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閑話 ノアズアーク隊
※昨日、更新できなかったので中途半端な時間ですが更新します。閑話です。
ファームの焔の店のそばの休憩広場でノア様とアルカンシエル様とヴィンという冒険者を見かけて、思わず休憩スペースのテーブルに陣取った僕達、冒険者ギルド職員数名。
別名『ノアズアーク隊』の隊員だ。
元々今日は仕事が休みの日だった職員達と一緒にこの店のスイーツを食べに行く予定だったので、本当に偶然だったんだけど。
僕達は列に並びながら、さりげなさを装って広場のノア様達を観察していた。
「僕達よりも早く並んで買ったんだね」
「でもまあ、ノア様なら喜び勇んで並びそう」
「それにこのお店のスイーツはノア様の錬成した魔導具で作られているし、レシピもノア様のものなんでしょう?」
「そうなんだって。ギギルルさん達の実家がギルファームだから、色々と手を貸してあげたらしい」
僕達は列に並んでそわそわするノア様を想像してほっこり和む。
そのうち、アルカンシエル様に「あーん」でジェラートを食べさせるノア様に悶絶。幸せ。
そして自分達の番になり、それぞれ好きなスイーツを買って広場に向かう途中──
「あっ」
「え?」
「──あの人って、冒険者のヴィンさんでは?」
「えええ? な、何で?」
僕達は混乱した。
だって昨日、ギルマスのカフカ様やサブギルマスのラミエル様から密かに申しつけられた、とある冒険者の調査。その対象がヴィンさんだったんだよ。
ノア様達に関係があるらしいというヴィンさんを『ノアズアーク隊』として極秘に調査してくれと言われて調べ始めたところなのに、何故かご本人達が先に接触している。
「大丈夫かな?」
「僕達も近くに座って様子を窺おうよ」
僕達は少し離れた席に陣取り、悪いと思いつつも聞き耳を立てた。
漏れ聞こえた会話を聞くに、どうやらお互い偶然に出会ったらしい。ヴィンさんがジェラート片手に相席をお願いしたようだ。
確かに席はかなり埋まっていて、一人で使うスペースはなさそうだった。
それからすぐにノア様が防音の魔法を使ったらしく、あの席だけ音が消えた。
「ああ、聞こえなくなっちゃった!」
「でもさ、悪い感じじゃないよ。僕、ちょっと読唇術得意で見てたけど、内容は錬金術のことばかりだよ。早口すぎて読み切れないけどね」
「あー、ノア様は興奮してものすごく饒舌になるからね。そっか、じゃあヴィンさんって錬金術に明るい人なんだね」
ノア様の話についていけるほどの知識があるんだろう。本人は言わないだけで錬金術師なのかもしれない。
「あ、話し込んだせいでノア様達のジェラート溶けちゃってる!」
「うわ、慌てたヴィンさんを制止して魔法でジェラート作り直してる」
「さすがというかノア様らしいというか」
「すごい魔法の無駄遣い」
僕達は思わず笑う。そう、ノア様って魔法の腕も超一流なのに、それをこういう平和的なことに使っちゃうんだよね。
そこが僕達も大好きなところなんだけど。
やがて食べ終えたヴィンさんが何やらノア様にお願いをしていて、僕達は緊張する。
「何だろう、変なことは言われないと思うけど」
「アルカンシエル様も容認しているみたいだし」
「ああ、うん。大丈夫そう。『友達になってほしい』『喜んで!』みたいな会話だ」
「えええっ!?」
それっていいの、大丈夫なの?
「まあアルカンシエル様が警戒していないし、ノア様も嬉しそうだし問題ないんじゃない? あとでカフカ様達に報告は必要だろうけど」
「そうだね」
こうしてヴィンさんもノア様達もウキウキで去って行ったのを見て、僕達も席を立つ。
「何にしてもノア様を見られてよかった!」
「僕達『ノアズアーク隊』は公認の組織だけど、ノア様には知らされない組織だから大っぴらに関われないのが残念だけど」
「ノア様が気を遣わないように内緒にってことだから仕方ない」
大手を振って名乗れないけど、でも裏でノア様達の役に立てていることが嬉しいからいいんだ。
それにこっそり応援って、何か秘密を共有して仲間意識が強くなる気がするから。
「じゃあ、休日だけど早速報告しに行こうか」
「了解!」
「賛成!」
こうして僕達もウキウキで報告に行けば、ラミエル様がとっくにカフカ様に報告していてガックリすることになる。
「いつの間に情報収集していたんですか!」
恨みがましくむくれてそう叫べば、ラミエル様は胡散くさい笑顔で「秘密」と言った。
この方の神出鬼没さで納得はするものの、僕達は何かモヤモヤした気持ちを抱えて今度は別のお店のスイーツを食べに行くのだった。
甘いものって幸せな気持ちにさせてくれるよね。
ファームの焔の店のそばの休憩広場でノア様とアルカンシエル様とヴィンという冒険者を見かけて、思わず休憩スペースのテーブルに陣取った僕達、冒険者ギルド職員数名。
別名『ノアズアーク隊』の隊員だ。
元々今日は仕事が休みの日だった職員達と一緒にこの店のスイーツを食べに行く予定だったので、本当に偶然だったんだけど。
僕達は列に並びながら、さりげなさを装って広場のノア様達を観察していた。
「僕達よりも早く並んで買ったんだね」
「でもまあ、ノア様なら喜び勇んで並びそう」
「それにこのお店のスイーツはノア様の錬成した魔導具で作られているし、レシピもノア様のものなんでしょう?」
「そうなんだって。ギギルルさん達の実家がギルファームだから、色々と手を貸してあげたらしい」
僕達は列に並んでそわそわするノア様を想像してほっこり和む。
そのうち、アルカンシエル様に「あーん」でジェラートを食べさせるノア様に悶絶。幸せ。
そして自分達の番になり、それぞれ好きなスイーツを買って広場に向かう途中──
「あっ」
「え?」
「──あの人って、冒険者のヴィンさんでは?」
「えええ? な、何で?」
僕達は混乱した。
だって昨日、ギルマスのカフカ様やサブギルマスのラミエル様から密かに申しつけられた、とある冒険者の調査。その対象がヴィンさんだったんだよ。
ノア様達に関係があるらしいというヴィンさんを『ノアズアーク隊』として極秘に調査してくれと言われて調べ始めたところなのに、何故かご本人達が先に接触している。
「大丈夫かな?」
「僕達も近くに座って様子を窺おうよ」
僕達は少し離れた席に陣取り、悪いと思いつつも聞き耳を立てた。
漏れ聞こえた会話を聞くに、どうやらお互い偶然に出会ったらしい。ヴィンさんがジェラート片手に相席をお願いしたようだ。
確かに席はかなり埋まっていて、一人で使うスペースはなさそうだった。
それからすぐにノア様が防音の魔法を使ったらしく、あの席だけ音が消えた。
「ああ、聞こえなくなっちゃった!」
「でもさ、悪い感じじゃないよ。僕、ちょっと読唇術得意で見てたけど、内容は錬金術のことばかりだよ。早口すぎて読み切れないけどね」
「あー、ノア様は興奮してものすごく饒舌になるからね。そっか、じゃあヴィンさんって錬金術に明るい人なんだね」
ノア様の話についていけるほどの知識があるんだろう。本人は言わないだけで錬金術師なのかもしれない。
「あ、話し込んだせいでノア様達のジェラート溶けちゃってる!」
「うわ、慌てたヴィンさんを制止して魔法でジェラート作り直してる」
「さすがというかノア様らしいというか」
「すごい魔法の無駄遣い」
僕達は思わず笑う。そう、ノア様って魔法の腕も超一流なのに、それをこういう平和的なことに使っちゃうんだよね。
そこが僕達も大好きなところなんだけど。
やがて食べ終えたヴィンさんが何やらノア様にお願いをしていて、僕達は緊張する。
「何だろう、変なことは言われないと思うけど」
「アルカンシエル様も容認しているみたいだし」
「ああ、うん。大丈夫そう。『友達になってほしい』『喜んで!』みたいな会話だ」
「えええっ!?」
それっていいの、大丈夫なの?
「まあアルカンシエル様が警戒していないし、ノア様も嬉しそうだし問題ないんじゃない? あとでカフカ様達に報告は必要だろうけど」
「そうだね」
こうしてヴィンさんもノア様達もウキウキで去って行ったのを見て、僕達も席を立つ。
「何にしてもノア様を見られてよかった!」
「僕達『ノアズアーク隊』は公認の組織だけど、ノア様には知らされない組織だから大っぴらに関われないのが残念だけど」
「ノア様が気を遣わないように内緒にってことだから仕方ない」
大手を振って名乗れないけど、でも裏でノア様達の役に立てていることが嬉しいからいいんだ。
それにこっそり応援って、何か秘密を共有して仲間意識が強くなる気がするから。
「じゃあ、休日だけど早速報告しに行こうか」
「了解!」
「賛成!」
こうして僕達もウキウキで報告に行けば、ラミエル様がとっくにカフカ様に報告していてガックリすることになる。
「いつの間に情報収集していたんですか!」
恨みがましくむくれてそう叫べば、ラミエル様は胡散くさい笑顔で「秘密」と言った。
この方の神出鬼没さで納得はするものの、僕達は何かモヤモヤした気持ちを抱えて今度は別のお店のスイーツを食べに行くのだった。
甘いものって幸せな気持ちにさせてくれるよね。
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