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連載
582 囚われの姫を救出せよ 4
近衛騎士副団長らは王太子殿下に任せて、俺達は早足に幽閉塔を目指す。
本当は全力で駆けて行きたいが、そうなるとたぶん、力が入りすぎて床がボコボコになる。さすがに他国の城内を破壊するわけにはいかないので、できるだけ急ぎつつ廊下を歩き、幽閉塔の区域に入る。
足を踏み入れた途端に、防御結界の魔法がパキッと音を立てて壊れた。音がした方を見ると、壁に埋め込まれていた魔導具が砕けていた。
「案外、脆かったな」
アークが魔導具を見ながら呟く。俺も咄嗟に鑑定したけど、それなりの強度はある。
「え? あれでも、そこそこの強度はあるよ。獣人国の魔導師だったら、数人が全力で魔力を込めないと破壊は難しいと思うけど」
「何だ、そんなもんか。今の俺だと、普段抑えている竜の威圧と魔力で十分壊せるぜ」
俺の言葉に、ルドヴィカは好戦的な顔と声で応える。いやいや、普段どれだけ抑えてんの!? だって今、一瞬だったよね!
「ルドヴィカはこう見えても魔法騎士団長だからな。言ったろう。実力はかなり上だ」
「魔法戦なら、アークよりも俺の方がちょっと上だと自負しているぜ」
ニヤリと笑うルドヴィカ。そんな悪そうな笑い顔もできたんだ。今日だけで普段とは違う顔を幾つも見られて驚く。
「おお、そういえばアークがそんなこと言ってた気がする。じゃあ、落ち着いたら手合わせしてほしいな」
「あー、まあ、落ち着いたらな。……何時になるか分からないけど」
「……確かに」
俺のときは、初めてが迷宮の中で、篭もったのが三日ほどだったけど。アル義兄様とレインのときはもっと長く篭もってたし、それで言ったらルドヴィカはもっと過保護になって篭もりそうだな。一月とか、下手したら半年、一年とかありそう。
「まあ、気長に待つよ」
「ふっ、そうしてくれ」
ルドヴィカの言いたいことを悟った俺に、再びニヤリと笑うルドヴィカ。アークも苦笑して頷く。
幽閉塔の区域に入って少し。奥の大きな木々の間に隠れるように建つ幽閉塔に着いた。そこには監視役のモノがいた。
「中の様子で何か変わったことは?」
アークがモノに聞くと、モノは小さく首を横に振る。
「特にありません。昨日、眠りについたまま、起きていません」
「……相当疲れているのか、それとも──」
現実逃避で眠りから覚めたくないのかもしれない。ルドヴィカもそう思ったのか、一瞬、険しい顔になったが、次の瞬間には真顔になった。
「こっちは俺達で対処していいんだよな」
「ああ」
「この塔、破壊してもいいか?」
「あー……。許可は得ていないが、この塔だけなら事後報告で何とかしよう。ただ、彼の保護と証拠品の押収を済ませるまでは最低限の破壊で頼む」
「分かった。その辺の後始末は任せるぜ、アーク」
真顔のルドヴィカが不穏なことを言う。アークは少し考えて眉間にシワを寄せつつ、ルドヴィカに是の返答をする。うん、愛しい番いを苦しめた塔だもんね。消し去りたいよね。でも証拠まで即座に消されたらあとが面倒だから、ちょっと待って。
踏み込んだら、俺達が証拠品の確保とか状況証拠を記録媒体魔導具で残すから。
※短いですが、切りよく。
本当は全力で駆けて行きたいが、そうなるとたぶん、力が入りすぎて床がボコボコになる。さすがに他国の城内を破壊するわけにはいかないので、できるだけ急ぎつつ廊下を歩き、幽閉塔の区域に入る。
足を踏み入れた途端に、防御結界の魔法がパキッと音を立てて壊れた。音がした方を見ると、壁に埋め込まれていた魔導具が砕けていた。
「案外、脆かったな」
アークが魔導具を見ながら呟く。俺も咄嗟に鑑定したけど、それなりの強度はある。
「え? あれでも、そこそこの強度はあるよ。獣人国の魔導師だったら、数人が全力で魔力を込めないと破壊は難しいと思うけど」
「何だ、そんなもんか。今の俺だと、普段抑えている竜の威圧と魔力で十分壊せるぜ」
俺の言葉に、ルドヴィカは好戦的な顔と声で応える。いやいや、普段どれだけ抑えてんの!? だって今、一瞬だったよね!
「ルドヴィカはこう見えても魔法騎士団長だからな。言ったろう。実力はかなり上だ」
「魔法戦なら、アークよりも俺の方がちょっと上だと自負しているぜ」
ニヤリと笑うルドヴィカ。そんな悪そうな笑い顔もできたんだ。今日だけで普段とは違う顔を幾つも見られて驚く。
「おお、そういえばアークがそんなこと言ってた気がする。じゃあ、落ち着いたら手合わせしてほしいな」
「あー、まあ、落ち着いたらな。……何時になるか分からないけど」
「……確かに」
俺のときは、初めてが迷宮の中で、篭もったのが三日ほどだったけど。アル義兄様とレインのときはもっと長く篭もってたし、それで言ったらルドヴィカはもっと過保護になって篭もりそうだな。一月とか、下手したら半年、一年とかありそう。
「まあ、気長に待つよ」
「ふっ、そうしてくれ」
ルドヴィカの言いたいことを悟った俺に、再びニヤリと笑うルドヴィカ。アークも苦笑して頷く。
幽閉塔の区域に入って少し。奥の大きな木々の間に隠れるように建つ幽閉塔に着いた。そこには監視役のモノがいた。
「中の様子で何か変わったことは?」
アークがモノに聞くと、モノは小さく首を横に振る。
「特にありません。昨日、眠りについたまま、起きていません」
「……相当疲れているのか、それとも──」
現実逃避で眠りから覚めたくないのかもしれない。ルドヴィカもそう思ったのか、一瞬、険しい顔になったが、次の瞬間には真顔になった。
「こっちは俺達で対処していいんだよな」
「ああ」
「この塔、破壊してもいいか?」
「あー……。許可は得ていないが、この塔だけなら事後報告で何とかしよう。ただ、彼の保護と証拠品の押収を済ませるまでは最低限の破壊で頼む」
「分かった。その辺の後始末は任せるぜ、アーク」
真顔のルドヴィカが不穏なことを言う。アークは少し考えて眉間にシワを寄せつつ、ルドヴィカに是の返答をする。うん、愛しい番いを苦しめた塔だもんね。消し去りたいよね。でも証拠まで即座に消されたらあとが面倒だから、ちょっと待って。
踏み込んだら、俺達が証拠品の確保とか状況証拠を記録媒体魔導具で残すから。
※短いですが、切りよく。
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