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連載
608 魔導具を探索する魔導具と刻印 1
執務室に今いる全員でお茶をしながら話し合いをし、最終的にヘクセを探索する魔導具の他にヘクセの偽装魔導具だけを探索する魔導具を幾つか錬成した。
「偽装魔導具を探索する魔導具、完成!」
「おおー……見た目は変わらんな」
リオラルの言葉に苦笑する。元の材料はヘクセの探索魔導具と同じだからね。
「こっちは魔導具の探索だけの性能にしたけど、元は同じだから。うーん、付属で飾りを追加すればいいかな。あと他にも見分けやすいように魔導具に何か……」
ヘクセ探索用と魔導具探索用が間違って混同したら、これじゃ確かに分からないよね。それに似たような形の魔導具なら他にもあるだろうし……
そうだ、魔導具師が工房独自の刻印を入れてるって言ってたから、俺も何か刻印を入れよう。デザインは何がいいかな?
「ノア、何を考えている?」
「うん、俺の魔導具にも俺が錬成したものだってすぐに分かるように刻印を入れようと思って。そのデザインをね──」
俺が不意に黙り込んでしまったのでアークが気になって声をかけてくる。それに顔を上げて考えていたことを話すと、アークも顎に手を当てて思案顔になる。
「ノア殿だけの印でもいいかもしれないが、ここはアーク殿──ヴァルハラ大公家が後ろ盾だと分かるようなデザインがいいんじゃないかな」
ふと、リオラルが提案してきた。そこにオウラン宰相が同意し、アークに確認を取る。
「確かに。私達が言うことではありませんがノア殿は騙されやすいですから。今はアルカンシエル殿がきちんとなさっておいでなのですよね?」
「ああ、俺経由で薬や錬成品を卸したりしているから、今のところは目立ったトラブルは回避できているな。まあ後始末もそれなりに多いが」
「──ああ……想像に難くない」
何故かアークの言葉に執務室の全員が溜め息をつく。
「フォローが大変そうです」
「フォローというか、説教というか、お仕置き?」
「なるほど、最後の方がありそうですね」
リオラルの護衛三兄弟が口々に呟く。ヴォル、サイ、ロンの順だ。
何だよ、最後のお仕置きって。ありそうだって何で分かるんだよ。そりゃあちょっと前に錬成した薬でお仕置きされたけど!
俺がムッとしている側で色々考えていたらしいアークが、あっと呟いて自分のマジックバッグからあるものを取り出した。
「それ、アークのシグネットリング」
「ああ、そうだ。滅多に使わないが、俺の正式な紋章だ。これにノアの考えた図案を併せてみないか?」
「なるほど、それいいね。でもそんなことにそのシグネットリングのデザイン使ってもいいの?」
俺はちょっと心配になってアークに聞いてみる。だってそれ、ヴァルハラ大公家の三男だっていう証明書なんでしょう?
もちろん偽造されないように徹底的に対策はするつもりけど。
もしこれで何かあったら、アークやヴァルハラ大公家に被害が及んじゃうんじゃないかな。
それは俺としては避けたい。だって大切な家族なんだから。
更にそう言えば、アークはキョトンとしたあとにっこり笑った。
「何だ、そんなこと気にするな。俺はもうお前のものだし、お前も俺のもの。ウチは大公家も含めて王族皆がお前の家族で味方だ」
「──っ」
「ウチの家族もそうだが、むしろ竜王陛下なんかは幾らでも迷惑をかけてくれと思っているぞ。嫁馬鹿父とただの孫馬鹿爺さんだからな」
「あ、ありがとう。そうだね、家族だもんね」
そう言うアークは本当にそう思っているのが分かる笑顔で、俺は嬉しくて涙ぐんだ。家族って、そういうもんなんだな。
「……あの竜王陛下が孫馬鹿」
「微笑みの裏に冷徹腹黒を隠すヴァルハラ大公閣下が、嫁馬鹿」
「たとえがすごいし、後ろ盾が怖すぎる」
「絶対に不正しないし、できないよな」
俺が感動している間にリオラル達がブツブツと呟いていたが、感動していた俺にはよく聞こえなかった。
「偽装魔導具を探索する魔導具、完成!」
「おおー……見た目は変わらんな」
リオラルの言葉に苦笑する。元の材料はヘクセの探索魔導具と同じだからね。
「こっちは魔導具の探索だけの性能にしたけど、元は同じだから。うーん、付属で飾りを追加すればいいかな。あと他にも見分けやすいように魔導具に何か……」
ヘクセ探索用と魔導具探索用が間違って混同したら、これじゃ確かに分からないよね。それに似たような形の魔導具なら他にもあるだろうし……
そうだ、魔導具師が工房独自の刻印を入れてるって言ってたから、俺も何か刻印を入れよう。デザインは何がいいかな?
「ノア、何を考えている?」
「うん、俺の魔導具にも俺が錬成したものだってすぐに分かるように刻印を入れようと思って。そのデザインをね──」
俺が不意に黙り込んでしまったのでアークが気になって声をかけてくる。それに顔を上げて考えていたことを話すと、アークも顎に手を当てて思案顔になる。
「ノア殿だけの印でもいいかもしれないが、ここはアーク殿──ヴァルハラ大公家が後ろ盾だと分かるようなデザインがいいんじゃないかな」
ふと、リオラルが提案してきた。そこにオウラン宰相が同意し、アークに確認を取る。
「確かに。私達が言うことではありませんがノア殿は騙されやすいですから。今はアルカンシエル殿がきちんとなさっておいでなのですよね?」
「ああ、俺経由で薬や錬成品を卸したりしているから、今のところは目立ったトラブルは回避できているな。まあ後始末もそれなりに多いが」
「──ああ……想像に難くない」
何故かアークの言葉に執務室の全員が溜め息をつく。
「フォローが大変そうです」
「フォローというか、説教というか、お仕置き?」
「なるほど、最後の方がありそうですね」
リオラルの護衛三兄弟が口々に呟く。ヴォル、サイ、ロンの順だ。
何だよ、最後のお仕置きって。ありそうだって何で分かるんだよ。そりゃあちょっと前に錬成した薬でお仕置きされたけど!
俺がムッとしている側で色々考えていたらしいアークが、あっと呟いて自分のマジックバッグからあるものを取り出した。
「それ、アークのシグネットリング」
「ああ、そうだ。滅多に使わないが、俺の正式な紋章だ。これにノアの考えた図案を併せてみないか?」
「なるほど、それいいね。でもそんなことにそのシグネットリングのデザイン使ってもいいの?」
俺はちょっと心配になってアークに聞いてみる。だってそれ、ヴァルハラ大公家の三男だっていう証明書なんでしょう?
もちろん偽造されないように徹底的に対策はするつもりけど。
もしこれで何かあったら、アークやヴァルハラ大公家に被害が及んじゃうんじゃないかな。
それは俺としては避けたい。だって大切な家族なんだから。
更にそう言えば、アークはキョトンとしたあとにっこり笑った。
「何だ、そんなこと気にするな。俺はもうお前のものだし、お前も俺のもの。ウチは大公家も含めて王族皆がお前の家族で味方だ」
「──っ」
「ウチの家族もそうだが、むしろ竜王陛下なんかは幾らでも迷惑をかけてくれと思っているぞ。嫁馬鹿父とただの孫馬鹿爺さんだからな」
「あ、ありがとう。そうだね、家族だもんね」
そう言うアークは本当にそう思っているのが分かる笑顔で、俺は嬉しくて涙ぐんだ。家族って、そういうもんなんだな。
「……あの竜王陛下が孫馬鹿」
「微笑みの裏に冷徹腹黒を隠すヴァルハラ大公閣下が、嫁馬鹿」
「たとえがすごいし、後ろ盾が怖すぎる」
「絶対に不正しないし、できないよな」
俺が感動している間にリオラル達がブツブツと呟いていたが、感動していた俺にはよく聞こえなかった。
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