26 / 641
連載
92 意外な繋がり 1(sideギギ&ルル兄弟)
先日見かけたあの男、どうやらノア達と接触したらしい。
それを俺達兄弟が聞いたのは、二人が接触し終えてすでに何やら問題が解決した後だった。
ノア達と初めて会ったあの日、あの男が気にはなっていたがどうしようもなく、迷宮攻略に勤しんでいたら、ノアに食事の誘いを受けたんだ。
「ギギとルル、今度迷宮でドロップした食材で食事会をするから、来てくれないか?」
「ノアのSランク昇級のお祝いみたいな感じでな、ギルドの食堂を貸し切ったんだ。ノアが手料理を振る舞うから、予定を立ててぜひ来てくれ。準備があるから、三日後のちょうど昼の時間で」
ノアとアークにそう言われ、二つ返事で返した。
「楽しみだなあ! しっかり予定を開けて腹を空かせておかねば!」
「そうだけど、食べ過ぎないようにね? 特に肉とか肉とか・・・・・・!」
「はっはっは! 善処する」
「・・・・・・しないな、お兄・・・する気ないな」
ルルに呆れられた。
それから三日後の昼にギルドに行くと、『深緑』のPTの4人がいた。
話を聞くと、俺達がノア達に会った日の迷宮で偶然行動を共にしていたらしい。
「アーク達のお陰で10階層まで行けたんだ」
「それにノアのお陰で、俺達、お互いに恋人同士になれたんだよ」
「びっくりしたけど、上手く鞘に収まって」
「今はとっても幸せ」
「──へえ、凄いな」
「羨ましい! 俺もお兄と一緒なんてもう飽きたよ!」
「どういう意味だよ!」
そんな他愛も無い雑談に花を咲かせていたら、どうやら始まるみたいだ。
「良く来てくれたな、お前ら。今日はノアの料理を大盤振る舞いだ。好きなだけ食べて呑んでくれ」
アークがそう言うと、事前に大量に作っておいたのだろう、マジックバッグからさまざまな料理が出て来てあっと言う間にテーブルが埋まった。
「手間のかかる料理は前もって仕込んでおいたけど、簡単なモノはここで作るから、リクエストあったら俺が作れるモノは作るよ」
そう言われて、俺は早速ステーキを頼んだ。
「お兄、野菜も食べて!」
「ルル、スープが具だくさんだから、出来るまで飲ませてやって?」
ノアがクスッと笑ってそう言ったのを、周りの皆が見蕩れていた。
即座にアークの軽い威圧がとんできたが。
マスターのサウスも今日はノアの手伝いにまわっていて、出来た料理を運んだり飲み物を持ってきたりと大忙しだった。
「マスターは飲まねえの?」
「今日は全面的にノアの手伝いだ。昼間から飲まねえよ。それに料理の幾つかはレシピを貰うことになってる。それの対価だ」
「え!! じゃあこの料理のどれかは今度ここでも食えるってこと?!」
「ノア程の味になるかは努力次第だがな」
「やった! 頼むぜ、マスター!!」
苦笑交じりで言うサウスに、大喜びのギギ達。
いつしか、ギルマスや他の冒険者達、ギルド職員も混じって大騒ぎの宴会になった。
ギギとルルは厨房で料理をするノアをチラッと見た。
何時もは人見知りでぴるぴるしているノアが今日は割と平気らしい。
───人見知りが出ないくらい何か良いことでもあったのかな?
ルルとそんな話をしながら、夕方近くまで呑んで食って騒いだ。
「「「「ノア、アーク! ご馳走様ー! そしてSランク昇級おめでとうー!!」」」」
『深緑』が最後に締めて、周りから『今頃かよ!』『祝いは普通最初だろ───!』と大笑いで突っ込まれていた。
「今日は楽しかった。ありがとう。気をつけて帰ってね」
「ありがとう、またな」
ノアとアークがそういって皆を送り出し、片付け始まったのを見て、俺とルルも手伝いにまわる。
「ギギ達、そんな事いいよ?」
「いやいや、俺達がやりたいんだ。凄く美味い料理で、ありがとうの気持ちだ」
「───じゃあ、遠慮なく」
まあ、魔法であっと言う間に綺麗になるが、椅子やテーブルを整えるのは無理だしな。
・・・・・・あと、聞きたいこともあったし。
すっかり片付いた頃に、アークにコソッと耳打ちをした。
『実はこの前ノアを見てアリテシアと呟いた男がいたんだが・・・・・・』
『───ああ、アレはもう片付いたんだが・・・・・・何か知っているのか?』
『ちょとな・・・・・・それで気になってて』
『じゃあ、この後、俺達の宿に一緒に来てくれ』
『・・・・・・分かった』
そんな事を話して、ルルと一緒にアーク達の宿に共に向かったんだ。
あなたにおすすめの小説
家族に忘れられていた第五王子は愛され生活を送る
りーさん
ファンタジー
アズール王国の王宮には、多くの王子や王女が住んでいる蒼星宮という宮がある。
その宮にはとある噂が広まっていた。併設されている図書館に子どもの幽霊が現れると。
そんなある日、図書館に出入りしていた第一王子は子どものような人影を見かける。
その時、父である国王にすら忘れられ、存在を知られていなかった第五王子の才覚が露になっていく。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
家に帰ったら、妻は冷たくなっていた。突然シングルファザーになった勇者パーティーの治癒師は家族を修復したい
八朔バニラ
ファンタジー
勇者パーティーに所属し、魔王討伐した治癒師(ヒーラー)のゼノスは街の人々の歓声に包まれながら、3年ぶりに家に帰った。家族が出迎えてくれると思ったが、誰も出迎えてくれない。ゼノスは不満に思いながら家に入ると、妻の身体は冷たくなっていた。15歳の長男ルミナスはゼノスの代わりに一家の柱として妹を守り抜き、父に深い拒絶のこもった瞳を向けていた。そして、8歳の長女ミリアは父の顔も忘れていた。
ゼノスは決意する。英雄の肩書きを捨て、一人の不器用な父親として、バラバラになった家族の心を繋ぎ合わせることを。
これは世界最強の治癒師が家族を修復する物語である。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました
あと
BL
「お兄ちゃん!一肌脱ぎます!」
完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け
可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…?
攻め:ヴィクター・ローレンツ
受け:リアム・グレイソン
弟:リチャード・グレイソン
pixivにも投稿しています。
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
外れ伯爵家の三女、領地で無双する
森のカフェしっぽっぽ
ファンタジー
十三歳の少女アイリス・アルベールは、人生を決める「祝福の儀」で“ゴミスキル”と蔑まれる《アイテムボックス》を授かってしまう。戦えず、稼げず、価値もない――そう断じた家族は、彼女を役立たずとして家から追放する。さらに、優秀なスキルであれば貴族に売り渡すつもりだったという冷酷な真実まで明かされ、アイリスはすべてを失う。
だが絶望の中、彼女は気付く。この世界が、自分がかつてやり込んだVRMMORPG『メデア』そのものであることに。
そして思い出す――
《アイテムボックス》には、ある“致命的なバグ”が存在することを。
市場で偶然を装いながらアイテムを出し入れし、タイミングをずらすことで発生する“複製バグ”。それは、あらゆる物資を無限に増やす禁断の裏技だった。
食料も、装備も、資金も――すべてが無限。
最底辺から一転、誰にも真似できないチートを手にしたアイリスは、冒険者として歩み始める。だがその力はやがて、経済を歪め、権力者の目に留まり、そして世界の“仕様そのもの”に干渉していくことになる。
これは――
ゴミと呼ばれた少女が、“世界の裏側”を掌握する物語。
魔物に嫌われる「レベル0」の魔物使い。命懸けで仔犬を助けたら―実は神域クラスしかテイムできない規格外でした
たつき
ファンタジー
魔物使いでありながらスライム一匹従えられないカイルは、3年間尽くしたギルドを「無能」として追放される。 同世代のエリートたちに「魔物避けの道具」として危険な遺跡に連れ出され、最後は森の主(ヌシ)を前に囮として見捨てられた。
死を覚悟したカイルが崩落した壁の先で見つけたのは、今にも息絶えそうな一匹の白い仔犬。 「自分と同じように、理不尽に見捨てられたこの子だけは助けたい」 自分の命を顧みず、カイルが全魔力を込めて「テイム」を試みた瞬間、眠っていた真の才能が目覚める。