拾われた俺、最強のスパダリ閣下に全力で溺愛されてます 迷い子の月下美人

エウラ

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624 魔導具錬成からの… 1

リオラルから言質を取った俺は、これで気兼ねなく魔導具の錬成ができるとホッとする。

「じゃあ、そっちで打ち合わせしてるうちに錬成しちゃうね。第二騎士団に渡したように腕輪と探索魔導具をセットで二つあればいいよね」
「そうだな。ノア殿の錬成した魔導具ならば早々壊れることはないだろうし、何より高価だからな」
「すみません」

リオラルに確認をすれば、そう返答があった。そうだよね、幾つでも作れるけど予算的に難しいよね。

俺は申し訳なくて謝る。でも価格を気にして低品質の素材で錬成して何かある方が嫌だから、これだけは譲れない。

「いやいや、まあ価格は高いけど高品質だからな。長い目で見れば十分元は取れる。だから気にするな」
「そっか、確かに長持ちすれば何度も錬成するよりも安上がりだね。ありがとう、リオラル。じゃあ最高品質の物を錬成しなくちゃ」
「ノア、そこまででなくていい。ハイパー・グレート・スペシャルHGSなんて作るなよ?」

リオラルの言葉に俄然張り切ってそう言えば、すかさずアークに釘を刺された。

「ハイパー……何だって?」

アークの言葉をリオラルが怪訝そうに聞き返すので、俺はちょっと躊躇いながら教える。

ハイパー・グレート・スペシャルHGSって言って、ちょっと性能のおかしな品質表示がね、俺の場合、たまにあって」
「以前ここで錬成しただろう。その名の通り、ずば抜けて最高品質ってことだ。それ故、性能もずば抜けていて、まあなんというか……あとは想像に任せる」
「……」

ちょっと、どうしてそこで皆、無言になって顔を見合わせているの?

「そういえば、少し前に行われた錬金術教室みたいなのを開いたときに、確かそのような物を錬成していたな」
「ああ、ありましたね! そのあとも色々ありすぎて忘れてました」
「それでエイダンの街にいた元錬金術師を連れてきて別に錬成させてたアレか」

俺の補足をするアークが遠い目をして、最後、説明を諦めた。それでリオラル達も察したらしい。リオラルや宰相達が思い出したように口にする。

そうだった。あのときもやらかしたんだった。

俺はちょっとへこみつつ、素材をテーブルの上に並べて無言で錬成陣を発動する。すると二セットの腕輪と探索魔導具が錬成された。

それを鑑定アナライズして、第二騎士団に渡したように魔法の付与をする。
最後にもう一度鑑定して出来上がり。

「うん、よかった。品質表示が普通のSだったよ。HGSじゃなかった」
「そうか、よかったな」

これでまたHGSなんて錬成してたらウラノス義父様の仕事が更に増えるところだった。
そうしてアークが俺の頭を撫で撫でしてくれてほっこりしているうちに、ある程度の打ち合わせが済んだらしい。

「三国でのやりとりが済んだあとにその魔導具を渡すのだが、どうするか──」
「あ、はい。ヘクセの探索魔導具の件もあるし、俺が直接持って行って説明するよ。自分の作った魔導具だから最後まで責任持って使い方も教えてきます!」

幾ら鑑定で大丈夫だと確認しても、何が起こるか分からないから。メンテナンスもしっかりするよ。高価な物なんだからなおさらだ。

「そうだな。ノアはアフターケアもしっかりやりたいよな。どうせ魔人国の魔王陛下方も顔見知りだし、獣人国で誰か付いてくれればエレフに一緒に転移してもらおう」
「えっ!? それなら私が国の代表で行くつもりだから是非!」

アークの提案に真っ先に手を上げたのはリオラル。えっ、王太子自ら行くの?

「それなら護衛騎士の我ら三人も」
「オウラン宰相はどうする」
「もちろん宰相として行かせていただきます」
「じゃあ必然的にギンカとパンテラも同行だな」
「あとは数人、護衛騎士を選んで──」

俺がポカンとしているうちに、次々と参加者が決まっていく。迅速でいいことなんだけど、俺はちょっとついていけなくてお茶とお茶菓子を異空間収納魔法インベントリから出して一息つく。

うーん、午後から竜王国で向こうの宰相様と顔合わせなんだけど、そのときにこの辺りの話も報告できそう。

「アーク、内容把握してる?」
「ああ、してるから心配するな。こういうのは俺の領分だ。ノアは気にせず錬成した魔導具とかに集中してていい」
「ありがとう、アーク」

こういった政治的なことはアークが引き受けてくれるから、本当に頼れる旦那様だよね。




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