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連載
130 知己朋友 1
※『乗りかかった舟』の話でノアの父親の名が出てましたが、削除しました。
今回のが正式です。スミマセン。
無事にヴァンの従魔登録が終わり、これから迷宮の整備や検証があるというので、何かあれば宿に連絡して貰うように言って、一旦宿の部屋に戻ってノアに防音結界を重ねがけして貰う。
ノアとアークは椅子に座り、ヴァンは床のふわふわなラグの上にお座りしていた。
もちろん宿にも断って、キチンと浄化魔法できれいになっている。
「---さて、ヴァンには聞きたいことがある」
アークが真剣な顔でヴァンを見つめた。
ノアも、何時も無表情だが、ことさらにスンッとしている。
「あの迷宮のボス部屋で言ってた事だ」
『・・・・・・ああ、リンドヴルムの子の事か?』
「まあ、そうなんだが・・・ヴァンは、何を何処まで知っているんだ?」
何処から聞けば良いのか考えあぐねているのだろう、アークが口籠もった。
『・・・何処まで、というか・・・ふむ。とりあえずノアはリンドヴルムの血を分けた息子だということは分かる』
「---それ、そのリンドヴルムって竜人がノアの父親の名なのか?」
『そうよ。・・・ああ、彼奴も通り名を名乗っておったな。冒険者としてはそちらが知られておろう。通り名はリンデンだ』
その名に聞き覚えがあるのか、アークがハッとした。
「大賢者の冒険者PTの竜人の名が確かリンデンだと聞いた。・・・そうか、やはりその人か」
精霊王に聞かされた話と一致する。
『リンドヴルムは我の知己朋友であり、我に通り名を付けた金竜にして古竜よ』
「「・・・・・・エンシェントドラゴン?!」」
---ちょっと待て!
今、おかしな言葉を聞いたんだが・・・?!
・・・金竜は分かる。ノアの翼は黄金色だったし。
でも待て、古竜って、あの古竜?!
嘘か実か創世の時代から生きているっていう、伝説のアレ?!
ノアとアークがまだ飲み込めぬうちに、淡々と話し始めるヴァン。
『彼奴とは1000年ほどの付き合いになるかの。彼奴は竜人の姿で冒険者としてあちこち旅をしながら、番いを探していると言っておった』
1000年前って、その時は一体何歳だったんだ。
『何千年か経つが未だにおらんのだと。いないかも知れんが、他にする事もないから冒険者をしてあちこち探しているのだと。そんな中、たまたま我と意気投合して通り名を貰い、一緒に番い探しの旅に付いてまわったのだ』
懐かしそうに目を細めて話すヴァンに、少し冷静になったアークが質問をした。
「そのリンドヴルムが冒険者のリンデンでノアの父親ってのは確定なんだな?」
『おう。なんせ漸く見つけたリンドヴルムの番いであるアリテシアが身籠もっていたのを知っておったからの。魔力が胎の子と同じよ。そも、母親に瓜二つだしな』
「---アリテシア・・・母さんの事も知っているんだね」
ノアが寂しげに問いかける。
『・・・うむ。美人で儚げで、だが芯は強くて心優しい番いだった。・・・・・・あんなコトになるまでは、幸せいっぱいだったのになあ・・・』
「---ソレは、アリテシアが誘拐されて番いと引き離されたという・・・アレか?」
『知っておるのか。そうだ。リンドヴルムが依頼で数日側を離れた隙に攫われた。その時は我もセイクリッド・リョーゼンにたまたま帰省していて、気付いたときにはすでに手遅れだったよ』
急いで後を追ったが間に合わず、すでにアリテシアは古の森に逃げ込み、その後、儚くなったと聞いた。
我は竜人ではないため、古の森には入れなかったのだ。
アリテシアを攫ったヤツらは我がひとり残らず噛み殺してやったが・・・。
『・・・あの後は地獄だった・・・』
番いを失った竜人の末路、というか・・・。
『攫ったヤツらはリンドヴルムを優秀なだけの単なる竜人と思っていたのだろうが、実は金竜で古竜だったのだからの。最愛の番いを喪い、半ば狂竜となったリンドヴルムを止められる者はほとんどおらん。冒険者仲間だったラグナロクと我が死ぬ覚悟で彼奴を封印したのよ・・・』
---リンドヴルムとの戦闘で我らが精も根も尽き果てた頃、一瞬だけ、リンドヴルムが正気に戻った。
その時に彼奴が言ったのだ。
『俺を封印してくれ、と』
「---リンドヴルムが? 自身を?」
『ああ。さすがに古竜を斃すのは無理だったのでな。彼奴自身、ソレを分かっておったのだろう。故に、自身の力を極限まで抑え込んで赤子のように小さくなって硬い殻に閉じ籠もったのよ。ソレを我とラグナロクが己の魔力を限界まで使って封印の魔法陣で囲い、結界魔法を施して漸く封印したのだ』
その後はお互い、力尽きて暫く寝込んだが。
少しして、ラグナロクはやることがあると去って行った。
その後のラグナロクの事は我は分からなかったが・・・。
『正気に戻ったあの時、おそらく精霊王が助けた我が子が目覚めたのを感じ取ったのだろう。番いの忘れ形見の為に己を封印することに決めたのだ。・・・今頃は夢現でアリテシアと一緒に息子と過ごす夢を見ているのかもな・・・』
ヴァンは寂しげに遠くを見つめていた。
今回のが正式です。スミマセン。
無事にヴァンの従魔登録が終わり、これから迷宮の整備や検証があるというので、何かあれば宿に連絡して貰うように言って、一旦宿の部屋に戻ってノアに防音結界を重ねがけして貰う。
ノアとアークは椅子に座り、ヴァンは床のふわふわなラグの上にお座りしていた。
もちろん宿にも断って、キチンと浄化魔法できれいになっている。
「---さて、ヴァンには聞きたいことがある」
アークが真剣な顔でヴァンを見つめた。
ノアも、何時も無表情だが、ことさらにスンッとしている。
「あの迷宮のボス部屋で言ってた事だ」
『・・・・・・ああ、リンドヴルムの子の事か?』
「まあ、そうなんだが・・・ヴァンは、何を何処まで知っているんだ?」
何処から聞けば良いのか考えあぐねているのだろう、アークが口籠もった。
『・・・何処まで、というか・・・ふむ。とりあえずノアはリンドヴルムの血を分けた息子だということは分かる』
「---それ、そのリンドヴルムって竜人がノアの父親の名なのか?」
『そうよ。・・・ああ、彼奴も通り名を名乗っておったな。冒険者としてはそちらが知られておろう。通り名はリンデンだ』
その名に聞き覚えがあるのか、アークがハッとした。
「大賢者の冒険者PTの竜人の名が確かリンデンだと聞いた。・・・そうか、やはりその人か」
精霊王に聞かされた話と一致する。
『リンドヴルムは我の知己朋友であり、我に通り名を付けた金竜にして古竜よ』
「「・・・・・・エンシェントドラゴン?!」」
---ちょっと待て!
今、おかしな言葉を聞いたんだが・・・?!
・・・金竜は分かる。ノアの翼は黄金色だったし。
でも待て、古竜って、あの古竜?!
嘘か実か創世の時代から生きているっていう、伝説のアレ?!
ノアとアークがまだ飲み込めぬうちに、淡々と話し始めるヴァン。
『彼奴とは1000年ほどの付き合いになるかの。彼奴は竜人の姿で冒険者としてあちこち旅をしながら、番いを探していると言っておった』
1000年前って、その時は一体何歳だったんだ。
『何千年か経つが未だにおらんのだと。いないかも知れんが、他にする事もないから冒険者をしてあちこち探しているのだと。そんな中、たまたま我と意気投合して通り名を貰い、一緒に番い探しの旅に付いてまわったのだ』
懐かしそうに目を細めて話すヴァンに、少し冷静になったアークが質問をした。
「そのリンドヴルムが冒険者のリンデンでノアの父親ってのは確定なんだな?」
『おう。なんせ漸く見つけたリンドヴルムの番いであるアリテシアが身籠もっていたのを知っておったからの。魔力が胎の子と同じよ。そも、母親に瓜二つだしな』
「---アリテシア・・・母さんの事も知っているんだね」
ノアが寂しげに問いかける。
『・・・うむ。美人で儚げで、だが芯は強くて心優しい番いだった。・・・・・・あんなコトになるまでは、幸せいっぱいだったのになあ・・・』
「---ソレは、アリテシアが誘拐されて番いと引き離されたという・・・アレか?」
『知っておるのか。そうだ。リンドヴルムが依頼で数日側を離れた隙に攫われた。その時は我もセイクリッド・リョーゼンにたまたま帰省していて、気付いたときにはすでに手遅れだったよ』
急いで後を追ったが間に合わず、すでにアリテシアは古の森に逃げ込み、その後、儚くなったと聞いた。
我は竜人ではないため、古の森には入れなかったのだ。
アリテシアを攫ったヤツらは我がひとり残らず噛み殺してやったが・・・。
『・・・あの後は地獄だった・・・』
番いを失った竜人の末路、というか・・・。
『攫ったヤツらはリンドヴルムを優秀なだけの単なる竜人と思っていたのだろうが、実は金竜で古竜だったのだからの。最愛の番いを喪い、半ば狂竜となったリンドヴルムを止められる者はほとんどおらん。冒険者仲間だったラグナロクと我が死ぬ覚悟で彼奴を封印したのよ・・・』
---リンドヴルムとの戦闘で我らが精も根も尽き果てた頃、一瞬だけ、リンドヴルムが正気に戻った。
その時に彼奴が言ったのだ。
『俺を封印してくれ、と』
「---リンドヴルムが? 自身を?」
『ああ。さすがに古竜を斃すのは無理だったのでな。彼奴自身、ソレを分かっておったのだろう。故に、自身の力を極限まで抑え込んで赤子のように小さくなって硬い殻に閉じ籠もったのよ。ソレを我とラグナロクが己の魔力を限界まで使って封印の魔法陣で囲い、結界魔法を施して漸く封印したのだ』
その後はお互い、力尽きて暫く寝込んだが。
少しして、ラグナロクはやることがあると去って行った。
その後のラグナロクの事は我は分からなかったが・・・。
『正気に戻ったあの時、おそらく精霊王が助けた我が子が目覚めたのを感じ取ったのだろう。番いの忘れ形見の為に己を封印することに決めたのだ。・・・今頃は夢現でアリテシアと一緒に息子と過ごす夢を見ているのかもな・・・』
ヴァンは寂しげに遠くを見つめていた。
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