった気分だもの。せっかくだから、この療養期間中はやりたいことをやって、満喫するんだ」

以前見た儚げな微笑みではなく、活気溢れる、太陽みたいな笑顔でそう言ったメーレに驚くリンクス。しかし、すぐに泣きそうな微笑みを見せる。嬉し涙ってヤツだ。

「本当に、よかった。あの、リオラル兄上達と頑張って政務を熟してるので、無理せず、ゆっくり静養してください」
「あら、さすがだね。陛下はポンコツで使い物にならないだろうと思ってたんだよ。うんうん、よかった。それで──彼の紹介はまだしてくれないの?」

せっかくの親子の感動の対面をサッサと流して、ニヤニヤしながらリンクスに話を振るメーレ。
エレン達はすでにこんなメーレに慣れてきていて、苦笑しているだけ。リンクスも実の母だし、その性分は分かっているのだろうが、自分のことを振られて動揺したんだろう。

「ぅ、えっと、その──」

真顔のスコルの隣で、顔を赤らめて言葉を探すリンクスを、皆でジッと見つめて待つ。

「……昨日、婚姻しました。旦那様になったスコルです」
「──まあまあまあ! 彼氏じゃなくて、旦那様! おめでとう!!」
「おめでとうございます!」

メーレのお祝いを皮切りに、皆に祝福されるリンクスは顔が赤くなったままだ。そんな嬉し恥ずかしなリンクスを、スコルがギュッと抱きしめて皆から見えないようにしてしまう。

『リンのそんな顔は、俺だけが見ればいいので』
「おやおや。独占欲丸出しだね」
「ス、スコル、苦しいよ」
『……早く普通の顔に戻して』
「無茶言うなぁ!」

メーレの揶揄う声とスコルの無茶振りに、さらに顔が赤くなってしまうリンクス。
それを見てほのぼのとする俺達という、端から見れば面白いお茶会だった。

   ◆ ◆ ◆

──その頃、アークはというと……

「よう、カガシ」

他の薬師達と何か話しているところに声をかけると、気づいたカガシがこっちにやってきた。

「おや、アークさんがいるということは、ノアさんも一緒ですか」
「ああ、でもあっちでお茶会してる。チャリオンも一緒にな」

外に視線を送れば、カガシが苦笑した。

「最近、束縛しすぎたようで疲れてるみたいだったので、ちょうどいいかと、気分転換に自由にさせてるんです」

確かにカガシの執着は、俺よりも酷いみたいだしな。よく平気だよな、チャリオン。

「お前、隠そうともせずにガッツリ束縛って。まあ、たまには緩めないとなぁ。その辺り、お前はさじ加減を間違えるようなヘマはしないだろうが」
「愚問ですよ。それより、何か私に聞きたいことがあるのでは?」

そんな雑談の中に、カガシは俺の訪問の意味を読んでいたらしい。
俺はカガシに目配せすると、テントの隅に寄ってから防音魔法を使った。

「ちょっとお前に確認したいことがあってな。……実は──」

そう言って、俺は『フレンジー』の毒薬のことを話す。
話を聞き終えたカガシは、少し考えたあと、言った。

「彼、ナヘカの血が混じっているかもしれませんね」












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