548 / 638
連載
604 探索魔導具 1
「錬成したこれにそっちの魔導具のヘクセの魔力を登録して──はい、完成!」
即席で錬成した物だけど、性能は確かのはず。まずは試運転しないとだけど。
「おお、完成したのか! すごいな」
さっきまで悶えていたリオラルがハッと立ち直り、魔導具を覗き込んできた。それを合図に他の人達も四角い魔導具を見つめる。
「一応完成だけど、ちゃんと魔力を探索できるのかは起動させてみないと分からないから」
「じゃあ、さっそく試してみてくれ」
何処か不具合があって起動しないかもしれないし、魔力を探知できないかもしれない。もしくは地図が表示できないとか。最初はそういうことがあるから。
そう思って言ったんだけど、リオラルは問題ないだろうという感じで興味津々な様子を隠しもせずに告げる。
とても楽しそうだね、リンクスみたい。母親違いとはいえ、さすがは兄弟というところか。
「うーん、じゃあとりあえずスイッチ入れてみるね」
俺はそう言って起動させる。すると画面上にこの国の王都の地図が表示された。でも魔力の反応はない。
「おお、すごいな。こんなに正確に地形も分かるのかい?」
リオラルを始め、皆がキラキラした目で魔導具を見つめる。そこそこの大きさしかない板に総勢九人+一頭が近寄って覗き込んでくるので、圧がすごいな。アークは俺の背中越しに見ている。
テーブルがあるおかげでそこまで密集していないのが救いか。
そんな集団に俺は説明をする。
「魔法で地形も探れるようにしないと何処かに隠れていたら分からないからね。例えば洞窟とか地下とか。もしかしたら水底に沈んでいたり?」
最後のはちょっと怖い想像だったのか、皆して思わず震える。溺れたり殺されて沈められたりとかだったらイヤだよね。
そんな説明のあとに俺は皆を見回す。
「でも今、地図に表示が出ないでしょう。これではヘクセがこの範囲にいないのか不具合なのか確かめられないから、誰か実験台になってもらわないと」
「……ノアが言うと、ヤバい治験をやらされそうで怖いんだが」
あー、確かに直近だとルドヴィカに飲ませた『激マズ激苦ポーション』とか。それ以前も『月下美人』でやらかしたっけ。
そんなことをやらかしていたなんて知りもしないはずなのに、何故かアークの言葉にドン引きで俺から距離をとるリオラル達。
何かを察したようだ。酷い。
ムッとして頬を膨らませる俺にアークが苦笑して、頭を撫でてくる。いやいや、そんなことじゃ誤魔化されないぞ。とにかく誰か実験台にしないと確認が取れないじゃないか!
誰かー誰かいませんかー!?
そんな俺の願いが通じたのか、リオラルの執務室に予定外の来訪者が現れた。
「リオラル兄上、こちらにノア師匠がいらっしゃると窺ったのですが──」
ノックのあとリオラルが応えると、扉を開けて顔を出したのは──
「あーっ、リンクスとスコル、いいところに来た!」
「ぅえっ!?」
『……何でしょうか?』
いいカモ、じゃなくていい弟子がタイミングよく現れた!
俺は嬉々として、リンクスとスコルは戸惑いながらそう言った。うん、目の端に「やれやれ」とか「あちゃあ」みたいな仕草をするアークやリオラル達の姿が目に入ったが気にしない。
これで確認ができる!
即席で錬成した物だけど、性能は確かのはず。まずは試運転しないとだけど。
「おお、完成したのか! すごいな」
さっきまで悶えていたリオラルがハッと立ち直り、魔導具を覗き込んできた。それを合図に他の人達も四角い魔導具を見つめる。
「一応完成だけど、ちゃんと魔力を探索できるのかは起動させてみないと分からないから」
「じゃあ、さっそく試してみてくれ」
何処か不具合があって起動しないかもしれないし、魔力を探知できないかもしれない。もしくは地図が表示できないとか。最初はそういうことがあるから。
そう思って言ったんだけど、リオラルは問題ないだろうという感じで興味津々な様子を隠しもせずに告げる。
とても楽しそうだね、リンクスみたい。母親違いとはいえ、さすがは兄弟というところか。
「うーん、じゃあとりあえずスイッチ入れてみるね」
俺はそう言って起動させる。すると画面上にこの国の王都の地図が表示された。でも魔力の反応はない。
「おお、すごいな。こんなに正確に地形も分かるのかい?」
リオラルを始め、皆がキラキラした目で魔導具を見つめる。そこそこの大きさしかない板に総勢九人+一頭が近寄って覗き込んでくるので、圧がすごいな。アークは俺の背中越しに見ている。
テーブルがあるおかげでそこまで密集していないのが救いか。
そんな集団に俺は説明をする。
「魔法で地形も探れるようにしないと何処かに隠れていたら分からないからね。例えば洞窟とか地下とか。もしかしたら水底に沈んでいたり?」
最後のはちょっと怖い想像だったのか、皆して思わず震える。溺れたり殺されて沈められたりとかだったらイヤだよね。
そんな説明のあとに俺は皆を見回す。
「でも今、地図に表示が出ないでしょう。これではヘクセがこの範囲にいないのか不具合なのか確かめられないから、誰か実験台になってもらわないと」
「……ノアが言うと、ヤバい治験をやらされそうで怖いんだが」
あー、確かに直近だとルドヴィカに飲ませた『激マズ激苦ポーション』とか。それ以前も『月下美人』でやらかしたっけ。
そんなことをやらかしていたなんて知りもしないはずなのに、何故かアークの言葉にドン引きで俺から距離をとるリオラル達。
何かを察したようだ。酷い。
ムッとして頬を膨らませる俺にアークが苦笑して、頭を撫でてくる。いやいや、そんなことじゃ誤魔化されないぞ。とにかく誰か実験台にしないと確認が取れないじゃないか!
誰かー誰かいませんかー!?
そんな俺の願いが通じたのか、リオラルの執務室に予定外の来訪者が現れた。
「リオラル兄上、こちらにノア師匠がいらっしゃると窺ったのですが──」
ノックのあとリオラルが応えると、扉を開けて顔を出したのは──
「あーっ、リンクスとスコル、いいところに来た!」
「ぅえっ!?」
『……何でしょうか?』
いいカモ、じゃなくていい弟子がタイミングよく現れた!
俺は嬉々として、リンクスとスコルは戸惑いながらそう言った。うん、目の端に「やれやれ」とか「あちゃあ」みたいな仕草をするアークやリオラル達の姿が目に入ったが気にしない。
これで確認ができる!
あなたにおすすめの小説
(無自覚)妖精に転生した僕は、騎士の溺愛に気づかない。
キノア9g
BL
気がつくと、僕は見知らぬ不思議な森にいた。
木や草花どれもやけに大きく見えるし、自分の体も妙に華奢だった。
色々疑問に思いながらも、1人は寂しくて人間に会うために森をさまよい歩く。
ようやく出会えた初めての人間に思わず話しかけたものの、言葉は通じず、なぜか捕らえられてしまい、無残な目に遭うことに。
捨てられ、意識が薄れる中、僕を助けてくれたのは、優しい騎士だった。
彼の献身的な看病に心が癒される僕だけれど、彼がどんな思いで僕を守っているのかは、まだ気づかないまま。
少しずつ深まっていくこの絆が、僕にどんな運命をもたらすのか──?
騎士×妖精
※主人公が傷つけられるシーンがありますので、苦手な方はご注意ください。
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
竜帝陛下の愛が重すぎて身代わりの落ちこぼれ薬師は今日も腰が砕けそうです 〜呪いを解いたら一生離さないと宣言されました〜
レイ
BL
「死ぬ覚悟はできています。でも、その前に……お口、あーんしてください」
魔力を持たない「無能」として実家で虐げられていた薬師のエリアン。
彼に下されたのは、触れるものすべてを焼き尽くす「死の竜帝」ヴァレリウスへの、身代わりの婚姻だった。
捨てられた生贄オメガ、魔王城で極上の『巣作り』始めます!~不眠症の魔王様、私のクッションで爆睡して溺愛モードに突入~
水凪しおん
BL
「役立たずのオメガ」として冷遇され、血も涙もない魔王への生贄として捨てられたリノ。
死を覚悟して連れてこられた魔王城は、寒くて硬くて、居住性最悪のブラック環境だった!?
「こんなところで寝られるか!」
極限状態で発動したオメガ特有の『巣作り本能』と、神業レベルの裁縫スキルが火を噴く!
ゴミ同然の布切れをフカフカのクッションに、冷たい石床を極上のラグマットにリフォーム。
すると、不眠症で常にイライラしていた魔王ザルドリスが、リノの作った「巣」のあまりの快適さに陥落してしまい……?
「……貴様、私を堕落させる気か」
(※いいえ、ただ快適に寝たいだけです)
殺されるどころか、魔王様に気に入られ、気付けば城中がリノの虜に。
捨てられた生贄オメガが、裁縫一つで魔王城を「世界一のマイホーム」に変える、ほのぼの逆転溺愛ファンタジー!
異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします
み馬下諒
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。
わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!?
これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。
おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。
※ 造語、出産描写あり。前置き長め。第21話に登場人物紹介を載せました。
★お試し読みは第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★
★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★
『お前の針仕事など誰でもできる』——なら社交界のドレスの裏地を、めくってごらんなさい
歩人
ファンタジー
「地味な針仕事しかできない令嬢は要らない」——公爵家の嫡男にそう言い渡された伯爵令嬢ティナは、
裁縫道具だけを持って屋敷を出た。その翌週、社交界が凍りつく。王妃の夜会服も、公爵令嬢の舞踏会
ドレスも、第一王女の外交用ローブも——仕立てた職人が消えたのだ。しかもティナが十年かけて縫った
全てのドレスの裏地には、二重縫いで隠された署名が残されていて——。
辺境の小さな仕立て屋で穏やかに暮らすティナの元に、王都から使者がやってくる。
ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました
あと
BL
「お兄ちゃん!一肌脱ぎます!」
完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け
可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…?
攻め:ヴィクター・ローレンツ
受け:リアム・グレイソン
弟:リチャード・グレイソン
pixivにも投稿しています。
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。