拾われた俺、最強のスパダリ閣下に全力で溺愛されてます 迷い子の月下美人

エウラ

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閑話 竜王国での一幕 sideヴァルハラ大公家&王家

   ◇◇◇sideウラノス

今日の夕方、まだ終わりの見えない書類の山と格闘しているときに、獣人国に滞在中のアルカンシエルとノアちゃんから通信が入った。

この通信魔導具はノアちゃんが錬金術で錬成した最新作で、音声はもちろんリアルタイムで映像も見ることができる優れものだ。これのおかげで何時でも彼らの姿を見て話せる。何とも素晴らしいものである。

そんな通信魔導具から伝えられた内容に、私はまた頭を抱えることになった。そばで聞いていたレーゲンも同じである。

「聞いていたな、レーゲン。早速内容をまとめて陛下に謁見の申し込みをしてくれ」
「畏まりました。すぐに取りかかります」

お互い、頭が痛いと思いつつも迅速に動く。
今回のケースはとてもじゃないが獣人国だけの問題に留まらない。だからこそ、よくぞノアちゃん達がこちらを頼ってくれたと思う。

「アークの話だと三国の協力を提案したのはノアちゃんだというし、下手をするとノアちゃんが一人で何でもやってしまうところだったろう」

下手にそれができるだけの力があるが故に。
今まで頼る術のなかったノアちゃんは周りに頼るという当たり前のことができない環境だった。だがこうして私達を頼ってくれるくらいには気を許してくれているし、周りを見る余裕も生まれてきているのだろう。
それはそれで嬉しいが、頼られる内容が嬉しくないのも事実で──

「本っ当にろくでもないな、獣人国は」

次期国王の王太子殿下や他の王子殿下、メーレ王妃や側妃達は素晴らしいのに。
ヘタレでちょっと脳筋な国王は愚王とまでは言わないが、上に立つ資質が弱いと思う。
不敬? そんなの今更だな。ノアちゃんを苦しめた時点で私達の敵認定だよ。そんな輩に遠慮はいらないだろう?

「だがノアちゃんがあそこのリンクス王子を気に入っているし、メーレ王妃も好いているし。それだけでもこちらが手を貸す理由になる」
「そうですね。ノア殿の喜ぶ顔が見たいですよね」
「うんうん。そのためならば義父様は頑張っちゃうぞ!」

そのための苦労ならば、たとえ執務が長引いても私は頑張れる。

こうして早速謁見の許可を得て王城に向かい、案の定、竜王陛下達も頭を抱えることになる。

   ◇◇◇sideリオライト

「──え? 何だって?」
「ですから、これからヴァルハラ大公閣下が竜王陛下に謁見をするそうなので、宰相様も同席するようにと通達がきております」

ここは宰相である私、リオライトの執務室。夕刻だが今日もちょっと残業だなと思いつつ書類を裁いていたときに不意に聞こえた話にキョトンとする。

話を持ってきたのは宰相補佐のルーシィ・エヴァンズ。水色の腰まである髪を三つ編みにしていて、琥珀色の垂れ目がちの瞳。私の護衛も兼任しているため二メートル越えのガッチリ体型の青竜だ。歳はまだ若く、三〇〇歳だったか。人族ならば三〇代の見た目で優しげな顔立ちだ。

ちなみに私は竜王陛下の長子ではあるが次期竜王は自身の息子のシスカリオンなので気楽ではある。
私はガッチリ体型の陛下に似ず、竜人としては細身だ。肩に付くくらいの銀色の髪をハーフアップにし、同じく銀色の切れ長の瞳。背は二メートルもないが大きい方ではあるだろう。

肉体労働よりも文官向きだったので、今の役職に不満はない。
──まあ陛下がたまに暴走するのでそういったときの後始末が面倒ではあるが、おおむね平和だ。

そんな日々に、最近家の王子達の再従兄弟であるアルカンシエルの番いになったノアちゃんが色々と騒動を起こして──いや、言い方が悪いな。とにかく色々と天然で常識外れなために起こる騒動で、暇だと言う間もないわけだが……

今回の同席もそっち絡みなんだろうか……?

「分かった。急な謁見ということは、また問題があったのだろう。つい先日のアルバトロス魔法騎士団長の番いの件もあるし、色々と大変だな」
「他人事のようにおっしゃってますけど、今回呼ばれたってことは貴方様にも関係があるということでは?」
「……やっぱり?」

私とルーシィは謁見の間に向かう道すがら、二人でそんな会話をしていたのだが……

従兄弟であるウラノスの謁見で、私達は陛下達と同じく頭を抱えることになる。
















※皆様、新年あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。


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