拾われた俺、最強のスパダリ閣下に全力で溺愛されてます 迷い子の月下美人

エウラ

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289 御茶会という名の悪巧み

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※遅くなりました。





離宮内部へ入り、竜王陛下達がまず向かったのは食堂だった。

今は昼過ぎ。

超特急で翔んで来たのだろう竜王陛下達にお茶を振る舞おうと、離宮の使用人達が動き出すが・・・。

「さて、コレより暫くは我ら竜王国の者とそこな冒険者達とで話をするので、人払いの上に防音結界の魔法を使うのでな、この部屋は立ち入り禁止にさせて貰うぞ」
「・・・ですが、御世話をする者がおりませんと」
「イヤ、不要じゃ。ある程度は出来るし、茶も菓子も手元に用意してある。何かあれば呼ぶから大丈夫じゃよ」
「・・・畏まりました。では失礼致します」

竜王であるクリカラがそう言えば、さすがに強くは出られないだろう。
それこそ身内以外は・・・。

使用人が部屋を出たのを確認してノアに防音結界を張って貰う。

「さて、邪魔な者もおらんし、ノアちゃんの結界の威力は確認済みだからな。お前達も遠慮せずに座れ」
「・・・ですが、我々は陛下の護衛で」
「あー、知っているだろうが、ノアちゃんの結界はアークでも破るのはキツいってシロモノだから心配要らないぞ。な?」

ウラノスが近衛騎士達にそう言ってからアークに聞いたら、速攻頷かれた。

「インフェルノでも破壊できないだろうな」
「---分かりました」

苦笑してアークが言った言葉に驚愕しながらも、納得したようで席に着いた。

「ルドヴィカとカイン、スレインも座って良いよ。一緒にお茶を飲もう。この場は無礼講で、普通にしていいから。ね、陛下?」
「よいよい。堅っ苦しいのは疲れるからな」
「では失礼して・・・お前らも楽にしろよ」
「「了解です」」

そうして側近の二人も座ったところでノアがインベントリからお茶とお茶請けの焼き菓子やケーキを取り出して並べる。

「うわ、美味そう」
「いやいや、絶対美味いって!」

ギギルル兄弟が感嘆の声を上げた。
色とりどりのクッキーにふわふわのスポンジケーキ。
それと甘くないスパイシーなクッキーもあった。

「さあ、お好きにどうぞ。・・・あ、毒味してない」
「ノアの物に毒なんて無いだろう? 気にするな」
「そうそう、いっただっきまーす!」

散々餌付けされたアークとギギルル兄弟は気にすること無く、口に運ぶ。
そもそも身に着けている魔導具で毒なんて無効化されるのだし。

「「美味---!!」」
「どれ儂も頂くかの」

陛下も口を付けて、漸く騎士達も食べ始まった。

「それで、肝心のは今何処に?」

ウラノスがアークに尋ねる。

は冒険者ギルドのギルマスに預けてある。明日の協議会の時に一緒に連れて来るはずだ」
「・・・ああ、精霊王の特別製の檻の中なんだっけ?」
「今はね、掌サイズになっていると思う」

アークの応えについでのようにサラッと追加情報を出すノア。

アークの膝にこそ乗っていないが、アークに手ずからあーんと給餌されている。
すっかり慣れたもんである。

「レーゲンも、大祖父様の側近の・・・リュウギさんも遠慮しないで好きなものを食べてね」
「「ありがとうございます」」
「ほら、ノア」
「あーん」

頬を膨らませてもっくもっくと口を動かすノアを見て、全員、ほっこりした。

『和んでいるのも良いが、やることがあるんじゃ無いのか?』

食堂が広いので元のサイズに戻ったヴァンがそうツッコんできて、一同、我に返った。

「そうだった!」
「ヤバい、ノアったら天然さんだから!」
「呑気に食べてる場合じゃない」

皆、お茶を飲んで一息吐くと、内緒話のように声を潜めた。

「・・・・・・どうせ外には結界で聞こえないだろう?」
「何となく?」
「悪巧みっぽくて良いだろう?」
「うんうん、楽しそう」
「・・・・・・ノア・・・・・・まあいいや」

楽しそうなノアに気が抜けながらも、明日からの協議会に向けて皆でこそこそと話し合いをするのであった。



「---というわけで、大筋はそれでいこうかの」
「・・・・・・ソレって、どっちかっていうと外交なんじゃ・・・?」
「コレはついでじゃよ。元凶アレには相応の裁きを受けて貰うが、魔人国としては馬鹿王子の事くらいしか関わっておらんからのう」

おおよその擦り合わせをして、お互いの気持ちや罪に対する処罰の希望を出し合い、皆がそれぞれ納得出来そうな落としどころを探った。

「ノアちゃんはどうなんじゃ?」
「・・・・・・俺としては、もう顔も見たくないし声も聞きたくないから、ソレが可能なら別に良いかな。本当は俺の両親達をあんな目に合わせたヤツをそれこそ塵も残さずに消し去りたい。でもソレをするのは俺じゃないから・・・」

クリカラのインベントリに封印され眠っている父さんリンドヴルムの手でくだされるべき事。

「そうだな。だから、何時になるか分からないけど、アレには苦しみながら長生きして貰わなきゃな」

アークがニヤリと笑う。

皆もニヤリと、黒い笑みで返す。

「その辺りは精霊王も考えているんじゃないかな?」
「---ああ、精霊王もかなり怒ってそうだよねぇ・・・」
「確かに。あの時、目は笑ってなかったもんなぁ・・・」
『明日からの話し合いには、喚ばずとも来そうだよな』

ヴァンの何気ない言葉に、一同、顔を見合わせてから噴き出した。

「違いない!!」

一気に笑いに包まれた食堂だった。

離宮の使用人が晩餐の連絡を伝えに来るまで、和やかに過ごしていたのだった。













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