拾われた俺、最強のスパダリ閣下に全力で溺愛されてます 迷い子の月下美人

エウラ

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665 報告中休み

「……いやこれ、不憫すぎるだろ」

思わず漏らしたのだろう、アルフレートの呟きが静まり返った執務室に響いた。
全員同じことを思っただろう。

あと俺が一番疑問に思ったことがあって、おそらく聞いても教えてはもらえないと思うけど聞かずにはいられなかったので言う。

「この報告書、かなり過去なのに実際に見聞きしたように詳細なんだけど、どうやって調べたの?」

調査した本人であるラミエルに直球で尋ねると、ラミエルは真顔からいつもの胡散臭い笑顔になった。

あ、これはまた『秘密です』のパターンかな。まあ別に俺はそれでもいいけど──

「様々なツテと私のスキルですね」
「え、まさかの返答」

俺が思っていたのとちょっと違ってて驚いた。
まじまじとラミエルを見つめていると、カフカがラミエルを見たあと小さく溜息をつく。

「ラミエルの情報収集に差し支えるので詳しくは言えないが、そういう能力があるということだ」
「それを心に留めおいて、皆様もゆめゆめ油断なさらぬように」
「ひえっ」

カフカの言葉にラミエルがにっこり笑う。アルフレートが小さく悲鳴を上げてゼルダにしがみ付くのを見て、満足そうなラミエル。
アークがカフカに聞いた。

「いいのか、そんな重要なことを俺達に漏らして」
「これくらいはな。何でも全部隠していては信頼は得られない。それにこれを聞いたら俺達を簡単に裏切れないだろう?」
「確かに、手のひらを返したら報復がヤバそうだ。まあ俺達はあんた達が敵に回らないなら手は出さないから安心しろ」

カフカの言葉にアークも納得する。もちろん裏切るとかそんな気持ちは微塵もないけど、生きていれば何が起こるか分からないからね。

俺がうんうんと頷いていると、カフカが渋い顔で言った。

「俺達から裏切るとかあり得ねえよ。ノア殿を敵に回したら俺達どころか国一つ軽く滅びるわ」
「一つで済めばいいですけどねぇ」

何故かラミエルも遠い目をしている。
アークも溜息をついた。

「えーと、箱庭の迷宮の大暴れのことなら、そこまで被害はなかったよね?」

そんな爆弾みたいに思われるのが心外で、俺がそう確認すれば──

「いや、精霊王エレフが魔力を注いだからあれで済んだわけで。迷宮内は迷宮の核ダンジョン・コアが無事なら原状回復するから破壊し尽くしても外に影響はないからな」
『外の世界でアレをやったら回復できん。ノアが本気を出したら世界が滅ぶ』
「ええ? 滅ぼさないよ。そうなったら大好きな迷宮探索も調薬も錬金術もできなくなっちゃうじゃん」

ヴァンの言葉に思わずムッとしてそう言い返すと、アークが噴き出す。

「ぶふっ……そんな理由で滅ぼさないのか。ノアは相変わらずだな」
「平和ですね」
「ノア殿がノア殿である限り、世界は存続の危機に陥らなさそうで嬉しいよ」

ラミエルが呆れたように呟き、カフカも苦笑しながらそう言った。

「じゃあ、ここからはヴィンの近況報告となります。よろしいですか?」

ほのぼのとした空気が流れて皆が笑いに包まれたあと、そう言ってラミエルが仕切り直す。

俺達は再び気を引き締めるのだった。

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