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603 記録媒体魔導具事件 4
リオラル達の驚愕の叫び声で、その範囲が一般的じゃないことに気づいたけど、今更か。この腕輪に関しては他の誰にも迷惑をかけていないし、別にいいよね。
「とにかく、そういう機能をつけた魔導具を錬成するから、ちょっと待ってね」
「え、今、ここでするのかい?」
リオラル達が再びギョッとする。そりゃあもちろんここですけど。
「それこそ何処でやるの? また調薬室貸し切る時間もったいないでしょ。できるんだからここでいいよね」
「ちょっとトイレに行くみたいな気軽さで、そんなにすぐにできるのか!? いや、ノアの錬成を見ているからできるんだろうとは思うけど」
「うん、できるよ。材料さえ揃っていれば」
幸い異空間収納魔法の中には数え切れないほどの素材が入っているから足りるだろう。それに魔法を付与するのは俺だから、他の付与できる魔導師を探さなくていいし。
あと万が一王族に怪我させないためにも結界を張るし、爆発するような錬成じゃないから大丈夫。
「そういう訳でちょっとテーブルを借りるね」
「お、おお」
さっきまでお茶していたからケーキやティーカップがたくさん載っている。まずこれを片付けて、真っさらになったテーブルに素材を広げていく。
今回は誰が見ても分かるように、俺達みたいな不可視の地図の画像じゃなくて薄くて平たい魔導具にしよう。携帯できる小型の通信魔導具の地図版といえばいいのか。
必要な物を並べ終えたら、何時もの錬成用魔法陣を発動させる。パッと光を放つ魔法陣を皆が食い入るように見つめている。
少しして光る魔法陣が消えたあとには、縦二〇センチ横一五センチ、厚みがニセンチほどの四角い魔導具が残った。
「……おお、この前も見せてもらったが、相変わらず凄いものだな」
「本当に、何をどうやったらこんな錬成ができるのでしょうね」
リオラルとオウラン宰相が思わずというふうに呟き、側近のギンカも護衛の三人も頷いている。立ったまま器用にヴァンをモフり倒しているティンバーも頷く。
俺は物心ついた頃からずっとラグ爺さんに教わってやってたから、何処をどういうふうにという説明は難しい。ラグ爺さんもわりと大雑把で『見て覚えろ』という感覚的なことが多かったから。
なので錬成に関する説明は割愛する。
「あとはここに魔法を付与した魔石を嵌めるんだけど……どの魔石がいいかなぁ」
かなりの広範囲を探索するために魔力は総統な量を込めたい。でも強度も魔力の耐性もないと魔石が砕けちゃうし。
「うーん……硬いのっていえばヒヒイロカネかアダマンタイトだけど、そこまではいらないかな。あとは──あ、そうだ」
「おい、何か凄い名前が出た気がするが」
リオラルがギョッとし、ギンカは遠い目をしている。他の面々は無我の境地に行ったように目を細めて黙り込んでいた。
「伝説級の稀少な魔石ですよね。サラッと言いましたけど、手持ちにあるんですかね」
そう呟くギンカに、俺はインベントリのダミーであるマジックバッグを漁りながら応える。
「あんまりないけどあるよ。ラグ爺さんに譲ってもらったヤツだけど。それ以外なら俺も採った物が色々──ああ、これこれ、金剛石」
「えっ!?」
大小いろんな大きさの物がたくさんある。これなら硬度は申し分ないな。熱と衝撃には弱いけど、魔法で防御すれば問題ないだろう。
「ダ、ダイアモンド!? それだって稀少だろう。まさかそれを使うのか」
信じられないという顔でリオラルが聞いてくるから頷く。
「これはいっぱいあるから全然問題ない。あ、リオラルもいる?」
「えええ、いや、そうじゃなくてだな、そういうのは婚姻の腕輪とか宝飾品に加工をして──」
「そうだね、じゃあリオラルとヴォルの将来のためにこの辺のサイズのをあげるね。仲よくお揃いのを作ってくれたら嬉しいな」
「ぁ、え!? そそ、それは嬉しいが。じゃなくてだな!」
俺がこぶし大の加工前の原石をリオラルの手にポイッと手渡すと、顔を赤くしながら焦るリオラル。それを微笑ましげに見つめる他の面々。
微妙に噛み合わない会話をする俺達にアークが苦笑してツッコミを入れる。
「ノアの非常識さに驚かないように常に心構えをしておいた方がいいぞ、リオラル。ノアもあげるならあとでリオラルとヴォルを交えてよく相談してからにしろ」
「あ、そうだね。でもとりあえずそれはあげるから好きにしていいよ」
一度あげた物だから返品不可で。
「ぅ、うああぁ」
「……っ」
俺がアークの言葉に納得して頷くと、完全に恋心がバレたリオラルは呻き、ヴォルは顔を赤くして固まった。
何とも言えない空気の中、俺はサクッとダイアモンドの魔石に探索魔法を付与して魔導具の板に取り付けるのだった。
「とにかく、そういう機能をつけた魔導具を錬成するから、ちょっと待ってね」
「え、今、ここでするのかい?」
リオラル達が再びギョッとする。そりゃあもちろんここですけど。
「それこそ何処でやるの? また調薬室貸し切る時間もったいないでしょ。できるんだからここでいいよね」
「ちょっとトイレに行くみたいな気軽さで、そんなにすぐにできるのか!? いや、ノアの錬成を見ているからできるんだろうとは思うけど」
「うん、できるよ。材料さえ揃っていれば」
幸い異空間収納魔法の中には数え切れないほどの素材が入っているから足りるだろう。それに魔法を付与するのは俺だから、他の付与できる魔導師を探さなくていいし。
あと万が一王族に怪我させないためにも結界を張るし、爆発するような錬成じゃないから大丈夫。
「そういう訳でちょっとテーブルを借りるね」
「お、おお」
さっきまでお茶していたからケーキやティーカップがたくさん載っている。まずこれを片付けて、真っさらになったテーブルに素材を広げていく。
今回は誰が見ても分かるように、俺達みたいな不可視の地図の画像じゃなくて薄くて平たい魔導具にしよう。携帯できる小型の通信魔導具の地図版といえばいいのか。
必要な物を並べ終えたら、何時もの錬成用魔法陣を発動させる。パッと光を放つ魔法陣を皆が食い入るように見つめている。
少しして光る魔法陣が消えたあとには、縦二〇センチ横一五センチ、厚みがニセンチほどの四角い魔導具が残った。
「……おお、この前も見せてもらったが、相変わらず凄いものだな」
「本当に、何をどうやったらこんな錬成ができるのでしょうね」
リオラルとオウラン宰相が思わずというふうに呟き、側近のギンカも護衛の三人も頷いている。立ったまま器用にヴァンをモフり倒しているティンバーも頷く。
俺は物心ついた頃からずっとラグ爺さんに教わってやってたから、何処をどういうふうにという説明は難しい。ラグ爺さんもわりと大雑把で『見て覚えろ』という感覚的なことが多かったから。
なので錬成に関する説明は割愛する。
「あとはここに魔法を付与した魔石を嵌めるんだけど……どの魔石がいいかなぁ」
かなりの広範囲を探索するために魔力は総統な量を込めたい。でも強度も魔力の耐性もないと魔石が砕けちゃうし。
「うーん……硬いのっていえばヒヒイロカネかアダマンタイトだけど、そこまではいらないかな。あとは──あ、そうだ」
「おい、何か凄い名前が出た気がするが」
リオラルがギョッとし、ギンカは遠い目をしている。他の面々は無我の境地に行ったように目を細めて黙り込んでいた。
「伝説級の稀少な魔石ですよね。サラッと言いましたけど、手持ちにあるんですかね」
そう呟くギンカに、俺はインベントリのダミーであるマジックバッグを漁りながら応える。
「あんまりないけどあるよ。ラグ爺さんに譲ってもらったヤツだけど。それ以外なら俺も採った物が色々──ああ、これこれ、金剛石」
「えっ!?」
大小いろんな大きさの物がたくさんある。これなら硬度は申し分ないな。熱と衝撃には弱いけど、魔法で防御すれば問題ないだろう。
「ダ、ダイアモンド!? それだって稀少だろう。まさかそれを使うのか」
信じられないという顔でリオラルが聞いてくるから頷く。
「これはいっぱいあるから全然問題ない。あ、リオラルもいる?」
「えええ、いや、そうじゃなくてだな、そういうのは婚姻の腕輪とか宝飾品に加工をして──」
「そうだね、じゃあリオラルとヴォルの将来のためにこの辺のサイズのをあげるね。仲よくお揃いのを作ってくれたら嬉しいな」
「ぁ、え!? そそ、それは嬉しいが。じゃなくてだな!」
俺がこぶし大の加工前の原石をリオラルの手にポイッと手渡すと、顔を赤くしながら焦るリオラル。それを微笑ましげに見つめる他の面々。
微妙に噛み合わない会話をする俺達にアークが苦笑してツッコミを入れる。
「ノアの非常識さに驚かないように常に心構えをしておいた方がいいぞ、リオラル。ノアもあげるならあとでリオラルとヴォルを交えてよく相談してからにしろ」
「あ、そうだね。でもとりあえずそれはあげるから好きにしていいよ」
一度あげた物だから返品不可で。
「ぅ、うああぁ」
「……っ」
俺がアークの言葉に納得して頷くと、完全に恋心がバレたリオラルは呻き、ヴォルは顔を赤くして固まった。
何とも言えない空気の中、俺はサクッとダイアモンドの魔石に探索魔法を付与して魔導具の板に取り付けるのだった。
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