572 / 638
連載
624 魔導具錬成からの… 1
リオラルから言質を取った俺は、これで気兼ねなく魔導具の錬成ができるとホッとする。
「じゃあ、そっちで打ち合わせしてるうちに錬成しちゃうね。第二騎士団に渡したように腕輪と探索魔導具をセットで二つあればいいよね」
「そうだな。ノア殿の錬成した魔導具ならば早々壊れることはないだろうし、何より高価だからな」
「すみません」
リオラルに確認をすれば、そう返答があった。そうだよね、幾つでも作れるけど予算的に難しいよね。
俺は申し訳なくて謝る。でも価格を気にして低品質の素材で錬成して何かある方が嫌だから、これだけは譲れない。
「いやいや、まあ価格は高いけど高品質だからな。長い目で見れば十分元は取れる。だから気にするな」
「そっか、確かに長持ちすれば何度も錬成するよりも安上がりだね。ありがとう、リオラル。じゃあ最高品質の物を錬成しなくちゃ」
「ノア、そこまででなくていい。ハイパー・グレート・スペシャルなんて作るなよ?」
リオラルの言葉に俄然張り切ってそう言えば、すかさずアークに釘を刺された。
「ハイパー……何だって?」
アークの言葉をリオラルが怪訝そうに聞き返すので、俺はちょっと躊躇いながら教える。
「ハイパー・グレート・スペシャルって言って、ちょっと性能のおかしな品質表示がね、俺の場合、たまにあって」
「以前ここで錬成しただろう。その名の通り、ずば抜けて最高品質ってことだ。それ故、性能もずば抜けていて、まあなんというか……あとは想像に任せる」
「……」
ちょっと、どうしてそこで皆、無言になって顔を見合わせているの?
「そういえば、少し前に行われた錬金術教室みたいなのを開いたときに、確かそのような物を錬成していたな」
「ああ、ありましたね! そのあとも色々ありすぎて忘れてました」
「それでエイダンの街にいた元錬金術師を連れてきて別に錬成させてたアレか」
俺の補足をするアークが遠い目をして、最後、説明を諦めた。それでリオラル達も察したらしい。リオラルや宰相達が思い出したように口にする。
そうだった。あのときもやらかしたんだった。
俺はちょっとへこみつつ、素材をテーブルの上に並べて無言で錬成陣を発動する。すると二セットの腕輪と探索魔導具が錬成された。
それを鑑定して、第二騎士団に渡したように魔法の付与をする。
最後にもう一度鑑定して出来上がり。
「うん、よかった。品質表示が普通のSだったよ。HGSじゃなかった」
「そうか、よかったな」
これでまたHGSなんて錬成してたらウラノス義父様の仕事が更に増えるところだった。
そうしてアークが俺の頭を撫で撫でしてくれてほっこりしているうちに、ある程度の打ち合わせが済んだらしい。
「三国でのやりとりが済んだあとにその魔導具を渡すのだが、どうするか──」
「あ、はい。ヘクセの探索魔導具の件もあるし、俺が直接持って行って説明するよ。自分の作った魔導具だから最後まで責任持って使い方も教えてきます!」
幾ら鑑定で大丈夫だと確認しても、何が起こるか分からないから。メンテナンスもしっかりするよ。高価な物なんだからなおさらだ。
「そうだな。ノアはアフターケアもしっかりやりたいよな。どうせ魔人国の魔王陛下方も顔見知りだし、獣人国で誰か付いてくれればエレフに一緒に転移してもらおう」
「えっ!? それなら私が国の代表で行くつもりだから是非!」
アークの提案に真っ先に手を上げたのはリオラル。えっ、王太子自ら行くの?
「それなら護衛騎士の我ら三人も」
「オウラン宰相はどうする」
「もちろん宰相として行かせていただきます」
「じゃあ必然的にギンカとパンテラも同行だな」
「あとは数人、護衛騎士を選んで──」
俺がポカンとしているうちに、次々と参加者が決まっていく。迅速でいいことなんだけど、俺はちょっとついていけなくてお茶とお茶菓子を異空間収納魔法から出して一息つく。
うーん、午後から竜王国で向こうの宰相様と顔合わせなんだけど、そのときにこの辺りの話も報告できそう。
「アーク、内容把握してる?」
「ああ、してるから心配するな。こういうのは俺の領分だ。ノアは気にせず錬成した魔導具とかに集中してていい」
「ありがとう、アーク」
こういった政治的なことはアークが引き受けてくれるから、本当に頼れる旦那様だよね。
「じゃあ、そっちで打ち合わせしてるうちに錬成しちゃうね。第二騎士団に渡したように腕輪と探索魔導具をセットで二つあればいいよね」
「そうだな。ノア殿の錬成した魔導具ならば早々壊れることはないだろうし、何より高価だからな」
「すみません」
リオラルに確認をすれば、そう返答があった。そうだよね、幾つでも作れるけど予算的に難しいよね。
俺は申し訳なくて謝る。でも価格を気にして低品質の素材で錬成して何かある方が嫌だから、これだけは譲れない。
「いやいや、まあ価格は高いけど高品質だからな。長い目で見れば十分元は取れる。だから気にするな」
「そっか、確かに長持ちすれば何度も錬成するよりも安上がりだね。ありがとう、リオラル。じゃあ最高品質の物を錬成しなくちゃ」
「ノア、そこまででなくていい。ハイパー・グレート・スペシャルなんて作るなよ?」
リオラルの言葉に俄然張り切ってそう言えば、すかさずアークに釘を刺された。
「ハイパー……何だって?」
アークの言葉をリオラルが怪訝そうに聞き返すので、俺はちょっと躊躇いながら教える。
「ハイパー・グレート・スペシャルって言って、ちょっと性能のおかしな品質表示がね、俺の場合、たまにあって」
「以前ここで錬成しただろう。その名の通り、ずば抜けて最高品質ってことだ。それ故、性能もずば抜けていて、まあなんというか……あとは想像に任せる」
「……」
ちょっと、どうしてそこで皆、無言になって顔を見合わせているの?
「そういえば、少し前に行われた錬金術教室みたいなのを開いたときに、確かそのような物を錬成していたな」
「ああ、ありましたね! そのあとも色々ありすぎて忘れてました」
「それでエイダンの街にいた元錬金術師を連れてきて別に錬成させてたアレか」
俺の補足をするアークが遠い目をして、最後、説明を諦めた。それでリオラル達も察したらしい。リオラルや宰相達が思い出したように口にする。
そうだった。あのときもやらかしたんだった。
俺はちょっとへこみつつ、素材をテーブルの上に並べて無言で錬成陣を発動する。すると二セットの腕輪と探索魔導具が錬成された。
それを鑑定して、第二騎士団に渡したように魔法の付与をする。
最後にもう一度鑑定して出来上がり。
「うん、よかった。品質表示が普通のSだったよ。HGSじゃなかった」
「そうか、よかったな」
これでまたHGSなんて錬成してたらウラノス義父様の仕事が更に増えるところだった。
そうしてアークが俺の頭を撫で撫でしてくれてほっこりしているうちに、ある程度の打ち合わせが済んだらしい。
「三国でのやりとりが済んだあとにその魔導具を渡すのだが、どうするか──」
「あ、はい。ヘクセの探索魔導具の件もあるし、俺が直接持って行って説明するよ。自分の作った魔導具だから最後まで責任持って使い方も教えてきます!」
幾ら鑑定で大丈夫だと確認しても、何が起こるか分からないから。メンテナンスもしっかりするよ。高価な物なんだからなおさらだ。
「そうだな。ノアはアフターケアもしっかりやりたいよな。どうせ魔人国の魔王陛下方も顔見知りだし、獣人国で誰か付いてくれればエレフに一緒に転移してもらおう」
「えっ!? それなら私が国の代表で行くつもりだから是非!」
アークの提案に真っ先に手を上げたのはリオラル。えっ、王太子自ら行くの?
「それなら護衛騎士の我ら三人も」
「オウラン宰相はどうする」
「もちろん宰相として行かせていただきます」
「じゃあ必然的にギンカとパンテラも同行だな」
「あとは数人、護衛騎士を選んで──」
俺がポカンとしているうちに、次々と参加者が決まっていく。迅速でいいことなんだけど、俺はちょっとついていけなくてお茶とお茶菓子を異空間収納魔法から出して一息つく。
うーん、午後から竜王国で向こうの宰相様と顔合わせなんだけど、そのときにこの辺りの話も報告できそう。
「アーク、内容把握してる?」
「ああ、してるから心配するな。こういうのは俺の領分だ。ノアは気にせず錬成した魔導具とかに集中してていい」
「ありがとう、アーク」
こういった政治的なことはアークが引き受けてくれるから、本当に頼れる旦那様だよね。
あなたにおすすめの小説
(無自覚)妖精に転生した僕は、騎士の溺愛に気づかない。
キノア9g
BL
気がつくと、僕は見知らぬ不思議な森にいた。
木や草花どれもやけに大きく見えるし、自分の体も妙に華奢だった。
色々疑問に思いながらも、1人は寂しくて人間に会うために森をさまよい歩く。
ようやく出会えた初めての人間に思わず話しかけたものの、言葉は通じず、なぜか捕らえられてしまい、無残な目に遭うことに。
捨てられ、意識が薄れる中、僕を助けてくれたのは、優しい騎士だった。
彼の献身的な看病に心が癒される僕だけれど、彼がどんな思いで僕を守っているのかは、まだ気づかないまま。
少しずつ深まっていくこの絆が、僕にどんな運命をもたらすのか──?
騎士×妖精
※主人公が傷つけられるシーンがありますので、苦手な方はご注意ください。
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
捨てられた生贄オメガ、魔王城で極上の『巣作り』始めます!~不眠症の魔王様、私のクッションで爆睡して溺愛モードに突入~
水凪しおん
BL
「役立たずのオメガ」として冷遇され、血も涙もない魔王への生贄として捨てられたリノ。
死を覚悟して連れてこられた魔王城は、寒くて硬くて、居住性最悪のブラック環境だった!?
「こんなところで寝られるか!」
極限状態で発動したオメガ特有の『巣作り本能』と、神業レベルの裁縫スキルが火を噴く!
ゴミ同然の布切れをフカフカのクッションに、冷たい石床を極上のラグマットにリフォーム。
すると、不眠症で常にイライラしていた魔王ザルドリスが、リノの作った「巣」のあまりの快適さに陥落してしまい……?
「……貴様、私を堕落させる気か」
(※いいえ、ただ快適に寝たいだけです)
殺されるどころか、魔王様に気に入られ、気付けば城中がリノの虜に。
捨てられた生贄オメガが、裁縫一つで魔王城を「世界一のマイホーム」に変える、ほのぼの逆転溺愛ファンタジー!
異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします
み馬下諒
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。
わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!?
これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。
おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。
※ 造語、出産描写あり。前置き長め。第21話に登場人物紹介を載せました。
★お試し読みは第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★
★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★
ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました
あと
BL
「お兄ちゃん!一肌脱ぎます!」
完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け
可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…?
攻め:ヴィクター・ローレンツ
受け:リアム・グレイソン
弟:リチャード・グレイソン
pixivにも投稿しています。
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
竜帝陛下の愛が重すぎて身代わりの落ちこぼれ薬師は今日も腰が砕けそうです 〜呪いを解いたら一生離さないと宣言されました〜
レイ
BL
「死ぬ覚悟はできています。でも、その前に……お口、あーんしてください」
魔力を持たない「無能」として実家で虐げられていた薬師のエリアン。
彼に下されたのは、触れるものすべてを焼き尽くす「死の竜帝」ヴァレリウスへの、身代わりの婚姻だった。
『お前の針仕事など誰でもできる』——なら社交界のドレスの裏地を、めくってごらんなさい
歩人
ファンタジー
「地味な針仕事しかできない令嬢は要らない」——公爵家の嫡男にそう言い渡された伯爵令嬢ティナは、
裁縫道具だけを持って屋敷を出た。その翌週、社交界が凍りつく。王妃の夜会服も、公爵令嬢の舞踏会
ドレスも、第一王女の外交用ローブも——仕立てた職人が消えたのだ。しかもティナが十年かけて縫った
全てのドレスの裏地には、二重縫いで隠された署名が残されていて——。
辺境の小さな仕立て屋で穏やかに暮らすティナの元に、王都から使者がやってくる。