605 / 641
連載
649 情報収集 3
朝食時に改めてゾアにも挨拶をし、ギギとルルの二人の時間を今日もらうことの許可を取った。
「そんなの、ノア達が手伝ってくれたおかげで時間を作れたんだ。むしろどうぞどうぞってもんだ。まあ、夕方からの店の手伝いはさすがにギギ達にはいてほしいが」
「それは大丈夫です。ひとまず話だけの予定なので、そんなにかからないと思います」
ゾアから快く返事が返ってきたが、最後はちょっと申し訳なさそうに言う。それに慌てて俺がそう言うと、ホッとしたようだ。
「すまないな、どうにも人手不足で。店も農園も人員を増やしてはいるんだが、下手なヤツを雇ってトラブルになるのは困るんで慎重になってな」
ゾアが頭を抱えて溜め息をつく。確かに人手不足だからとむやみに雇えないよね。
「一応、俺達兄弟のネームバリューであくどいことを考える輩は近寄らないんだが、人は見かけによらないだろう?」
「その他にたまに俺達のことを知らないヤツが店で問題を起こして後始末が面倒でさあ」
確かに地元の人はギギルル兄弟がAランク冒険者で強いことを知っているけど、店員として働いているギギルル兄弟の姿しか知らない他所の人にとってはちょっと見た目厳ついだけの従業員だと思うよね。
それに二人は陽気で愛想がいいから。
「あとはアレだ、クルール達が手伝っているだろう? 可愛いって癒されるならいいんだが、クルール達にちょっかいかけたり舐めてかかる輩が一定数いる」
「その都度痛い目に遭わせて店外に放り出すんだが、なかなか懲りなくてな」
ギギ達は深い溜め息をつく。うん、馬鹿はどこにでもいるんだな。
「……これは店の従業員兼護衛としてゴーレム錬成すればお礼になるんじゃ?」
「ノア、彼らの要望を聞いてからにしろよ」
「はっ、そうだった。それはまたあとで。肝心のここに来た用件を話さないとね。えっと、どこで話そうか」
俺の呟きにアークが突っ込んで我に返る。そっちは後回しで本題を伝えなきゃ!
するとギギ達が察して食堂から場所を変えようと言ったので、俺達は遠慮なくついていく。
少ししてルルの部屋だという場所へ案内された。
「俺の部屋で悪いけど、お兄の部屋よりは片付いていて綺麗だからどうぞ」
「まあ確かに俺のところよりは綺麗だな」
わははっとギギが笑う。否定はしないんだ。
俺達は苦笑しながら中に入り、防音結界魔法を張った。
「椅子が二脚しかなくてね、俺達はベッドに座るから二人はテーブルの椅子に座ってくれ」
そう言われて俺達は椅子に座る。皆が落ち着いたところでアークが本題を切り出した。
俺達がカフカ達に話したことと同じように魔人国に来た理由と、そこで昨日分かった新情報を話した。
「実はな──」
アークが話し終えるまで黙って聞いていた二人は、深い溜め息をついた。
「そういうことが……。いやもう、ノア達が色々やってんなとは思ってたんだよ。獣人国の王妃様関連のことも聞いてたし」
「ルドヴィカさんの番いのこととかもちょろっと耳には入ってたけど、記録媒体魔導具の粗悪品とか偽装とか、ヤバすぎでしょ」
ギギもルルも渋い顔でそう言った。
「それで、そのヘクセってやつの最新情報が『ヴィン』という冒険者らしいって?」
ギギが確認してきたので俺は頷く。
「そうなんだよ。魔力がラグ爺さんにそっくりだから気づけたんだけど、でも物的証拠はないんだ。それにヴィンとラグ爺さんとの関係性もまだハッキリしなくて」
「ラグお爺さんに年の離れた弟がいたことは分かっているから、そちらから探ろうと思っている」
そうアークが言うと、二人も頷く。
「そっちは親父の方が何か知ってそうだから親父にも聞いてみるよ。あとはグラウクスも元冒険者パーティーだし、何か情報があるかもしれない」
「そうか。よろしく頼む」
過去に誘拐された俺の母さんの救出を依頼されていた冒険者パーティーだから、父さんとパーティーを組んでいたラグ爺さんのこともある程度は知っている可能性が高い。
「それでヴィンという冒険者だが──」
うんうん。そのヴィンは最近この冒険者ギルドで活動しているという話だから、きっと何かしらの情報があるだろう。
俺達はギギ達の話に耳を傾けた。
「そんなの、ノア達が手伝ってくれたおかげで時間を作れたんだ。むしろどうぞどうぞってもんだ。まあ、夕方からの店の手伝いはさすがにギギ達にはいてほしいが」
「それは大丈夫です。ひとまず話だけの予定なので、そんなにかからないと思います」
ゾアから快く返事が返ってきたが、最後はちょっと申し訳なさそうに言う。それに慌てて俺がそう言うと、ホッとしたようだ。
「すまないな、どうにも人手不足で。店も農園も人員を増やしてはいるんだが、下手なヤツを雇ってトラブルになるのは困るんで慎重になってな」
ゾアが頭を抱えて溜め息をつく。確かに人手不足だからとむやみに雇えないよね。
「一応、俺達兄弟のネームバリューであくどいことを考える輩は近寄らないんだが、人は見かけによらないだろう?」
「その他にたまに俺達のことを知らないヤツが店で問題を起こして後始末が面倒でさあ」
確かに地元の人はギギルル兄弟がAランク冒険者で強いことを知っているけど、店員として働いているギギルル兄弟の姿しか知らない他所の人にとってはちょっと見た目厳ついだけの従業員だと思うよね。
それに二人は陽気で愛想がいいから。
「あとはアレだ、クルール達が手伝っているだろう? 可愛いって癒されるならいいんだが、クルール達にちょっかいかけたり舐めてかかる輩が一定数いる」
「その都度痛い目に遭わせて店外に放り出すんだが、なかなか懲りなくてな」
ギギ達は深い溜め息をつく。うん、馬鹿はどこにでもいるんだな。
「……これは店の従業員兼護衛としてゴーレム錬成すればお礼になるんじゃ?」
「ノア、彼らの要望を聞いてからにしろよ」
「はっ、そうだった。それはまたあとで。肝心のここに来た用件を話さないとね。えっと、どこで話そうか」
俺の呟きにアークが突っ込んで我に返る。そっちは後回しで本題を伝えなきゃ!
するとギギ達が察して食堂から場所を変えようと言ったので、俺達は遠慮なくついていく。
少ししてルルの部屋だという場所へ案内された。
「俺の部屋で悪いけど、お兄の部屋よりは片付いていて綺麗だからどうぞ」
「まあ確かに俺のところよりは綺麗だな」
わははっとギギが笑う。否定はしないんだ。
俺達は苦笑しながら中に入り、防音結界魔法を張った。
「椅子が二脚しかなくてね、俺達はベッドに座るから二人はテーブルの椅子に座ってくれ」
そう言われて俺達は椅子に座る。皆が落ち着いたところでアークが本題を切り出した。
俺達がカフカ達に話したことと同じように魔人国に来た理由と、そこで昨日分かった新情報を話した。
「実はな──」
アークが話し終えるまで黙って聞いていた二人は、深い溜め息をついた。
「そういうことが……。いやもう、ノア達が色々やってんなとは思ってたんだよ。獣人国の王妃様関連のことも聞いてたし」
「ルドヴィカさんの番いのこととかもちょろっと耳には入ってたけど、記録媒体魔導具の粗悪品とか偽装とか、ヤバすぎでしょ」
ギギもルルも渋い顔でそう言った。
「それで、そのヘクセってやつの最新情報が『ヴィン』という冒険者らしいって?」
ギギが確認してきたので俺は頷く。
「そうなんだよ。魔力がラグ爺さんにそっくりだから気づけたんだけど、でも物的証拠はないんだ。それにヴィンとラグ爺さんとの関係性もまだハッキリしなくて」
「ラグお爺さんに年の離れた弟がいたことは分かっているから、そちらから探ろうと思っている」
そうアークが言うと、二人も頷く。
「そっちは親父の方が何か知ってそうだから親父にも聞いてみるよ。あとはグラウクスも元冒険者パーティーだし、何か情報があるかもしれない」
「そうか。よろしく頼む」
過去に誘拐された俺の母さんの救出を依頼されていた冒険者パーティーだから、父さんとパーティーを組んでいたラグ爺さんのこともある程度は知っている可能性が高い。
「それでヴィンという冒険者だが──」
うんうん。そのヴィンは最近この冒険者ギルドで活動しているという話だから、きっと何かしらの情報があるだろう。
俺達はギギ達の話に耳を傾けた。
あなたにおすすめの小説
家族に忘れられていた第五王子は愛され生活を送る
りーさん
ファンタジー
アズール王国の王宮には、多くの王子や王女が住んでいる蒼星宮という宮がある。
その宮にはとある噂が広まっていた。併設されている図書館に子どもの幽霊が現れると。
そんなある日、図書館に出入りしていた第一王子は子どものような人影を見かける。
その時、父である国王にすら忘れられ、存在を知られていなかった第五王子の才覚が露になっていく。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
家に帰ったら、妻は冷たくなっていた。突然シングルファザーになった勇者パーティーの治癒師は家族を修復したい
八朔バニラ
ファンタジー
勇者パーティーに所属し、魔王討伐した治癒師(ヒーラー)のゼノスは街の人々の歓声に包まれながら、3年ぶりに家に帰った。家族が出迎えてくれると思ったが、誰も出迎えてくれない。ゼノスは不満に思いながら家に入ると、妻の身体は冷たくなっていた。15歳の長男ルミナスはゼノスの代わりに一家の柱として妹を守り抜き、父に深い拒絶のこもった瞳を向けていた。そして、8歳の長女ミリアは父の顔も忘れていた。
ゼノスは決意する。英雄の肩書きを捨て、一人の不器用な父親として、バラバラになった家族の心を繋ぎ合わせることを。
これは世界最強の治癒師が家族を修復する物語である。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました
あと
BL
「お兄ちゃん!一肌脱ぎます!」
完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け
可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…?
攻め:ヴィクター・ローレンツ
受け:リアム・グレイソン
弟:リチャード・グレイソン
pixivにも投稿しています。
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
外れ伯爵家の三女、領地で無双する
森のカフェしっぽっぽ
ファンタジー
十三歳の少女アイリス・アルベールは、人生を決める「祝福の儀」で“ゴミスキル”と蔑まれる《アイテムボックス》を授かってしまう。戦えず、稼げず、価値もない――そう断じた家族は、彼女を役立たずとして家から追放する。さらに、優秀なスキルであれば貴族に売り渡すつもりだったという冷酷な真実まで明かされ、アイリスはすべてを失う。
だが絶望の中、彼女は気付く。この世界が、自分がかつてやり込んだVRMMORPG『メデア』そのものであることに。
そして思い出す――
《アイテムボックス》には、ある“致命的なバグ”が存在することを。
市場で偶然を装いながらアイテムを出し入れし、タイミングをずらすことで発生する“複製バグ”。それは、あらゆる物資を無限に増やす禁断の裏技だった。
食料も、装備も、資金も――すべてが無限。
最底辺から一転、誰にも真似できないチートを手にしたアイリスは、冒険者として歩み始める。だがその力はやがて、経済を歪め、権力者の目に留まり、そして世界の“仕様そのもの”に干渉していくことになる。
これは――
ゴミと呼ばれた少女が、“世界の裏側”を掌握する物語。
魔物に嫌われる「レベル0」の魔物使い。命懸けで仔犬を助けたら―実は神域クラスしかテイムできない規格外でした
たつき
ファンタジー
魔物使いでありながらスライム一匹従えられないカイルは、3年間尽くしたギルドを「無能」として追放される。 同世代のエリートたちに「魔物避けの道具」として危険な遺跡に連れ出され、最後は森の主(ヌシ)を前に囮として見捨てられた。
死を覚悟したカイルが崩落した壁の先で見つけたのは、今にも息絶えそうな一匹の白い仔犬。 「自分と同じように、理不尽に見捨てられたこの子だけは助けたい」 自分の命を顧みず、カイルが全魔力を込めて「テイム」を試みた瞬間、眠っていた真の才能が目覚める。