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261 遂に元凶現る
しおりを挟む「---ちょっと!! 煩いわねえ!!」
不意に聞こえた金切り声にアーク達はピタリと動きを止めた。
声が聞こえた方はアーク達が更地にした場所。
全員が振り返ると、そこにいたのは・・・。
妖艶な細い金髪銀目の美人な青年と、金髪銀目の---ノアだった。
「・・・・・・ノア? どうして、その髪の色・・・」
「無事か?! ---ノア?!」
「ノア、何で金髪・・・?!」
「「ノアちゃん!!」」
『---これは、操られておるの。彼奴の手に落ちたか・・・?』
アークが呆然として呟く。
ギギ達もレオン達も、驚き声を上げた。
ヴァンは冷静に様子を窺っている。
ノアは隣の青年に腰を抱かれて立っているが、アーク達の声に全く反応が無い。
ガラス玉のような銀の瞳は焦点が合っておらず、虚ろに何処か遠いところを見つめているようだった。
---その容姿も相まってまさしく精緻な人形のようだった。
「ふふっ、良いでしょ? この金の髪はアタシのお気に入りなのよ。ほら、アタシと一緒!! 瞳だって綺麗な銀色で、他のヤツらとは違って透き通ってて・・・。アイツらはアタシがチョロッと夢を見せたらあっと言う間に瞳が濁っちゃってさぁ・・・汚らしいったら無いわぁ!」
そう言ってニヤニヤ笑う。
・・・コイツがカフカが予想した『夢魔』なんだろう。
夢を見せたと言っていたし。
おそらくノアも夢を強制的に見せられているのだろう。
「その分、この子はかなり抵抗されたけど、結果的に綺麗なままアタシのモノになったわ。漸く思い通りになってきてコレから蜜月を過ごすはずだったのに、お前達がイイトコロで邪魔をするから!!」
キーッと叫びながら言った言葉に、アーク達は一様に安堵した。
コレからということは、あんな状態にはなっているが貞操の危機はぎりぎり間に合ったということ。
その事に一番安心したのはアークだった。
アイツに触れられている事だけでも気が狂いそうなのに性交渉を持ったなんて事になったら、それこそお清めからの監禁コース一直線だった。
「---お前がこの『箱庭の迷宮』に棲み着いたヤツで良いんだよな?」
ソイツはアークの地を這うような声にキョトンとしてからニタァと笑うと言った。
「そうよぉ。アタシがこの『箱庭の迷宮』の迷宮の支配者、夢魔のダンダリアンよぉ。ヨロシクねぇ。望むならどんな姿にもなってあげるわ。そうして心を操って気持ちいいことしてあげると、みーんなアタシに堕ちるわよ?」
そう言って人形のようなノアの頬に掌をあてると、見せつけるようにゆっくりと顔を近づけ、反対側の頬に口付けをした。
それもリップ音付きで・・・。
その時、ノアの眉が一瞬ぴくっとしたような気がする・・・が、気のせいかもしれない。
アークの方がめちゃくちゃ眉を顰めていた。
何なら殺気と威圧が出ている。
それをモノともしないのは大物なのか、単に鈍いのか・・・。
---ふと、元ギルマスを思い出したのは偶然か・・・。
「ふふふ、ああアンタ、この子の番いなんでしょ? ざーんねん! この子はコレからアタシとイイコトするのよ。だから邪魔しないでくれる?」
全く身じろぎせずにされるがままのノア。
それを見つめて歯ぎしりするアーク達。
勝ち誇ったようにニタリと笑って見やるダンダリアン。
すぐ側でノアに密着しているため、手が出せない状況に、アーク達は焦れていた。
そんな中、ダンダリアンは話を続けた。
「ふふっ、この子はねえ、リンデンの血を引いてるのよねえ」
「!!」
---どうしてそれを・・・?!
皆がダンダリアンを注視した。
それを気にかけずに一人話を続けるダンダリアン。
「アタシが昔一目惚れしてずーっとずーっと、どんなところでも行けるところはついていって、こっそり影から見守っていたの。彼・・・格好良くて素敵だったなあ・・・」
---コイツ、ストーカーか?!
おそらく皆の心の声が一致しただろう。
コイツ、ノアの父親のリンドヴルム・・・リンデンのガチなストーカーだったようだ。
だからノアの中に父親の気配を見つけて、探していた・・・ということか。
※何とか出来たので予約投稿出来ます。
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