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連載
656 『愛してる』とチョコを贈る日 1
俺達は昼前に迷宮を出て、宿泊している『火の鳥』に戻ってきた。
「はあ、楽しかった」
そして今、俺達はインベントリから出した料理を食べているところだ。
「初見の魔物とか素材とかたくさんだったしな。そういう意味では楽しかった。まあ、意味不明な魔物が多かったが」
「あー、最初の板チョコからして変だったもんね」
あれから遭遇する魔物が変わっているものばかりで、まずは鑑定をして、それから討伐という流れだった。
ただ、大抵は食材をドロップしたので俺達は喜んで倒しまくったんだけどね。
ただウツボカズラの魔性植物からドロップした黄金蜜はちょっと食べるのに抵抗があるけど。
だって捕食した獲物をあの溶液で溶かして吸収しているんだよ。それが蜜の原料かもって思ったら食欲わかないよね。
でも食べるけど。
そう言ったらアークは呆れたような顔で突っ込んだ。
「いや、食べるんかい」
「食べるよ。もったいないじゃないか」
食べ物に罪はない。それにこれ、効能がすごいんだよ。
「この黄金蜜、滋養強壮にいいんだって! チョコの実と合わせたら絶対にすごいのができるよ!」
「……そのチョコの実もえらい効能じゃないか」
「そうなんだよ。チョコって元々薬効があるんだけど、このチョコの実EXは媚薬効果がすごいらしい」
普通のチョコの実にも興奮を促す成分と酩酊感をもたらす成分が含まれているんだけど、それがEXにはずば抜けて含まれている。
これで美味しいチョコを錬成してアークにプレゼントするんだ。
「アークは甘いの苦手だから板チョコブラックからドロップしたチョコの実EXに黄金蜜を控えめにして。そうだ、代わりにミドガルズオルムの酒を濃縮して……」
「……かなり物騒な物が出来上がりそうなんだが」
眉にしわを寄せたアークの呟きは無視して、俺はポイポイと素材を集めて錬成した。
あっという間に一口サイズのミドガルズオルム酒ボンボンの出来上がり!
俺は透明なガラスの小瓶にそれを詰めて蓋をし、金と銀のリボンでラッピングする。
「よし、次は俺用に板チョコホワイトとピンクとミルクからドロップしたチョコの実EX三色で、俺のはミドガルズオルムの酒を入れないで黄金蜜をたっぷり入れて」
「こっちもかなりヤバそうなんだが」
アークがまたぼやいたが、俺は錬成が楽しくてそれを聞き流した。
「ホワイトに果物の果汁を加えると、その味と色に変わるんだって。面白いよね、色々入れてみよう」
こういうのわくわくするよね。
というわけで材料をまとめて錬成すると、アークのものと同じで丸いカラフルなチョコが出来上がった。
「わー、可愛い!」
俺はアークとお揃いの瓶にいそいそと詰めて同じリボンでラッピングした。
「これ、普通に売れそうだよね。売らないけど」
「そうしてくれ。というか絶対に売るな、人にやるな。特に古の森の薬師達には渡すな!」
アークに念押しされるまでもなく、かなりヤバい性能なので、これは俺達だけのチョコにするつもりだ。
だって鑑定結果がヤバい。
【名称:ミドガルズオルム酒ボンボン
品質:HGS
効能:高品質の媚薬。
備考:板チョコブラックからドロップした超レアチョコの実EXと黄金蜜とミドガルズオルム酒から作られており、相乗効果で媚薬効果と強壮効果が爆上がりしている。精力増強。苦め。ただし即効性はあるが持続力はあまりないため、一粒で一晩がいいところ。
副作用はない、安心安全な媚薬】
【名称:カラフルチョコボール
品質:HGS
効能:高品質の媚薬。
備考:板チョコホワイト、ピンク、ミルクからドロップした超レアチョコの実EXと黄金蜜と各種果実から作られており、媚薬効果と強壮効果がかなりある。かなり甘め。即効性はあるが持続力はあまりないため、一粒で一晩がいいところ。
副作用はない、安心安全な媚薬】
──うん、どっちもどっちである。
古の森にいる薬師達に渡したら嬉々として検証祭りになるのが想像できる。
『月下美人』よりはまともだと思うけど、チョコの実EXなんて超レア素材だから検証に回すほど量産できないしなあ。
そんな俺の気持ちがバレたのか、アークにジト目で見つめられた。
「はは、は」
「……まあいい。それで? プレゼントしてくれるんだろう?」
「あ、はい。あの、アーク大好きです。俺の気持ち受け取ってください!」
乾いた笑いをしたら、溜息をついてそう言うアークに俺はラッピングしたアーク専用のチョコを掲げて言った。
「もちろん喜んで。チョコの実EXはもうないんだよな」
「うん、全部これに使っちゃった」
そうなんだよ、結構な数を倒したのに各一個ずつしか手に入らなかったんだよね。さすが超レアアイテム。
「これをくれたっていうことはこのあとはずっと俺と──いいんだな?」
「ひいっ……う、うん」
受け取ったアークが俺を抱き寄せ、耳元でそう囁いた。
もちろんそのつもりで錬成したし、渡したし。自分も盛り上がりたいから同じようなものを作ったんだし。
ただ誤算だったのは、アークがお仕置きも兼ねていたってことに気づいてなかったこと。
検証祭りできなくて残念って思っていたのが、アークにはやっぱり見透かされていたんだよね。
※R18予定してましたが思ったよりも長引いてしまい、次回に後ろ倒しになります。すみません。残りは何とか今日中に投稿しますのでお待ちください。
ちょっと書き漏れた言葉を追加しました。
「はあ、楽しかった」
そして今、俺達はインベントリから出した料理を食べているところだ。
「初見の魔物とか素材とかたくさんだったしな。そういう意味では楽しかった。まあ、意味不明な魔物が多かったが」
「あー、最初の板チョコからして変だったもんね」
あれから遭遇する魔物が変わっているものばかりで、まずは鑑定をして、それから討伐という流れだった。
ただ、大抵は食材をドロップしたので俺達は喜んで倒しまくったんだけどね。
ただウツボカズラの魔性植物からドロップした黄金蜜はちょっと食べるのに抵抗があるけど。
だって捕食した獲物をあの溶液で溶かして吸収しているんだよ。それが蜜の原料かもって思ったら食欲わかないよね。
でも食べるけど。
そう言ったらアークは呆れたような顔で突っ込んだ。
「いや、食べるんかい」
「食べるよ。もったいないじゃないか」
食べ物に罪はない。それにこれ、効能がすごいんだよ。
「この黄金蜜、滋養強壮にいいんだって! チョコの実と合わせたら絶対にすごいのができるよ!」
「……そのチョコの実もえらい効能じゃないか」
「そうなんだよ。チョコって元々薬効があるんだけど、このチョコの実EXは媚薬効果がすごいらしい」
普通のチョコの実にも興奮を促す成分と酩酊感をもたらす成分が含まれているんだけど、それがEXにはずば抜けて含まれている。
これで美味しいチョコを錬成してアークにプレゼントするんだ。
「アークは甘いの苦手だから板チョコブラックからドロップしたチョコの実EXに黄金蜜を控えめにして。そうだ、代わりにミドガルズオルムの酒を濃縮して……」
「……かなり物騒な物が出来上がりそうなんだが」
眉にしわを寄せたアークの呟きは無視して、俺はポイポイと素材を集めて錬成した。
あっという間に一口サイズのミドガルズオルム酒ボンボンの出来上がり!
俺は透明なガラスの小瓶にそれを詰めて蓋をし、金と銀のリボンでラッピングする。
「よし、次は俺用に板チョコホワイトとピンクとミルクからドロップしたチョコの実EX三色で、俺のはミドガルズオルムの酒を入れないで黄金蜜をたっぷり入れて」
「こっちもかなりヤバそうなんだが」
アークがまたぼやいたが、俺は錬成が楽しくてそれを聞き流した。
「ホワイトに果物の果汁を加えると、その味と色に変わるんだって。面白いよね、色々入れてみよう」
こういうのわくわくするよね。
というわけで材料をまとめて錬成すると、アークのものと同じで丸いカラフルなチョコが出来上がった。
「わー、可愛い!」
俺はアークとお揃いの瓶にいそいそと詰めて同じリボンでラッピングした。
「これ、普通に売れそうだよね。売らないけど」
「そうしてくれ。というか絶対に売るな、人にやるな。特に古の森の薬師達には渡すな!」
アークに念押しされるまでもなく、かなりヤバい性能なので、これは俺達だけのチョコにするつもりだ。
だって鑑定結果がヤバい。
【名称:ミドガルズオルム酒ボンボン
品質:HGS
効能:高品質の媚薬。
備考:板チョコブラックからドロップした超レアチョコの実EXと黄金蜜とミドガルズオルム酒から作られており、相乗効果で媚薬効果と強壮効果が爆上がりしている。精力増強。苦め。ただし即効性はあるが持続力はあまりないため、一粒で一晩がいいところ。
副作用はない、安心安全な媚薬】
【名称:カラフルチョコボール
品質:HGS
効能:高品質の媚薬。
備考:板チョコホワイト、ピンク、ミルクからドロップした超レアチョコの実EXと黄金蜜と各種果実から作られており、媚薬効果と強壮効果がかなりある。かなり甘め。即効性はあるが持続力はあまりないため、一粒で一晩がいいところ。
副作用はない、安心安全な媚薬】
──うん、どっちもどっちである。
古の森にいる薬師達に渡したら嬉々として検証祭りになるのが想像できる。
『月下美人』よりはまともだと思うけど、チョコの実EXなんて超レア素材だから検証に回すほど量産できないしなあ。
そんな俺の気持ちがバレたのか、アークにジト目で見つめられた。
「はは、は」
「……まあいい。それで? プレゼントしてくれるんだろう?」
「あ、はい。あの、アーク大好きです。俺の気持ち受け取ってください!」
乾いた笑いをしたら、溜息をついてそう言うアークに俺はラッピングしたアーク専用のチョコを掲げて言った。
「もちろん喜んで。チョコの実EXはもうないんだよな」
「うん、全部これに使っちゃった」
そうなんだよ、結構な数を倒したのに各一個ずつしか手に入らなかったんだよね。さすが超レアアイテム。
「これをくれたっていうことはこのあとはずっと俺と──いいんだな?」
「ひいっ……う、うん」
受け取ったアークが俺を抱き寄せ、耳元でそう囁いた。
もちろんそのつもりで錬成したし、渡したし。自分も盛り上がりたいから同じようなものを作ったんだし。
ただ誤算だったのは、アークがお仕置きも兼ねていたってことに気づいてなかったこと。
検証祭りできなくて残念って思っていたのが、アークにはやっぱり見透かされていたんだよね。
※R18予定してましたが思ったよりも長引いてしまい、次回に後ろ倒しになります。すみません。残りは何とか今日中に投稿しますのでお待ちください。
ちょっと書き漏れた言葉を追加しました。
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