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俺は顔をしかめてそう言うと、あとの言葉が続かずに黙り込んだ。
代わりにアークが話をする。
「よくここまで調べたな。ラミエルが調べたのか?」
するとラミエルが胡散臭い笑顔でアークに言う。
「ええ。褒めてください。いえ、カフカに褒めてもらうのでやっぱり結構です。カフカ、お願いします」
「おい……はあ、まあいい」
すかさずアークの突っ込みが入るが、ラミエルは知らん顔でスルーする。言われたカフカは笑顔でラミエルの頭を撫でていた。
アークは溜め息をつくと報告書の内容を確認する。
「ラグ爺さんの実弟がまさか竜王国にいたとはな。全く知らなかった。竜王陛下も自国に住んでいるとは思っていなかっただろうな」
そう、俺達は誰も気づいていなかったが、竜王国の中心から結構離れた東の地区で中規模の商会を営んでいたのだ。
『スケイル商会』という名で、雑貨品の他魔導具も取り扱っているという。王都の方には店はないが、そこそこの商品を取り扱っているそうだ。
ラグ爺さんの実弟の名はジスル・ラグナロク。ラグ爺さんよりも濃い水色の髪に藍色の瞳でしかめっ面の頑固そうな顔立ちだそうだ。
彼の夫のフィリアは羊の姿の魔人でラグ爺さん達とは幼馴染みだったそうだが、かなり前に亡くなっている。
現在は一人息子のノイエノワ・ラグナロクが商会長をしていて、ジスルは悠々自適な隠居生活をしているそうだ。
そしてノイエノワの現在の夫がヘクセ(ヴィン)とその母の後釜に納まった運命の番いというわけだ。二人の間にはまだ小さい息子がいる。ヘクセ(ヴィン)の異母弟となる。
「ラグナロク殿は『大賢者』の二つ名で広く知られていますが、ジスルのほうは特出した能力はなく一般人の中に埋もれていたようですね」
「それでも魔力などは人並み以上にあったらしいですが、すでに年の離れた兄の名声が高くて卑屈になっていたようです」
頭を撫でられてご満悦のラミエルが補足してきた。カフカもあとに続く。
なるほど、兄であるラグ爺さんの影に隠れてしまって目立たない存在だったんだ。
そしておそらく周りがラグ爺さんと比較してしまい、努力しても思ったように認められなかったんじゃないかな。
身近に高い能力の人がいると、人は無意識に比べてしまうものだ。意図していないからこそ、悪気がなくて心に深い傷を残す。
報告書を読むと、それがコンプレックスとなってラグ爺さんを嫌悪するようになったらしい。
ラグ爺さんとしては弟とは年が離れていたからか、幼子の駄々こねとでも言うように全く気にはしていないようだったが。
だがジスルが成人してからだいぶ経ったある日、兄弟の間に決定的な亀裂が入る出来事が起こった。
──幼馴染みのフィリアの誕生日パーティーのとき、ラグ爺さんを慕っていたフィリアをジスルが襲い、既成事実を作って強引に婚姻してしまったのだ。
かなり酔って前後不覚になっていたフィリアを介抱するように見せかけて部屋に連れて行き、酔いのせいでラグ爺さんと勘違いしたフィリアを、それを否定せずに反対に利用して犯した。
フィリアを密かに想っていたジスルは、彼まで憎き兄に奪われると思うと、我慢ならなかったのだ。
こうして唯一手に入れたフィリアを腕に抱き、勝ち誇ったように笑うジスルを見てラグ爺さんはどう思ったのだろうか。
それから死ぬまで、ラグ爺さんはジスルのもとに行くことはなかったそうだ。
※人が増えて分かりづらいかもしれません。あとで人物紹介の枠に記載予定です。
もう少し過去を掘り下げます。説明文多くてすみません。
代わりにアークが話をする。
「よくここまで調べたな。ラミエルが調べたのか?」
するとラミエルが胡散臭い笑顔でアークに言う。
「ええ。褒めてください。いえ、カフカに褒めてもらうのでやっぱり結構です。カフカ、お願いします」
「おい……はあ、まあいい」
すかさずアークの突っ込みが入るが、ラミエルは知らん顔でスルーする。言われたカフカは笑顔でラミエルの頭を撫でていた。
アークは溜め息をつくと報告書の内容を確認する。
「ラグ爺さんの実弟がまさか竜王国にいたとはな。全く知らなかった。竜王陛下も自国に住んでいるとは思っていなかっただろうな」
そう、俺達は誰も気づいていなかったが、竜王国の中心から結構離れた東の地区で中規模の商会を営んでいたのだ。
『スケイル商会』という名で、雑貨品の他魔導具も取り扱っているという。王都の方には店はないが、そこそこの商品を取り扱っているそうだ。
ラグ爺さんの実弟の名はジスル・ラグナロク。ラグ爺さんよりも濃い水色の髪に藍色の瞳でしかめっ面の頑固そうな顔立ちだそうだ。
彼の夫のフィリアは羊の姿の魔人でラグ爺さん達とは幼馴染みだったそうだが、かなり前に亡くなっている。
現在は一人息子のノイエノワ・ラグナロクが商会長をしていて、ジスルは悠々自適な隠居生活をしているそうだ。
そしてノイエノワの現在の夫がヘクセ(ヴィン)とその母の後釜に納まった運命の番いというわけだ。二人の間にはまだ小さい息子がいる。ヘクセ(ヴィン)の異母弟となる。
「ラグナロク殿は『大賢者』の二つ名で広く知られていますが、ジスルのほうは特出した能力はなく一般人の中に埋もれていたようですね」
「それでも魔力などは人並み以上にあったらしいですが、すでに年の離れた兄の名声が高くて卑屈になっていたようです」
頭を撫でられてご満悦のラミエルが補足してきた。カフカもあとに続く。
なるほど、兄であるラグ爺さんの影に隠れてしまって目立たない存在だったんだ。
そしておそらく周りがラグ爺さんと比較してしまい、努力しても思ったように認められなかったんじゃないかな。
身近に高い能力の人がいると、人は無意識に比べてしまうものだ。意図していないからこそ、悪気がなくて心に深い傷を残す。
報告書を読むと、それがコンプレックスとなってラグ爺さんを嫌悪するようになったらしい。
ラグ爺さんとしては弟とは年が離れていたからか、幼子の駄々こねとでも言うように全く気にはしていないようだったが。
だがジスルが成人してからだいぶ経ったある日、兄弟の間に決定的な亀裂が入る出来事が起こった。
──幼馴染みのフィリアの誕生日パーティーのとき、ラグ爺さんを慕っていたフィリアをジスルが襲い、既成事実を作って強引に婚姻してしまったのだ。
かなり酔って前後不覚になっていたフィリアを介抱するように見せかけて部屋に連れて行き、酔いのせいでラグ爺さんと勘違いしたフィリアを、それを否定せずに反対に利用して犯した。
フィリアを密かに想っていたジスルは、彼まで憎き兄に奪われると思うと、我慢ならなかったのだ。
こうして唯一手に入れたフィリアを腕に抱き、勝ち誇ったように笑うジスルを見てラグ爺さんはどう思ったのだろうか。
それから死ぬまで、ラグ爺さんはジスルのもとに行くことはなかったそうだ。
※人が増えて分かりづらいかもしれません。あとで人物紹介の枠に記載予定です。
もう少し過去を掘り下げます。説明文多くてすみません。
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