85 / 641
連載
151 ノーザンクロスの街で(sideギギ&ルル兄弟)
オーガスタの街でアーク達と別れたあと、俺達は故郷を目指していた。
俺達の故郷の魔王国は竜王国とは反対に位置する。
アーク達が北に向かったのに対し、俺達は南に向かっていた。
途中ノアと大賢者が住んでいたという街を通ったが、どうやら獣王国のガサ入れがあったらしく、新しい領主に第5王子を据えて、冒険者ギルドもギルマスが変わっていた・・・というか、親父のPT仲間だった魔人族の息子のウロボロスだった。
まじか・・・。
せっかくだからと情報交換をすることに。
アーク達から聞いていたこの街でのノアの様子を話すと憤っていた。
そして詳しくは言えないが、ノアがかつて親父達が助けようとした黒兎人の青年の息子だったことを告げると、涙ぐんで自分の父親にも知らせると言った。
俺達もこれから一度帰る旨を伝えると、よろしく言ってたと伝えてくれと頼まれた。
任せとけ!
ちなみにここで知った『ノアとアークを見守り隊』に身内枠?で入隊させて貰った。
各ギルドでノアには内緒で密かに情報をやり取りして見守っているのだと。
アークの公認だそうだ。
というか、発案者だとか・・・。
---パねえな、竜人・・・。
ウロボロスも親父さん達絡みでノアの母親の青年の事に心を痛めていたから、なおのこと張り切っていたな。
俺達も行く先々で2人の情報が得られるのは助かる。
そうして黙々と旅を続ける間もギルド経由でアーク達の情報を得ていると、なんだかオーガスタでノアがSランクになったとか初踏破したとか、挙げ句は要塞都市でスタンピードを2人で止めて、新迷宮も踏破しただと?!
俺達が故郷で親父に土産話をしている間に面白え事になっていやがる・・・!
「---そうか。彼の腹の子は無事に育って、元気に生きているのだな・・・良かった。本当に・・・ありがとう、ギギ、ルル・・・良く知らせてくれた」
嬉し泣きをする親父にノアの面白い話を聞かせたりして数日過ごし、ノア達を追いかけるべく旅支度を整えて。
「・・・・・・じゃあ、アイツらに会いに竜王国に向かうわ」
「また暫く留守にするけど、元気で過ごしてね」
「おう、良い知らせを貰ったから元気になったわ! お前達も気を付けてな!」
そういって再びアーク達を追う日々。
必要最低限の寄り道だけで、ひたすら進んで今日、ノーザンクロスの街に辿り着いた。
そろそろ追いつけそうだと思いながらギルドの扉を開けてみると・・・。
「久しぶりだな、ギギとルル」
アークの声が聞こえてハッとすれば、アークとノア・・・とフェンリルが見えた。
「---!! ああ、アーク、とノアも!」
久しぶりだとわいわいして、宿に案内して貰う。
「いやあ、やっと追い着いた。親父にはちゃんと伝えてなあ、めちゃくちゃ喜んでいたよ。ありがとうな」
「うんうん、ありがとう」
「俺は別に何もしてないよ? でも良かったね」
俺達が御礼をいうと、相変わらずキョトンとしていたが、その後、微笑んだ。
ずいぶんと表情が出るようになったか?
「---ねえアーク。ノア、結構笑うようになった?」
「ん? ああ。だいぶ感情が出るようにはなってきたかな? 人見知りはまだ結構酷いけど」
俺の意を汲んだようにルルがアークに聞くと、そう応えた。
ふむ、良いことだ。
だいぶ人慣れもしてきたんだろう。
「良かったね、ノア」
「? うん?」
ルルがノアの頭を撫ぜると、分かってないノアが首を傾げながらも嬉しそうにはにかむ。
「---!! あーもー可愛過ぎっ!! アーク、一日俺にノアを貸して!!」
「するわけねえだろ!!」
ルルが思わずという感じで叫ぶが速攻で却下された。
いや、当然だろうが。
ルルもたまに暴走するからなあ・・・。
そんな感じでわいわいがやがやと宿へ向かって行った。
---無事に部屋は確保出来たが・・・・・・。
ツインの空きが無く、ダブルの部屋しか残ってなかった。
鎮魂祭のおかげで他の宿も満室だろうとのことで、仕方なく取ったが・・・。
・・・・・・何が悲しくて双子の兄弟でベッド一つ・・・しかもいい歳した巨体が2人・・・。
いや十分寝られるサイズだけど!
それを想像したのか、アークが腹が捩れるほど大笑いして・・・。
俺はアークの頭をべしっと叩き・・・。
ノアは何が面白いのか分からずに、苦虫をかみつぶしたような顔のルルの抱き枕になっていた。
カオス・・・。
あなたにおすすめの小説
家族に忘れられていた第五王子は愛され生活を送る
りーさん
ファンタジー
アズール王国の王宮には、多くの王子や王女が住んでいる蒼星宮という宮がある。
その宮にはとある噂が広まっていた。併設されている図書館に子どもの幽霊が現れると。
そんなある日、図書館に出入りしていた第一王子は子どものような人影を見かける。
その時、父である国王にすら忘れられ、存在を知られていなかった第五王子の才覚が露になっていく。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
家に帰ったら、妻は冷たくなっていた。突然シングルファザーになった勇者パーティーの治癒師は家族を修復したい
八朔バニラ
ファンタジー
勇者パーティーに所属し、魔王討伐した治癒師(ヒーラー)のゼノスは街の人々の歓声に包まれながら、3年ぶりに家に帰った。家族が出迎えてくれると思ったが、誰も出迎えてくれない。ゼノスは不満に思いながら家に入ると、妻の身体は冷たくなっていた。15歳の長男ルミナスはゼノスの代わりに一家の柱として妹を守り抜き、父に深い拒絶のこもった瞳を向けていた。そして、8歳の長女ミリアは父の顔も忘れていた。
ゼノスは決意する。英雄の肩書きを捨て、一人の不器用な父親として、バラバラになった家族の心を繋ぎ合わせることを。
これは世界最強の治癒師が家族を修復する物語である。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました
あと
BL
「お兄ちゃん!一肌脱ぎます!」
完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け
可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…?
攻め:ヴィクター・ローレンツ
受け:リアム・グレイソン
弟:リチャード・グレイソン
pixivにも投稿しています。
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
外れ伯爵家の三女、領地で無双する
森のカフェしっぽっぽ
ファンタジー
十三歳の少女アイリス・アルベールは、人生を決める「祝福の儀」で“ゴミスキル”と蔑まれる《アイテムボックス》を授かってしまう。戦えず、稼げず、価値もない――そう断じた家族は、彼女を役立たずとして家から追放する。さらに、優秀なスキルであれば貴族に売り渡すつもりだったという冷酷な真実まで明かされ、アイリスはすべてを失う。
だが絶望の中、彼女は気付く。この世界が、自分がかつてやり込んだVRMMORPG『メデア』そのものであることに。
そして思い出す――
《アイテムボックス》には、ある“致命的なバグ”が存在することを。
市場で偶然を装いながらアイテムを出し入れし、タイミングをずらすことで発生する“複製バグ”。それは、あらゆる物資を無限に増やす禁断の裏技だった。
食料も、装備も、資金も――すべてが無限。
最底辺から一転、誰にも真似できないチートを手にしたアイリスは、冒険者として歩み始める。だがその力はやがて、経済を歪め、権力者の目に留まり、そして世界の“仕様そのもの”に干渉していくことになる。
これは――
ゴミと呼ばれた少女が、“世界の裏側”を掌握する物語。
魔物に嫌われる「レベル0」の魔物使い。命懸けで仔犬を助けたら―実は神域クラスしかテイムできない規格外でした
たつき
ファンタジー
魔物使いでありながらスライム一匹従えられないカイルは、3年間尽くしたギルドを「無能」として追放される。 同世代のエリートたちに「魔物避けの道具」として危険な遺跡に連れ出され、最後は森の主(ヌシ)を前に囮として見捨てられた。
死を覚悟したカイルが崩落した壁の先で見つけたのは、今にも息絶えそうな一匹の白い仔犬。 「自分と同じように、理不尽に見捨てられたこの子だけは助けたい」 自分の命を顧みず、カイルが全魔力を込めて「テイム」を試みた瞬間、眠っていた真の才能が目覚める。