拾われた俺、最強のスパダリ閣下に全力で溺愛されてます 迷い子の月下美人

エウラ

文字の大きさ
201 / 621
連載

267 オトシマエ 1

しおりを挟む

実はめちゃくちゃ怒っていたということが分かった精霊王だったが、その後、詳しく話を聞くと・・・。

《この蔓性植物は、我が改良したいにしえの森の植物でな、我が壊そうとか許しを与えるとき以外では切れない蔓なのだ。そしてこの蔓は中のモノの魔力栄養をぎりぎりまで吸収して花をつける》
「・・・・・・それって・・・」
「・・・まさか、生命維持に必要な分以外を吸い取るってヤツ?」

ギギルル兄弟が思い至って、思わず呟く。

《そうさの。中のモノの寿命が尽きるまで吸い取って花を咲かせ続ける。そして咲いた花はの実をつけるのだよ。不要な魔力の再利用・・・素晴らしいだろう?》

言外に『お前の生存価値はそれだけ』といっているようなモノだった。

---精霊王って、実は恐ろしい・・・・・・?!

ノアと同列で怒らせたら恐い方だ・・・と全員が認識したのだった。

「・・・ところで、コイツって今、迷宮の支配者ダンジョンマスターじゃない? 迷宮ココから切り離して大丈夫なの? いや、迷宮の方が心配なんだけど」

ルルが戸惑いつつもそう言ってきた。
それにいたって普通に応える精霊王。

《何、まだ迷宮と接して日も浅いし、少ーし干渉出来るくらいの些細な関係性なのでな、全く問題ない。時間が経てばすぐに元の迷宮に戻るさ》
「・・・・・・日も浅いって・・・でも、ゆうに200年はココに居たんだよね?」
「・・・精霊王の感覚だと、瞬き一つくらいなんじゃねえの? 大体、精霊王って何歳なん---うわ、藪蛇だった!」

またしてもギギの失言に、シェイラがチラッと睨んだ。

「・・・学習しないねえ」

やれやれと深ーい溜息を吐くルルに苦笑いのレオン達だった。

「---そういえばさ、コイツってアリテシア母さんの仇なんだよね?」

スンッとした顔でノアがそう言った。
先ほど、ノアは全部憶えていると言っていた。
操られていたときのことも全部聞いて憶えていると。

ノアの言葉に、まさか聞かれていたとは思わなかったのか、ダンダリアンは檻の中で真っ青な顔になった。

「ああ、そう言ってたな」
「「言ってた」」
「バッチリ聞いたよ」
「おう。巫山戯んなって感じだったぜ」
『此奴のせいで・・・許すまじ!』

アークを筆頭にヴァンも思わず呻ると叫んだ。

それを知らなかった精霊王は目を瞠った後、イイコトを聞いたとでも言いそうな黒い笑顔でニヤリと笑った。

《ほお・・・初耳だの。それならばもっと仕置きをせねばなあ・・・?》

そう言ってブツブツと独り言を言い始めた精霊王。
時折漏れ出る単語にあらぬ想像をしてしまい、皆、戦々恐々としてしまった。

---いやだって『蔓でたまに締め付けて』とか『古の森の魔獣の群れの中に置き去りに』とか聞こえるんだけど!

もちろん誰一人として同情なんかはしないけども。

出来れば八つ裂きにしてやりたいが、リンデン当人が自分の手でやりたいだろうし、何より今回の事件の重罪人なので生きて冒険者ギルドに連れて行かないと、だし。

「精霊王、そんなんでも今回すぐには殺れないから、無力化して連れて行って。後で好きにしていいと言われたらな。殺るのはコイツが一瞬で楽になるから駄目だ」
「この先、死ぬ瞬間まで苦しめば良い」

アークに続いてノアも絶対零度の銀の瞳を向けてそう言いきった。

---本当は腸が煮えくりかえっているよな。

アークはノアを甘やかし構い倒そうと心に誓った。

精霊王を何とか宥めすかして、蔓の檻の中のダンダリアンにノアがその場で錬成した魔法使用不可の首枷を嵌め、騒がれると煩いので『沈黙サイレス』の魔法をかけてから、迷宮内の転移の水晶に触れて迷宮の出入り口に転移した。

ちなみに、蔓の檻は精霊王の力でギュッと圧縮されて、今は手のひらサイズの球体に縮んでいる。
これも精霊王のさじ加減で大きさは自由自在だ。
当然、元のサイズよりは大きくならないが。



「---っ!! お帰りなさいませ!! 皆様、無事で・・・っ!」

迷宮から転移した瞬間、ギルド職員が気付いて駆け寄ってきた。

どうやら先に精霊王が転移させた冒険者達の介抱やら何やらで人手を増やして対応していたらしい。
見ると何人もの職員や冒険者達が忙しなく動き回っていた。


「---無事に戻られたようで何よりです」

アーク達に近付いてきてそう声をかけたのはサブギルマスのラミエルだった。
連絡を受けて、行方不明だった冒険者達の後始末に来たのだろう。
中には問題の王子もいただろうし。

それともそろそろ問題解決になりそうと踏んでいたのか?

---有り得るな。

暗部のような仕事をしていたそうだから、何かしら分かるのかもしれない。

アーク達の気持ちを察したのか、にっこりと人好きのする微笑みを見せる腹黒ラミエルだった。













しおりを挟む
感想 1,541

あなたにおすすめの小説

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結保証】

星森 永羽
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。 だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。 しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。 王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。 そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。 地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。 ⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。

悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?

  *  ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。 悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう! せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー? ユィリと皆の動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新 Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新 プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー! ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!

私と子供より、夫は幼馴染とその子供のほうが大切でした。

小野 まい
恋愛
結婚記念日のディナーに夫のオスカーは現れない。 「マリアが熱を出したらしい」 駆けつけた先で、オスカーがマリアと息子カイルと楽しげに食事をする姿を妻のエリザが目撃する。 「また裏切られた……」 いつも幼馴染を優先するオスカーに、エリザの不満は限界に達していた。 「あなたは家族よりも幼馴染のほうが大事なのね」 離婚する気持ちが固まっていく。

ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。

旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。 前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。 ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。 「この家は、もうすぐ潰れます」 家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。 手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。

五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~

放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」 大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。 生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。 しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。 「すまない。私は父としての責任を果たす」 かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。 だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。 これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。

公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜

上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。 体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。 両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。 せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない? しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……? どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに? 偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも? ……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない?? ――― 病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。 ※別名義で連載していた作品になります。 (名義を統合しこちらに移動することになりました)

美人なのに醜いと虐げられる転生公爵令息は、婚約破棄と家を捨てて成り上がることを画策しています。

竜鳴躍
BL
ミスティ=エルフィードには前世の記憶がある。 男しかいないこの世界、横暴な王子の婚約者であることには絶望しかない。 家族も屑ばかりで、母親(男)は美しく生まれた息子に嫉妬して、徹底的にその美を隠し、『醜い』子として育てられた。 前世の記憶があるから、本当は自分が誰よりも美しいことは分かっている。 前世の記憶チートで優秀なことも。 だけど、こんな家も婚約者も捨てたいから、僕は知られないように自分を磨く。 愚かで醜い子として婚約破棄されたいから。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。