拾われた俺、最強のスパダリ閣下に全力で溺愛されてます 迷い子の月下美人

エウラ

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連載

613 集合

明け方に寝落ちした俺は、集合時間までの間にお風呂に入り、ブランチの軽食をアークの膝の上で食べさせてもらっている。

「ほら、あーん」
「あーん……もぐもぐ、うん、美味しい」

王宮の厨房で作られたスープや柔らかいパン、ふわふわオムレツにカリカリベーコン。自分で作って食べるのはもちろん好きだけど、こうして誰かが作ってくれた料理をアークに食べさせてもらうのも好き。

アークはちょうどいいタイミングで欲しいものを口に運んでくれるから、食べてる間中、幸せだ。でもアークは俺に食べさせる合間にパパッと食べてるから、何時もちょっと心配。

「アークはさ、ゆっくり一人で食べないの? 俺、別に一人で食べられるよ。まあ、慣れちゃったから給餌されないと寂しいけど」

自分で言って、一人で食べる想像をしてちょっと悲しくなる。いやこれ、どれだけアークに依存してるんだ。

「ふ、心配しなくてもちゃんと味わって食べているよ。それにノアに給餌するのは俺にとっては幸せなことだから気にするな」
「そ、そう?」
「ああ、それに俺に依存して欲しくてわざとやってるのもある」
「……え」

俺の心の内を読んだようにそう言うアークにキョトンとしたあと、思わず笑う。

「そっか、じゃあこのままでも問題ないな」

一人で納得して再びアークからの給餌を受け、完食。

そしてリオラルの執務室に集合──したんだけど。

「……あれ、ヴァンはティンバーと同伴出勤?」
「ぶふぉっ!」

俺達よりもあとから来たティンバーに抱っこされて気持ちよさそうなヴァンを見て何気なくそう呟いたら、その後ろについてきていたおそらく小隊長達の一人が吹き出した。

他の四人も笑いを堪えているように見える。先に揃っていたリオラル達も口元を手で押さえたり歯を食いしばったり、後ろの方を向いて肩を震わせている。うん、笑ってるね。何で?

「ノア、言葉選びがおかしい」
「えっ」

アークが呆れたような顔で突っ込む。リオラルも苦笑している。

「そうそう。別にグレイ団長と一緒に来たからといって、同伴出勤ではないな」
「えっと、じゃあなんて言えば……」
「いや別にたとえなくていいから」

リオラルにも突っ込まれて、俺は言葉を選ぼうとする。そこにまたリオラルが言うので、一応引き下がる。

「……でもさぁ、ティンバーにヴァンの匂いマーキングガッツリついてるからさ、何かあったのかなって」

ただくっ付いてたくらいじゃ、こんなに濃くならないんじゃないの?

「──っ」

俺の言葉にティンバー以外が全員ヴァンを見る。何食わぬ顔でしれっとティンバーの腕の中に収まってるけど、絶対、何かやったでしょ。

まあ、ティンバーも言いたくなさそうだし、見た感じは無体なことはされていないようだからここは突っ込まないようにした方がいいかもしれない。
たぶん皆も同意見らしいので、話題を変えよう。

「ところで後ろの五人は紹介してしてもらえるのかな」
「あ、はい。昨日言っておりました小隊長の五人です。お前達、前へ」

俺が聞くと、ティンバーがビシッとして五人を一歩前に歩かせる。
五人は種族も体格もバラバラだ。年齢は俺と近いのかな。
ジッと見ていると、ティンバーの左隣の人が話し出す。それに倣って順番に自己紹介が始まった。

「お初にお目にかかります。第一小隊長レイ・アウロスと申します。豹獣人です」

第一小隊長は明るい茶色の短髪に翠色の瞳で細くてしなやかそうな筋肉。男前寄りの美人な顔。何か雰囲気がちょっと影の人っぽい。

「第二小隊長ルース・ソラン。虎獣人です。よろしくお願いします」

第二小隊長は赤みの強い茶髪に黄色い瞳。アークよりも大きくて筋肉ムキムキで陽気な感じ。

「初めまして、第三小隊長サイラス・ヘリアと申します。犬獣人です。よろしくお願いします」

第三小隊長は緑色の髪を後ろで一つ縛りにして、茶色い瞳をキラキラさせている。その尻尾、ふさふさで触り心地よさそう──あ、ごめんなさい、アーク。触りません。

「第四小隊長アオ・ルクスです。羊獣人です。あのぉ、口調がゆっくりですみません」

第四小隊長は耳の上に小さな巻き角があり、白くて緩い癖毛のふわふわミディアム。大きくて眠そうな金色の瞳だ。可愛い。

「第五小隊長サザン・ドーンです。リス獣人です。あの、よろしくお願いします」

第五小隊長は焦げ茶色のボブヘアに大きな焦げ茶色の瞳で童顔なのかな。背は五人の中で一番低く、一六〇センチくらい。もっふもふの大きな尻尾が──いえ、何でもありません。

皆それぞれ魅力的な毛並みで、終始手がわきわきしていたようだ。
無意識って怖い。





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