拾われた俺、最強のスパダリ閣下に全力で溺愛されてます 迷い子の月下美人

エウラ

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650 情報収集 4

顔を近づけ、声をひそめて真剣な表情になったギギが俺達に告げた言葉は──

「分からん!」
「……は?」

俺とアークは思わずそう呟き、怪訝な顔になった。
ギギはパッと身体を起こすと、頭をポリポリと掻いて苦笑した。

「いやあ俺達、ここのところ店と農園で忙しくてさ、冒険者ギルドにほとんど行っていないわけよ」
「そうなんだよ。だから名前を言われても分からないし、そもそも接触もしていないんじゃないかな」

気まずそうに言うギギとルルに、俺達は納得する。

「そういえばカフカ達も、登録はここの冒険者ギルドだがしばらくいなくて、ひと月ほど前に戻ってきたと言っていたな」

アークが思い出してそう言うと、ギギが頷く。

「だろう? ちょうど忙しくて冒険者稼業を休み出した時期と被るから、名前も噂で聞いたくらいだな」
「だから悪いけど全然情報がないよ」

二人とも申し訳なさそうに言うから、俺は慌てて首を振った。

「そんなことないよ、全然平気だよ。今回、冒険者だって分かったから聞いてみただけで。だから気にしないで」
「そうだ。それに冒険者だからカフカ達の方が詳しく分かるだろうし」

そうそう。餅は餅屋って言うでしょ。ヴィンの詳しいことはあちらに任せよう。

「それよりもラグ爺さん関係の方を聞きたいな。えっと、ゾアとグラウクスに聞きたいけど、都合ってどうなのかな?」

俺が話題を切り替えようと思ってそう言うと、ギギ達はちょっと考え込む。

「うーん、親父に聞いてからだな。グラウクスは基本的に家で研究成果をまとめたりしていて在宅のはずだから、たぶんすぐに会えるぞ」
「そうだね。それに以前言ってた浮島の件で何かしら聞きたがるんじゃないか? まあそれは俺達も気になるけど」

ギギのあとにルルが言った言葉で俺はハッとする。そういえばそんなことがあったな。レインとか獣人国の問題ですっかり頭から抜けていた。

「ねえ、それってグラウクスに会ったら追究されるヤツ?」
「彼なら質問攻めするだろうな。こと考古学に関してはだから」
「うーん、今回はラグ爺さんの情報だけでいいんだけどな」

余裕があれば浮島のことを教えるのはやぶさかではないんだけど、今はとにかくヘクセ(ヴィン)とラグ爺さんの情報が欲しいからあとにしてもらいたい。

「俺達からも話しておくよ。最優先はラグ爺さんの方だってな」
「うん、よろしく」
「おう。さて時間はまだ九時前だが、ノア達のこのあとの予定は?」

ギギに聞かれて考える。収穫作業は一旦終わったし、昨日の夕ご飯のお店『ファームの焔』の昼間のスイーツ販売が気になる。

「アーク、あのお店のスイーツ買いたい」
「ああ、昼間にやっている店頭販売のことか。じゃあそっちに寄ってから街中をブラブラするか」
「そうだね、それで彼の噂話とか聞けたらいいな」

ということで、ギギ達の家が経営するあの店に向かうことにした。するとルルが営業時間を教えてくれる。

「あそこ、昼は午前九時から午後三時の営業だからもうすぐ開店するよ」
「分かった。ありがとう」

夜の営業時間は分かったけど、昼は何時からか知らなかったからここで聞けてよかった。

「じゃあお邪魔しました! ゾアとグラウクスによろしくね」
「おう。二人とも店の売り上げに貢献してくれよ」
「夜はまた店に手伝いに行くから、よかったらまた来てね」

別れ際にちゃっかりと自分ちの店の営業をするギギ達に笑いながら、俺達は来た道を戻っていく。
やがて昨日とは打って変わってスイーツ販売をする『ファームの焔』に到着すると、すでに大行列ができていて唖然とするのだった。







※『ファームの焔』の昼営業の時間帯を追記しました。
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