571 / 638
連載
623 ヘクセの再探索
軽めのイチャイチャをした翌日の朝。朝食後に早速ウラノス義父様から連絡があり、昨日の件で宰相であるリオライトさんとの顔合わせを伝えられる。
【朝からすまないね。昨日言ってた宰相を紹介したいんだけど、昼食後に竜王国に来られるかい?】
「朝イチでやることがあるから午前中は潰れるけど、午後からならたぶん大丈夫です」
朝イチはもう一度ヘクセの探索をする予定で、結果によっては打ち合わせとかあるかもしれないけど、あとはたぶんリオラル達の管轄だと思う。
俺はただの薬師で錬金術師で冒険者なので、頼まれれば動くけど。
「あ、でも今回の鍵となる魔導具師ヘクセの捕縛とか尋問とかは本当は俺自身でやりたいなと思ってます。その技術を人の役に立てるどころか悪用する輩は許すまじ!」
【お、おお……そうか。うん、捕まえられたらいいね。アーク、くれぐれも頼んだよ】
「ああ、分かっている」
拳を握りしめ力説する俺に何かを悟ったのか、ちょっと引き気味に応えてからアークに言い聞かせるようなウラノス義父様を見つめると、さりげなく目を逸らされたような気がする。まあいいか。
「じゃあ昼食後にエレフに転移してもらうね。えっと、とりあえず大公家のアークの部屋でいいかな?」
【そうだね。それからちょっと着替えて一緒に王城に向かおうか。じゃあそれで頼むよ】
「はい、じゃあまたあとで」
ウラノス義父様との通信を終えて、俺達はリオラルの執務室に向かう。
「あれから早速動いてくれたんだね、ウラノス義父様。ということは数日中には協力体制が整うのかも。そうなったら俺の魔導具も必要になるね」
「そうだな。父達は行動が早いからな。それにリオラルも魔人国のラヴィア宰相も迅速に行動するタイプだからすぐに整うだろう」
「そういえばラヴィア宰相はやり手な感じだったね。魔王様とは正反対だった」
猫が逃げだした魔王様は泣き虫で可愛かったな。今、第五子を身籠もっているんだっけ。そんなときに余計な仕事を増やしちゃってごめんなさい。
これからの進捗状況によるけど、早いうちに錬成した方がいいかもしれない。でもとりあえずはヘクセの探索。今のところ、他所の国ではトラブルはないようだけど、早く捕まえて被害がこれ以上大きくならないようにしたい。
執務室に着いて中に入ると、昨日のメンバーからティンバーを除いた人達がすでに揃っていた。
そうか、騎士団は王都の管轄だから他の国に行ってしまっただろうヘクセの捜索は範疇外だもんね。いなくて当然か。
でもそうなると必然的にヴァンもいないわけで。
それがちょっと寂しいと思う俺だった。
さて、気を取り直して。
「おはようございます。早速、ヘクセの探索をしたいと思います」
「おはよう。よろしく頼むよ」
挨拶もそこそこにそう宣言するとリオラルもそう言ってくれたので、俺はサッサと魔導具での探索を始める。
「──はい、出たよ。やっぱり魔人国の辺りから動いてないみたい」
俺の探索状況が昨日と同じく空中に浮かび上がった。それを見ると、やっぱりほとんど移動していないようだ。
「そうだな。やはり魔人国か。こうなると偽装魔導具の件だけではなくヘクセの探索の件も協力を仰がないといけないな」
「それについては魔人国のラヴィア宰相殿に万が一に備えて話を通してあるので、これから詰めていけばすぐに整うと思います」
どうやらこちらでも迅速な対応をしてくれているらしい。それなら俺は魔導具だけ錬成して、あとのやりとりは任せちゃって大丈夫そう。
「じゃあ、俺はこれから偽装魔導具を探索する魔導具を竜王国と魔人国の分で二つ錬成しようかな」
「え、そんなにすぐに?」
「打ち合わせに実物があった方が分かりやすいよね。材料があれば錬成はすぐだし」
問題はその費用なんだけど……。だって竜王国と魔人国は巻き込まれただけだし、払えって言いづらいよね。でも獣人国で幾ら国家予算から出すにしてもかなりの金額になるだろうし。
「あのぅ、下世話な話になっちゃうけど、魔導具のお金はどういう感じになるのかな?」
「ああ、そこも含めて昨日ちょっと会議をしたんだが、獣人国で出すことにした。こちらの問題だからな。ノア殿は心配せずに錬成をしてくれ」
にっこり笑ってそう言うリオラルに俺もホッとして微笑んだ。
【朝からすまないね。昨日言ってた宰相を紹介したいんだけど、昼食後に竜王国に来られるかい?】
「朝イチでやることがあるから午前中は潰れるけど、午後からならたぶん大丈夫です」
朝イチはもう一度ヘクセの探索をする予定で、結果によっては打ち合わせとかあるかもしれないけど、あとはたぶんリオラル達の管轄だと思う。
俺はただの薬師で錬金術師で冒険者なので、頼まれれば動くけど。
「あ、でも今回の鍵となる魔導具師ヘクセの捕縛とか尋問とかは本当は俺自身でやりたいなと思ってます。その技術を人の役に立てるどころか悪用する輩は許すまじ!」
【お、おお……そうか。うん、捕まえられたらいいね。アーク、くれぐれも頼んだよ】
「ああ、分かっている」
拳を握りしめ力説する俺に何かを悟ったのか、ちょっと引き気味に応えてからアークに言い聞かせるようなウラノス義父様を見つめると、さりげなく目を逸らされたような気がする。まあいいか。
「じゃあ昼食後にエレフに転移してもらうね。えっと、とりあえず大公家のアークの部屋でいいかな?」
【そうだね。それからちょっと着替えて一緒に王城に向かおうか。じゃあそれで頼むよ】
「はい、じゃあまたあとで」
ウラノス義父様との通信を終えて、俺達はリオラルの執務室に向かう。
「あれから早速動いてくれたんだね、ウラノス義父様。ということは数日中には協力体制が整うのかも。そうなったら俺の魔導具も必要になるね」
「そうだな。父達は行動が早いからな。それにリオラルも魔人国のラヴィア宰相も迅速に行動するタイプだからすぐに整うだろう」
「そういえばラヴィア宰相はやり手な感じだったね。魔王様とは正反対だった」
猫が逃げだした魔王様は泣き虫で可愛かったな。今、第五子を身籠もっているんだっけ。そんなときに余計な仕事を増やしちゃってごめんなさい。
これからの進捗状況によるけど、早いうちに錬成した方がいいかもしれない。でもとりあえずはヘクセの探索。今のところ、他所の国ではトラブルはないようだけど、早く捕まえて被害がこれ以上大きくならないようにしたい。
執務室に着いて中に入ると、昨日のメンバーからティンバーを除いた人達がすでに揃っていた。
そうか、騎士団は王都の管轄だから他の国に行ってしまっただろうヘクセの捜索は範疇外だもんね。いなくて当然か。
でもそうなると必然的にヴァンもいないわけで。
それがちょっと寂しいと思う俺だった。
さて、気を取り直して。
「おはようございます。早速、ヘクセの探索をしたいと思います」
「おはよう。よろしく頼むよ」
挨拶もそこそこにそう宣言するとリオラルもそう言ってくれたので、俺はサッサと魔導具での探索を始める。
「──はい、出たよ。やっぱり魔人国の辺りから動いてないみたい」
俺の探索状況が昨日と同じく空中に浮かび上がった。それを見ると、やっぱりほとんど移動していないようだ。
「そうだな。やはり魔人国か。こうなると偽装魔導具の件だけではなくヘクセの探索の件も協力を仰がないといけないな」
「それについては魔人国のラヴィア宰相殿に万が一に備えて話を通してあるので、これから詰めていけばすぐに整うと思います」
どうやらこちらでも迅速な対応をしてくれているらしい。それなら俺は魔導具だけ錬成して、あとのやりとりは任せちゃって大丈夫そう。
「じゃあ、俺はこれから偽装魔導具を探索する魔導具を竜王国と魔人国の分で二つ錬成しようかな」
「え、そんなにすぐに?」
「打ち合わせに実物があった方が分かりやすいよね。材料があれば錬成はすぐだし」
問題はその費用なんだけど……。だって竜王国と魔人国は巻き込まれただけだし、払えって言いづらいよね。でも獣人国で幾ら国家予算から出すにしてもかなりの金額になるだろうし。
「あのぅ、下世話な話になっちゃうけど、魔導具のお金はどういう感じになるのかな?」
「ああ、そこも含めて昨日ちょっと会議をしたんだが、獣人国で出すことにした。こちらの問題だからな。ノア殿は心配せずに錬成をしてくれ」
にっこり笑ってそう言うリオラルに俺もホッとして微笑んだ。
あなたにおすすめの小説
(無自覚)妖精に転生した僕は、騎士の溺愛に気づかない。
キノア9g
BL
気がつくと、僕は見知らぬ不思議な森にいた。
木や草花どれもやけに大きく見えるし、自分の体も妙に華奢だった。
色々疑問に思いながらも、1人は寂しくて人間に会うために森をさまよい歩く。
ようやく出会えた初めての人間に思わず話しかけたものの、言葉は通じず、なぜか捕らえられてしまい、無残な目に遭うことに。
捨てられ、意識が薄れる中、僕を助けてくれたのは、優しい騎士だった。
彼の献身的な看病に心が癒される僕だけれど、彼がどんな思いで僕を守っているのかは、まだ気づかないまま。
少しずつ深まっていくこの絆が、僕にどんな運命をもたらすのか──?
騎士×妖精
※主人公が傷つけられるシーンがありますので、苦手な方はご注意ください。
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
捨てられた生贄オメガ、魔王城で極上の『巣作り』始めます!~不眠症の魔王様、私のクッションで爆睡して溺愛モードに突入~
水凪しおん
BL
「役立たずのオメガ」として冷遇され、血も涙もない魔王への生贄として捨てられたリノ。
死を覚悟して連れてこられた魔王城は、寒くて硬くて、居住性最悪のブラック環境だった!?
「こんなところで寝られるか!」
極限状態で発動したオメガ特有の『巣作り本能』と、神業レベルの裁縫スキルが火を噴く!
ゴミ同然の布切れをフカフカのクッションに、冷たい石床を極上のラグマットにリフォーム。
すると、不眠症で常にイライラしていた魔王ザルドリスが、リノの作った「巣」のあまりの快適さに陥落してしまい……?
「……貴様、私を堕落させる気か」
(※いいえ、ただ快適に寝たいだけです)
殺されるどころか、魔王様に気に入られ、気付けば城中がリノの虜に。
捨てられた生贄オメガが、裁縫一つで魔王城を「世界一のマイホーム」に変える、ほのぼの逆転溺愛ファンタジー!
異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします
み馬下諒
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。
わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!?
これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。
おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。
※ 造語、出産描写あり。前置き長め。第21話に登場人物紹介を載せました。
★お試し読みは第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★
★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★
ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました
あと
BL
「お兄ちゃん!一肌脱ぎます!」
完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け
可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…?
攻め:ヴィクター・ローレンツ
受け:リアム・グレイソン
弟:リチャード・グレイソン
pixivにも投稿しています。
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
竜帝陛下の愛が重すぎて身代わりの落ちこぼれ薬師は今日も腰が砕けそうです 〜呪いを解いたら一生離さないと宣言されました〜
レイ
BL
「死ぬ覚悟はできています。でも、その前に……お口、あーんしてください」
魔力を持たない「無能」として実家で虐げられていた薬師のエリアン。
彼に下されたのは、触れるものすべてを焼き尽くす「死の竜帝」ヴァレリウスへの、身代わりの婚姻だった。
『お前の針仕事など誰でもできる』——なら社交界のドレスの裏地を、めくってごらんなさい
歩人
ファンタジー
「地味な針仕事しかできない令嬢は要らない」——公爵家の嫡男にそう言い渡された伯爵令嬢ティナは、
裁縫道具だけを持って屋敷を出た。その翌週、社交界が凍りつく。王妃の夜会服も、公爵令嬢の舞踏会
ドレスも、第一王女の外交用ローブも——仕立てた職人が消えたのだ。しかもティナが十年かけて縫った
全てのドレスの裏地には、二重縫いで隠された署名が残されていて——。
辺境の小さな仕立て屋で穏やかに暮らすティナの元に、王都から使者がやってくる。