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連載
627 魔導具錬成からの… 4
第二騎士団の訓練場の隣にある倉庫は体格のいい騎士が一〇人も入ればギュウギュウなくらいの広さだった。
倉庫には窓がなく、壁一面に設置された棚の一画に例の偽装魔導具が収納されている。あとは中央にぽつんと作業机と椅子が二脚あるだけだ。
「この倉庫は危険物を保管するのが目的のものでして。建物に防御結界魔法を施してあるので、万が一事故が起こっても周りに被害はありません」
「もし中で爆発とかあっても安心だね。作業している人は自分の身を守れないと困るけど」
建物は無事でも人はそうじゃないから、不測の事態に対応できないと大怪我を負うか死んじゃう。
「もちろん瞬時に防御結界魔法を張れる実力の騎士が作業します。当然、専用の結界魔法の魔導具も使用しますし、関係者以外は立ち入り禁止ですから大丈夫ですよ」
ティンバーが安全面を考慮した説明を詳しく話してくれて、納得した俺は頷く。
「そこまでしっかりしているなら大丈夫だね。まあ偽装魔導具は爆発物ではないと思うけど。じゃあ早速始めようかな。ティンバーも終わるまでここにいるの?」
「私がここの責任者ですから、そのつもりです。それに確認作業の内容も知りたいですし」
確認作業にあたり、ティンバーに聞くとそう応えが返る。そうだよね、団長だし報告義務があるもんね。
「分かった。午後は所用があるから午前中だけしかできないけど、数はそんなに多くないみたいだから昼食前には終わると思う。幾つあるの?」
「昨日回収したものは全部で二二個です。あとはノア殿に最初に渡した一つですね。ヘクセが幾つ製作したのかが分からないため、今はこれが限界です」
肝心の製作数が分からなければ、全部を回収したと確信できない。だからそのためにも本人を捕まえて問い質さなくてはいけない。
ちなみに偽装魔導具を回収したあと、善良な元の持ち主には正式な記録媒体魔導具を渡しているそうだ。もちろん疚しいことをしている輩には魔導具の代わりに牢屋が待っているが。
「偽装魔導具とは知られずに他の街や他国に渡っている可能性は高いね。でもそこはリオラル達が対策中だから心配ないと思うよ」
これから三国で対談して打ち合わせして、と忙しそうだけど。ここは国同士で頑張ってもらいたい。俺はただ確認作業をするだけだ。
そうして棚の偽装魔導具を鑑定しながらティンバーに断って幾つか解体していく。
全部の鑑定を終えてみれば、問題の粗悪な部品は今は捕らえられて牢にいる錬金術師達のもので間違いはない。そしてそれを使って記録媒体魔導具を製作したのも偽装したのも全てヘクセ本人。
そのヘクセの魔力を改めて確認して、俺は前回のヘクセ探索魔導具の錬成のときに引っかかっていたものがはっきりとした。
「──アーク、どうしよう」
俺はアークを見つめ、ちょっと困った声で呟く。
「ノア、どうしよう、とは?」
アークも俺の様子に怪訝な顔で聞いてくる。俺はゴクリと唾を飲み込んで、ちょっと躊躇いがちに言う。
「……ヘクセの魔力がね、ラグ爺さんにとてもよく似ているんだ」
「……は?」
「え?」
俺の言葉にアークは少しの間を開けてポカンとし、ティンバーは全く意味が分からないような声を出した。
うん、俺だって分からないよ。一体どういうこと?
※602の話の最後の方にノアがヘクセの魔力についてちょっと言及している文章を加筆しました。あとで確認をしていただけるとここと繋がると思います。あとから修正してすみませんがよろしくお願いします。あと、サブタイトルを修正しました。
倉庫には窓がなく、壁一面に設置された棚の一画に例の偽装魔導具が収納されている。あとは中央にぽつんと作業机と椅子が二脚あるだけだ。
「この倉庫は危険物を保管するのが目的のものでして。建物に防御結界魔法を施してあるので、万が一事故が起こっても周りに被害はありません」
「もし中で爆発とかあっても安心だね。作業している人は自分の身を守れないと困るけど」
建物は無事でも人はそうじゃないから、不測の事態に対応できないと大怪我を負うか死んじゃう。
「もちろん瞬時に防御結界魔法を張れる実力の騎士が作業します。当然、専用の結界魔法の魔導具も使用しますし、関係者以外は立ち入り禁止ですから大丈夫ですよ」
ティンバーが安全面を考慮した説明を詳しく話してくれて、納得した俺は頷く。
「そこまでしっかりしているなら大丈夫だね。まあ偽装魔導具は爆発物ではないと思うけど。じゃあ早速始めようかな。ティンバーも終わるまでここにいるの?」
「私がここの責任者ですから、そのつもりです。それに確認作業の内容も知りたいですし」
確認作業にあたり、ティンバーに聞くとそう応えが返る。そうだよね、団長だし報告義務があるもんね。
「分かった。午後は所用があるから午前中だけしかできないけど、数はそんなに多くないみたいだから昼食前には終わると思う。幾つあるの?」
「昨日回収したものは全部で二二個です。あとはノア殿に最初に渡した一つですね。ヘクセが幾つ製作したのかが分からないため、今はこれが限界です」
肝心の製作数が分からなければ、全部を回収したと確信できない。だからそのためにも本人を捕まえて問い質さなくてはいけない。
ちなみに偽装魔導具を回収したあと、善良な元の持ち主には正式な記録媒体魔導具を渡しているそうだ。もちろん疚しいことをしている輩には魔導具の代わりに牢屋が待っているが。
「偽装魔導具とは知られずに他の街や他国に渡っている可能性は高いね。でもそこはリオラル達が対策中だから心配ないと思うよ」
これから三国で対談して打ち合わせして、と忙しそうだけど。ここは国同士で頑張ってもらいたい。俺はただ確認作業をするだけだ。
そうして棚の偽装魔導具を鑑定しながらティンバーに断って幾つか解体していく。
全部の鑑定を終えてみれば、問題の粗悪な部品は今は捕らえられて牢にいる錬金術師達のもので間違いはない。そしてそれを使って記録媒体魔導具を製作したのも偽装したのも全てヘクセ本人。
そのヘクセの魔力を改めて確認して、俺は前回のヘクセ探索魔導具の錬成のときに引っかかっていたものがはっきりとした。
「──アーク、どうしよう」
俺はアークを見つめ、ちょっと困った声で呟く。
「ノア、どうしよう、とは?」
アークも俺の様子に怪訝な顔で聞いてくる。俺はゴクリと唾を飲み込んで、ちょっと躊躇いがちに言う。
「……ヘクセの魔力がね、ラグ爺さんにとてもよく似ているんだ」
「……は?」
「え?」
俺の言葉にアークは少しの間を開けてポカンとし、ティンバーは全く意味が分からないような声を出した。
うん、俺だって分からないよ。一体どういうこと?
※602の話の最後の方にノアがヘクセの魔力についてちょっと言及している文章を加筆しました。あとで確認をしていただけるとここと繋がると思います。あとから修正してすみませんがよろしくお願いします。あと、サブタイトルを修正しました。
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