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670 再びの接触 2
いつの間に来たのか、ヴィンがいた。
「あれ、ヴィン?」
「うん、ヴィンだよ。この席に案内されたんだけど、相席いいかな」
ヴィンにそう言われて周りを見れば、ほぼ満席だった。どうやら俺とアークの席に空きが二つあったから、店員がお一人様のヴィンをここに案内したらしい。先日の休憩広場と同じようなやりとりだな。
「構わないよ。どうぞ」
「やった! 実は空いてる席がここしかなくて、見たらノア達だったから相席いいかなって店員に言ってみた」
なるほど、ヴィンが俺達に気づいたのか。
「全くの他人なら許さないが、ヴィンならノアの友人になったし事情も知っているから、相席くらい気にしない」
アークがそう言って、俺達の向かいの席を勧める。俺とアークは横並びに座っているから、向かい側が二脚空いていた。ヴィンはそこの一つ、俺の前に座った。
「ありがとう。とっても嬉しい」
本当にウキウキした口調で嬉しそうに言うから俺もつられて笑う。
そんな俺達の会話を聞いていた隣の席のティンバーが、戸惑うように声をかけてくる。
「ノア、彼は知り合いなのか?」
そうだよね。急に認識阻害魔法で身元不明の人が目の目にいたら驚くよね。たぶん気配くらいは察知していただろうけど。
「あっ、うん。彼は冒険者のヴィン。ヴィン、彼らは俺の知り合いの冒険者達。今日魔人国に来たばかりなんだ。よろしくね」
俺はこの場では詳しい説明はせずに軽く紹介をする。さっき冒険者ヴィンのことを報告したばかりだから察してると思うけど。
案の定、アルフレートが小さく噴き出してゼルダに小突かれている。
「ヴィンです。よろしく」
「ああ、ティグだ。よろしく」
「アスだよぉ」
「レ、レト」
「ゼン。よろしくね」
ティンバー達も軽く挨拶を交わして落ち着いた。
ジッとメニュー表を見ていたヴィンが店員に声をかける。
「ご注文はお決まりですか」
店員に尋ねられたヴィンは躊躇なくオーダーをする。
「このホーンラビットの煮込み美味しそうだからそれとー、あとオークのステーキに籠一盛りのパンと果物盛り合わせで、あとあと果実水!」
「えっ、そんなに食べるの? というか食べられるの?」
「全然余裕!」
俺は予想を上回る量の注文にちょっと驚く。アークならペロリと平らげる量だけど、ヴィンは俺よりも細いし小柄だ。どこにそんなに入るのか。
そんな疑問が顔に出ていたんだろうか、ヴィンが俺をちょいちょいと呼んで俺の耳元に自分の顔を近づけて内緒話をする。
「あのね、ノアだから言うけど、俺ね、夢魔の混血でね。普通の食事でも精気を補えるんだけど本当は足りなくてさ」
「──うん」
「とにかく食事の量が必要なんだよね。だから周りには痩せの大食いって思われてると思う。アークにはいいけど、これ、内緒ね」
なるほど。この容姿で夢魔の混血って知られたら有象無象の輩に狙われるだろうな。
ギルドタグも自分で種族を非公開にできるから今までバレずにいられたんだろう。本当に苦労しているんだな。
「本当は精気のためにシたほうがいいんだろうけど、諸々の事情で、俺、いまだに童貞処女なんだよね」
「ぶふぉっ」
俺は思わず噴き出して咽せてしまい、隣の席のティンバー達に何事かと視線を向けられた。でもそんなことに構っていられない。
こんなところで何を暴露してくれてんの!?
「だ、大丈夫か、ノア?」
ヴィンがオロオロしているけど、君のせいだからね。
ちなみに俺の隣でその言葉がしっかり耳に入っていたアークは「アホか」と呆れながら俺の背を擦ってくれていた。
「あれ、ヴィン?」
「うん、ヴィンだよ。この席に案内されたんだけど、相席いいかな」
ヴィンにそう言われて周りを見れば、ほぼ満席だった。どうやら俺とアークの席に空きが二つあったから、店員がお一人様のヴィンをここに案内したらしい。先日の休憩広場と同じようなやりとりだな。
「構わないよ。どうぞ」
「やった! 実は空いてる席がここしかなくて、見たらノア達だったから相席いいかなって店員に言ってみた」
なるほど、ヴィンが俺達に気づいたのか。
「全くの他人なら許さないが、ヴィンならノアの友人になったし事情も知っているから、相席くらい気にしない」
アークがそう言って、俺達の向かいの席を勧める。俺とアークは横並びに座っているから、向かい側が二脚空いていた。ヴィンはそこの一つ、俺の前に座った。
「ありがとう。とっても嬉しい」
本当にウキウキした口調で嬉しそうに言うから俺もつられて笑う。
そんな俺達の会話を聞いていた隣の席のティンバーが、戸惑うように声をかけてくる。
「ノア、彼は知り合いなのか?」
そうだよね。急に認識阻害魔法で身元不明の人が目の目にいたら驚くよね。たぶん気配くらいは察知していただろうけど。
「あっ、うん。彼は冒険者のヴィン。ヴィン、彼らは俺の知り合いの冒険者達。今日魔人国に来たばかりなんだ。よろしくね」
俺はこの場では詳しい説明はせずに軽く紹介をする。さっき冒険者ヴィンのことを報告したばかりだから察してると思うけど。
案の定、アルフレートが小さく噴き出してゼルダに小突かれている。
「ヴィンです。よろしく」
「ああ、ティグだ。よろしく」
「アスだよぉ」
「レ、レト」
「ゼン。よろしくね」
ティンバー達も軽く挨拶を交わして落ち着いた。
ジッとメニュー表を見ていたヴィンが店員に声をかける。
「ご注文はお決まりですか」
店員に尋ねられたヴィンは躊躇なくオーダーをする。
「このホーンラビットの煮込み美味しそうだからそれとー、あとオークのステーキに籠一盛りのパンと果物盛り合わせで、あとあと果実水!」
「えっ、そんなに食べるの? というか食べられるの?」
「全然余裕!」
俺は予想を上回る量の注文にちょっと驚く。アークならペロリと平らげる量だけど、ヴィンは俺よりも細いし小柄だ。どこにそんなに入るのか。
そんな疑問が顔に出ていたんだろうか、ヴィンが俺をちょいちょいと呼んで俺の耳元に自分の顔を近づけて内緒話をする。
「あのね、ノアだから言うけど、俺ね、夢魔の混血でね。普通の食事でも精気を補えるんだけど本当は足りなくてさ」
「──うん」
「とにかく食事の量が必要なんだよね。だから周りには痩せの大食いって思われてると思う。アークにはいいけど、これ、内緒ね」
なるほど。この容姿で夢魔の混血って知られたら有象無象の輩に狙われるだろうな。
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「本当は精気のためにシたほうがいいんだろうけど、諸々の事情で、俺、いまだに童貞処女なんだよね」
「ぶふぉっ」
俺は思わず噴き出して咽せてしまい、隣の席のティンバー達に何事かと視線を向けられた。でもそんなことに構っていられない。
こんなところで何を暴露してくれてんの!?
「だ、大丈夫か、ノア?」
ヴィンがオロオロしているけど、君のせいだからね。
ちなみに俺の隣でその言葉がしっかり耳に入っていたアークは「アホか」と呆れながら俺の背を擦ってくれていた。
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